風の雑記帳

平凡でもかけがえのない毎日が過ぎていく。
風景や触れ合い、心の断片を切り貼りして綴ってみる。

大阪府 16/47

2024年04月21日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第16弾は、大阪府大阪市。

JR大阪環状線、新今宮駅から徒歩10分、「えべっさん」と呼ばれ、

地元では、商売繁盛の神様で親しまれている今宮戎神社を訪ねた。

 

 

毎年1月9日から11日にかけて開催され、七福神の一柱でもあるえびす様に

商売繁盛を祈願するお祭り、「十日戎(とおかえびす)」で有名な今宮戎神社。

 

えびすの”え”は入江の江、”び”は昔の言葉で神様、”す”はそこにおられるという意味で、

「海の近くにおられる神様」というのがえびす、だから手に釣り竿と鯛を持っておられると。

今でこそ高層ビルに囲まれているが、昔は社務所の裏手は海だったのだという。

 

 

十日戎の時は、地面に敷かれている砂利や木の鉢は全部取り払い、何もない状態にするという。

何故なら、大勢の参拝客が、全部外に砂利を引きずって行ってしまうからだという。

 

 

 

しめ縄がかけられているこちらは、本殿の裏手。

えびす様は耳が遠いので、正面からだけでは聞いてもらえないかもしれないという事で

念押しで裏からもお詣りするという風習があり、裏からも参拝できるようになっているという。

 

 

七福神は、えびす、大黒天、布袋、寿老人、福禄寿、弁財天、毘沙門天で、

えびすだけが日本の神様で、”天”が付くのはインドの神様、他は中国の神様という。

 

 

えびす様には、海に流されて遠くに行き苦労して立派な人になって帰って来たという言い伝えがある。

きっと中国に渡って、中国から帰ってくるときに他の国の神様と一緒に宝船に乗って来たのではないかと。

 

 

「今日一番心に刺さったのは、えびす様が外国に流されたというお話で、

ほかの国を見てほかの国の人と触れ合うことは絶対にやるべきだなと。

だから僕もいつの日か・・・流されようと思います!

本当にいいインスピレーションをもらいました!」三浦氏

 

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千葉県 15/47

2024年01月31日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第15弾は、千葉県香取市。

JR成田線小見川駅からバスで18分、バス停から徒歩1分弱。

160年以上の歴史を持ち生産量全国一位の千葉県の「ちば醤油」さんを訪ねた。

 

工業団地内にある「ちば醤油」さん、残念ながら工場見学は出来ず、外見だけの見学となった。

 

  

 

醤油の製造過程は、大きく四つの工程があるという。                      

① 製麹(せいさく)。麹室という部屋で蒸した大豆と炒って細かく砕いた小麦に麹菌を混ぜて「麹」を作る。

部屋は湿度100%、温度30℃に保たれており、二日ほどで麹が出来上がるという。       

      

② 仕込み。古い木桶が並ぶ仕込み蔵で、麹室で作られた麹と塩水を混ぜて諸味を作る。          

深さ2.5m、円周約10m、容量は約8000ℓもある巨大な桶は、創業当時から使われているもの。

この木の桶は”下総醤油”というブランドの諸味で、大豆、塩、小麦厳選した国産の材料が使われている。

諸味を発酵させるために酵母などは入れておらず、桶の縁に元々棲み着いている菌が自然と発酵を促す。

通常は半年ほどだが、この”下総醤油”は、一年以上かけてじっくりと熟成させているという。     

 

③ 搾り。布を広げて諸味を満遍なく充填、それを積み重ねてプレス機にかけて搾り出す。         

諸味で1万リッターをプレスすると9000リッターの醤油、一割が醤油かすになるという。    

 

④ 火入れ。プレス機から流れて集られた醤油は、火入れという工程を経て完成する。           

熱を加えることで殺菌する目的もあるが、熱を加えると独特の香り成分が生まれるという。     

 

   

  

 

外にある金属のタンクも諸味が入っている。

建物の壁や屋根まで黒くカビが生えていて、菌が棲み着いて増殖している。

 

下総醤油は、この旅では買うことが出来なかったため「ちば醤油」さんから取り寄せてみた。

 

通常の醤油よりも厳選された材料を使い、倍以上も熟成されて出来た”下総醤油。

刺身や冷奴で食べると味の違いが分かるというので、鮪切り落としで食べ比べ。

 

色にそう違いはなく、私的には「塩分控えめ」の醤油が一番旨みを感じた。

今度は冷奴で試してみよう。

 

JR小見川駅から出るバスもまた、何処まで行っても300円也、バスが大活躍だった。

    

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茨城県 14/47

2024年01月21日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第14弾は、茨城県つくば市。

JR常磐線牛久駅から、つくバス茎崎シャトルで50分弱、バス停から徒歩5分。

全国花火競技大会で、何度も最高の賞に輝く「山﨑煙火製造所」さんを訪ねた。

 

 

中を見学することは出来ず入口までだが、すぐ脇の空き地からフェンス沿いに見学。

   

 

花火は大きく4つの工程に分かれているという。

① 薬品を調合する「配合」。配合した火薬を丸い形状にしたものを「星」と呼ぶ。

② 火薬に添加物を加え成形する「星掛け」                  

③ 完成した星を半球の玉皮に込め、二つの玉皮を一つに合わせる「玉込め」   

④ 仕込みを終えた玉にクラフト紙を貼る「玉張り」              

 

玉張りは貼っては乾燥させる工程を繰り返し、10号玉で50~60枚も貼ると言う。

大きいものは火薬が大量に詰まっているので、沢山貼って強度をつけることで、

反発力を利用して大きく開かせることが出来るからという。

 

今は、「点火器」と言ってコンピューターで遠隔操作出来、昔より楽になったと。

1000発でも10000発でも、ボタン一つで打ち上げられるという。

 

また、今は音楽がつくので、打ち上げ担当者が流れを決めてプログラムして行く

ショ一を一本作って演出するようなものなので、その準備の方が大変だという。

 

11月に土浦市で開かれる「土浦全国花火競技大会」、一度は生で観てみたいもの。

山﨑煙火製造所さんのXでその様子が観られるので、是非覗いてみて下さい。

山﨑煙火製造所(@yamazaki_enka)さん / X (twitter.com)

 

 

 

牛久沼の畔に建つ山﨑煙火製造所さん、バスを降りてからすぐに電柱に矢印があった。

のどかな畑や竹林を通り抜けると、ひっそりと静かな製造所が出迎えてくれた。

     

   

    

成田空港が近いので、空には飛行機を何度も見ることができた。

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埼玉県 13/47

2024年01月15日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第13弾は、埼玉県秩父郡小鹿野町。

JR東飯能駅乗り換え、西武秩父線 西武秩父駅からバスで約40分。

2百数十年前の江戸時代から続く、小鹿野町歌舞伎の里を訪ねた。

 

 

「小鹿野町歌舞伎さろん」は小鹿野文化センター内にあり、資料や衣装などが展示されている。

 

伝統の歌舞伎は我が県内にもあるが、なぜこの小さな町で220年以上も続いて来たのか。

それは、町内の6地域の神社のお祭りで、氏子が奉納する形で歌舞伎が演じられるからという。

 

 

一生懸命稽古した歌舞伎を奉納して神様に喜んでいただき、自分たちも楽しむ形が継承され

地域の中で歌舞伎への愛着や、伝えて行かなければという使命感が深まって行った結果だと。

 

    

 

小鹿野には、女性だけの歌舞伎、子供だけ、高齢者だけ、おまわりさん歌舞伎とか、

色々なものが沢山あって、”地芝居のデパート”と言われるほどという。

 

さらに役者だけではなく、大道具、小道具、衣装、鬘、義太夫、下座までフルセットで揃い、

まさに、町じゅうが歌舞伎一座だという。

 

実際の歌舞伎は中々観に来れないが、「小鹿野歌舞伎さろん」では録画を観ることもできる。

 

 

三浦氏がふと気にしたことは、この舞台にかけてある短冊「花掛け」のこと。

ご祝儀「ものすごい金額だと思われますよね?」と、説明する役場の方。

これは、お返しが出来ないのでお礼の意味で金額を10倍で書いているという。

一万円なら壱拾萬円、二万円なら弐拾萬円、三万円なら参拾萬円という風に。

「芝居」=「4倍」という所もあり、運営費や経費、慰労会費になるという。

 

 

 

山の中の小さな駅かと思っていたら、西武秩父駅はライトアップされていてまるでお祭りの様だった。

 

 

 

駅前のバス乗り場で待っていると、町営バスがやって来た。

小鹿野町まではひと山越える感覚でヘアピンカーブが続く道だが、バスの運転手は若い女性で驚いた。

何処まで乗っても500円也。バスが大活躍していた。

 

  

 

 

日本製『COLUMN』より抜粋。

「一年に一度のお祭りのためにみんなが集まり、歌舞伎を作る。

お金のためではなく、ただ好きだから、楽しんでもらいたいから、地域を盛り上げたいから、未来に繋げたいからという一心で稽古を重ね、技を磨く。

とても尊く、僕も頑張らなければとシンプルに思いました。本当に学ばせてもらいました、いつか必ず観に行かせてもらうつもりです。」

 

地元中学校でも力を入れているようです。

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静岡県 12/47

2024年01月06日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第12弾は、静岡県伊豆市修繕寺。

JR三島駅乗り換え、伊豆箱根鉄道駿豆線 修善寺駅から徒歩14分。

町づくり、町おこしがテーマの「ドットツリープロジェクト」を訪ねた。





NPO法人サプライズさんの「新しい地方の暮らし方」を提案するこの場所は、

住居とオフィスをセットで貸し出している賃貸物件で、一業種一社限定が条件。

NPO法人代表者ご自身もこの場所に住み、入居者の広報アドバイスや

ビジネスマッチングなどのサポートを行い、広場でランチミーティングや

休日にはバーべキューをしたりして情報交換や懇親を図っているという。

 

  

 

募集当初は、数倍を超える入居希望者があったというが、現在はひっそりとしていた。

 

 

ここには、プロジェクト内や修善寺に住む子供たちが作っている雑誌「KURURA」

があるというので手に入るか期待して行ったが、手に入れることは出来なかった。

「KURURA」kurura (izukurura.com)

 

小学5年生から中学2年生までの子供たちが、手書きの絵なども入れて作っている小冊子。

基本的には子供たちがみんなで取材先を決め、アポイントを取り、インタビューから

原稿の執筆、写真の撮影、編集までやり、大人たちがそれをサポートしているという。

 

また高校生は、ゴミ拾いをしているという。

活動2016 - NPOサプライズ 伊豆サテライトオフィス (surprizu2012.jp)

「清掃甲子園」と書かれたユニフォームは、裾のジッパーを閉めるとエコバックになるという。

 

 

伊豆は広いけれど人口は減り始めていて、東京ドームの観客席数にも満たないという。

今までは若者に「外に出ないで、行かないで」とやっていたが、問題はそこではなくて

活動を通して伊豆を知ったうえで、どんどん出て行きなさいと言う風に変わったという。

 

伊豆箱根鉄道駿豆線から見える富士山は、とてもかっこよくて感動的だった。

修善寺には何もないなんて、まずこの風景が宝ではないかと羨ましくなった。

 

NPOサプライズの代表者さんが仰るには、「全てはトライ&エラー

色々な事にトライして、その知見をみんなに渡して行ければ良い。

だから、失敗するのが僕らの仕事です」って、柔軟な考えが素敵だなと思った。

 

来るときは町の中を歩いてきたが、帰りは土手沿いを歩いて帰った。

ねこが、土手で待ち伏せ。「よく来たね!!」って言われた気がした。

 

   

 

   

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青森県 11/47

2023年12月16日 | 18きっぷで行く『日本製』

『日本製』第11弾は、JR青森駅から徒歩5分、「ねぶた屋」さんを訪ねた。

東北三大祭りに数えられる青森ねぶた祭、若手ねぶた師による活動拠点「ねぶた屋」。

 

駅で頂いた駅前マップには、確かに「ねぶた屋」さんの位置が書いてあるが

何度もその前を行き来し、やっとこの小さな看板を見つけて、中を見せて頂いた。

 

一歩中に入ると、圧倒される程の大きなねぶたの頭が幾つも飾られていた。

青森ねぶたは、1980年に重要無形民俗文化財に指定され、

毎年300万人の来場者を誇る、日本を代表する夏祭りのひとつ。

最初に絵を起こし、それをもとに手や顔などの細かいパーツを針金で作り

角材で支柱を立て針金で全体の形を作って、そこに電球を配線していく。

ねぶたそのものは、幅9m、高さ5m、奥行き7mの範囲内で作っているという。

昔はろうそくで明かりを灯していたが、今は全部LED、燃えにくい丈夫な和紙を使用。



ねぶた師は、スポンサーから声がかかることで初めてデビュー出来る。

何年修業したからとかではなくて、毎年依頼が来る保証があるとは限らないと。

 

ねぶた師はそれぞれライバルであるが、いざデビュー出来てもねぶた師だけでは

生計を立てるのは難しく、ねぶた師同士が交流を持ち、技術を交換することで

ねぶた界全体が向上して行くことが大事と考え、流派の垣根を越えてチームとして

活動するために、若手ねぶた師のによるプロジェクト活動拠点「ねぶた屋」を立ち上げたと。

 

 

青森駅から徒歩2分の所に、「ねぶたの家  ワ・ラッセ」がある。

こちらには、今年のねぶたの受賞作が多数飾られてあった。その中でも、

「ねぶた屋」の北村春一さん作のねぶたは、優秀製作者賞・市長賞を受賞されていた。

   

ねぶたの仕組みが分かる展示。

   

こうやって伝統を守り発展継承させる集団がいて、毎年8月2日~7日、

「ラッセラー」の掛け声とともに踊る跳人たちや勇壮に練り歩くねぶたは

さぞ活気にあふれ煌びやかで、私も一度は生で観てみたいと思った。

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北海道 10/47

2023年12月15日 | 18きっぷで行く『日本製』

今回は、初歩的な自分のミスで、18きっぷでの旅が出来なかった。

が、休暇が勿体ないので、ならば遠いところへ行こうと、ガチ新幹線で北海道へ。

 北海道新幹線新函館北斗駅から江差行きバスで約1時間半、「江差追分会館」を訪ねた。

  

ニシン漁とその加工品の交易で繁栄した江差町で歌い継がれている「江差追分」。

昔は江差にもアイヌの人々が多く暮らしていて、追分踊りで着る着物や楽器に名残がある。

江差追分は、前唄、本唄、後唄で一本通すと8分の長い歌となっている。

本唄の「かもめの なく音に ふと目を さまし あれが 蝦夷地の やまかいな」の7節は、

正調江差追分と呼ばれ、「かもめ ええええ えのお・・」とノーブレスで2分半かけて歌い切る。

 

江差追分会は、国内に145、海外にも5の150の支部に3000人強の会員を持つという。

毎年開催される「江差追分全国大会」は2018年56回を数え、地区予選会には千人が参加。

また、江差追分大会は、参加者全員が同じ長い約2分半の本唄を歌って競うと言う。

 

 

ニシン漁で栄えた江差の港を守る堤防の役割を果たしていたのが「かもめ島」。

江差フェリーターミナルの先にある小島で、かもめが羽根を広げているように見える。

天然の防波堤、防風壁として北前船が停泊するのに好都合だった島の役割は大きかったと。

島の入り口に立つ「瓶子岩」は海の守り神であり、老婆が塀の水を海にそそぐと

ニシンが群来したという伝説があり、今でも大切に祭られている。

 

 

島へ続く階段を進むと、遊歩道のある広く平らな展望台になっていた。

眼下には波の浸食で作られた千畳敷と、その向こうにはそうそうたる日本海が広がっている。

    

 

「江差会館」の方のお薦めの手打ちそば「和味」さんで、にしんそばを食べることが出来た。

帰路は、かもめ島と瓶子岩の最中を食べながら、立派なバス停でひたすらバスを待った。

    

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岩手県 9/47

2023年09月26日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第9弾は、岩手県二戸市浄法寺町。

JR盛岡駅~いわて銀河鉄道線二戸駅~JRバス東北 天台寺バス停より徒歩10分。

漆の原材料が採れる日本一の産地で、工房兼販売施設の「滴生舎」さんを訪ねた。

 

 

日本で使われている漆は97~98%が中国産で、国産は2~3%でその7割が浄法寺産という。

更に、一本の木から採れる漆は、たった200cc牛乳瓶一本位とのこと。

外国産の漆は器にためておくため雨水や虫などの不純物も入ってしまうが、浄法寺産は

一滴づつ人が丁寧に掻きとっていくため、殆ど不純物は混ざらないという。

 

漆の木が育つまで15年。6月上旬に最初の傷をつけ、4日後にその上に次の傷をつける。

更に4日後又4日後にと傷をつけ、傷から滲み出た樹液をヘラで丁寧に掻きとっていく。

そうやって集まった樹液は、杉材の漆樽専用の樽に入れられ保存される、一樽100万と。

 

 

滴生舎の器は浄法寺漆100%、丁寧に塗って研ぐを繰り返す塗り重ねの手法。

国産漆の希少さを知れば、それがどれだけ贅沢な漆器か分かることが出来る。

 

 

3か月かけて作られる漆器は、まだちゃんとした漆の硬さにはならないので、

買ったら仕舞って置かないで、日々使って湿度を与えて少しづつ育てると良いと。

漆の木を植え育て、漆掻き、漆塗り、道具、漆樽職人、皆揃って仕上がる漆器。

使うごとに生まれる艶や光沢、抗菌作用もあるという漆器は実は実用的だと知った。

 

   

 

JR盛岡駅より先は、18きっぷ使用者には不便な地となってしまった。

JR盛岡駅からいわて銀河鉄道線二戸駅まで、2000円也。

日帰りは叶わなかったが、しかしどうせならと酒田、秋田経由で二戸入りした。

さらに、今回も、二戸駅からバスが出ていて本当に良かった。730円。

 

   

   

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福島県 8/47

2023年09月21日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第8弾は、福島県岩瀬郡天栄村。

JR東北本線鏡石駅より、福島交通天栄村役場バス停より徒歩19分。

 

米・食味分析鑑定コンクール国際大会で5回の金賞(最高賞)と特別優秀賞を

受賞された米農家内山さんのお米に会いに、「道の駅 季の里天栄」を訪ねた。

 

 

今回は現場を訪ねることは難しく、何処に行けばそのお米に出会えるかいろいろ考え

道の駅なら天栄村の特産物があるはずと思い、半ばダメ元で出かけた旅だった。

 

 

先の食味コンクール国際大会とは、1999年より開催されており新米の食味を

鑑定する世界一大きな大会で、韓国中国米国他6000件ぐらいの応募があるという。

 

「天栄米」とは、村内の米生産者で立ち上げた「天栄米栽培研究会」で、無農薬、無化学肥料に

拘って作られ、9年連続で金賞と「ゴールドプレミアムライスAAA」の称号も得たブランド米。

 

 

しかし内山さんは、手間がかかる上に生産量も少ない完全無農薬、有機肥料の米作りを続けている。

10アール当たり6俵が限度だが、少しでも安全で美味しいお米を届けたいという思いで。

さらに、通年人を雇わず、家族で米作りから出荷までを行っているという。

そんな内山さんのお米が、道の駅 季の里天栄に並んでいて買うことが出来た。

  

徒歩だったので、3合450gの小さなサイズがあって本当に良かった。^^

 

 

今回の旅で思った事は、バスが走っていて良かったという事。

駅から役場まで、行きも帰りも乗客は私一人だったが、34分620円。

このバスが無ければ、今回私がこの場所に行くことは叶わなかったと思う。

 

バスを待つ間に、役場隣の文化の森の図書館で、暑さを凌いで休ませていただいた。

「歩くんですか?」と道の駅までの方角を玄関先で教えてくれた事務員の方、感謝。

    

   

今回は早く帰れる予定だったが、新白河からくる電車が僅か15分遅れたために

繋がるはずの電車に間に合わず、福島駅で3時間近くの待ち時間となってしまった。

新幹線を利用するまでもなく、仙台回りも考えたがじっと福島駅で待つことにした。

ハプニング、これもまた旅なり。

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神奈川県 7/47

2023年09月17日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第7弾は、神奈川県鎌倉市。

JR横須賀線、鎌倉駅から徒歩9分、鎌倉彫の老舗「博古堂」さんを訪ねた。

 

日帰りで東京より先に行くことは不可能かと思っていたが、春に東京に行った時

宇都宮から出ている”湘南新宿ライン”で神奈川県の逗子まで行けることを知った。

快速もあり、更にグリーン車(別料金)まで付いている、有り難い電車である。

 

 

博古堂さんは、鶴岡八幡宮へ続く桜並木若宮大路の突き当り、三の鳥居脇にある。

仏像作りから鎌倉彫へと移行し、1900年からこの土地に店舗を構えたという。

 

博古堂の鎌倉彫は、北海道産の桂の木を十分に乾燥させて使用しているため、

とても軽量かつその素直な木目は、彫刻をするのに大変適しているのだという。

 

 

食器や茶器や蝋燭立て手鏡などの小物、お盆やお皿硯箱など、作品は様々。

表面は漆仕立てされているが、使うごとに味わいが深くなって行くという。

”飾る”より”使う”博古堂さんの商品は、色々な所に工夫が施されている。

 

  

 

作業場の見学はさせて頂けなかったが、一つひとつ手作りされている職人さん。

刀も博古堂さん独特の砥ぎ方があるという事で、修業はそこから始まるという。

伝統を守り繋いでゆくことの大変さ、それゆえの商品のお値段なのかと思う。

 

   

 

日帰りは出来るものの、流石にローカル線だけでは無理で、最終の福島発

米沢行きの電車に間に合うように、宇都宮から福島間は新幹線を使った。

  

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山形県 6/47

2023年09月14日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』 第6弾は、山形県西置賜郡小国町。

JR米坂線(代行バス)小国駅から徒歩30分、米沢牛の畜産農家を訪ねた。

米沢を出るときは晴天だったのに、途中から雨が降り始め、強い雨の中歩いた。

しかし、畜産農家の遠藤さん宅に着くと、今までの雨が急に止み青空になった。

玄関前にはネコさんが数匹、急な訪問にも関わらず、遠藤さん親子が対応して下さった。

   

 

神戸、松坂、近江と並んで4大和牛の一つに数えられる米沢牛。

米沢牛というブランドは、厳格な条件を全てクリアして初めて名乗ることが出来る。

置賜地方に居住し、「米沢牛銘柄推進協議会」が認定した生産者であること、

登録された牛舎で、18か月以上継続して飼育されていること、

生後32か月以上であるというのも条件の一つという。

 

 

畜産農家には、仔牛を購入して飼育し主に食肉として出荷する「肥育農家」と

母牛を肥育し交配させて産ませた仔牛を販売する「繁殖農家」があるが、

震災以降仔牛の値段が上がっており、遠藤家ではその両方を行っているという。

 

 

多い時で月に14~15頭の仔牛産まれる、出産だけでも大仕事だ。

 

他所の地域で産まれた子牛でも、置賜地方で規定の年月育てば米沢牛と呼ばれるが

「そうではなくここで生まれ育った米沢牛を生産したい」というのが息子さんの夢。

 

 

牛の良し悪しの差は、各農家で違う餌の調合の差でもあるという。

遠藤家ではくず米を煮たものに蒸した大豆と麦、トウモロコシも加え、

穀類は消化を助けるために一晩かけて煮る、こういう餌を食べて育った牛は、

脂の美味さに明確な差が出るから、手間がかかっても餌を変えるつもりはないと。

 

そんな米沢牛は何処で買えるのか聞いてみたが、山形の方とのこと。

「体温で溶けるような融点の低い脂で、口飽きせずにいくらでも食べられる肉」

遠藤畜産が理想とする肉を、一度でいいから食べる機会が訪れる事を願う。

 

小国は車でも行ける距離でもあるし、去年の豪雨で米坂線の今泉―坂町間は

代行バスが出ている状況の中、敢えて18きっぷに拘り出かけてみた。

 

三浦春馬氏も「いい人で良かった」と初対面の感想を書かれているが、

本当に優しい人柄のお二人で、私も雨の中歩いて行った甲斐があった。

   

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宮城県 5/47

2023年04月12日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第5弾は、宮城県気仙沼市。

JR気仙沼線(BRTバス代行) 南気仙沼駅から徒歩13分、(株)カネダイさんを訪ねた。





東日本大震災で気仙沼は、津波とその後の火災で壊滅的な被害を受けたという。

気仙沼湾と西側を流れる大川に挟まれた地にあった15の事業所全部が流されたカネダイ。

もう気仙沼は終わったな、事業も畳まないといけないなと個人的には思ったと専務の佐藤氏。

 

 

しかし、3/14に幹部が集まり今後の話し合いをし、社員5名を東京の取引先に出向させ

3/21には内陸部に小さな事務所を借りて、そこを集合場所にしてがれきの片づけをしたり

社員に給料を払うために、自社の天井裏から電線を取って中の銅線を売ったりしたという。

 

そのうちパソコンをかき集めて少しづつ仕事もできるようになり、年末には

新しく、オリジナルブランドの「かに物語」を始められるようになったそうだ。

 

 

気仙沼は21年連続カツオの水揚げ日本一だったが、震災から3か月後の6月末には

みんなの頑張りで、実際カツオの水揚げを行うことが出来てしまったという。

 

震災後、日本一が途切れるんじゃないかと言われていたが、いまだ日本一をキープ中。

 

取材時はまだ被災建物や仮設住宅、更地、建設中の道路建物などがあったようだが

今は大きな立派な、水産会社や倉庫や多くの会社の建物が建つエリアとなっている。

 

 

気仙沼湾の方にてくてく歩いて行くと、「海の市」の建物がある。

その中に、カネダイさんが震災後立ち上げた「かに物語」の直営店があった。

 

優しい店員さんに色々お薦めを聴いて、自宅に送る準備をし、駅までの地図も戴いた。

さあ、JR大船渡線の気仙沼駅まで歩くぞ、30分強位の筈、間に合うぞと出発。

途中、変な近道をして居場所が不確かなので、道行くお姉さんに早めに聴く。

そんなこんなして、ようやく、時間ぎりぎりで気仙沼駅に到着したのだった。

 

   

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秋田県 4/47

2023年04月10日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』 第4弾は秋田県。

JR羽越本線 秋田駅から歩いて23分、歴史の古い酒蔵、新政酒造さん。

 

新政酒造さんは、「生酛(きもと)造り」を行っている1852年創業の酒蔵。

「生酛(きもと)造り」とは、添加物を一切入れず天然の乳酸菌だけで造り

新政酒造さんは、その蔵元の日本酒が全て生酛純米づくりなのだという。


 

約90年前に新政酒造の蔵から「きょうかい6号酵母」が発見され、

それ以来極寒の東北の地でも日本酒造りが出来るようになったという。

 

8代目当主の佐藤祐輔氏は、東大出身で2007年に32歳で蔵に

戻る前は、ジャーナリストをしていたという異色の経歴の持ち主。

 

明治時代中盤には、手間も時間もかかる生酛造りは殆ど行われなくなって行く。

老舗の新政も時代の流れに逆らえずにいたが、佐藤氏が蔵を継ぐや、生酛の作り方を

徹底的に勉強し直し7年の歳月をかけ全量生酛造りに移行することに成功したという。

 

 

仕込みには、メンテナンスや温度管理がしやすいステンレスやホーローのタンクを

使う酒蔵が多いが、新政では佐藤氏の代になり木桶を取り入れ始めているという。

 

しかしその木桶も、日本で唯一製造しているメーカーが2020年で製造中止を発表。

が、佐藤氏は言う。

「自分たちで木桶を作れるように、木桶の会社に蔵の人間を修行に行かせている」

「生酛もしかり、日本酒のロマンはそういうこだわりからしか生まれないと思う」

 

   

 

新政酒造さんのように、一般の見学は出来ない所もあって、生酛造りの

お酒を買えるお店を調べてあったのだが、雨の秋田では道に迷い

時間のロスもあり、電車時間にぎりぎりでお酒は買えなかった。

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群馬県 3/47

2023年04月06日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第三弾は、群馬県の高崎だるまを訪ねた。

JR信越本線 群馬八幡駅から歩いて10分、高崎だるまの老舗「大門屋」さん。

願い事や目標を込めて片方の目玉を描き入れ、願い事がかなうともう一つの目を点睛する。

全国生産の8割を誇る群馬県の高崎だるまは、「選挙だるま」も殆どが高崎産という。

 

今、各地で選挙が行われていて、実際お店にも大きなだるまを買いに数人来られていた。

店内に入り、真っ先に目に入るこのだるまさん達に圧倒される。

 

絵付け体験が出来たらと思って伺ったが、午前と午後と予約制で40分位で出来るらしい。

が、私は予約も入れてなかったし、電車時間との兼ね合いで残念ながら諦めることにした。

 

高崎だるまは、眉毛が鶴、髭が亀の形になっていて、鶴亀の長寿の動物がいて

とても縁起の良いお顔をしているのが高崎だるまの一番の特徴だそう。

 

高崎だるまは200年前に作られ始めたという。

群馬県ふるさと伝統工芸士であり、大門屋の社長中田氏は言う。

200年続いただるま屋はないが、100年先も高崎だるまは続いていると。

それは、自分たちが技術を伝えているからで、若い世代もそれに続いていると。

 

私は絵付け体験はできなかったが、願いが叶うように金のだるまを買ってきた。

    

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栃木県 2/47

2023年04月05日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』の第二弾は、栃木県の足利学校を訪ねた。

JR両毛線 足利駅から歩いて5分の所にある足利学校、日本最古の学校。

 

学校といえば足利学校の事だったそうで、門には「學校」の2文字が。

カリキュラムの無い、学びたい人誰でもが無料で学べる学校だったと。

孔子の教えが主で、論語に代表される今でいう道徳のようなもの。

 

受付をすると入学許可証と学生証が貰える。

また見学者用に漢字テストも用意されていた。

4月から11月の毎週日曜日には、論語の素読体験も行われているそうだ。

私は、”子曰く”で始まる論語抄を買ってきた。100円也。

 

この景色、どこかで見た記憶無い?映画『銀魂2』はここで撮影されている。
 


「宥座の器(ゆうざのき)」は孔子の「中庸の徳」という教えを説くための道具。
空の状態で壺は傾いているが、適度に水を入れると水平を保ち入れ過ぎるとこぼれる。

欲張ると全部無くす、何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。

 

 

2mを超す大男だったという孔子像が建っていた。

卒業証書は無く、自分が納得したら卒業となる。自学自習の学校。

    

私は次の発車時間までの1時間で、歩いて行き、見学し、歩いて帰って来れた。

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