卵屋さんの鉄道博物館

2017-03-08 23:58:20 | その他旅行き
房総横断乗車券で行く途中下車の旅(五)

晴れの予報だったのに空は曇りがち。
寒い。
早朝宿を出た時より寒くなったのでは。
歩いても歩いても身体は暖まらない。
房総の広大な畑地を吹き渡る北風に逆らいながら歩いている。

国吉駅の待合室の壁に「ポッポの丘」という施設を紹介する張り紙を見つけた。
ファームリゾート?鶏卵牧場?
入場無料かあ。
卵を売ってるらしい。
古い鉄道車両が保存され、鉄道関連グッズの販売もしてるとある。
牧場に鉄道車両を置いて直売所としてるのだろうか。
面白いのかな。

読んだ直後は行く気にならなかったが、国吉駅の寒さに身を置きこの後の旅程を考えていたら、だんだん行く気が高まってきた。
その日まだまだ時間はあって、このままのペースで一駅乗って一駅歩くのを続けたら、帰宅予定時刻より早く終着駅に着いてしまいそう。
それよりこの寒さにいつか心がくじけて、暖かい汽車の車中から出られなくなり、最後までずっと乗って行ってしまいそうだ。
そんなことしたらフリー切符じゃないから戻れない。

ポッポの丘は国吉駅の隣駅の上総中川駅が最寄り駅。
歩いて行く様な距離ではないが歩いて行けないことはない。
行ってみることにした。
で、やっぱり寒い中、歩いているわけだ。
畑地の向こうの丘の上に鉄道車両が見えてきた。
あれかあ。
開場する10時ちょうどくらいに到着した。
導入路を上ると広い駐車場があり、周りに古い鉄道車両がたくさん置かれていた。

おー、ちょっとすごいな。
想像してた大々的な農産物直売所感はなく(卵は売ってたけど)、私には純粋に引退した鉄道車両の展示場に見えた。
でも、ちょっと特殊な雰囲気が漂う。
なんというか手造り感満載で営業店舗らしくないのだ。
平日でお客さんがいないからか、人ん家の資材置き場にこっそり入り込んだ落ちつかなさがある。
展示車両の前にはキチンと経歴紹介の立札があり博物館ぽいのだが、車両に乗り込むための階段が鋼材でできてて飾り気がない。
入場無料にしてるから、お金をあまりかけられないのが分かる。
大々的にモノを売ってその売り上げで成り立たせているのかと思ったが、あまり商売っ気は感じられなかった。
施設維持の為たくさん買い物してね、と書かれていたが、ベースは鉄道好きに楽しんで貰えればそれでいいんだ、的な考えを持たれているように思えた。

営業日は金曜、土曜、日曜、月曜、祝日と来客が見込める日だけ。
施設維持に人の手があまり回せないのが見て取れる。
各車両の中に入れるのだが、掃除が行き届いていないのがありありだし、売ってる鉄道関連グッズもあまりに時が経ち過ぎている。
応援するため買えるものはないかと物色したが、購入は早々に諦めさせてもらった。
あ、そういえば入ってない販売車両が2ヶ所あったな。
そこのも同様かどうかは不明。

ただ、展示している車両は素晴らしく、サラッと見てカフェであったまって帰るつもりがそうはいかなかった。
車種多く、また珍しく、雨ざらしでボロボロなのがますます私の心をつかむ。
端から端まで見て回った。
お昼を過ぎてようやく撮影に区切りをつけ、カフェで昼食。
カフェって言ってもいすみ鉄道で使われていた「いすみ204号車」の車中にテーブルが置かれたセルフサービスのお店。
牛丼生卵付きを注文した。
美味しゅうございました。

食事後、気持ちをカンパ箱に入れて施設を後にした。
ここは知らずに遊びに来た一般の方の好き嫌いの差が激しいだろうな。
ちょっとしたキワモノ好きな人や、私みたいな鉄道好きでないと楽しめないかもしれない。
売ってる卵は放し飼いの鶏が産んだ良いものらしいから、卵を目当てに来るお客さんが多いのかもしれない。
平日だったからがら空きだったが、土日は賑やかなんだろうか。
ちょっと気になった。


<入口から見上げる>


<銚子電鉄にも撮影に行きたいな>


<ただ朽ちていく>


<車掌車四重連>


<車掌車にはストーブがある>


<モノレールを地面に置くとなんかシュール>


<昨秋乗った大山ケーブルの前任車>


<カフェからの眺め>




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