German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

Telefunken V676a - Mic Pre

2008-06-24 00:06:51 | vintage gear
Apple Remote Desktop 3.2 Unlimited マネージドシステム Apple Remote Desktop 3.2 Unlimited マネージドシステム
価格:¥ 57,000(税込)
発売日:2008-01-10



V676a真空管の名機V76のディスクリート版後継機V676aです。数あるTelefunkenのトランジスターアンプの中でもかなり優秀なアンプで、実際のキャラクターは『空気感のある高域』と『豊かで曇らない低域』で実にバランスが良く『中域のキャラの濃さ』はV672にはほんの少し及ばずとも充分なTelefunkenキャラクターとなっています。0~80dB以上のリボンマイク等にも充分すぎるゲインを持ち、ハイゲイン時のS/Nも優秀です。このV676aの前身にaのつかないV676がありますが、こちらはゲインが34~80dBとなっています。


V676a_innerV76の後継機という事で常に40Hzローフィルターが入っています。内部にあるフィルター基板をこのようにモディファイする事によりV76同様『腰高な印象』から前述のような『どっしりとしたスケール感の大きい』サウンドになりますが、その場合フロントパネルのフィルタースイッチは無効となります。フィルターも実際の録音には便利なので悩む所ですが、基板から配線を引き出してフィルターのOn/Offを切り替えようとするとトラブりますのでご注意下さい。(これを参考にモディファイされる方は自己責任でお願いします。)また、内部はV672よりかなり込み合っていますが1/3はリモートコントロールのための回路で、その回路基板はほぼタンタルで構成されていますのでそれを含めて完全にリキャップしようとするとかなりの手間と金額を要しますので、リキャップが必要な場合は音声回路のみで充分だと思います。ピンアウトはこちらで、5~15と27-28はリモート用です。コネクターは31 pin DIN 41617となります。

Remote_v676aこれがリモート用のモジュールですが、2台のV676aのコントロールがこれ1台で可能となります。マイクレベルの微弱な信号を長距離引き回すよりラインレベルの信号で伝送した方が有利なためこのシステムが設計されたと思われますが、これを動作させるためには 2 x T2701でモジュールと接続する必要がありますのでコンサートホールの3点吊り等の場合を除いて余り使用の機会は多くないと思います。V676a本体のゲインスイッチに"F"の表記がありますがこれがリモートコントロールポジションとなります。リモートタイプのマイクプリではFocusriteのISA 116が有名ですが、その発想を10年以上前に実践していた事になります。恐るべしGerman Technologyですね。