German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

RFZ V740/1Cのラッキング 1

2008-11-19 03:11:38 | vintage gear
MS-324i ホットスワップゲージ MS-324i ホットスワップゲージ
価格:(税込)
発売日:




V740_comp_front_vV781同様V740もかなりレアなモジュールですので、このBlogを見て実際にラッキングされる方は少ないと思いますが、モジュール状態で落札頂いて、そのまま放置という話を耳にしましたので以前行ったV740/1Cの様子も紹介します。


V740_phase_pcbV781の位相切り替えスイッチはDPDTで行いましたが、今回はモジュール内にOPトランスも内蔵され、奥行きがかなり長いモジュールなので、リレーを使用した方法で作業を進めて行きます。リレーと言ってもDPDTのスイッチを電気的に切り替えるだけの違いですので基本的には前回ご紹介した『たすき掛け』の方法です。リレーを選択する際には、お手持ちのPSUの電圧で動作する密封型金接点のリレーが良いと思います。電圧を掛ける端子+/-に逆起電力を吸収?するIN4004等のダイオードと1uf程度のコンデンサーを画像のような基板を使用してXLRコネクターに設置します。これによりフロントパネルのスイッチは単にリレーのON/OFFをするだけなので、コネクターからXLRは最短距離で結線出来る事になり、奥行きの長いモジュールには有効だと思います。今回はファントム電源の6.8kΩの抵抗もこの基板内に設置してあります。

V740_connectorRFZ V740/1CはV76等でおなじみのTuchel 12 pinと良く似たコネクターですが、8 pinで、コンソール内にはこのようなパネルを使用してインストールされていました。今回はこれを利用してラッキングして行きますが、几帳面な西独製と違い固定用のLアングルは現物合わせをしないと微妙にずれてしまい、思わぬ所で当時の東西の経済力の違いを感じてしまいます。このコネクタープレートを使用する事でハンドル(フロントパネルにある穴でフォーンプラグ用の穴と良く間違えられます)を使用してのホットスワップが可能となります。

V740_inner_front次にファントム電源ですが、V76の時に紹介した『電圧がゆっくり上がって、ゆっくり下がる』モジュールに優しいRamping電源を使用します。基本的には1000uf / 63Vと2.2kΩの抵抗で簡単に出来ますのでこちらをご覧下さい。1000ufより2000ufとか、500ufで充分とか、小さい容量のコンデンサーをパラって付けた方が良いとか。。。。諸説色々ありますが、要はそのモジュールの負担にならないスピードで電圧が上り下がりすれば良いと私は解釈しています。小さい容量のコンデンサーをパラと言う件は知人のアドバイスに従って、急なピーク信号にも追従出来るようにするためとノイズフィルターみたいな働きを期待して採用しています。

V740_front_switchフロントパネルはこれも現物合わせで穴開けをして、スイッチとLEDを取り付けます。画像では2回路のスイッチを使用していますが、リレーフェーズ+ファントム電源であれば1回路で大丈夫です。

V740_side_inner2_2
ここまで用意出来たら、ラックを仮に組上げてシャーシに先程製作したコネクタープレートをこれまた現物合わせで取り付け穴を空けて、中央の空いたスペースにPSUとRamping電源の基板を設置する穴を空けるのですが、私の場合、この時点で手持ちのピッグテールを使用して実際に電源を入れてノイズ等のチェックをしながら位置決めをします。しかし、モジュール状態で放置の方は、もしピッグテールをお持ちのようでしたら実際に使用していると思いますので、こんな感じでレイアウトして下さい。ただし、PSUはシャーシをヒートシンクにしようなどとは考えず、ちゃんと正規の取付け穴4点を使用する事をお勧めします。(PSUの電圧を調整するために底板まで外さないと調整出来ず、モジュール実装状態での調整はほぼ不可能となります。)この点に関しては次回作では改善しました。もう一点XLRとパワーケーブルはなるべく下側にあった方が使い易いのですが、コネクタープレートとのクリアランスがこのラック(D 350mm)を使用すると5mm程度しか無くかなりきわどい事になりますので、もし試される場合はXLR / IECコネクターのレイアウトを工夫するとかなり余裕が出て楽に結線出来ますので一考して下さい。

次回は、コネクターやスイッチの結線について作業を進めて行きます。