遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トランプ政権船出

2017-01-21 23:58:58 | 米国 全般
 就任式を無事に終え、トランプ政権がスタートしました。就任演説が注目されましたが、選挙遊説中と同じ内容と調子で、大統領に就任後の変化(ガバナンスモード)を期待した多くの米国内外の人々は、想定内とは言え落胆の念を強めている様子です。
 トランプ氏にすれば、選挙中に唱えた事柄を就任を迎えたからと言って、簡単に変節し、支持者を裏切ることは出来ないと踏んだのでしょうか。

 そうなると、期待されるのは大統領の閣僚や側近。
 政権の軸となるのは、国務長官と国防長官。国防長官は、「狂犬」の異名のある、ジェームズ・マチス氏の議会承認は得られたそうですね。
 
【トランプ大統領始動】マティス国防長官を承認 新政権閣僚人事で初 - 産経ニュース

 しかし、国務長官候補の、石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)については、ロシアとの親交振りと、利益相反への懸念から、議会承認が危ぶまれていますね。
 
米国務長官候補、エクソンCEOに議会反発 - WSJ

 トランブ政権の閣僚については、「3G」の呼称が付けられているのだそうですね。大富豪(Gazillionaire)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、将軍(General)というキーワードの頭文字。
 トランプ大統領自身が富豪ですが、最も金持ちなのは教育長官に就くベッツィ・デボス氏。総資産は51億ドル(約5,850億円)で、商務長官のウィルバー・ロス氏はウォール街の「再建王」との異名をとり、総資産は25億ドルなのだそうです。
 トランプ氏が選挙中に批判したウォール街の人材も積極的に起用され、ゴールドマン・サックス(GS)の出身者が多く、財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏、トランプ氏の懐刀となる大統領上級顧問兼首席戦略官のスティーブン・バノン氏がいます。
 軍人の将軍の登用では、上述の国防長官のジェームズ・マティス元中央軍司令官の他に、国土安全保障長官に、元海兵隊大将のジョン・ケリー氏。
 トランプ「3G」政権陣容固まる 家族も、異例の顔ぶれ:朝日新聞デジタル

 そうした、表の人事の他に、読売が注目したのは、側近の「5人衆」。
 

トランプ新大統領 「5人衆」で側近政治 「力量競わせ成果」狙う (1/21 読売 朝刊)

 【ワシントン=角谷志保美】米国のドナルド・トランプ新大統領(70)は、背景も考え方も異なる5人の側近を、ホワイトハウスの要職に据えた。トランプ氏が直接助言を求める5人が政権をどう左右していくのか、幅広く人材を集めた閣僚人事と共に注目
されている。
 
共和党主流派との橋渡し役を期待されるのが、新副大統領となるマイク・ペンス氏(57)と、大統領首席補佐官に起用されたラインス・プリーバス氏
(44)だ。ぺンス氏は下院議員を6期12年務めた経験から、共和党だけでなく民主党にも人脈を持つ。共和党全国委員長を務めたプリーバス氏も、トランプ氏と対立関係にあった党主流派の重鎮ポール・ライアン下院議長らと親しい。
 共和党内は一枚岩ではない。ライアン氏ら主流派は大統領選中、トランプ氏の暴言や失言に手を焼いてきた。攻撃的な言動をいさめる声明を出したライアン氏に、トランプ氏が「議会選挙で支持できない」と敵意を見せたことすらあった。大統領選でトランプ氏以外の候補を推した幹部も多い。このため、
党とホワイトハウスをつなぐペンス、プリーバス両氏の双肩にかかる期待は大きい

 トランプ氏の支持基盤の維持は、大統領選で選挙対策に当たった2人が担う。
 大統領上級顧問兼首席戦略官となる
スティーブン・バノン氏(63)は右派メディア「ブライトバート・ニュース」の前会長だ。移民制限などトランプ氏の主張を2015年からインターネットで好意的に取り上げ、大統領選では選対のトップ
を務めた。ただ、バノン氏を「白人至上主義的だ」などと警戒する声もある。
 バノン氏の下で選対を仕切った
ケリーアン・コンウェイ氏(50)も、顧問としてホワイトハウス入りする。世論調査に詳しいコンウェイ氏は選挙中、陣営の「表の顔」
としてテレビなどに出演。女性の視点からトランプ氏の長所などをアピールした。
 5人のうち
トランプ氏が最も信頼を寄せているのが、娘婿で実業家のジャレッド・クシュナー氏(36)だ。大統領上級顧問に起用した。トランプ氏の長女イバンカ氏と結婚し、大統領選では戦略立案の中心
となった。安倍首相とトランプ氏との初会談にも同席した。今後も、分野を問わず相談役になるとみられる。
 トランプ氏は、選挙戦や企業経営で幹部を競わせ、成果を上げてきたとされる。
ホワイトハウスでも側近5人を竸わせて手腕を見定める狙い
だと、米メディアは見ている。ただ、「トランプ流」の人事操縦術が国家運営に通用するかどうか疑問視する声もある。

議会運営前途は多難 共和党 「抵抗勢力」懐柔カギ

 【ワシントン三井誠】トランプ新大統領が野心的な公約を実現するには、上下両院で過半数を占める与党・共和党の協力が不可欠だ。
トランプ氏は閣僚人事の承認でも議会対応に手を焼いており、前途は多難
だ。
 「政治家と付き合うのは難しい」
 トランプ氏は17日、首都ワシントンに各国大使を集めたパーティーで、こうこぼした。国務長官候補で石油大手米エクソンモービル前最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン氏がその場にいたため、「思ったより大変だろ」と呼びかける一幕もあった。
 
新大統領は閣僚らを20日に正式指名した後、上院の承認を得なければならない。しかし、人事案を事前に審査する上院委員会の公聴会では、民主党が十分な審議を求め、手続きに時間がかかっている

 
新政権が提出する法案の審議は、閣僚候補ら人事案件の承認より、さらにハードルが高くな
る。
 共和党は大統領選と同時に行われた連邦議会選挙で勝利し、下院(定数435)では241議席と、野党・民主党の194議席を大きく上回る。一方、上院(定数100)では
共和党が52議席を確保したものの、民主党は院内会派を組む2人の無所属議員を含めると48議席と僅差だ。採決で可否同数の場合、上院の議長を務める副大統領の投票で決まることを含めても、共和から3人の造反で法案が否決
される綱渡り状態だ。
 上院では、予算など多くの法案は60票を集めないと成立が難しい。米議会では、長時間の演説などで審議引き延ばしを図るフィリバスターなど、野党が妨害行為を駆使して抵抗することが少なくなく、上院で議事妨害を阻止するには議員60人の賛同を得る必要があるためだ。
 しかし、民主党議員から力を借りるのは至難の業だ。
与党・共和党内に潜在する「抵抗勢力」を懐柔できなければ、トランプ氏は大統領令の乱発で政策の実現を目指さざるを得なくなると見る向きもある。

 議会権限が強い米国。トランプ大統領が暴走しようにも、議会の歯止めがかかります。閣僚や、側近スタッフの提言もあります。
 就任演説が、選挙戦のスピーチレベルにとどまり、不評だったトランプ新大統領。「実業家」ではなく、「セールスマン」だと評する声も聴かれますが、納得してしまいます。

 白人貧困層が支持基盤と言いますが、閣僚は、富豪や批判の的にしていたウォール街のエリート。貧富の差の拡大をし、富を一部に集中させた犯人のひとつである、ゲーム化したウォール街の人材を登用するのは、選挙戦で唱えている事と真逆の行為です。住宅購入のサブプライムローンで、低所得層を食い物にし、ついには世界第恐慌を産んだのは、何処の誰だったのか。早晩、化けの皮がはがれてきます。富豪と、ウォール街のエリートが、貧困層の見方なのでしょうか。自由貿易を閉ざし、自国の殻に閉じこもることが、雇用を増やすことに繋がるのでしょうか。
 財源の当てが不明確な財政出動(法規制があるから軍縮を進めている)が可能なのでしたか?(日本は法規制はなく可能)
 閣僚や「5人衆」に、持論の相違がみられるとの声が聞こえてきます。そこに、光が見えてきます。閣僚や、スタッフの間で、議論を重ね、アメリカの進む道が、世界の混乱を招くことが無い様、祈っています。



 # 冒頭の画像は、オバマ前大統領に手を振って別れを告げるトランプ大統領夫妻(左)とペンス副大統領夫妻




  この花の名前は、日本水仙




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