来秋の第19回党大会で選任される習近平政権2期目の人事を決める、「北戴河会議」が始まった模様なのだそうです。
19大(中国共産党第19回大会)では、5年毎に改選される、党中央常務委員の人事を決める会議で、「北戴河会議」はその骨格を決める重要な会議であることは、諸兄がご承知の通りで、遊爺も先日触れさせていただいていたばかりです。
来年19大(中国共産党第19回大会)に向けた「北戴河会議」 - 遊爺雑記帳
今回の「北戴河会議」の焦点は3つありひとつ目は、習近平主席の権力を更に集中させるかどうか。二つ目は、習近平の盟友・王岐山を残すことが出来るかどうかの、中央常務委員の定年制度の「七上八下」のルール改正の可否。三つ目が、中国のトップである総書記兼国家主席の選出方法(「隔世後継者選出」)を変更するか否かとの記事を紹介させていただいていました。
この読売の記事では、党中央政治局常務委員の椅子の争奪戦と、定数見直し、定年制度のルール改正を焦点としています。
汚職摘発で習氏の政敵排除に辣腕を振るった王岐山の留任を実現させるための定年制度見直しは、同時に、1922年の20大での人事更新時に2期を終え、69歳となる習近平自身の定年にも連動させる狙いもあると指摘しているのは。この読売の記事のほうが更に深読みしています。
鄧小平が、江沢民の次のトップを胡錦濤と決めた。江沢民らは、胡錦濤の次のトップに習近平を選んだ 「隔世後継者選出」は、習近平の後継者を、江沢民や胡錦濤が決めるのではなく、習近平自身が決める様にする件は、この読売の記事では指摘していませんが、現状の習近平への権力の集中度では、江沢民や胡錦濤にそこまでの力があるかは疑問ですが、「北戴河会議」の伝統が継承されれば、習近平の独断とまでは行かないことにはなります。この点での習近平への権力集中度についても、今回の焦点になりますね。
権力集中を進める習近平。他方、汚職摘発の御旗の下に粛清にあい利権を奪われ勢力を削がれている、江沢民・上海閥や、胡錦濤・共青団派の抵抗のせめぎあいでは、経済の減速継続、直近の南シナ海をめぐる仲裁裁判所判決の「全面敗訴」、といった経済・外交政策での「失点」で攻めどころが生じている点の指摘は、衆目が一致するところですね。
「今年前半に党幹部が習氏を党内で特別な存在である「核心」とこぞって称賛していたような動きはぴたりとやんでいる」との記事の指摘は注目すべき情報です。
1966年5月 毛沢東が内乱・文化大革命を発動してから、50年 - 遊爺雑記帳
習近平を凌ぐ影の実力者が浮上 習近平の独裁者への道は閉ざされた - 遊爺雑記帳
始まった兆候のある「北戴河会議」。胡錦濤から習近平への政権移譲がなされた時、胡錦濤優勢の体制移行がなされる流であったのを、習近平に逆転したのはこの会議が契機でした。
中国の尖閣強硬策は習近平が主導 - 遊爺雑記帳
続 政治局常任委員の椅子は上海派+太子党が逆転か - 遊爺雑記帳
今年の会議の行方が注目されますね。
# 冒頭の画像は、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードでの、習近平、江沢民、胡錦濤、李克強
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19大(中国共産党第19回大会)では、5年毎に改選される、党中央常務委員の人事を決める会議で、「北戴河会議」はその骨格を決める重要な会議であることは、諸兄がご承知の通りで、遊爺も先日触れさせていただいていたばかりです。
来年19大(中国共産党第19回大会)に向けた「北戴河会議」 - 遊爺雑記帳
中国 来秋人事で攻防開始 北戴河会議 党指導者や長老ら集結 (8/3 読売朝刊)
【北戴河(中国河北省)=五十嵐文】中国共産党の指導者や長老らが河北省の避暑地・北戴河に集まり、重要案件の意見調整を行う恒例の「北戴河会議」が始まった模様だ。来秋の第19回党大会で選任される習近平政権2期目の人事を巡る駆け引きが本格化しているとみられる。
■厳重警備
渤海に面した海水浴場。西側一帯は一般人が立ち入れない専用ビーチで、森の中ではオレンジや赤色の屋根の別荘が点在していた。2日午後には、周辺の道路が断続的に封鎖され、武装警察や軍の車両が行き来していた。住民によると、1日も同様の措置が取られていたといい、指導者らが続々と到着している模様だ。
党関係者によると、習指導部に隠然たる影響力を保持する江沢民・元国家主席(89)も参加する見通し。高齢の江氏の健康状態を考慮し、医療機器などを備えた特別室も準備されているという。
■「定年」見直し説
人事の最大の焦点は最高指導部・党政治局常務委員の顔ぶれだ。党関係者によると、現行の7人体制が維持される可能性が高いが、2減して5人とする案や胡錦濤政権の9人に戻す案も浮上しているという。
常務委員は「68歳定年」の慣例に従えば、習国家主席(63)と李克強首相(61)を除く5人が引退することになる。だが、汚職摘発で習氏の政敵排除に辣腕を振るった王岐山・党中央規律検査委員会書記(68)を留任させるため、慣例が見直されるとの観測もある。
王氏の留任説には、習氏個人の思惑への臆測もつきまとう。習氏は、22年の第20回党大会で2期を終え、69歳となる。そのまま引退となるはずの慣例が見直されれば、習氏自身に「続投」の道を開くことにもなる。
■習派VS長老
常務委員は党政治局員(常務委員を除き18人)が昇格するケースが多い。「定年」に達せず留任する見通しの12人のうち、習氏の秘書役である栗戦書党中央弁公庁主任は常務委員入りが有力視される。胡前国家主席の政治基盤「共産主義青年団」(共青団)のエース胡春華・広東省党委書記、前回党大会で常務委員入りが有力視されながら果たせなかった李源潮国家副主席らの処遇も焦点だ。
習氏は2期目人事で主導権を握るため、共青団や江氏の派閥への揺さぶりを強めてきた。7月には、胡錦濤氏の側近だった令計画前共産党中央統一戦線工作部長、江氏が抜てきした郭伯雄前党中央軍事委員会副主席の無期懲役判決を確定させた。江、胡両氏は反発しているとされ、自らに近い幹部を引き上げたい習氏とそれを阻止したい長老らとの駆け引きが過熱しそうだ。
■「新長征」誓う
党内では習氏1人に権力が集中する「1強体制」に近い政治状況が続く。一方で、今年前半に党幹部が習氏を党内で特別な存在である「核心」とこぞって称賛していたような動きはぴたりとやんでいる。
習氏が主導した軍改革や汚職摘発への根強い抵抗に加え、南シナ海をめぐる仲裁裁判所判決の「全面敗訴」、経済の減速継続といった外交・経済政策での「失点」が重なり、「習氏の反対勢力が連携し批判の機会をうかがっている」(党関係者)情勢が背景にあるようだ。
7月下旬、習氏は寧夏回族自治区を視察し、共産党軍(紅軍)が計1万2500キロを行軍した「長征」の記念碑に献花し、「新長征」を進むと宣言。「建国の父」毛沢東が長征を経て指導権を確立したことを念頭に「習氏は人事や政策で自らの路線を突き進む覚悟を示した」。党内事情に詳しい関係者はこう分析した。
【北戴河(中国河北省)=五十嵐文】中国共産党の指導者や長老らが河北省の避暑地・北戴河に集まり、重要案件の意見調整を行う恒例の「北戴河会議」が始まった模様だ。来秋の第19回党大会で選任される習近平政権2期目の人事を巡る駆け引きが本格化しているとみられる。
■厳重警備
渤海に面した海水浴場。西側一帯は一般人が立ち入れない専用ビーチで、森の中ではオレンジや赤色の屋根の別荘が点在していた。2日午後には、周辺の道路が断続的に封鎖され、武装警察や軍の車両が行き来していた。住民によると、1日も同様の措置が取られていたといい、指導者らが続々と到着している模様だ。
党関係者によると、習指導部に隠然たる影響力を保持する江沢民・元国家主席(89)も参加する見通し。高齢の江氏の健康状態を考慮し、医療機器などを備えた特別室も準備されているという。
■「定年」見直し説
人事の最大の焦点は最高指導部・党政治局常務委員の顔ぶれだ。党関係者によると、現行の7人体制が維持される可能性が高いが、2減して5人とする案や胡錦濤政権の9人に戻す案も浮上しているという。
常務委員は「68歳定年」の慣例に従えば、習国家主席(63)と李克強首相(61)を除く5人が引退することになる。だが、汚職摘発で習氏の政敵排除に辣腕を振るった王岐山・党中央規律検査委員会書記(68)を留任させるため、慣例が見直されるとの観測もある。
王氏の留任説には、習氏個人の思惑への臆測もつきまとう。習氏は、22年の第20回党大会で2期を終え、69歳となる。そのまま引退となるはずの慣例が見直されれば、習氏自身に「続投」の道を開くことにもなる。
■習派VS長老
常務委員は党政治局員(常務委員を除き18人)が昇格するケースが多い。「定年」に達せず留任する見通しの12人のうち、習氏の秘書役である栗戦書党中央弁公庁主任は常務委員入りが有力視される。胡前国家主席の政治基盤「共産主義青年団」(共青団)のエース胡春華・広東省党委書記、前回党大会で常務委員入りが有力視されながら果たせなかった李源潮国家副主席らの処遇も焦点だ。
習氏は2期目人事で主導権を握るため、共青団や江氏の派閥への揺さぶりを強めてきた。7月には、胡錦濤氏の側近だった令計画前共産党中央統一戦線工作部長、江氏が抜てきした郭伯雄前党中央軍事委員会副主席の無期懲役判決を確定させた。江、胡両氏は反発しているとされ、自らに近い幹部を引き上げたい習氏とそれを阻止したい長老らとの駆け引きが過熱しそうだ。
■「新長征」誓う
党内では習氏1人に権力が集中する「1強体制」に近い政治状況が続く。一方で、今年前半に党幹部が習氏を党内で特別な存在である「核心」とこぞって称賛していたような動きはぴたりとやんでいる。
習氏が主導した軍改革や汚職摘発への根強い抵抗に加え、南シナ海をめぐる仲裁裁判所判決の「全面敗訴」、経済の減速継続といった外交・経済政策での「失点」が重なり、「習氏の反対勢力が連携し批判の機会をうかがっている」(党関係者)情勢が背景にあるようだ。
7月下旬、習氏は寧夏回族自治区を視察し、共産党軍(紅軍)が計1万2500キロを行軍した「長征」の記念碑に献花し、「新長征」を進むと宣言。「建国の父」毛沢東が長征を経て指導権を確立したことを念頭に「習氏は人事や政策で自らの路線を突き進む覚悟を示した」。党内事情に詳しい関係者はこう分析した。
今回の「北戴河会議」の焦点は3つありひとつ目は、習近平主席の権力を更に集中させるかどうか。二つ目は、習近平の盟友・王岐山を残すことが出来るかどうかの、中央常務委員の定年制度の「七上八下」のルール改正の可否。三つ目が、中国のトップである総書記兼国家主席の選出方法(「隔世後継者選出」)を変更するか否かとの記事を紹介させていただいていました。
この読売の記事では、党中央政治局常務委員の椅子の争奪戦と、定数見直し、定年制度のルール改正を焦点としています。
汚職摘発で習氏の政敵排除に辣腕を振るった王岐山の留任を実現させるための定年制度見直しは、同時に、1922年の20大での人事更新時に2期を終え、69歳となる習近平自身の定年にも連動させる狙いもあると指摘しているのは。この読売の記事のほうが更に深読みしています。
鄧小平が、江沢民の次のトップを胡錦濤と決めた。江沢民らは、胡錦濤の次のトップに習近平を選んだ 「隔世後継者選出」は、習近平の後継者を、江沢民や胡錦濤が決めるのではなく、習近平自身が決める様にする件は、この読売の記事では指摘していませんが、現状の習近平への権力の集中度では、江沢民や胡錦濤にそこまでの力があるかは疑問ですが、「北戴河会議」の伝統が継承されれば、習近平の独断とまでは行かないことにはなります。この点での習近平への権力集中度についても、今回の焦点になりますね。
権力集中を進める習近平。他方、汚職摘発の御旗の下に粛清にあい利権を奪われ勢力を削がれている、江沢民・上海閥や、胡錦濤・共青団派の抵抗のせめぎあいでは、経済の減速継続、直近の南シナ海をめぐる仲裁裁判所判決の「全面敗訴」、といった経済・外交政策での「失点」で攻めどころが生じている点の指摘は、衆目が一致するところですね。
「今年前半に党幹部が習氏を党内で特別な存在である「核心」とこぞって称賛していたような動きはぴたりとやんでいる」との記事の指摘は注目すべき情報です。
1966年5月 毛沢東が内乱・文化大革命を発動してから、50年 - 遊爺雑記帳
習近平を凌ぐ影の実力者が浮上 習近平の独裁者への道は閉ざされた - 遊爺雑記帳
始まった兆候のある「北戴河会議」。胡錦濤から習近平への政権移譲がなされた時、胡錦濤優勢の体制移行がなされる流であったのを、習近平に逆転したのはこの会議が契機でした。
中国の尖閣強硬策は習近平が主導 - 遊爺雑記帳
続 政治局常任委員の椅子は上海派+太子党が逆転か - 遊爺雑記帳
今年の会議の行方が注目されますね。
# 冒頭の画像は、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードでの、習近平、江沢民、胡錦濤、李克強
この花の名前は、キンシバイ
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