どくだみ茶とハイネケンビール

来し方の思いや世相への老年の主張

仰げば尊し

2018-03-30 21:46:27 | 世相

先日近くの小学校の卒業式に来賓として出席した。今までも招待はあったが年度末で自治会の総会準備に忙しく欠席をしていたが、今回数十年ぶりに卒業式なるものを観て昔を思い出し懐かしさを感じた。ご多聞に漏れず、卒業生が歌っていた「仰げば尊し」は絶えて久しく、今どきはミュージカルのような歌詞がてんこ盛りのもので、昔のように感傷的なものではない。在校生と卒業生の掛け合い言葉の応酬にも今昔を感じた。
「仰げば尊し」や「蛍の光」の歌詞は今では陳腐なのかしれないが私の世代では今も脈々と心に残っている。だから歌詞も正確に覚えている。曰く
  
 仰げば尊し わが師の恩
 教への庭(校庭?)にも早幾年
 思えばいと疾し この歳月
 今こそ別れめ いざさらば

 互いに睦みし 日頃の恩
 別るる後にも やよ忘るな
 身を立て名を上げ やよ励めよ
 今こそ別れめ いざさらば

 朝夕慣れにし 学びの窓
 蛍の灯火 積む白雪
 忘る間ぞなき 往く歳月
 今こそ別れめ いざさらば

 文語体は簡潔な表現が出来、奥も深い。和歌や漢文読み下しと同じで覚えやすいし、後年になっても味わい深い。成人して「海行(征?)かば」の「・・大君の辺にこそ死なめ・・」を知り、「今こそ別れめ」は古文の授業で習った「ぞ・なん・や・こそ・か」のかかり結びで「今こそ別れましょう」の意であることも知る。
「蛍の灯火、積む白雪」なんぞは中国の故事から来たのであろうし、LEDの白く明るく輝く時代の子供達には想像し難かろう。しかし古人の学問への強い意欲を感じることはできるだろう。
 昔の受験雑誌にも「蛍雪時代」というのがあったのも思い出す。でも文科省は小学生でも古文より英語に力を入れるという時代であるから「仰げば尊し」の復活は夢物語かも知れない。
 しかし台湾ではいまも卒業式に現地の言葉でこの歌が歌われていると聞く。日本の統治下での影響と思われるが嬉しい限りである。参考までに台湾?女性の美しい声での「仰げば尊し」を見つけたので紹介します。

裏山の桜が見ごろでした。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする