遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ケリー国務長官の登場で米中関係に変化の兆

2013-04-20 23:09:39 | 日本を護ろう
 ケリー国務長官の訪中では、米国側が対北朝鮮対応(大きな成果があったとは思えませんが)を重点公表し、中国側は米中関係の深化に力点をおいていたとのもっぱらの評価でしたね。
 ケリー長官については、これまでの中東からアジアへ重点をシフトするオバマ政権の政策に対し、「中国包囲網」だと批判する(中国包囲網が目的ですが)など、親中姿勢が目立っていたことは諸兄がご承知の通りです。
 産経・山本勲編集委員は、親米の習近平政権にとって親中姿勢のケリー長官への交代はまたとない好都合で、米中関係に変化が観られると断言しておられます。
 

米中関係の「仕切り直し」に備えを (4/20 産経 【緯度経度】北京・山本勲)

 この2年余り対立が先鋭化していた米中関係に変化がみられる。「親米」習近平政権の発足に加え、2期目のオバマ政権が内政・経済重視に転じ始めたことが影響している。特に中国が「親中派」とみなすケリー国務長官の13、14両日の訪中は、こうした印象を強めた。日本も米中関係の“仕切り直し”に備える必要がある

 「先ごろオバマ大統領との電話会談で中米の協力関係を強化し、『新型大国関係』の構築を模索することで合意した。双方が戦略的、長期的な視点から積極的に協力関係を拡大することを希望する」。習近平国家主席は13日のケリー長官との会談で、満面の笑みを浮かべながらこう語った。

 李克強首相は北朝鮮の軍事挑発を「持ち上げた石を自分の足に落とす行為」と批判。米国とともに「朝鮮半島の安定に努める」意思を表明した。
 王毅外相は「どんな状況下でも半島非核化を堅持する」と強調、双方が今後の両国関係発展の方策を盛り込んだロードマップを作成することで合意した。
 さらに気候変動対策、クリーンエネルギー開発、サイバー攻撃などの問題で、合同作業部会を設けて協力することでも合意した。いずれもオバマ政権が中国に協力や改善を求めていた問題や課題だが、胡錦濤前政権の対応は消極的だった。
 対照的に
習政権は3度目の核実験を強行した北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁強化決議(3月7日)に加わるなど、胡前政権との違いを示している

 習政権は海洋覇権の拡大では前政権以上に強硬だが、オバマ政権が北朝鮮の核放棄をめざすには欠かせない協力相手だ。習主席はハリウッド映画のファンで、娘を米国の大学に留学させた親米派でもある。
 一方、
ケリー長官は1月末の米議会上院公聴会で「米国は中国を敵視せず、協力相手とみなすべきだ」と主張、「アジア太平洋地域での軍事力増強は中国包囲網との印象を与える」と親中姿勢を鮮明
にしている。
 ブッシュ前大統領と戦った2004年の大統領選でも、「
『中国は一つ』との政策を堅持し、(米国が台湾支援の根拠としている)台湾関係法には一切言及しなかった
」(中国評論新聞)というから筋金入りだ。
 「母方の上海生まれの祖父が、アヘン貿易で財を成した過去への反省も影響している」(同)という。
米国の「アジア太平洋回帰」を先導し、中国の海洋覇権拡大に厳しく臨んだクリントン前長官とは正反対だ

 
習政権にとり、またとない協力相手が登場
した。わずか1日余の訪中で双方が盛りだくさんの合意に達したのもうなずける。

 米中が地域の安定と発展のために協力するのは結構だ。だが
習主席が唱える新型大国関係には、「双方の核心的利益を尊重し合う」との条件がある。中国のそれは東シナ海や南シナ海、台湾・チベット・新疆ウイグルなどの領土・領海を含み、周囲の国・地域や民族の存亡を左右
する。
 「第2の大国となった中国にそれ相応の待遇、権益を認めるなら、当分の間は米国の覇権に挑戦しない」との本音が見え隠れする。
 まさかとは思うがオバマ政権がこれに応じるなら、両大国の野合だ。北朝鮮の核放棄をめざした6カ国協議も茶番劇に終わった。ニクソン以来の
米歴代政権は中国の巧妙な外交に謀られ続けてきた。そうならないよう日米の意思疎通をさらに密にする必要がある。

 クリントン長官は、頼りない夫を支えてファーストレディとしてのワールドワイドな視野での行動経験があったからなのか、元々の資質が高いのか、中国の覇権拡大行動の危うさをよく理解いただいていました。ルーピーな首相や、カンカラカンな首相と超低レベルの首相がクルクル交代する中を、我慢してあやしながら、東アジアの脅威に備える行動をしていただきました。
 一昨年末のEASでの中国包囲網形成は見事なお手並みで、温家宝氏もグウの根も出ませんでしたね。
 
米海兵隊の豪駐留で中国牽制 - 遊爺雑記帳
 EASで中国包囲網強化に成功した米国だが...。 - 遊爺雑記帳

 習近平氏は、米国に対し「新型大国関係」構築を呼びかけているのだそうですが、「双方の核心的利益を尊重しあう」と言う条件をつけています。中国の核心的利益とは、チベットやウィグル、尖閣諸島、台湾、南シナ海で争う領土を指していて、米国がこれらに口出しをするなと言っているのですね。
 ケリー氏は、中国の言う意味が理解出来ていないのか、理解した上で、それでも米国がアジア地域に注力することに反論を唱えるのかが理解できません。
 クリントン政権、ブッシュ政権と北朝鮮に騙され続けている米国は、記事で指摘されている通り、ニクソン政権以来中国にも謀られてきています。顕著な例は、台湾への関与の規制の強化であり、尖閣への日米同盟適用への執拗な牽制です。
 尖閣に関しては、何度も領土問題については中立との言質を繰り返しとられ、施政権が日本にある現状では日米同盟の適用範囲との説明は矛盾していると追及されています。つまり、逆に言えば、施政権があることを重視すると言うことですから、核心的利益と宣言し、監視船を定期巡回させ、航空機も巡回させ、管理している形式を整えようとしているのですね。
 日本人はもとより、石垣市議の上陸も認めないで、巡視船の巡回をしているだけの日本と、監視船を定期巡回し、近海の中国漁船を取り締まっている中国との差は、いまやほとんどなくなってきています。

 頼りない日本の民主党政権にもかかわらず、尖閣は日米同盟の適用範囲と繰り返し主張し、抑止力を発揮いただいたクリントン前国務長官とはことなるケリー氏に変わった米国。
 中国が主張する核心的利益を譲歩して、何を得ようとしているのでしょう。
 変化し始めている米国の外交路線は、何を目指しているのでしょう。
 日米関係を重視し復活に努めている日本の安倍政権ですが、慰安婦問題に関しては、韓国の主張を信じるオバマ政権を代表して、初来日したケリー氏は安倍総理との面談で、釘を刺してきましたね。
 クリントン長官時代とは変わってきているのであれば、日本はどう変わるべきか、急いで考えねばならない時がきている...?

 ケリー国務長官 クリントン時代の政策継続は疑問 - 遊爺雑記帳


 # 冒頭の画像は、ケリー長官と習近平





  イチジク

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