ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

レジデント@a_certain_hospital #選好

2018年01月19日 | 倫理用語
レジデント@a_certain_hospital

だって好きなんだもん
#選好



(たとえば、パンの焼き加減)


飲み会に出る。
さして興味もないだろうにプライベートなことを聞いてくる人がいる。
答えても微妙な反応が返ってくる。
夜中、ひとり考え込む。

進路が、志望科が、決まる。
自分に務まるのだろうか、とドキドキしたり
決まった喜びにウキウキしながら報告する。
もったいない、とか
QOL高くていいんじゃない、とか言われる。
あとからあとから、怒りがふつふつ湧いてくる。

信条を、
勇気を出して明らかにする。
好きにしなさいと言われる。
ことあるごとに、孤独感がつきまとう。

この、人に認められたい気持ちってなんだろう。


*****


このまえ受けた臨床倫理のレクチャーの、障害者の権利に関する条約のところで
「権利に、意思及び選好を尊重する」
というのが出てきた。
たとえば、延命措置を希望する/しない。
なんで?とか、普通こうでしょ!なんて野暮なこと言ってくる医者がいたら小学校からやり直した方がいいかも。

選好…饅頭が好きなのに理由なんてないでしょう、とその先生は仰っていた。
(私はそこで、中学の頃にハマった“冬のソナタ”のセリフを思い出したのだけど…
「本当に好きな時には理由なんてないんですよ。」
ミニョンさん…!笑)

そうだ、「だって好きなんだもん」に
説き伏せる理由なんてないんだから。
相手が「そういう意見“も”あるんだな」と
思ってくれるしかない。
思ってくれなくたって、その意見を持つことは権利なんだから
何も恐れることはない。

…それにしても。
なんだこの満ち足りない愚かな自分は。
全員に賛同してもらえないと自信もてないなんて情けないし、無理なのもわかってる。むしろ全員意見が一緒だったら気持ち悪いし、それはそれでどうせ疑いたくなると思う。
それに、私が誰かに嘲笑われてるとしても、その人たちにわざわざ出てこさせたい?「ははー参った参った」って言わせたいの?言わせるなら、とくに誰に?結婚相手?
それなら多分、お母さんと結婚するしかないですよようこさん。

もしかしたら私はとてつもなく当てにならない何かを頼りにして生きてきたのかもしれない。


*****


Ihr werdet sehen: Der Herr, der allmächtige Gott, nimmt den Bewohnern von Juda und Jerusalem alles weg, worauf sie sich heute verlassen; jeden Vorrat an Brot und Wasser,
‭‭Jesaja‬ ‭3:1‬ ‭


「すべてみむねのままに。」

緩和ケア科で担当させていただいている患者さんがいよいよ、というときに
一週間いっしょに闘った奥様が初めて呟くことのできたこの一言が、胸に深く突き刺さる。