ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

共感という名の技術

2017年03月31日 | 心療内科医

鍋で一晩放置されて少しペースト状になったラタトゥイユを冷めたままパンに挟んでホットサンドメーカーでぎゅっとあっためる。


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心身医学合同セミナーの講義で、心療内科のすべての根底に流れるという「共感」が扱われました。いい講義でした。
ちょうど同じ頃に同期が書いたSNSの記事にも、患者さんへの「共感」がチーム医療の肝であると。

「みんなの健康学」序説 神馬征峰著
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/475992146X
この本のナイチンゲールの章でも「共感」が出てきます。

私もこれから、自分の主題に「共感」を掲げたい。
「あいつ何もしてないけどよく感謝される」というなんだか不名誉な評価をされたことがあるのですが
(前半部分=医学知識が足りていない…はさておき)
たしかに「感謝される」ことにかけては、わりと得意な方です。たぶん共感できているから。自分で言うのもなんだけど。
でも、それを無意識のうちにやっていることが多いから、その分あやういのです。
心療内科医の仕事道具である「共感」を
あえて言語化できて初めて
欲を言えば、それをできない他科の医者に説明し共有できて初めて
専門家になれるんだと思います。

プロカウンセラーの共感の技術
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4422115804

講義で勧められた本。あの先生が言ってるんだからと思ってとりあえず買ったけど、まだ読んでないので内容書けない笑

ブルー・オーシャン

2017年03月30日 | 心療内科医

春、箱根。
2年間の研修修了を祝す旅。


同期のみんなと通称“卒業旅行”に行ったときのバーベキュー会場の桜です。
期待以上に穏やかで楽しい2日間。集合写真のみんなの笑顔がとてもいい。みんな研修で削られて丸くなったのかなあ笑 いい思い出ができました。
お互い忙しく、敷地狭すぎて研修医室も与えられず、そんなに会えてた訳でもないはずなのに
やっぱりどこか甘えられる存在だったんだと思います。同期って、そんな特別な響きを持っています。

そんな同期とともに過ごして大好きになってしまった病院で、来年度も研修を続けることに決めたのが去年の10月。
この2年間の大きな収穫として心療内科医になるという夢を見つけたことがあるけれど
この決断は必ずしもその夢への近道ではありません。だからとても悩んだし、かなりわがままして方々に相談させてもらいに行きました。
3年目にここで内科全般の研修をするのは、日本中の心療内科医(日本の心療内科医は少ないのでこういうのは言いやすい笑)と協議した結果なんです。もう後悔したくてもできません。

尊敬する同期であり今までなんでも話してきた親友がいるのですが、彼が私に「ライバルが少ない分がんばらなくちゃダメだよ」と言いました。去り際まで厳しい言葉をかけてくるものです、まったく。
でも本当にその通り。次の日にセミナーで知り合った大阪の先生からいただいたメールにも「この業界はブルー・オーシャン」と書いてありました。

自分を律してどんどん挑戦しよう。自分でその挑戦に価値を認めてあげよう、新たに価値を創造していこう。すると…

もらえる仕事は全部ことわらずにやろう。

これはだいぶ簡単な方な気がしてきたぞ笑
それでまずは学会誌に載せるセミナーの体験談ていう…いやこれもだいじ!早く完成させなくちゃ。


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卒業旅行後は、初期研修最後のローテとなる訪問看護へ。
タフな訪問看護師さんたちの仕事を見学させていただくのがメインであり、おっきなリュックのっけた電気自転車でビュンビュン進む看護師さんたちを必死で追いかけていただけのはずなのですが
慣れない日中の外気のせいか、いつものあの「ローテがラクになった瞬間出現する病魔」のせいか、風邪をひいてしまいました。(原因が前者でも後者でも、来年度は起き得ないことなので安心です。)

家でおとなしくしていると、引っ越して1ヶ月で溜まったらしい綿ぼこりが目につき始め…めずらしく掃除機をかけたくなったりキッチン中のものをアルコール拭きしたくなったりと、まあこんなのもたまにはいいかなと。新調したパンツとクリーニングから返ってきたブラウス(支給されていたユニフォームも今年度で卒業!)も置き場が決まって、おさがりにもらったテレビも搬入して、あっちを入れ替え、こっちを入れ替え(この作業には必ず「入らないものを棄て、」が入るのは御存知のとおり)、いよいよ収まるところに収まった感じ!ついでに外出できないのをいいことにネットショッピングの便利さに気付いてしまった26の春。
家にいるの、楽しいな。
…そんな自分がちょっと怖くなって、ネット注文しようとしたジャスミンのアロマオイルはさすがに店頭で確かめてから買おうと思い直したのですが。

おかげさまて、なかなかいい部屋になりました。
親友が最後に買ってくれたおそろいのスピーカーもマリメッコにフィットでしょ。

これでララランドがんがん鳴らして、寂しさ吹き飛ばし、不安かき消して明後日から病棟長!
It's another day of sun!

おもひでぐつぐつ

2017年03月29日 | ひとり飯 ~持続可能な生活会議~

近くの狭苦しいスーパー、高を括って入ったのですが
なんとラタトゥイユの材料そろいました!
感心しすぎて、むかし捨てたポイントカード
再発行してもらいました。
そいえばあの先生たちも帰りに寄るっておっしゃってたな。「意外といいのよ」って。

トマト3個、玉ねぎ1個、ナス2本、ズッキーニ1本、赤パプリカ1個。
トマトって一人暮らしじゃ買いませんものね〜なんて職員食堂のサラダバーでトマト独占する先輩に同調する私よ、さらば。このレシピなら一気に一袋使えるぞ。
ナスは1本余っちゃうけど訪問看護でいただいた手作りコチュジャンで食べましょう。

野菜に塩して弱火でじっくり炒めると
うまみや水分が引き出されるのだそうです。
レシピ曰く“くったりと汗をかいているようになるまで”野菜の様子を眺めているだけで、美味しくできちゃいました。
いろんなことと今日でお別れだったから
他のことで頭をいっぱいにしようと思って久しぶりに料理したのに…

何にでもスライスチーズかけてチンしたりするのとか、もうやめよっかな。
金麦常備しても飲む人いなくなるから卒業だな。

卒業するには、そんな小道具たちを消化しなければということで
今日までは仕方ないことにして全部トレイに載せたら

なんかあぐらかいて食べたくなった。
旨い。
こういうこと、なんで一人にならないと思いつかないんだろ。

おかえりsweet home

2017年03月26日 | 心療内科医

乗り換え駅の志津屋のパンたちがとても魅力的で、今日の新幹線のお供に決定。
京都の老舗パン屋さんだそうです。京都のたまごサンドには卵焼きが入ってました。

昨日の東京〜京都は立ち寝でがんばれたのですが、年甲斐もなくカラオケオールからの2日間の講習会とさすがに体力的に攻め込まれてきたので熊本までは指定席券買っちゃいました。
これから本物の里帰りです。


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研修修了式の翌朝、新幹線に飛び乗って(セーフッ!)行ってきました、第2回心身医学合同セミナー!我が師匠ふくむ日本心身医学会の若手ワーキンググループの先生方がボランティアで(!)ファシリテーターとして秀逸なレクチャーからグループワークのサポートそして…飲み会笑 と、手厚くもてなしながら心療内科の良さをシェアしてくださるという贅沢な会です。確かにシェアされました、心療内科がさらに好きになりました!

それだけでなく、進路相談で多大なめ…お世話になった先生たちとの再会に加え、はじめましてのこれまた素敵な先生たちとの新たな出会い。
もちろん立ち上げに関わった運営の先生方の、日本の心療内科の未来についての熱いお考え(昨日の二次会で聴かせていただきました…)もありがたく意識しなければならない時はそのうち来ると思いますが、今はひたすらこのあったかさが嬉しくて。
帰りにご挨拶する頃には「楽しかったか、そうか。またいらっしゃい。」なんて声をかけていただいて、なんだか全国の心療内科のある県に親戚のおじさん(しかもカッコよくて憧れの)が増えたみたい!
おかげでポッとしてたらSuicaが大阪ではオートチャージされないことをすっかり忘れて改札機に激突したのでした。

総合病院のマイノリティとして存在する心療内科医の孤高な感じは大好きだけど、「心療内科志望です」って言っても珍しがられないこういう場に居られる時間は歓びです。
二日間で教わったことをだいじにして、また自信持ってやっていこう。次にみなさんにお会いできるのは、6月の学会…ポスター作り、これ以上後回しにせずにがんばらねばだ笑

二位じゃダメなんですか

2017年03月05日 | デキんレジの雑記帳

ダメなんです!ふーっ!!
願いごと言ってロウソク吹き消すのなんて何年ぶりでしょう…たまたま被ってしまった病棟飲みでだったので照れ臭かったけど、この時わたしは間違いなく“一位”でした。サプライズ、頼んでくれたみんなの気持ちに感謝です。


今年のお誕生日は日にちがよかったこともあり
いろんな人が祝ったり祈ったりしてくれて
直前までいろいろありはしたけれど
26歳初日を元気に過ごすことができました。

この日の朝祷会は私の好きな放蕩息子のたとえだったし
偶然と思うけど母さんからと父さんからと、同じ「自分を大切に」というメッセージが届きました。
また、お世話になっている病棟の看護師さんたちがメッセージ付きプレゼントを用意してくださってたのは本当にびっくり!
「笑顔のすてきな」と書いていただいていたので
自分がどんな顔してるかなんてあまり意識したことはなかったけれど
来年度、長白衣で戻ってきても前言撤回されないようにしないといけません。
以上より、26歳のテーマは“与えられた賜物を大切に、心身ともに健やかに”に決定。
よろしくお願いします。


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一般内科の外来をやっていた時にある患者さんに困り果てて、
私の師匠である心療内科医に説明を依頼したことがありました。
そうしたらその患者さんすっと良くなっちゃって、「先生と話してたら体があったかくなってきたよ。」なんて。
そうか、じゃあイエスさまも心療内科医だったんじゃないかな!みたいな思い付きをしつつ
自分でもびっくりするくらい悔しい気持ちが湧き上がってきて。
ふだんどんなに同期が目の前で褒められたって平気なのに
尊敬している15年も上のその先生に対してそんな感情を持つなんておこがましいにも程があるけど
ああ、私にも“これだけは誰にも負けられない”と思っていることはあったんだなと。

プライドの低さはある種の自己防衛反応でもあると思うんだけど、うちの職場でそれを見せると怒る先生が多いです。
「自分はこの程度でいいや」って思ってるように見えるからでしょうね。違うのに。
でもたしかに、自分の気持ちを誤魔化さずに正直に悔しがったり怒ったりした方がいいのかもしれません、一位になるには。
苦手だけど、そういうモードも選べる自分にならないといけない気がする
二十代、後半戦。