燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

レイク・オベゴン効果とは?

2020-05-29 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     製薬会社は「相対」リスク低下の数値をチラシなどによく使用する。   30%のイベントリスク低下です、というように。     もちろんそれは正しい。   しかし、担当医が行うべき作業は、これを絶対リスクに解釈し、個別医療を行うことなのだ。     一方、今回の . . . 本文を読む
コメント

NNT と NNH を考慮した医療とは?

2020-05-28 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     スタチン長期内服では安全性の検討も重要である。     横紋筋融解などの筋障害や耐糖能障害は有名。     過去の研究からの統合データを用いて、スタチンの副作用に関するNNH (number needed to harm)を分析している独立系研究グループのアップデート情報(The NN . . . 本文を読む
コメント

臨床効果の大きさ、その測り方とは?

2020-05-27 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     臨床的な適応があったとしても、その効果がかなり小さく、有害事象のリスクが高くなる処方は賢くない。     前述のA子さんについて再度考えてみよう。     まず、高LDLコレステロール血症を有する60歳代の日本人女性において、10年間における心血管イベントのリスクは約3%である(Lance . . . 本文を読む
コメント

抗菌薬の特殊な有害事象

2020-05-26 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     マクロライド系抗菌薬の内服では、薬剤代謝への影響で、心血管イベントのリスクが増加する。       新型コロナウィルス感染症で、主にアメリカで使用されていたアジスロマイシンとヒドロキシクロロキンの併用投与で心血管イベントが増加した。     アジスロマイシンもマクロライド系抗菌 . . . 本文を読む
コメント

抗菌薬の賢い内服の仕方を勧めるランキングトップ15 ビデオ

2020-05-25 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     抗菌薬処方では、患者因子も重要であり、抗菌薬希望目的の受診行動もよくみられる。     一般向けに、不要な抗菌薬内服をやめるように勧めるビデオ・キャンペーン活動も広がってきた。     その活動の中心はビデオ。     表:抗菌薬の賢い内服の仕方を勧めるランキ . . . 本文を読む
コメント

臨床的適応のない処方とは?

2020-05-22 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     風邪、気管支炎、単純性副鼻腔炎、軽症爪周囲炎、 切開排膿を行った皮膚膿瘍、への抗菌薬処方などのこと。     抗菌薬処方の過剰使用は世界的な傾向。     Choosing Wisely International(下表)では「 やらないほうがよいリスト」のトップに挙げられている。 . . . 本文を読む
コメント

作用機序で考える複数種類の処方

2020-05-21 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     複数のベンゾジアゼピン系薬剤を組み合わせる処方、複数の抗精神病薬を組み合わせる処方、複数の胃薬を組み合わせる処方には、問題がある。     複数種類の処方の内服で、臨床的に有益性が高くなることが期待できるならよいが、そうでない場合には副作用のリスクが高まるからだ。     もちろん、高 . . . 本文を読む
コメント

賢い処方とは?

2020-05-20 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     賢い処方とは何か?   それは「賢くない処方」あるいは「不適切処方」ではないということ。当たり前である。     では「賢くない処方」を分類して述べたい。     まずは、禁忌・不適切処方だ。     腎不全や心不全、活動性の消化性潰瘍患者における非 . . . 本文を読む
コメント

賢い処方の仕方

2020-05-19 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     まずはクイズ。     Choosing Wisely Campaign(賢い選択キャンペーン)とは?     A  エビデンスに基づく医療内容の選択ができるように、医療者と患者のコミュニケ-ションを促すための推奨リスト(いわゆる5リスト)を専門医学会が提供する世界的なキャン . . . 本文を読む
コメント

SLE と診断されている患者で CRP 上昇があれば何を考える?

2020-05-18 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     膠原病でCRP上昇がよくみられるのは関節リウマチである。     逆に、SLEと診断されている患者でCRP上昇があれば、感染症の合併を考える。       巨細胞性動脈炎(大血管炎)を臨床的に疑う場合、抗核抗体、疾患特異抗体(ANCAや抗CCP抗体)、クリオグロブリンの検査 . . . 本文を読む
コメント