いつも私を心配してくれる娘から「招待券をいただいたから興味のある方と行ってきたら?」と
入場券を貰い、震災復興祈念で今回は鑑真坐像も奈良からお出ましと聞いていたので 楽しみに
していましたが、私の周りで仏像に興味のある方は思い浮かばず一人でも良いかと思っていたら
なんと 里が新潟市と聞いて、親しくなった J子さんから「鑑真坐像を拝見したいけど、周りで興味のある人はと
考えたら貴女が浮かんだから行かない?」と電話があり「私も一人で行こうと思っていたので、ちょうど入場券も
貰ったから行きましょう♡」 私は旅をする時や美術館に行く時は 必ず図書館で本を借りたりインターネットで検索し、
下調べをする。モリス展やフェルメール展の時も琳派展も 勿論 出雲の旅も下調べをしていったので、ふむふむと
とても楽しく勉強になる。これは若い時の仕事で培った贈り物だと思っています。
本当はもっと前に行きたかったのですが、急に孫娘が興味があるというので孫娘待ちで遅くなり なんと!鑑真坐像は
行った日の三日前にお戻りになられたとか(涙) 等身大の写真がありましたが12年間に5回の渡航を試みて6回目
でやっと日本の地を踏まれ、東大寺、唐招提寺で沢山の方々に教えと戒律を広められたお姿を拝見したかったとJ子さんと
二人で とても残念だったわねとため息。二人の故郷、新潟県は今でも神社、仏閣の数では日本一とか。周りに信仰深い方々が
多いのでJ子さんも「行基」のことをよく知っていて メモを取りながら二人で じっくりと沢山の仏像を拝顔させて頂きよい
時間でした。J子さんは京都派、私は万葉の昔から「まほろば」と呼ばれている仏都 奈良が好き。中学生で初めて古典を学び
「青によし 奈良の都は咲く花の匂うが如くいまさかりなり」
の句の響きに感動したものです。奈良に行って、周りを囲む緑の山々、猿沢の池のほとりに立つ五重塔。
「何もない地でしょう」とJ子さん。そこがいいのよと私。
今回は 私の憧れの光明皇后のお姿を写されたという国宝、十一面観音像も拝顔出来たことは幸せでした。
聖武天皇の后でありながら病に苦しむ人や孤児達の救済の為に悲田院、施薬院を建てられた方で明治天皇の后、
昭憲皇太后や 美智子上皇后さまが、国母としてお手本になされた方と聞きました。穏やかな微笑み、
凛として咲く蓮の花のような 美しくたおやかな お姿でした。
「わが夫子(せこ)とふたりみませば いくばくか この降る雪の嬉しからまし」光明皇后
不比等の娘で聖武天皇の后ですのに 夫とこの雪を一緒に見れたらどんなに嬉しいだろうと思う句に愛の深いお姿が
偲ばれ 感動した言葉や句を書き写していた私のノートに偶然にも載っていました。
こんな小さな学びは 若い頃から。 自己満足ですが、ほんの少し、私の視野が拡がるような気がして
これからも続けていきたいと思っています。(認知症予防にもなるかしら(笑))
いつもありがとう