German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

メーカー別 INDEX

2024-12-30 12:59:59 | INDEX

最新記事はこちらです。

2023/04/11 RFT MV810 - 修理の内容と近年思うこと 3

販売のページは、こちらからどうぞ。


W85_inner_index_2

Eckmiller

Eckmiller W85 - Studio Flachbahnregler
Eckmiller W86a - Hock Tiefentzerrer

Konski & Krüger

Konski & Krüger FR200H - Passive Fader

W444sta_up

NEUMANN

Neumann PE Stereo - Entzerrerverst�rker
Neumann W495stb - Mastering EQ
Neumann W444sta - Active Stereo Fader
Neumann V475 - Summing Amp 
Neumann W482st - Monitor Control Unit
Neumann RV 75 - Mastering Input Attenuator
Neumann W491a - EQ
Neumann U473A - Kompressor Begrenzer Expander
Neumann OE DUO - Mastering EQ
Neumann GW2448KA / N448A - PSU for Phantom Powering
Neumann SM23c - Stereo R�hrenmi?krofon
Neumann V457st - Hi Fi Matching Module
Neumann V476b - Mikrophonverst�rker
Neumann V472-2 - Duo Ausgleichsverst�rker
Neumann U411A - �bersteuerungsanzeiger
Neumann N424A - Netzger�te
Neumann V457stb - HiFi Matching Module
Neumann PV46D - Duo Ausgleichsverst�rker
Neumann NS424 - Netzger�te
Neumann HT75 - Hock / Tief Sperre
Neumann PSVD f - Dual bus amplifier


V76sbott

TAB / Telefunken

TAB / Telefunken V76S - Tube Mic Pre 
TAB U83 - Tube Limiter
Telefunken V672 - Universal Amp  再考 2
Telefunken U373a - Compressor 
TAB W372S - Stereo Line Amp
Telefunken V676a - Mic Pre
Telefunken W695 - EQ
TAB W390 - Aktiver Flachbahn Pegelesteller
Telefunken W690st-D - Pegelsteller Stereo (Aktiv)
Telefunken W689 - Stereo Richtungsmischer
TAB / Telefunken U73b - Kompressor / Begrenzerverst�rker

TAB W95C Hoch Tief Entzerer



Siemensrack_2

Siemens

Siemens U273b - Compressor
Siemens N224a - DC24V PSU
Siemens V276 - Mic pre
Siemens W295b - EQ
Siemens W291VSTD - Active Stereo Fader
Siemens W290St-D - Active Stereo Fader

WSW 601431 - limiter compressor


V740_inner_2



RFZ / RFT

RFZ V781 - Stereo Mic Pre
RFZ V740/1cy - �bernahmeverstärker
RFZ V742dy Trennverst�rker - Isolating amplifier
RFZ W735 - EQ
RFZ A�43 - Transformer
RFZ A�35 - Transformer
RFZ W760/2 - Stereorichtungsmischer Verst�rkerbaustein
RFZ W745a W745/1 - Active Stereo Fader


RFT MV 810/2 - Mikrofonvorverstärker

RFT MV810 - Mikrofonvorverstärker

 

 

musikelectronic geithain

musikelectronic geithain RL-906 - Active near field monitor


Ntp

NTP

NTP 179-160 - Mastering Compressor
NTP 179-120 - Mastering Compressor
NTP 177-520C - Stereosichtger�t
NTP 351-100 - LINE Amplifier
NTP 373-120 - Active Fader 1in 2out
NTP 277-400 - Peak Program Meter


Neve_inner

NEVE

NEVE 3415 x - Blakeyboy
NEVE 3415 - Use it as a Mic Pre 
NEVE 3126 - HA + EQ from "KELSO"
NEVE 33608A - Stereo Width Controller for BBC
NEVE 33609 - Stereo compressor / limiter

NEVE 33115 - Chanel Strip

Api550_1xxx_2

API

API 550 - 3 Band EQ


STUDER

STUDER A730 - CD Player


Schulz_2

Schulz

Schulz TH-315/1 - Lautsprecher


AMPEX

AMPEX #4580200-01 - Bridging Transformer

TRIAD

Triad HS-56V - Matching Transformer

CROWN

Crown DC 300 - Dual Channel Laboratory Amplifier

PHILIPS

PHILIPS LDC 0503/00 - 3 band EQ

Universal Audio

Universal Audio 175b - Tube Limiting Amplifier

Helios

Helios Type 69 - Mic/Line Pre with 3 Band EQ



V740rackinner

Lexicon

Lexicon PCM81 - Reverb Unit

TOPIC

Neumann Summing System Summing System de PA  
Neumann Summing System 全体の構成 - W444sta Modi 1
Neumann Summing System 全体の構成 2 - W444sta Modi 2
Neumann Summing System ステンレスラックの表面仕上
Neumann Summing System Neumann W444sta DC漏れ??
Neumann Summing System Headphone Amp for Summing System
Connectors - Gegenstecker
東欧のNEVE - "RFZ" Rundfunk und Fernsehtechnisches Zentralamt
TAB / Telefunken V76 - To Remove the Filters
TAB / Telefunken V76/80 - To Remove the Filters 実践編
RFZ V781のラッキング - 123
RFZ V740/1Cのラッキング - 12
Solders - ハンダ
VUメーター付きPSU - 12
Telefunken V672 ラッキング - 再考version
Telefunken VF 14 - R�hren
Ortofon RF297 - Tonarm
Belden 88761 : Hook up Cable
MOSSES & MITCHELL - Summing Patch Bay その1
規則性のあるModel Number
RFT MV810/2 のリペア
AL RACK for Danner Modules
AL RACK for RFT MV 810/2
AL RACK with VU meter for Danner Modules
Recap雑感
Neumann W444sta - Red Devil
Phantom Power Supply for V76 - THE RAMP
AL RACK with VU meter for "DUO" Danner Modules
ファインチューニング 雑感
TAB / Telefunken U73b - Fine tune / Calibration 1
TAB / Telefunken U73b - Fine tune / Calibration 2
TAB / Telefunken U73b - Fine tune / Calibration 3
構想5年 - Neumann Summing Mixer
完成 - Neumann Summing Mixer
Difference between the Neumann U47 and U48
Neumann W444a stereo - Black Devil
�bertrager - T1347
AL RACK for 6 x Danner Modules
Ramp the phantom
渾身のre-cap - U48 / V76s
何故Neumannコンソールは日本のスタジオに導入されなかったのか?
NTP 179-120 - キャリブレーション
private system - Reconciliation
Active Relay Bypass Unit - ARBU

V76反則技 - CHOKEのハズが抵抗負荷

Neumann W444sta - EKリキャップ 

Neumann W444sta - Version 追記

reMASTER - 8 units of Extreme SUS Rack©

Summing Ampのすすめ

外付Phantom電源のすすめ

ACRL RACK for Euro Card

RFZ V781のラッキング ver.3

"Holy Grail" NTP 179-120 Mastering Compressorの修理

 

 

 

 

 

AL RACK with VU meter for Danner Modules - Version C

Wmj_danner_rack


Extreme SUS Rack� by WMJ
『容れものにこだわる』
文字彫刻
DCジャック&スペーサー
Adapter for Triad HS-56V
Extreme SUS Rack for NEVE 33608A / 33114 / 33115


Psma1_3



GVM PSMA-1 - Passive Monitor Control Unit

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RFT MV810 - 修理の内容と近年思うこと 3

2024-04-11 20:34:05 | vintage gear

入力基盤

前回の続きです。

手持ちの部品類に代替可能なゲルマニウムトランジスタがなかったため、知人の独テックに相談するもRFT製はおろかロシア製の代替品もほぼ絶望的との回答でした。

ロシア国内には当時のデッドストックもあるようですが、折しも経済制裁の真っ最中で大手クレジットカードやPaypalも停止されており、DHL等の物流も取り扱いが停止されているため、半導体と言う事もあり輸送が補償され無事に届く確率はかなり低くなります。

余談ですが、新設したPSUに使用するトロイダルトランスも製造元の操業停止など戦争の煽りを受けて、同じメーカーでも中身が変わっていたり、納期未定だったりで、求める性能を満たすものはなかなか手に入りにくい状況が続いています。

そんな八方塞がりの状況でしたが、偶然にも後輩のエンジニアが自身の機材用にストックしている事が判明してどうにか状況は好転します。

出力基盤

簡易テスターで壊れてなさそうなものを20個程、半ば無理やり分けて貰って来たのですが、テスト回路では動いても実装する段になると、ヒートクリップを使用しようが電光石火の半田付けでも、、、熱には弱いとは聞いていましたが、古いゲルマニウムはこれ程までとは思いませんでした。

数もあっていくつかのペア取りも出来たので、両ch共に同じ所は交換してオリジナルはスペアにしようと目論んでいましたが、結果的にはペア取りの作業も徒労に終わり、問題のAC122のみを交換する事になりました。

そのような経緯からも、正常なモジュールのオリジナルGC118に熱を加えるのはどうしても避けたいので、抵抗やらコンデンサーやら丈夫そうなパーツを外して、どうにか回路からセパレートして数値を計測します。ペア取りから漏れた中に幸運にもいくつか近似値のものがあったのでヒートクリップを複数付けて、それごと冷やしてからビビりながら実装したのは内緒です(笑)

以上のような経緯を経て紆余曲折の修理でしたが、キャリブレーションは割とスムーズに完了し、正負非対称の波形も改善し、クリップレベルも左右揃い、音質・フェイズもステレオで使用しても聴感上、測定値ともに違和感ない所まで仕上げる事が出来ました。

全てオリジナルパーツのMV810の印象より、電解コンデンサーは全てリキャップしているため多少デラックスな響きになっているような気がしますが、MV810のエッセンスは充分に残しており、オーナー様のスタジオでNEVE 1073とのブラインドテストでも良い勝負になったとのコメントを頂戴しました。

最後に、修理と言っても様々な考え方があります。壊れて音が出ないものを単純に音が出るようになれば良いとの考え方や、また小数点単位の測定値にこだわったり、プロのエンジニアが業務で使用しても良いと思える位に仕上げるとなると相当な費用が掛かる事も少なくありません。

 

"Reverb"と言うサイトは、ebay枯渇後にビンテージ機材を途切れる事なく市場に提供し、またその価格を大幅に引き上げた功績は大きいとは思いますが、それに安易に便乗した悪質なセラーが多く存在し、ガラクタとも思える機材が高額で出品されているのも残念ながら散見されます。

海外では高額アイテムの場合、購入前に出品物に対してフォーラムでディスカッションしているのも良く見掛けますが、国内では人気機種で割安となると「我先に、、、」と競走も激しくなるためそれも難しいと思いますので、大きなお世話かも知れませんが、少しでも良いものを手に出来るよう審美眼を養い、セラーとのコミュニケーションも含め、確かな価値ある機材を選択して頂ければと願っております。

 


RFT MV810 - 修理の内容と近年思うこと 2

2024-03-31 23:10:30 | vintage gear

前回の続きです。

ラックの改修も完了しモジュールのリキャップに進みます、基本は今まで東独機材で結果の良かったメーカーのコンデンサーを使用して、まず片ch仕上げてリキャップのビフォーアフターを比較します。最初に手を付けた方のモジュールは予想通りの仕上がりで聴感・測定共に歪・音質も改善され、残すは誤った容量のコンデンサーが入っている方のモジュールを正規の値に変更して完成と思いきや、周波数特性がさらに酷くなり歪も悪化するではありませんか、、、

RFTのゲルマニウムトランジスタは手持ちにない事もあって見過ごしていたのですが、入力段のひとつに収縮チューブが被されているものがあり、恐る恐る除去してみると何とTFK AC122で代用されていました。

近似値どころか全く特性が違うものが使用されており、これではまともに動作するハズもありません。

ここで、何故22ufと2.2ufが間違っていたのか?その理由を確信する事になります。

 

試しに2.2ufに差し替えてみると22ufの時より多少正常に近づくと言うか、低域特性は多少犠牲になりますが高域特性は聴感上なんとなく揃っているように聴こえます。

ここで「小数点の見落し」との見立てから、チートな修理を確信したと言う訳です!

近年、市場には目ぼしい有名機材は枯渇傾向なようで圧倒的にReverbから購入された方からのご相談が多いのですが、以前にもゲルマニウムEQのバイパススイッチに電流が流れない様に内部でジャンパーしてアクティブにならないような悪意ある改造のモジューを修理した事を思い出し、これもReverbだったな、、、と。同じようなケースは他にも多数あります。

 

音が出ていれば、返品・返金不可の暗黙の了解を悪用した、チート・悪意ある改造が横行して、さらには非常識な金額設定も多数見受けられ、ごく一部のセラーの所業と思いたいですが、あまりにも目に余るような状況です。

 

単純に壊れているだけなら発見も容易で壊れている部品を交換すれば修理も完了しますが、今回のケースのように電源電圧は足りず、適切な代替品も使用されておらず、クレーム対策で不正な改造が施されているような複合的なケースでは、原因の特定に余分な時間も費やし、それは修理代にも少なからず反映されてしまいます。

修理を生業にしている者にとってはビジネスチャンスと考えられるかも知れませんが、機材を冒涜するような改造を目の当たりにすると「手段は問わずマネタイズ」の現代社会の縮図を見ているようで機材好きとしては本当に腹立たしい気持ちになります。

このBLOGを始めた頃に入手した機材は、最低限でも技術者としての矜持を感じられるものが今思えば多かったように思いますが(それでも満足出来ないで始めたBLOGでした。)、楽器系の販売者が扱うようになってからは、このような悪い意味での魔改造が増えたような気がします。

とは言え、ここに来て感情的になっても仕方ないので「ゲルマニウムトランジスタ探し」に奔走する事になります。

長くなってしまいましたので、続きはまた次回とさせて頂きます。

 


RFT MV810 - 修理の内容と近年思うこと 1

2024-03-18 03:04:34 | vintage gear

ベルベットオーディオでラッキングされたものをReverb経由で入手されたらしく、送り返しての修理や返品も難しく、勤務されているスタジオのテックの方にも相談されたようですが対応は難しいとの事でご相談頂きました。

ご相談頂いた症状は、「ある程度の音量になるとマイナス側が頭打ちになって歪む。」との事、手持ちのパーツ類も枯渇しているのですが、これも何かのご縁と実機をお預かりして検証することになりました。

手元に届くと、モジュール下部が微妙にフロントパネルに届いていないため内部に落ち込み、輸送の振動でモジュールが暴れたのが原因か?ラックのメインスイッチはじめいくつかのスイッチ類が破損しており、このままでは危ないのでモジュールを抜き去ってからラックの検証になりました。

内部のPSUを確認すると、LM317を使用した回路に18V / 5VAのトランスで構成された電源1系統(2モジュール分)とL7824CTで構成されたファントム用(2系統)と少し首を傾げるような構成になっており、メイン電源はMV810/2で計算したのか?明らかに容量不足、ファントム用の2系統はタイムディレイのトランジスタが付いている訳でもなく、Rampもせず「ぶった斬り」なので何のための2系統なのか少々理解に苦しみます。

それに加え、MV810は-20Vのハイグランドですので、メインの電源はプラスマイナスひっくり返して使用されており、フロートされていればまだしも丁寧にも0V-シャーシ間は導通され、XLR pin1に+20Vが流れている状況でファントムの+48Vが設置されているためかなりの電位差が生じて問題に拍車を掛けています。

ベルベットオーディオでこのようなラッキングが行われたのか、それとも入手後に誰かが改造したのかは定かではないのですが、いずれにしてもこのPSUでは修理・改良は不可と考え、新たな2 x 24V / 30VA トロイダルと-20Vのハイグランドに適したPSU基盤に新設する事になります。

一方モジュールの方ですが、PSUの容量不足で電圧降下していたため「レベルが高くなると歪む」状況もしっかり電源供給すれば若干改善する事から、後はリキャップされたモジュールで左右違う値のコンデンサー(片側の22ufに対してもう一方は2.2ufで、この時点ではそれぞれの耐圧が違いサイズが似ているため、単なる小数点の見間違いと思っていましたが、、、)が入っていたのは確認出来ていたので、それらをリキャップし直せば歪むポイントと高域特性はキャリブレーションでどうにかなりそう!と予測していた所、更に大きな問題を発見します。

続きは次回に。。。

 

 


RFT MV810 - Mikrofonvorverstärker

2024-03-12 04:26:19 | vintage gear

今から遡ること、14年前の2010年にご紹介したRFT MV810/2がありましたが、今回はその前身のMV810です。

RFZ・RFTお約束であるロータリースイッチのリペアの様子も掲載していますのでこちらをご覧ください。

"/2"と同様に20〜60dB/5dBステップのGAINを持ち、-20〜-50dB/10dBステップのPADも備えているのでMIC、LINE共に様々なドライブ状況で対応可能です。

電源は-20Vハイグランド回路で動作し、/2の20mAに対してMV810は70mAとやや大きめの電力を消費します。

入出力共にトランスバランス、ピンアサインはMV810/2と同様で、コネクターは8ピンのものを2個使用します。

外観上はフロントパネルにあるモデルナンバーの"/2"以外全く同じ形状をしているため違いに気付かないとは思いますが、中身は全くの別物でサウンドキャラクターも大きく異なります。

SC299F、SF126C、SF127D等のシリコントランジスタで構成されているMV810/2に対して、前身のMV810はGC117、GC118等のゲルマニウムトランジスタで構成されています。

製造当時もRFT製のトランジスタは供給が充分でなかったのか、修復歴のなさそうな箇所でも最初からロシア製の代替品が採用されているモジュールも多く見られます。

肝心な音色ですが、シリコンのMV810/2は立ち上がりも良く粒立ちも滑らかで、その外観からは想像出来ない"Rich and Warm"なサウンドですが、ゲルマニウムのMV810はそれと比較すると音の粒立ちはやや粗く、やや少ないヘッドルーム上限近くになるとザラっとした歪みが現れて来ます。

この説明だけではMV810/2に軍配が上がるような内容ですが、実は録音するにあたりビンテージ感を求める際に必要な要素の多くは、粒立ちの荒さの隙間から見え隠れする奥行き感だったり、音の大小のみによる強弱ではなくドライブした際の耳に心地良い歪感だったりするので用途によっては大きく評価が異なります。

とりわけ、音場がわかりやすく立体的に構成される様はV781を彷彿とさせ、強弱への反応性の高さはレベルの変化以上に顕著なニュアンスとして表現されるので使い手次第では唯一無二のアンプになり得る事は容易に想像できます。

ただ、ゲルマニウムトランジスタの温度による音質の変化がやや大きため使用環境が限定されるのと、また入手性が絶望的に困難なため保守にはやや手間が掛かりますが、状態の良いモジュールを入手された方はまず手放す事はない程、魅力的なアンプです。

 

2010年にMV810/2を入手した際にMV810も20+台ほど入手していたのですが、当時もトランジスタが見つけられず5個1 、6個1で最終的には数ペアしか形にならなかったため記事の掲載には至りませんでしたが、14年の時を経過して修理の依頼を頂いたため懐かしくもありご紹介に至った次第です。

次回は故障の具体的な状況について、近年思う所も含めて、ご紹介したいと思います。

 


年末のご挨拶

2023-12-30 18:31:54 | 日記・エッセイ・コラム

本年もご愛顧頂き誠にありがとうございました。

新年は8日より営業させて頂きますので何卒よろしくお願い申し上げます。

今年も余日わずかとなりました。どうぞよい新年をお迎えください。


Telefunken U373a Stereo pair MINT ヤフオクにて出品中です。

2023-10-24 03:04:15 | vintage gear

新しいオーナー様が決まりました。沢山のアクセスを頂きありがとうございました。

 

Telefunken U373a Stereo pair MINT  ヤフオクにて出品中です。

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s1111094689

現在では入手困難なグレードの品です、よろしくお願いいたします。


RFZ V740/1C mono ラッキング

2023-04-08 19:03:46 | Metal work

日頃の作業を公開するのも広告・宣伝のようで憚りながら、、、になりますが、ご紹介出来る機材もなかなか無いので更新します。

モジュールはRFZ V740/1C、ラックは以前ご紹介したステレオタイプではなく、V781MV810/2でも使用したアルミ製のMONOユニットです。

久しぶりにRFZと接する機会を頂戴して良さを再確認しています。

改めてRFZ、良い味出ています。


新年のご挨拶

2023-01-01 12:32:37 | 日記・エッセイ・コラム

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

昨年中は大変お世話になりどうもありがとうございました。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

皆様にとりまして素晴らしい一年になりますように、心よりお祈り申し上げます。


NTP 351-100のラッキング

2022-09-12 19:16:18 | Metal work

NTP351-100は+42dB程のゲインがあり179-120譲りの好感の持てるサウンドなのですが、ゲイン切替が基板上部にあるためラックに入れると切替が出来ない事もあって実力の割に過小評価されているアンプです。

ゲイン切替をフロントパネルにリモートしても変なノイズを拾ったりS/Nにも悪影響がない事が判明しましたので、ロータリースイッチに変更して0-6-12-18-24-30-36-42dBと切替可能になりました。

ラックはNEVE33115Aにも使用したSchroff社製の1Uラックですが、天板は前回のEUROカード用とは異なり任意の場所にスペーサーを設置可能な全面穴あきタイプを使用しています。

いつもNTP179-120の修理にM100オペアンプを流用され報われない運命に翻弄された351-100でしたが、幸運にも最後のペアをラッキングする機会に恵まれ恩返しが出来たように思います。

 


Protean Tone Rack

2022-07-02 17:48:17 | Metal work

総重量28kg超のモンスター級ラックです。

左からNTP 179-160TAB W95CWSW 601431、Eckmiller MR90、Neumann PR、WSW 811403 の構成です。

ナチュラルな179-160から、一癖、二癖もある601431、W86aやplutecを彷彿とさせるW95c、ウルトラスイートなのに暴れん坊のマイクプリ811403、コンプの入力調整にもチャンネルストリップ用のフェーダーとしても使用出来るMR90のラインナップで変幻自在なサウンドメイキングが可能です!

背面XLRパネルはモジュールの入出力に加え、601431用のゲインアンプは811403以外のアンプでも試しましたが、45dB程度のゲインがあれば問題なく動作するので、お客様の希望もあってUTCトランスで分岐した601431のゲインアンプ用インサートを設置し差し替え可能にしてゲインアンプによるキャラクター設定を変更出来るようにしました。

UTCのトランスが大型かつ重力級のため設置場所に悩みましたが、どうにか耐荷重もクリア出来るポジションに収める事が出来ました。

 

Dannerモジュールは固定方法に困る事はあまりないのですが、WSW社のユーロカードモジュールは変則サイズで固定用の仕組みもないので、後端を挟む形で固定して、飛び出し防止のため蓋を固定しているねじ穴を流用してストッパーを設置したのですが、そのネジ規格がM2、M2.5や2.6でもなくインチネジも当てはまらない特殊なサイズで少々苦心しました。

もう一点、苦心したのはWSWコンプの出力レベルで、基準レベルが-9dBなので+4dB環境では民生用の-10dB程度しか出力されないため、せっかく設置したハードウエアバイパスもレベル差が大きく実用的にはなりません。

本来なら同時期のラインアンプ等でメイクアップするのが理想的なのでしょうが、外部接続にするとIN/OUTのコンペアも出来ないので、U373aの記事にあるBob LudwigさんのBurr-Brownを思い出して、類似の回路でアンプカードを製作して+20dB程度(-2dB〜+20dB, 2dBステップ)のメイクアップをしています。

手持ちにBurr-Brownもあったのですが、WSWコンプ自体の個性が強烈なため最終的には定番中の定番ですがシグネティクスのNE5532に落ち着きました。

W95CのIN/OUT、WSW 601431のactive/bypassとLink、Makeup Gainの設置場所もコンパクトですがどうにか収まり、使い勝手の良いラックに仕上がったと思います。

キャリブレーションですが、ブレイクアウトケーブルではゲインアンプを分岐する所で使用したトランスの個体差で完全には調整しきれず、T2707のエクステンションケーブルもないので少々困惑していましたが、ラック内の他モジュールを抜いてどうにか行いました。

両ch同時には調整できないので片ch毎に探って何度となく繰り返してようやくどうにかステレオマッチする所まで漕ぎ着けました。

このモジュール達の動作電圧は±15V(179-160)、+24V(WSW)、-24V(W95c)と多岐に渡り容量もそれなりに必要なので少々大型のPSUになってしまいましたが、pin1ショートの心配もなく使用出来るラックになっています。

過去の歴史遺産でもあるモジュールの修理や調整もやりがいがありますが、それらを組み合わせて新たな機材に仕上げる作業は格別の達成感があります。

貴重な機会を与えて頂きどうもありがとうございました。


WSW 601431 - limiter compressor

2022-06-26 21:58:19 | vintage gear

WSW社(Austria Siemens)のリミッター・コンプレッサーです。

ダイオードブリッジ方式のリミッター・コンプレッサーとしてはNEVE 33609が有名ですが、こちらも同じ方式のモジュールです。

33609は19インチの機材らしくPSUからMakeup gainまで一体型となっていますが、こちらはコンソール内蔵用モジュールなので動作には別途+24Vの電源と+50dB程のブリッジアンプが必要になります。

ブリッジアンプはWSW811403が推奨になっており、このアンプを抵抗またはトランスで分岐して設置する必要があります。

811403以外のアンプでも試しましたが、45dB程度のゲインがあれば問題なく動作するので、お客様の希望もあってインサートポイントを設置し差し替え可能にしてキャラクター設定を変更出来るようにしました。

同世代のU373aU273bはキャリブレーション次第で+4dB環境でも使用可能ですが、こちらはコンソール内の基準レベルが-9dBになっており調整幅も少ないため通常の+4dB環境で使用するには-15dB程の入力PADとブリッジアンプとは別に+10〜20dB程度の出力用makeup gain ampも必要になります。

これらをまとめたアウトボード型AIOモデル(WSW601431A)も存在するようです。

ファンクションは、入出力が逆連動したゲイン設定、リリース(0.1/0.2/0.5/1/1.5sec)、Knee設定(K1ハード〜K4ソフト)のみで使いこなしには若干の慣れが必要となりますが、モジュール同士の相性が良ければStereo Linkにも対応しています。

音色傾向はWSWらしくマイルドな高域で野太いサウンドですが、コンプ感はなかなかマッシブで一言で表現すれば「ソフトに過激」です。

ピンアウトはこちらの14コネクターは13pin T-2707です。


TAB W95C - Hoch Tief Entzerer

2022-06-23 03:15:07 | vintage gear

ディスクリート初期の3バンドEQです。ポイントはHigh:10KHz Low:60Hz MID: 700/1K/1.4K/2K/3KHz となっておりHigh・LowはGain・Attn、MidはGainのみになっています。

このEQの系譜には次世代のW395、孫世代W695W295等がありますが、W395以降はモノポーラ+24V動作であるのに対し、このW95cはTK45C、BCY18等で構成された-24V動作のEQです。

ピンアサインには24V +ーと記載されているので混同しやすいのですが、+24V機材との併用は1ピンショートを回避する必要があります。(pin3 = 0V、Pin4 = -24Vと読み替えた方が良いと思います。)4、5ピンはEQのON/OFF用リレーに電源を供給する仕様となっており、使用する電源によっては注意が必要です。

注:ちなみにモジュールやリレーに電源を供給しない場合でも音は出ます。

修理をご依頼頂いたモジュールは海外の「残響」と称される販売サイトから購入された個体らしいのですが、掲載の画像を確認すると3、5ピンがブリッジされておりリレーOFF状態で動作品として販売されていたもので、音は出るがEQは効かない、つまみを上げ下げしても実際は何も変わらない(プラセボで効きの悪いEQだな〜なんて錯覚するような)状態でした。ebayでは目ぼしい機材は枯渇してしまい他社に移行して久しいですが、パーツの枯渇で魔改造が施された個体やJUNK品をやたら高額で販売するセラーが残念ながら多いように思います。

話は逸れてしまいました、、、後継のW395からはシリコントランジスタBC140Cとなっているため温度変化の影響は然程気にする必要はありませんが、ゲルマニウムトランジスタの場合は熱による音質変化が顕著であり最悪の場合熱暴走で破壊される事も少なくないので修理には気を使います。

ゲルマニウムの場合、フロアノイズや音質変化にはややシビアな面はありますが、うまくメンテナンスが完了したモジュールの音質面ではやはり一頭地抜きん出た印象があり、近年のEQに比べると細かい事は出来ませんが通すだけでも抜群の存在感を醸し出す辺りはEckmiller W86a等を彷彿とさせ流石だと思います。

最後に、パッシブEQはゲインロスを補うため30dB程のメイクアプゲインアンプが必要となり使用するのに少々面倒な印象がありますが、こちらはその時代の雰囲気を醸し出し、単体でもユニティゲインで出力されるため便利で、何よりもミリタリー仕様かと思わせる重厚なストラクチャーに圧倒され久し振りにビンテージらしさを満喫させていただきました。


機材販売、ラッキング等のお問い合わせ

2022-02-18 03:23:27 | 販売のページ

いつも拙BLOGをご覧頂きどうもありがとうございます。

機材販売、ラッキング等の詳細につきましては、メールにてご案内させて頂きますので、メールアドレスを添えて右側カラムにあります「メッセージを送る」または下記メールアドレスまでご連絡頂ければ幸いです。

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宜しくお願い致します。


新年のご挨拶

2022-01-01 02:55:24 | 日記・エッセイ・コラム

明けましておめでとうございますクラッカー 

昨年はいろいろ大変な年でしたが、格別のご愛顧を賜り心からお礼申し上げます、2022年は皆様にとっても良い年になりますように!

本年も宜しくお願い致します