第1部
「カルメン」(振付:A.アロンソ)
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
こんなに細かく音に振付があったとは。
幕間に会った師匠によると
指揮者がいいから細かい音が出せているとのこと。
なるほど。
ロパ様は艶やかなカルメン。
煽情的とは違うけど美しさに引きつけらる。
エルマコフは格下ありありだけど仕方がないね。
踊り自体は良いよ。
「ジゼル」(振付:M.プティパ)
ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス
とにかく、ゴメスありがとう!
よくぞリフトに耐えてくれた!
ニーナはさすがに重量オーバー感はあるんたけど、
ファンの欲目フィルター越しだと、
ちょっとした手の動きですら
なんともいえないエモーショナル感たっぷりで、
やっぱり芸術だなあ、と溜息。
「Tango y Yo」(振付:コルネホ)
エルマン・コルネホ
一人タンゴは若々しくて、
身体からは生命力が溢れ落ち、
会場を満たした。
「トリスタンとイゾルデ」(振付:K.パストール)
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
作品はいまいち好きじゃないんだけど
ザハロワの瑞々しさを堪能できた。
「レクイエム」(振付:K.マクミラン)
アレッサンドラ・フェリ [ソプラノ:安藤赴美子]
現役復帰後だし、もともと技術系じゃないし、こんなもんよね。
会場中、妙な達観が一致していたように思います。
ソプラノ歌手の存在感が強くて踊りに合っていない気が。
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G.バランシン)
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
マーフィーが若くないのにショックだった。
ぼわ~っとしたラインのマーフィーと、
若いけどパキパキさがないエイマンは
チャイパドには合わず。
コチェトコワ&シムキンの後だと辛い。
第2部
「トッカーレ」(振付:M.ゴメス)
カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス
[ヴァイオリン:小林美恵、ピアノ:中野翔太]
肌色タイツ。
トレナリーは身体能力が高く、
正直このペアでドンキが見たかった。
無理なのはわかるけど。
ニーナの相手役のゴメスが自分演目を
ABTの故スポンサーに捧げる作品を選ぶとは、
いろんな事情があるんだろうな。
「グルックのメロディ」(振付:A.メッセレル)
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
他愛もない作品だけど
セレブな若奥様なビジュアルのロパ様を拝めてありがたや。
「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ)
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
甘やかラブラブな雰囲気で良かった。
「ロミオとジュリエット」第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.マクミラン)
アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
身体に入りきった踊りは息をするのと同じぐらい自然な動き。
幕開きから少女のよう。
恋人との別れ、慟哭、激情、どれもが昔と同じ、ジュリエットだった。
全幕が見たい!
コルネホもよく合わせてくれた。ありがとう!
「瀕死の白鳥」(振付:M.フォーキン)
ニーナ・アナニアシヴィリ [チェロ:遠藤真理、ピアノ:中野翔太]
以前と比べると身体は動いていないし反り返れないし、
などなど思うけど、
いまの年齢だからこそ、死に抗う姿に迫力がある。
「海賊」(振付:M.プティパ)
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
うまいこと締めて終了。
各自の持ち味を活かした短いフィナーレ付き。
ロパートキナが中堅。
ザハロワは若手寄り。
オールドスターは自分ができる範囲の創意工夫で魅せてくれました。
無理なく怪我なく終えて欲しい。
トレナリーも素晴らしいダンサーだけど、
前世代の大スターは、なんかもう、
見ただけで満足できる存在というか、
オーラが全く違うというか。
技術やスタイルは今の若い子たちの方がいいんだけどね。
「あなたになら金を払うぞ!」と思わせるなにかが足りないんだなあ。
指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団