遊爺雑記帳

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習主席がたくらむ「新型大国関係作り」外交は失敗 逆に世界から孤立化

2014-07-25 00:34:13 | 中国 全般
 米国と中国の閣僚級が外交や経済の課題について話し合う第6回米中戦略・経済対話が、双方の対立を際立たせる結果に終わったことは、諸兄がご承知の通りで、遊爺も触れさせていただいていました。
 「中国の夢」を頑強に追い求め、協調姿勢の無い習近平中国の姿勢に、米国がようやく気がつき、米国が容認できる範囲にないと考え始めたことがその理由でした。
 そして、ベトナムへの侵略では、ベトナムの頑強な抵抗にあい、世界に中国の暴行が知れ渡り、世界の世論の顰蹙を買い、孤立化してしまいました。
 この事態を、習近平の「紅衛兵外交」の惨敗と評しているのが、石平氏。言い得て妙。

 
米国は、南シナ海に対するアプローチについて2つの大きな結論に達した - 遊爺雑記帳
 米中閣僚級対話 「新しいタイプの大国関係」のすれ違いが顕在化 - 遊爺雑記帳
 
「紅衛兵外交」の惨敗 (7/24 産経 【石平のChina Watch】)

 
本欄は習近平政権の外交政策の特徴を「猪突(ちょとつ)猛進の紅衛兵外交」(2月20日付)と評したことがある。今、このようなむやみな強硬外交が早くも行き詰まりの様相を呈している。
 端的に現しているのが、ベトナムとの「石油掘削紛争」の結末である。
 5月初旬、中国はベトナムと主権争いが続いている海域で石油の掘削を敢行した。南シナ海の利権拡大を目指して、以前の胡錦濤政権が踏み出すことのできなかった決定的な一歩を、習政権はいとも簡単に踏み出した。
 案の定、それがベトナムの猛反発を招いた。両国の公船は掘削現場で対峙(たいじ)・衝突を繰り返し一触即発の状況となった。業を煮やしたベトナム共産党総書記は今月1日、中国との「戦争」にまで言及した。最高指導者の口から出た「戦争」という際どい言葉は、ベトナム側の並々ならぬ決意の表明となった。
 
石油掘削を強行した中国に対する国際社会の批判も高まった。5月のASEAN首脳会議では参加国が一致して中国の行動への「懸念」を表明。ケリー米国務長官は「中国の挑戦だ。この攻撃的な行動を深く懸念している」と中国を名指しで批判し、ASEAN諸国と歩調を合わせた。習政権の無鉄砲な蛮行は結局、中国の孤立を招いた

 今月9、10日に行われた米中戦略・経済対話で米国側は引き続きこの問題を持ち出して南シナ海での中国の一方的な行動を強く批判した。
 そして同15日、中国政府は突如、紛争海域での石油掘削の終了を発表し、撤収を直ちに開始した。鳴り物入りの掘削の興ざめたような結末だが、タイミングから考えれば、1日のベトナム総書記の「戦争発言」と、9日からの米中対話における米国の態度が背後にあったはずだ。
主権を守るために戦争も辞さないベトナムの決意と、ベトナム側に立った米国の強硬姿勢を前に、こうなることを予想もできなかった習政権は不本意な敗退を余儀なくされた

 中国の外交失敗はそれだけではなかった。習主席が就任以来、米国に対して「新型大国関係の構築」を盛んに持ちかけていることは周知の通りだ。昨年6月に習主席が米国を訪問し、オバマ大統領の長時間会談に臨んだときには、米国側も彼の「求愛」にまんざらでもなかった。しかしあれ以来1年間、東シナ海上空での防空識別圏の設定、米国へのサイバー攻撃の継続、南シナ海での傍若無人な攻勢など
習政権のなりふり構わない横暴姿勢を前に、米国の態度が徐々に硬化
してきた。
 そして前述の米中戦略・経済対話において、米国と中国は重大な国際問題に関してことごとく激しく対立し、対話が実質上の物別れとなった。こうした中で、
習主席の熱望する「新型大国関係の構築」も当然ご破算になった

 対話閉幕の当日、
中国人民大学教授で国務院参事の時殷弘氏は香港フェニックステレビの番組で「米国は中国の提案した“新型大国関係”を全然受け入れていない。中国は今後最悪の事態に備えるべきだ」と語ったが、中国政府の高位級ブレーンである彼はこの一言をもって、習主席がたくらむ「新型大国関係作り」が米国側に一蹴され、失敗に終わったことをあっさりと認めた
のである。

 習政権が南シナ海で試みた覇権主義的冒険はベトナムと国際社会からの強い反発を買って失敗しただけでなく、このような冒険的な行為に打って出たことが米国の不信を増幅させ、「新型大国関係作り」に望みをかけた習主席自身の外交戦略をも挫折させた。習主席にとって、まさに元も子もないという惨憺(さんたん)たる結果である。
 習政権は今後一体どう出直してくるのか、習政権自体は一体どうなるのか、引き続き注目したいと思う。



 新政権発足に際し、胡錦濤・共青団が院政を敷くために、党中央政治局常務委員会の椅子争いで優位に推移していた政局を、日本の野田政権の突然で短兵急な尖閣国有化を、胡錦濤主席(当時)が立ち話ながら会談で留まる様要請しながら無視され、国有化を阻止できなかったことから、その足元をすくい、椅子取り争いで逆転勝利を収めた習近平。(遊爺の素人独断推測です。)
 就任後初の訪米で、オバマ氏との面談でぶち上げて一蹴されながらも、パンダハガーを増殖させて、「新しい二大国関係」で一時米国も擦り寄る態度に傾かせることに成功していました。
 石平氏は、「習政権は今後一体どう出直してくるのか」と書かれておられますが、今回の失敗にも懲りることなく、ひたすら自分の夢を中国の夢と掲げ、レームダック化してきている米国を攻め続けることでしょう。ベトナムへの侵略も、世界世論のほとぼりが冷めるのを待って、再攻勢をかけてくるのは、東シナ海での日本とのEEZ境界線上でのガス田開発の例で明らかです。閣僚協議も中断したまま、ほとぼりが冷めたいま、しっかり確保してしまっていますね。
 石平氏もこのあたりは、十分にご承知のはずです。

 ただし、経済成長がかつての、飛ぶ鳥を落とす勢いを失い、バブル崩壊の危機をかかえ、財政出動で凌ぐという自転車操業の今日。政権基盤がいまだ固まらず、不正蓄財を名目に政敵の追い落としをはかっていますが、何時、虎の尾を踏んでしまうか判らない、綱渡りを続けています。
 歴代の主席の様に、任期を全う出来ず、病気入院の声も聞こえていますね。

 「習政権自体は一体どうなるのか、引き続き注目したいと思う。」とは、全く同感ですし、石平氏の情報収集に期待しています。





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1 コメント

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Unknown (アメリカ)
2014-07-25 12:27:43
百田尚樹氏MHKキャスターに異議!
これは放送法に違反。
困った人だ。
百田氏の国会喚問は避けられそうにない
返信する

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