遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日本車EV、米ハイブリッドブームが資金源に

2024-05-19 01:33:55 | 新エネルギー
 電気自動車(EV)か、それともハイブリッド車(HV)か。自動車購入者は両者の優劣をあれこれ議論するが、メーカーはどちらの技術にも投資する必要がある。
 EVで後れを取るが、ハイブリッド車で優位に立つ日本のトヨタ自動車とホンダの2024年3月期決算は、両社ともに過去最高を大きく塗り替える好調さ。
 
 両社は最近の成功をEV推進の手を緩める合図だとは捉えていない。むしろ、技術が比較的成熟したハイブリッド車で荒稼ぎできるおかげで、代替技術に対する積極的な投資が可能になっている。トヨタは2025年3月期に1兆7000億円をEVやソフトウエアなどの「成長分野」に投じると発表。前年の1兆2000億円から増やす。ホンダはEVのサプライチェーン(供給網)に多額の投資を行っていると、WSJのスティーブン・ウィルモット。
 
日本車EV、米ハイブリッドブームが資金源に - WSJ By スティーブン・ウィルモット 2024年5月17日

 電気自動車(EV)か、それともハイブリッド車(HV)か。自動車購入者は両者の優劣をあれこれ議論するが、メーカーはどちらの技術にも投資する必要がある

 
ハイブリッド車で優位に立つ日本のトヨタ自動車とホンダを例に挙げよう。先週発表された2024年3月期決算は、両社ともに過去最高を大きく塗り替える好調さだった。円安も一役買った。両社の最大市場は米国である一方、経費の多くは日本で発生するため、自国通貨安の恩恵を大きく受けるのだ。

 
ハイブリッド技術の人気復活もこれに寄与した。トヨタは1990年代終盤に「プリウス」でハイブリッド車の先駆者となった。自動車評価サイト、ケリー・ブルー・ブックの最新データによると、米国では2月にハイブリッド車の販売台数が前年同月比で62%増加したが、EVの販売台数は減少した。はるかに小さい市場規模のプラグインハイブリッド車(PHV)だけが増加率で上回った。この傾向は欧州でも同様だ。

 
決定的なのは、ハイブリッド車の収益性が高いことだ。米自動車大手のフォードやゼネラル・モーターズ(GM)が販売するEVとはそこが違う。ホンダは10日、米国で販売するハイブリッド車の利益率は普通の車と変わらないが、価格自体が高いと述べた。

 
だがEVで後れを取るトヨタとホンダは、最近の成功をEV推進の手を緩める合図だとは捉えていない。むしろ、技術が比較的成熟したハイブリッド車で荒稼ぎできるおかげで、代替技術に対する積極的な投資が可能になっているトヨタは2025年3月期に1兆7000億円をEVやソフトウエアなどの「成長分野」に投じると発表。前年の1兆2000億円から増やす。ホンダはEVのサプライチェーン(供給網)に多額の投資を行っている

 
主な問題は中国市場だ中国の消費者がEVを選択し、国内ブランドへの満足度を高めるにつれて、外国メーカーの大半は市場シェアを失っている。日本の自動車業界はドイツの同業界ほど深刻な脅威を受けていないが、それでも痛手には違いない。

 
トヨタの24年3月期の税引き前利益に占める中国市場の割合は7%未満で、前年の約半分に低下した。トヨタは2030年までにソフトウエアで機能を高めるEVやプラグインハイブリッド車といった魅力的な製品を売り出す計画だが、先週の記者会見で、発売されるまでの何年かは困難な状況が待ち構えていることを認めた

 
中国以外で起きる中国との競争も問題になる。米バイデン政権は14日、中国製EVに対する輸入関税を引き上げると発表した。欧州も同様の措置を検討中だ。そうなれば、新興国市場だけがより激しい競争にさらされる。現在、東南アジアは日本車にとって重要な市場だが、中国の自動車が生産過剰に陥っているため、間もなく戦場になる可能性がある。

 一方、
疑いの余地がないのは、戦いのためにトヨタが動員できる資金力だ。トヨタは「当たり」の1年を終えた3月末時点で約820億ドル(約12兆7000億円)相当のネットキャッシュを保有していた(金融サービス部門を除く)。サプライチェーンを下支えするため、当面は収益性の低い時期が続くと見込んでいるが、ハイブリッド車ブームや円安が続いていることを考えれば、これは同社の伝統的な保守主義の表れかもしれない

 トヨタのエコシステムには、別々に上場するSUBARUやスズキ、マツダも提携関係を通じて含まれている。このネットワークの外にいる企業、特に
ホンダや日産自動車、三菱自動車にとって、中国の顧客を取り戻せるようなソフトウエアで機能を高めるタイプのEVを開発するのにおじけづくほど多額の投資が必要になる。すでに三菱自は昨年10月、中国での自動車生産から撤退した。ホンダは10日、25年3月期の研究開発費に前年比23%増の1兆1900億円を投じると述べた。

 
リソースの共有は明らかな前進への道だ。日産はすでに三菱自に出資しており、ホンダと日産は3月、将来の技術で提携する検討を始めたと発表した。ただ両社の幹部は先週の決算発表の際、この点に関して明言を避けた。過去には日産と仏ルノー、ホンダとGMが提携で失敗しており、心地よい言葉よりも実のある交渉が必要だと肝に銘じる必要がある。

 「中堅プレーヤーが長期的に独力で生き残るのは難しいと思う」。ロンドンに拠点を置く日本車アナリスト、ジュリー・ブート氏はこう指摘する。

 新しい自動車技術を一つ一つ習得するにはコストが高くつく。最大手の企業以外には、それを負担することすら難しいかもしれない。

------------------------------------------------------------

スティーブン・ウィルモット (Stephen Wilmot) は、ロンドンを拠点とするThe Wall Street Journal's Heard on the Streetコラムの編集者です。編集に加えて、彼は自動車メーカーについてのコラムを書いており、自動車戦略への電気自動車の影響とゼネラルモーターズのような企業への投資のケースにしばしば焦点を当てています

 米国では2月にハイブリッド車の販売台数が前年同月比で62%増加したが、EVの販売台数は減少した。この傾向は欧州でも同様だと、WSJ・スティーブン・ウィルモット。

 決定的なのは、ハイブリッド車の収益性が高いことだ。米自動車大手のフォードやゼネラル・モーターズ(GM)が販売するEVとはそこが違うと。

 だがEVで後れを取るトヨタとホンダは、最近の成功をEV推進の手を緩める合図だとは捉えていない。むしろ、技術が比較的成熟したハイブリッド車で荒稼ぎできるおかげで、代替技術に対する積極的な投資が可能になっている。トヨタは2025年3月期に1兆7000億円をEVやソフトウエアなどの「成長分野」に投じると発表。前年の1兆2000億円から増やす。ホンダはEVのサプライチェーン(供給網)に多額の投資を行っていると、スティーブン・ウィルモット。

 主な問題は中国市場だ。中国の消費者がEVを選択し、国内ブランドへの満足度を高めるにつれて、外国メーカーの大半は市場シェアを失っている。日本の自動車業界はドイツの同業界ほど深刻な脅威を受けていないが、それでも痛手には違いないとも。
 トヨタの24年3月期の税引き前利益に占める中国市場の割合は7%未満で、前年の約半分に低下した。トヨタは2030年までにソフトウエアで機能を高めるEVやプラグインハイブリッド車といった魅力的な製品を売り出す計画だが、先週の記者会見で、発売されるまでの何年かは困難な状況が待ち構えていることを認めたのだそうです。

 中国以外で起きる中国との競争も問題になる。米バイデン政権は14日、中国製EVに対する輸入関税を引き上げると発表した。欧州も同様の措置を検討中。

 米国が中国製EVへの関税率を4倍に引き上げ100%へ|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 現在、東南アジアは日本車にとって重要な市場だが、中国の自動車が生産過剰に陥っているため、間もなく戦場になる可能性があると、スティーブン・ウィルモット。

 疑いの余地がないのは、戦いのためにトヨタが動員できる資金力だ。トヨタは「当たり」の1年を終えた3月末時点で約820億ドル(約12兆7000億円)相当のネットキャッシュを保有。
 トヨタのエコシステムには、別々に上場するSUBARUやスズキ、マツダも提携関係を通じて含まれている。
 三菱自は昨年10月、中国での自動車生産から撤退。

 リソースの共有は明らかな前進への道だ。日産はすでに三菱自に出資しており、ホンダと日産は3月、将来の技術で提携する検討を始めたと発表したと、スティーブン・ウィルモット。

 脱CO2で、EV車が席巻するかのブームが、その電源にはCO2を発生させる地下資源が使用されている事や、電源供給網の整備、冬季の積雪での閉じ込め等の課題も取り上げられるようになり、EV化一辺倒ではなく、HVや水素が見直される様になっています。

 何が最適なのかは、諸技術の開発に伴い、まだまだ変遷が見込まれますね。EV化では後れをとった日本の自動車メーカーですが、変遷のトップグループにはとどまっているようですね。



 # 冒頭の画像は、ハイブリッド車の先駆者となったトヨタのプリウス



 この花の名前は、シャクヤク
 
 
↓よろしかったら、お願いします。


遊爺さんの写真素材 - PIXTA

  



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 竹島周辺に海洋調査船、野党... | トップ | 河野氏「異端児」脱却図る、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

新エネルギー」カテゴリの最新記事