バイタルサインのパールズ：低血糖の鑑別診断ではバイタルに注目せよ
低血糖の鑑別診断には、最も頻度の高い薬剤性のものから、敗血症などの重篤な疾患もある。
鑑別診断に最も重要な情報は病歴であり、薬剤の使用歴（インスリン・SU剤など）、飲酒歴、既往歴（肝疾患・腎疾患など）はかならずチェックする。
加えて、バイタルにも注目することにより、重大な見逃しを避けることも可能である（下記の表を参照）。
「インスリンなどの薬剤による低血糖では交感神経活動亢進しており、カテコラミン（インスリン拮抗ホルモン）の大量放出がみられ、ベータ遮断剤の服用が無ければ、「頻脈＋血圧上昇」のパターンが多い。
すなわち、「インスリンなどの薬剤による低血糖にショックなし！」といえる。
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（表）低血糖の鑑別診断
l 頻脈＋血圧上昇→
インスリンや経口糖尿病薬（SU剤など）による薬剤性低血糖
インスリノーマ（非常にまれ）
l 頻脈＋血圧低下→
副腎不全
l 頻脈＋頻呼吸＋血圧低下→
敗血症
末期肝不全
末期腎不全
l 頻脈＋頻呼吸＋血圧正常→
アルコール性ケトアシドーシス
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