ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

消滅可能性自治体 背に腹は

2024-04-26 14:07:05 | 日記
きのう夕餉の食卓で次のニュースを聞いた。

佐賀県玄海町の議会は25日に開いた特別委員会で、いわゆる『核のごみ』の処分地選定に向けた第一段階の調査にあたる、『文献調査』への応募を町に働きかけるよう求める請願を、賛成多数で可決しました。
(NHK NEWS WEB 4月25日配信)

うむ、これはまずいぞ。ーー以前なら、私はそう考えたに違いなかった。核のゴミ、いわゆる核廃棄物の半減期は数万年だという。ネットで調べると、次のような説明が見つかった。

放射性物質は放射線を放出しながら、時間が経つにしたがってその強さを減少させていきます(放射能の減衰)。
製造直後のガラス固化体表面の放射線量は約1,500Sv/hと極めて高レベルであり、1000年を経た後も、約20mSv/hのレベルです。その後は半減期の長い核種による放射能が残存しますが、天然ウラン並みの有害度 になるまでは約8000年、さらに数万年後には、燃料の製造に必要なウラン鉱石(約750t)の放射能と同じレベルにまで減衰します。

(電気事業連合会のHP)

核のごみが相当に厄介な危険物であることがわかるが、これをガラス固化処理して地下深くに埋めたとしても、大規模な地震や地盤の隆起などの自然現象によって、それが地上に現れてくることも可能性としてはゼロではない。

そんなヤバい物質の最終処分場になりかねない「文献調査」に自ら買って出るなんて、無謀にもほどがある。どうせカネが目当てなのだろうか、住民の安心・安全と引き換えにカネをせしめようとするなんて、人権を軽視するにもほどがある!いったい玄海町とやらの町議会の議員たちは、何を考えているのだ!

だが、今回ばかりは、私は、そんな憤りの声を上げる気にはなれなかった。その一日前に、こんなニュースを聞いたばかりだったからである。

民間の有識者グループ『人口戦略会議』は全体の4割にあたる744の自治体で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、『最終的には消滅する可能性がある』とした分析を公表しました。
(NHK NEWS WEB 4月24日配信)

全自治体の4割に当たる744の自治体が、あと25年ほどで消滅する可能性があるとは、何とも物騒な話ではないか。
こうした「消滅可能性自治体」とは別に、20代から30代の女性の減少率が20%未満にとどまる自治体を(消滅する可能性がない)「自立持続可能性自治体」と呼ぶらしいが、問題の佐賀県玄海町は、この「自立持続可能性自治体」のリストには入っていなかった。

おそらく佐賀県玄海町は、あと25年もすれば消滅してしまう「消滅可能性自治体」の一つなのだろう。消滅の可能性が大きいから、玄海町の町議会は、町が「核のごみ」の最終処分地になることを買って出るようにと、町に請願する議決をしたに違いない。
「玄海町の議会には、町内の3つの団体から第1段階の『文献調査』への応募を町に働きかけるよう求める請願が提出された」というが、ここにいう「町内の3つの団体」は、玄海町の人口減少が著しいことを常日頃から肌で感じていて、(「人口戦略会議」の分析などとは別に)「このままではわが町は消滅する」と強い危機感をいだいていたに違いないのである。

そもそも自治体が消滅するとは、どういうことなのか。自治体が消滅しても、その地域に住む住民がいなくなるわけではない。その住民たちは、福祉などの行政サービスを受けられなくなるということである。
これは相当ヤバいことだ。そういう危機を目前にしている玄海町の人たちに対して、私は「核のごみは危険だから、やめたほうがいい」などとアジる気には到底なれないのである。

調べてみると、私が住む○▲市も「自立持続可能性自治体」のリストには入っていなかった。ということは、我が○▲市の(近い)将来も玄海町のそれとあまり変わらないのかもしれない。
消滅可能性か・・・。やれやれ。

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ヒロシマ、ナガサキをなくすには

2024-04-25 11:00:27 | 日記
きのう夕餉の食卓で、次のニュースを聞いた。

広島の原爆投下で被爆した92歳の男性が、ロシアによるウクライナ侵攻などを受けて、今月新たに広島市の『被爆体験証言者』となり、24日初めて、原爆資料館で核兵器の悲惨さを訴えました。
広島市の才木幹夫さん(92)は、旧制広島第一中学校の2年生の時、爆心地から2.2キロの自宅で被爆しました。

(NHK NEWS WEB 4月24日配信)

広島や長崎の原爆体験に関連したニュースを聞くとき、私はいつもこう思う。
「この悪魔のような爆弾を投下して、たくさんの日本人を殺害したのは、アメリカだ。このことに触れようとしない今の日本の報道機関の姿勢は、けしからん!」

そんな私の思いをおきざりにして、ニュースは次のように続いた。

才木さんによりますと『証言者』となったのは、ロシアによるウクライナ侵攻があったことなどがきっかけだということです。
24日は原爆資料館で鳥取県から修学旅行で訪れた、小学6年生43人を前に初めて証言し、被爆直後の広島の光景について『腕の皮膚が垂れ下がり目を開くこともできない人たちが水を求めて歩いていた』と語りました。
また、終戦後も突然、髪の毛が抜け落ちる人や白血病などで亡くなる人が多くいたと話したうえで『まだまだ世界の人々は核の本当の恐ろしさを実感していません。私たちは本気になって核の恐ろしさを知っていかなくてはならないと思うのです』と訴えました。


たしかに原爆は恐ろしい。私も大学生だった50年ほど前、広島の原爆資料館を見学に訪れたことがあるが、そこに展示されていた写真や被災者の遺品を見たとき、身震いがし、吐き気に襲われたことを憶えている。
原爆を投下されれば、そこはたちどころに残酷な地獄の世界へと変貌する。戦争の行き着く先がそういう地獄絵の奈落なら、我々はこの世界から戦争をなくすよう、できる限りのことをする必要がある。そのためには、どうすればよいのか。

こう考えたとき、やはり腹立たしいのは、「アメリカ隠し」に加担する今の日本のマスコミである。
広島や長崎の人々が原爆の被害を被ったのは、日本がアメリカと戦争をしたからである。戦争をやめさせるにはどうすればよいかを考えるなら、我々はまず、日本はどうすればアメリカとの戦争を回避することができたのかを問うべきなのだ。ここには一般的な答えなどありはしない。

ーーいやいや、と、私は自問した。そんなことでは、問題は片付かないのではないか。世界史を見渡せば、いつの世にも戦争は絶えない。その戦争をこの世からなくすることなど、しょせん不可能ではないのか。むしろこう問題をたてるべきなのだ。
目下の喫緊の課題は、今現在、この地球上で現に行われている戦争で、ーーロシアとウクライナとの戦争で、核兵器の使用を何とかして防ぐことだが、そのためにはどうすればよいのか、と。

チューハイのアルコールに酔った頭であれこれ考えているうち、私の考えはやがてありふれた一つの結論へと帰着した。原爆の恐ろしさ、酷たらしさを戦争の指導者たちの脳みそに叩き込むことが、ぜひとも必要なのだ。

煎じ詰めれば、「核兵器は非忌むべき人道的な悪魔の兵器だ」という認識を、国際社会の共通認識として醸成し、この「真理」の認識を、各国の指導者が共有するように仕向けること、それが必要なのだ。

ということはつまり、NHKが報じた才木さんのような「被爆体験証言者」の伝承活動も、あながち捨てたものではないということである。

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政治資金規正法 その改正に向けた自民案

2024-04-24 12:01:10 | 日記
政治資金規正法。その改正に向けた独自案を、自民党がやっと公表した。そう、やっとである。主要6与野党の中で、一番最後の公表だった。難産の末の未熟児の出産を思わせる。

難産だったその理由は、はっきりしている。法の抜け穴をーーちょっと見にはそれとはわからないような抜け穴をーー仕込むのに時間がかかったのだろう。

私が注目した点は2つある。1つは連座制の問題。もう1つは「政策活動費」の問題である。

きょうの朝日新聞が伝えるところでは、前者に関する自民庵の骨子は、次のようなものである。

<代表者(政治家)の責任の強化>
・代表者は、会計責任者が法律に基づいて収支報告書を作成している旨の確認書を交付。会計責任者は収支報告書と確認書を併せて提出しなければならない
・会計責任者が不記載・虚偽記載で処罰された場合、代表者が収支報告書を確認しないで確認書を交付した時は代表者に刑罰を科す(公民権停止)
・不記載収入は相当額を国に納付させる

(朝日新聞4月24日)

う〜む、よく出来ている。私が見たところでは、この自民案は「連座制」を導入したのと同じ効果を持つように見える。素人目には、そうとしか見えない。
ところが、朝日新聞は、これに次のような論評を加えている。

(自民案は)議員が十分確認せずに確認書を交付した時に限って刑罰を科し、公民権停止にするとしたが、確認の具体的なあり方は示さなかった」。
事件と照らし合わせると実効性があるのか疑問だ。
裏金作りが判明した約90人の議員のうち、会計責任者が処罰されたケースはほんのわずか。多くの議員は『連座制』の対象外となる。


つまり、こういうことだろうか。自民案では、「議員が十分確認せずに確認書を交付した時に限って」刑罰を科し、公民権停止にする、としているが、この場合、「確認」の具体的なあり方が示されていないので、当該議員は言い逃れ次第で「連座制」の対象外になってしまう。
「はい、一応、確認はしました。確認書にはざっと目を通しました。ですが・・・」と議員が申し立てれば、その議員は「十分確認した上で確認書を交付した」ということになり、「連座制」の適用を免れることになってしまうのではないか、と。

第2の問題、「政策活動費」の問題についてはどうか。朝日新聞はこれについては特段論評を加えていないが、他党との違いを表にして明示している。
それによると、「政策活動費」は公明党が「使徒公開を義務化」、立憲民主党が「禁止」、日本維新の会、共産党、国民民主党が「廃止」としているのに、自民党だけは「見直しに慎重」なのだ。


この点については、朝日新聞の詳しい論評を知りたいところだが、これだけを見てざっくりいえば、自民党の改革案は「頭隠して尻隠さず」の感を免れない。「頭」は「連座制もどき」でかろうじて隠したものの、「尻」は「政策活動費」のままで丸出し、といったところか。難産のあまり、尻を隠す余裕などなかったのだろう。

キシダくん、やる気のないキシダくんよ、やっぱりなあ・・・。

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やる気がないキシダくん

2024-04-23 10:57:29 | 日記
情けない話である。内弁慶のキシダくんの本性を見たと思った。

アメリカではウケねらいが当たり、面目躍如の岸田首相だったが、帰国すると一転して窮地に立たされ、嬉々としたその姿はすっかり鳴りを潜めた。
きのうの衆院予算委員会の席で、岸田首相は森元首相への聞き取り結果について問われ、こう答えたという。

うわさの域を越えて森元総理大臣の関与を確認できる発言はなく、追加の聴き取り調査でも確認できませんでした。
(NHK NEWS WEB 4月22日配信)

この発言は、訪米前の4月4日に記者団に語った自分の発言を、ただリピートしたに過ぎない。

今般、一連の聴き取り調査を行った上で私の判断で森元総理大臣についても私が直接電話をかける形で事情をお聴きした。しかしながら引き続き森元総理大臣の具体的な関与については確認できていない。多くの皆さんの関心が寄せられている点を勘案して私の判断で聴き取りを行った。
(NHK NEWS WEB 4月4日配信)

要するに、真相解明など、端(はな)からやる気がないのだ。岸田首相は森元首相に電話をかけ、恐る恐るこう口を開いたに違いない。

「あ、森先生、キシダでございます。お元気でいらっしゃいますか。私の方は、我が自民党の裏金問題で四苦八苦しておりまして、先生には何かご指導・ご教示をいただきたく、お電話を差し上げた次第なのですが、そう、この件はだいぶ昔のことになりますので、もちろん先生はご存知ありませんよね、はい」

現役首相の威厳を取繕おうともせず、まるで借りてきた猫のような低姿勢で、岸田首相は先輩の安倍派のドンにお伺いをたてたに違いない。
こんな具合では、百戦錬磨のこの古狸は「はい、私がやりました」などと自白するはずがない。猫の首に鈴をつけようとするネズミのようなビクビクぶりでは、小ネズミのキシダくんはどら猫の森爺にナメられるばかり。こいつはどうせやる気がないのだ。やる度胸がないのだ、と。
窮鼠の自覚がないこの小ネズミは、完全に足元を見透かされている。

この小ネズミが窮鼠となり、火事場の馬鹿力をだす日は来るのだろうか。やれやれ・・・。

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海自のヘリコプター事故 命を落とした防人たちを悼む

2024-04-22 10:12:52 | 日記
きのう夕餉の食卓で、次のニュースを聞いた。

20日夜、伊豆諸島沖で海上自衛隊のヘリコプター2機が訓練中に墜落し、隊員1人が死亡、7人が行方不明になっている事故で、海上自衛隊トップの酒井良 海上幕僚長は21日午後に会見を開き、事故調査委員会を設置したうえで、原因の究明と7人の捜索を急ぐ考えを示しました。
(中略)
事故当時、2機はほかのヘリコプターも含めて合わせて3機で海上自衛隊の潜水艦を目標に潜水艦を探知する訓練を行っていたということで、2機が著しく近接していたことを示すデータがあったことなどから、空中で衝突した可能性が高いとしています。
(中略)
酒井海上幕僚長は『このような状況になり無念でならない。国民の皆様に大変なご心配をおかけし心からおわびを申し上げる』と述べ陳謝しました。
(NHK NEWS WEB 4月21日配信)

痛ましいことだ。私はニュースを聞きながら、思わず心の中で手を合わせ、黙祷していた。

こんなことをバカ正直に書くと、「おまえは右翼か!」とお叱りを受けるかもしれない。「右翼」とは何かが私はよくわからないが、日々、国を守るために働いている人たちに敬意を払うことが「右翼」の特徴だとすれば、私はたしかに「右翼」と呼ばれて然るべきなのだろう。

「右翼」という言葉をネガティブに感じたり、使ったりする人と、そうでない人、私のような人とは、事実認識の点で大きく異なっていると、私は思っている。
「右翼」という言葉にネガティブな感情をいだく人は、国と国との境界、つまり国境をめぐる諍いなど、異常なことであり、平時には起こり得ないことだと考えている。この人たちから見れば、国境にこだわり、国土の防衛にしゃかりきになる人たちは、ことさら波風を立て、戦争を起こそうと企むトンデモな人たちに見えるのだろう。

私はそうは考えない。国境をめぐる諍いは日常茶飯事であり、それは日本の場合、特に中国との間で日々くり広げられている事実だと認識している。覇権を拡大することに熱心なこの国は、日本の領土内にある島々を、隙あらば実効支配し、自国の領土内に組み込もうと虎視眈々狙っているのだ。中国の軍艦や潜水艦が我が領海内への侵入を何度も繰り返しているのが、その紛れもない証拠である。

先日、我が海上自衛隊が起こしたヘリコプターの事故は、中国のそうした領海侵犯の企てを食い止めるべく、海自が日々ひねもす展開している日常業務の、その一端で起こってしまった不幸なアクシデントにほかならない。
海自のそうした自国防衛の努力がなければ、我が国はたちどころにかの膨張主義国家の餌食にされ、ウクライナと同様、悲惨な境遇に陥るに違いない。ウクライナの境遇は、決して他人事(ひとごと)ではないと私は思っている。

と、まあ、私は常々そんなふうに考えている。だから今回の事故で命を落とした海自の方々を、悼まないわけにはいかないのである。

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