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飼ひ犬にかくれ場所ありはたた神:森下賀升

2020年07月22日 | 俳句
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飼ひ犬にかくれ場所ありはたた神:森下賀升
鬼の形相で雷神が暴れている。耳が敏感な犬は自分の居場所を確保せねばならぬ。いつもの隠れ場所はご主人の傍のソファーである。頭や喉をさすられればこれで安心。鼻が濡れてご主人の酒のつまみに心が動く。でもこれはダメ。人間のものは犬には塩分過多と知っている。涎に気が付いた主人がドッグフードを差し出した。はたた神が一光した。<遠雷にぴんと立ちたる犬の耳:やの字>:雄山閣『新版・俳句歳時記』(2012年6月30日)所載。
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