Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

緊張感溢れる裁判シーンが凄まじい『私は確信する』

2021年02月27日 23時31分33秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:9/34
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
実話ベース
法廷モノ
無実の証明

【あらすじ】
2000年2月、フランス南西部トゥールーズ。
38歳の女性スザンヌ・ヴィギエが3人の子供を残して忽然と姿を消した。

夫・ジャック(ローラン・リュカ)に殺人容疑がかけられるが、
明確な動機がなく、決め手となる証拠は見つからない。
ジャックは第一審で無罪となるがすぐさま検察に控訴され、
翌年の第二審で、再び殺人罪を問う裁判が行われる。

無実を確信するシングルマザーのノラ(マリーナ・フォイス)は、
敏腕弁護士デュポン=モレッティ(オリヴィエ・グルメ)に弁護を懇願。
自らも助手となり250時間の電話記録を調べるうちに、
新たな真実と疑惑に気がつく…。

【感想】
実話ベースの濃厚な裁判映画だった。
裁判員の経験がある身としては、
当時のことを思い出しながら観れる点で、
身近に感じられたよ。
いや、だからこそより一層面白く感じたのかもしれない。

妻の失踪から夫に殺人容疑がかけられるのだけど、
一審の無罪判決を控訴したのが検察って、
よほど検察は有罪の証拠をつかんでたんだろうね。

でも、話を聞いてみると、
物証は乏しく、仮説ばかりで、
とても有罪を断定できる要素がない。
よくこんなんで控訴できたなって思うけどw
被告を陥れようというより、
単に警察と検察が雑な気がしたなー。

この映画の見どころは、協力者のノラ。
彼女の息子が、ヴィギエの娘に家庭教師をしてもらっている関係で知り合い、
彼の無実を証明するために奔走する。

本職は料理人だけど、
250時間にも及ぶ通話記録の文字起こしや
関係者へのヒアリングを通じて、
真実に近づいていく過程はスリリングだった。

特に演出の仕方が面白くて。
ノラの働くレストランの伝票を渡すカットと提出書類を渡すカットをミックスしたり、
ベルを鳴らす手と証人が宣誓を行う際に挙げる手をミックスしたりと、
忙しい本職の合間を縫って裁判に参加している様子がよく伝わってくる。

この裁判の行く末はその目で確かめて欲しいけれど、
フランスでは年間4万人が失踪し、
そのうち1万人が謎の行方不明らしい。

こう言うとなんだけど、
生きてるのか死んでるのかわからない状態が一番辛いよね。。。
メールやLINEとかでも、
相手からの返事がNoよりも無視が辛いように、
「わからない」という状況が、
最も精神的に辛いと感じた。

映画『私は確信する』オフィシャルサイト

映画『私は確信する』オフィシャルサイト

 

相反する2人の女性の共通点を探し当てた『あのこは貴族』

2021年02月27日 22時42分24秒 | 映画


『あのこは貴族』

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:18/33
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
慶應義塾大学
"育ち"の違い
パイパン

【あらすじ】
東京に生まれ、
箱入り娘として何不自由なく成長し、
「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子(門脇麦)。
20代後半になり、
結婚を考えていた恋人と別れ、
初めて人生の岐路に立たされる。

あらゆる手立てを使い、
お相手探しに奔走した結果、
ハンサムで良家の生まれである
弁護士・幸一郎(高良健吾)と出会う。
幸一郎との結婚が決まり、
順風満帆に思えたのだが…。

一方、東京で働く美紀(水原希子)は富山生まれ。
猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、
学費が続かず、夜の世界で働くも中退。
仕事にやりがいを感じているわけでもなく、
都会にしがみつく意味を見い出せずにいた。

しかし、幸一郎と大学の同期生だったことで、
同じ東京で暮らしながら、
別世界に生きる華子と出会うことになる。

2人の人生が交錯したとき、
それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―。

【感想】
良家のお嬢様と地方出身の女の子の対比を描いた話。
いや、あるよね、同じ世界に生きているはずなのに、
違う階層(セカイ)の人って。
原作は読んでないけれど、
取材に2年も費やしたというだけあって、
いろいろリアルだったなー。
慶應出身者だといろいろ面白いよ(笑)

で、彼女らの何を描いているのかって言うと、
最終的には"共通点"なんだよね。
一見、両者の格差を描いているように見えるじゃない。
でも、そうじゃない、2人には意外と共通点があるんだ。

それは後述するとして、
当然2人の間には大きな差があるよ?

まず、華子は超絶箱入り娘。
世間知らずな印象を受けるも、
気づけばいいカフェにいて、
必ずダージリンティーを注文するし、
トイレのことをお化粧室って言う。
こういう細かいところに"育ち"って表れるよね。

ただ、恋人の条件などは「普通でいいんだよな~」とはっきりしない態度。
でも、20代後半ともなれば、
相手にはっきりしたイメージはなくとも、
自分が育った環境から無意識のうちに
恋人たる人物像ってのは絶対あると思うのさ。

それに合致したのが幸一郎。
幼稚舎から慶應で~弁護士で~実家も良家で~
(しかもイケメンで~スタイルよくて~)って、
うん、もう上流階級になるとウマが合うかどうかよりも、
育ちが合うかどうかが大事なのかなって思ったよね。
ちなみに華子は慶應じゃないけど、
「初等科」ってセリフがあったから、
まあどっかの私立だとは思う。

一方、美紀は一生懸命勉強して、
慶應義塾大学に合格するも、
家庭の事情で中退。
お水のバイトで知り合ったお客さんに
紹介してもらった会社で働きつつ、
日々なんとか生活してますっていう感じ。

彼女は富山出身なんだけど、
地元に帰れば男たちは親の家業を継いだりして、
昔はあんなバカやってたやつらが今では立派な大黒柱っていうパターン。

この2人、シンクロするところどこもないじゃんって思うんだけど、
ちゃんとあるのよ。
それは「外に出なきゃ親のトレース」っていうところ。
これは美紀が言っていたことなんだけど、
田舎を出て東京に来ないと、
親の家業を継いだりして、
結局親とほぼ同じ人生を歩むんだよ。

でもそれって、華子にも当てはまるんじゃないかと思った。
上流階級の方が、
本人の意志よりも家柄や世間体を気にするようになるから、
同じような家柄とくっつくと、
また親とほぼ同じ人生が続くんじゃないかって。

あと、印象的だったのが、
華子が美紀の部屋を訪れたときに、
「落ち着く」って言ったんだよね。
それは、ここにあるものが全部"美紀のもの"だから。

ここでハッとしたんだけど、
お金にしろモノにしろ、
華子の方が圧倒的に質も量も上回っているのは明らか。
そういう意味でも、
人生の選択肢は彼女の方が多いようにも思う。

でも、ここでの彼女のセリフを聞いて、
華子自身が決められることって実は少ないのかなって感じた。
選択肢は多いけれど、選択できる権利が少ないっていう。
家柄や世間体が関わってくる上流階級ゆえのしがらみなのかな。

真逆の属性の女の子がいると、
どちらかがどちらかを妬むみたいな展開を想像しがちだけど、
これはむしろ2人の共通点を探し当てている点が新鮮な映画でした。

映画『あのこは貴族』公式サイト

出演:門脇麦、水原希子×監督・脚本:岨手由貴子×原作:原作:山内マリコ(「あのこは貴族」集英社文庫刊)今、最も旬なキャスト・スタッフが贈るシ...

映画『あのこは貴族』公式サイト

 

思ったよりまともなやつらだったかもしれない『イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社』

2021年02月25日 21時47分55秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:32/32
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★☆☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ドキュメンタリー
世界史
秘密結社
イルミナティ

【あらすじ】
トム・ハンクス主演で映画化されたダン・ブラウン原作の『天使と悪魔』や
スタンリー・キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』など数々の映画でも、
その恐るべき存在と底なしの恐怖が描かれてきた謎の秘密結社<イルミナティ>。

1776年のドイツでの創設以来、
世界の政治や経済だけでなく、文化や芸術をも陰で操り、
様々な謀略を実践して全世界の支配を目指してきたと言われるその結社の実態は、
絶対的な箝口令と闇の掟によって、
これまで明かにされたことはなかった。

フリーメイソン研究家としても知られる映像作家ジョニー・ロイヤルは、
そんな人類最大のタブーに果敢に挑み、
映画史上初めてイルミナティの驚くべき歴史と真実の全貌を明らかにする
衝撃と禁断のドキュメンタリーを完成させた。

この秘密結社は、一体誰が、どんな目的で創り、
200年以上にわたって世界と人類の歴史にどんな影響を及ぼし、
何をしてきたのか?

【感想】
映画好きな人なら一度はその名を耳にしたことがあるであろうイルミナティ。
闇の秘密結社である。
最初は架空の組織かなと思ってたんだけど、実在してたんだよね。

で、そんなイルミナティを扱ったドキュメンタリーがあるってんで観に行ったのだけれど、
これが小難しい。

というのも、世界史のバックボーンがないと時代背景が掴みづらい上に、
出てくる用語の意味も何となくしかわからないので、
ちょっとでも気を抜くと話が理解しづらいのだ。

あとなー、これ一番大きいと思うんだけど、
内容がだいぶ想定してたのと違うんだよ。
てっきりイルミナティの目的とか真実とか、
そういう「知られざる真実が明らかに!」的なドキュメンタリーかと思ったんだけど、
ほとんどがイルミナティの中にある位階制度の説明だったから、
なんかそこまで「知られざる!」感なかったなっていう(笑)

いや、もちろん僕は知らないことだらけだったんだけど、
普通に本とか出てそうだなっていうw

とはいえ、一応軽くまとめておこう。
結論から言うと、このドキュメンタリーを観る限りは、
闇の秘密結社とはいえ、
そこまで極悪非道な連中ではなかったんじゃないかってこと
(少なくとも、オフィシャルな彼らに関しては)。
教育や道徳の向上によって世界をよくしようという志を持った人たちの集まり。

創設者はアダム・ ヴァイスハウプト。
18世紀、カトリック教のイエズス会が絶大な権力を持っていたとき、
ヴァイスハウプトはカトリック教が禁止していた本の内容を
人々に広めるためにイルミナティを創設。

彼はフリーメイソンにも入会し、
そこでもイルミナティの勧誘を行って、
ごっそり人を持ってきたりとなかなかのやり手。

後にクニッゲ男爵という人が入会したことにより、
イルミナティは大きく飛躍。
位階制度の導入など、
組織としてより強固なものになっていった。

ただ、やがてこの2人の意見が合わなくなっていき、
クニッゲ男爵が脱退したことでイルミナティは失速。
ヴァイスハウプトは優れたリーダーとは言い難く、
しょっちゅう人と衝突していたらしいとのこと。

そして、このタイミングで、
カール・テオドール選帝侯があらゆる結社を禁止にしたことで、
イルミナティは事実上解散となった。
存続期間は10年ほど。
意外と短いのよ。

ただ、面白いのが、解散した証拠もいくつか挙がっているにも関わらず、
世界のあらゆることがイルミナティに支配されているのではないかという人もいること。
イルミナティの最大の功績は、
現代に至ってもまだこうやって話題にする人がいることだろうと
専門家も言ってた。

現に、非公式の分派みたいなのもあるようだし、
自分たちがイルミナティだと言えば、
「はい、そうですか」としか言えないからな。。。
もし、イルミナティが極悪非道の集団だとしたら、
それはオフィシャルのものではなく、
勝手に名乗っている人たちのことかもしれない。

てっきり犯罪集団かと思っていたイルミナティだけど、
その歴史と内部事情に関しては、
けっこう普通の組織だなってのがわかるという点では、
歴史の勉強になるかな。

映画「イルミナティ/世界を操る闇の秘密結社」

観ると、消される。人類最大のタブー、その歴史と全貌。ついに明かされる、陰謀の真実とは?

映画「イルミナティ/世界を操る闇の秘密結社」

 

愛国心と腐敗していく政治の間で葛藤する『KCIA 南山の部長たち』

2021年02月22日 01時41分21秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:12/31
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
韓国映画
サスペンス
アクション
史実
暗殺

【あらすじ】
1979年10月26日、
大韓民国大統領直属の諜報機関である
中央情報部(通称:KCIA)の部長キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が大統領を射殺した。
大統領に次ぐ強大な権力と情報を握っていたとも言われるKCIAのトップがなぜ?

さかのぼること40日前、
KCIA元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)が、
亡命先であるアメリカの下院議会聴聞会で、
韓国大統領の腐敗を告発する証言を行った。
さらには回顧録を執筆中だともいう。
激怒した大統領に事態の収拾を命じられたキム部長は、
アメリカに渡り、かつての友人でもある裏切り者ヨンガクに接触する。

それが、やがて自らの運命をも狂わせる哀しき暗闘の幕開けとも知らず…。

【感想】
あくまでもフィクションという体裁ではあるけれど、
これは現代韓国史を知る上で、
歴史的意義の大きい作品かもしれない。
なぜなら、この作品におけるパク大統領暗殺による影響もあって、
その後の『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)と
『1987、ある闘いの真実』(2017)にもつながっていくのだから。
僕は本作を含めたその3つを三部作と捉えてもいいと思ってる。

独裁的な大統領による腐敗した政治を正すために"殺害"という手段を取った主人公。
大統領への忠誠や愛国心にあふれながらも、
現状をよしとしない正義感の中で葛藤する彼を演じた
イ・ビョンホンの演技は凄まじい。
決して感情を露にすることはないが、
表情や握りしめた拳などで
内なる心の動きを表現していたのは圧巻だった。

ひとりの力で巨大な力を動かすことはほぼ不可能に近く、
かといって誰かに相談することもできないまさに八方塞がりな状態。
それでいて、内部で敵対する人物も多い中で、
あのような行動を取った背景には、
彼の中にある愛国心や正義の心の強さがうかがえる。

「とはいえ、殺しちゃダメでしょ」と言うのは簡単だけれど、
彼の国を想う気持ちがいかに大きかったかということに、
少しでもいいから思いを馳せてみたい。
なんだかんだで平和な今の日本にいるとなかなか難しいかもしれないけれど。

そう、だから先に挙げた2作品と比べると、
一般市民が絡んでこず、
お偉いさんだけでわちゃわちゃしてる感じがあるから、
イマイチ共感しづらいところはあるんだけど、
それを踏まえても見ごたえはあるかな。

ちなみに、この映画を観るなら、
ぜひ『タクシー運転手 約束は海を越えて』と『1987、ある闘いの真実』も観て欲しい。
どちらも民主化運動真っ只中の韓国を描いた作品だけれど、
一般市民が軍や警察に虐げられているシーンが多く、
とても心が痛む反面、
隣に国でどういうことがあったのかを知れるいい作品なので。
両方とも観て泣いたよ、僕は。

日本だとこういう多くの民衆を巻き込んだ政治的な運動っていうのはなかなかないからね。
少なくとも最近だと。
だから、映画にもならない。
安保闘争を扱った作品とかあるのだろうか。

映画『KCIA 南山の部長たち』公式サイト|2021年1月22日公開

映画『KCIA 南山の部長たち』公式サイト|2021年1月22日公開|男はその日なぜ、大統領を暗殺したのか。イ・ビョンホン主演で贈る実録サス...

http://klockworx-asia.com/kcia/

 

子どもの自主性を重んじ、可能性を広げる『モンテッソーリ 子どもの家』

2021年02月21日 22時02分33秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:8/30
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ドキュメンタリー
教育
モンテッソーリ

【あらすじ】
世界中で実践されている教育メソッド
「モンテッソーリ教育」の魅力と子どもたちの成長をつづったドキュメンタリー。

20世紀初頭にイタリア出身のマリア・モンテッソーリが考案し、
世界中に普及したモンテッソーリ教育。

ルーベにあるフランス最古のモンテッソーリ学校の幼児クラスを2年3カ月にわたって取材し、
2歳半~6歳の子どもたちがユニークな教具で自由に学ぶ姿、
そして彼らが成長していく中でふと訪れる魔法のような瞬間を映し出す。

【感想】
子持ちの親御さん必見のドキュメンタリー。
これはものすごく興味深い内容で、
むしろ子どもたちの特性に共感しまくりだった。

世界の名だたる人々が受けたモンテッソーリ教育だけど、
実際の現場を見ると、
子どもの可能性や自主性に寄り添った教育の素晴らしさに気づく。
ひとりの人間としてあらゆる可能性を引き上げてくれる環境はうらやましい。

人はいつから子どもたちのような自由さを失うのか。
これを観ると、小学校以上の教育法や職場環境の在り方の多くは、
人の可能性を潰してしまうのではないかとさえ思ってしまう。

子どもの好きにさせるのがいいのか、
親が代わりに考えるのがいいのか、
迷うときはこの映画を観るといいかもしれない。

以下、映画で言われていたことの雑多なメモ。

・大人は物事のやり方がわかった時点でやめるか他の人に任せるが、
 子どもは目の前にあることを飽きるまで繰り返す。
 そうすることで能力を磨いている。
 この学校では子どものすることは"お仕事"と呼んでいるが、
 そういう仕事への自然な欲求が人間の本質であると捉えている。
・子どもにとっては"できた"ということが出発点で、
 その後何度も繰り返すことで"やりたい"という欲求を満たしている。
・子どもは言葉だけの世界では飽きやすいが、手を動かすと集中する。
・子どもたち同士は基本的に助け合うことはしない。
 それは「自分でやりたい」という欲求をお互いに尊重しているから。
・子どもは嫉妬しない。
 できないことに対する恥じらいもなく、
 大きくなったら自分もできるようになるとわかっているから。
・子どもを尊重したいなら、自主性に任せること。
 ひとりでやらせて自分の能力をわからせる。
・4歳になると言語に興味を持つが、これを"言語の敏感性"と呼び、
 "吸収する精神"で大した苦労もなく、どんどん言語を習得していく。
 大人はこの時期を見極め、
 自然と湧き出るやる気を阻害してはならない。
 また、"吸収の精神"は7歳を過ぎると失われていく。
・モンテッソーリ教育の本質は"集中力の獲得"にあるが、
 体を動かすと子供は集中しやすい。
 また、細かい作業になるほど子どもは集中するが、
 これを"集中現象"と呼び、
 いわゆる"天才"と呼ばれる人たちと同等の集中力となる。
・整理整頓された環境が子どもの好奇心を刺激する。
 物がありすぎると気が散ってしまう。
・この学校では、子どもに対して褒めたり、罰を科したりはしない。
 仮に褒めてしまうと、自分で気づく楽しさを失ってしまう。
・ある生徒が他の子の絵を下手だと言ったとき、
 先生はやみくもに叱るのではなく、
 「かわいいかどうかはその子が決めることだから、あなたが言うことではないんだ」
 と悟らせる。
・子どもは注目されたいし、 愛されたいと思っている。
 だから、新しいことを教えるとき、
 先生はその子に付きっきりとなり、
 他の子が話しかけても
 「今、この子にすべてを捧げているから、他の人に聞いてごらん」と、
 決して中断することはしない。
・子どもが間違っていても先生は指摘しないこともある。
 大事なのは正解を当てることではなく、子どもの能力を伸ばすことだから。
・教育者の成功とは、まるで自分がいないかのようだと思えるかどうか。
・大事なのは、自分がやりたいことをやらせ、
 誰もそれに口出しをしないこと。
・人生で最も重要な時期は、生まれてからの6年間。

映画『モンテッソーリ 子どもの家』公式サイト

アンネ・フランクやイギリス王室から、Amazonのジェフ・ベゾス、Googleのラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン等
米大手企業の創業者、Wi...

映画『モンテッソーリ 子どもの家』公式サイト

 

主人公を取り巻くマイペース過ぎる人々が面白い『天空の結婚式』

2021年02月21日 20時51分50秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:11/29
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
LGBT
同性婚
ミュージカル

【あらすじ】
役者としてベルリンに暮らすアントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)は、
恋人で役者仲間のパオロ(サルヴァトーレ・エルポジト)に、
"人生を一緒に歩んでいくならこの人"と確信し、
遂にプロポーズ。

2人は結婚を決意するが、
問題は互いの親の理解を得ること。

パオロはゲイであることをカミングアウトして以来、
母親と疎遠になっている。
一方、アントニオはイタリアで村長を務める父と母に、
カミングアウトと同時に結婚の意志を伝えに行こうとするが―。

【感想】
最近急に増えている印象を受けるLGBT映画。
シリアスなものが多い中で、
これは笑いがメインのラブコメとなっていて、
登場人物のマイペースさとカオスな人間関係が面白い映画だった!
・\
両親に対するゲイのカミングアウトと結婚の承諾という流れは
オーソドックスだと思うんだけど、
この映画の一番面白いところは、
メイン2人を取り巻く脇役のマイペースさ(笑)

まず、メインの2人と新しくルームシェアしようとしていたドナート(ディーノ・アッブレーッシャ)。
彼は、独りになるのが寂しいという理由だけで、
アントニオの帰省に同行し、
一番まわりに気を遣わないキャラ。
この中で最も関係ない他人なのに、
ずぶとすぎる上に女装が趣味というぶっ飛んだ役柄w

アントニオとパオロの家主であるベネデッタ(ディアナ・デル・ブーファロ)も帰省に同行するも、
ヴィーガンという理由で出された食事には一切手をつけず、
隙あらば勝手に歌をうたい出すという、
これもまわりに気を遣わないキャラw

そして、アントニオの元カノであるカミッラ(ベアトリーチェ・アルネラ)は、
別れた後もアントニオに付きまとい、
結婚を阻止しようとするメンヘラw

そんな彼らに加えて、
村の村長であるアントニオの父親は、
村をオープンな雰囲気にしてあらゆる人種を受け入れようとするも、
自分の息子の同性婚には賛成できないという立場を取り、
母親だけは唯一結婚を認めるも、
条件をいろいろ突きつけるという、
まさに前途多難すぎる環境であるw

それらを面白おかしくまとめて、
ラスト5分の唐突かつ素敵な終わり方で仕上げる本作は、
クスッとした笑いの連続で、
とても陽気な気持ちになれる映画だった。

僕は山羊と会話する修道士さんが一番好きだったわwww
陽気なラブコメを観たいならオススメw

映画『天空の結婚式』オフィシャルサイト

映画『天空の結婚式』オフィシャルサイト

 

「何かを好きになる」ことを肯定し、応援する映画『あの頃。』

2021年02月20日 15時57分04秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:14/28
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
オタク
ドルオタ
アイドル
ハロプロ
モーニング娘。
松浦亜弥
ヲタ芸

【あらすじ】
バイトに明け暮れ、
好きで始めたはずのバンド活動もままならず、
楽しいことなどなにひとつなく、
うだつの上がらない日々を送っていた劔(松坂桃李)。
そんな様子を心配した友人・佐伯(木口健太)から
「これ見て元気出しや」とDVDを渡される。

何気なく再生すると、
そこに映し出されたのは
「♡桃色片想い♡」を歌って踊るアイドル・松浦亜弥の姿だった。
思わず画面に釘付けになり、
テレビのボリュームを上げる劔。
弾けるような笑顔、
くるくると変わる表情や可愛らしいダンス。
その圧倒的なアイドルとしての輝きに、
自然と涙が溢れてくる。

すぐさま家を飛び出し向かったCDショップで、
ハロー!プロジェクトに彩られたコーナーを劔が物色していると、
店員のナカウチ(芹澤興人)が声を掛けてきた。
ナカウチに手渡されたイベント告知のチラシが、
劔の人生を大きく変えていく―。

【感想】
ハロプロに青春を捧げた男たちの物語。
ただのアイドル映画にせず、
アイドルを通じたヒューマンドラマっていう形が心地いい。
世代的にはドンピシャな設定だったので、
流れてくる音楽や出てくるポスターにはかなり懐かしさを感じた。

行き場のなくなった剱に居場所を与え、
生きる勇気をくれた松浦亜弥という存在。
それは剱だけでなく、
他のメンバーも同様だ。
“推し”がいたからこそ、
腐らず、ここまでやってくることができた。
その感謝をみんな心の中に持っている。

彼らにとって“推し”は、
ただのアイドルという存在を超えて、
生きる目標や心の拠り所という、
もっと崇高で巨大なものになっているのだろう。

これはドルオタじゃなくても共感できるところはあるかもしれない。
仕事でも、スポーツでも、旅行でも、漫画でも、対象は何でもいい。
「何かを突き詰めて好きになる」ということは、
自分の中に大きな熱量が生まれ、
それがエネルギーとなって、
いろんな行動につながり、
人も集まって伝播していく。

この映画は何かを好きになることを肯定し、
応援するような話で、
ポジティブな気分になれる内容だ。
だから、「松浦亜弥のどこがいいか」
といった議論めいた話ではなく、
「好き」を見つけた男たちの生き様を描いているところがよかった。

そんな彼らが、時間の流れと共に、
それぞれの道を歩き出し、
仲間とオタ活していた頃を懐かしむシーンもまた、
共感できる部分がある。
「あの頃はよかった」
って誰もが一度は思ったこともあるだろうから。
でも、「あの頃はよかった」だけで終わらせると、
過去を超えられず、
未来が上向いて行かない印象になってしまう。

それを突っぱねるかのごとく、
映画の中で引用されていた道重さゆみの言葉が素敵だった。
「10代はかわいい。20代は超かわいい。30代は超超かわいい。劣化という言葉は私にはないんです。常にピークです。」

そうありたいものだね。

あと、出ている役者さんの演技も素晴らしかった。
特に、松坂桃李のオタクらしい早口なしゃべり方がリアリティがあった(笑)
『娼年』でヤリまくっていた役柄と対照的なのも面白くて、
顔はイケメンなのに役次第で印象がかなり変わるから、
幅広い役者さんになりつつある。
本当に元戦隊ヒーローなのかと思うぐらいw

松浦亜弥を演じた山崎夢羽も本人に似てた!
まあ、アイドル好きからしたらすぐわかるんだろうけど、
僕は一瞬「え、本人、、、いや違う、、、?」
っていうぐらいには迷ったので(笑)

作中の舞台である2004年といえば、
僕はちょうど1年の浪人生活を終え、
大学生になったばかりの頃。
当時の僕の一番の興味はゲームだったので、
アイドルに熱を上げることはなかったけれど、
カラオケに行けば必ずモー娘。や松浦亜弥の歌は誰かしら入れるぐらいには、
国民的な存在だったな。

懐かしい。

映画『あの頃。』公式サイト 監督:今泉力哉×脚本:冨永昌敬×主演:松坂桃李

映画「あの頃。」公式サイト。主演:松坂桃李、監督:今泉力哉、脚本:冨永昌敬。2021年2月19日(金)ロードショー!

映画『あの頃。』公式サイト

 

清々しいほどの波乱万丈なマネーサスペンス『藁にもすがる獣たち』

2021年02月19日 21時56分12秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:4/27
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
韓国映画
サスペンス
金に目が眩んだ人間
誰が勝つのかわからない
流血

【あらすじ】
失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて、
金融業者からの取り立てに追われるテヨン(チョン・ウソン)。
暗い過去を清算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ(チョン・ドヨン)。
家業を廃業させ、アルバイトで必死に生計を立てているジュンマン(ペ・ソンウ)。
株式投資の失敗により、家庭が崩壊したミラン(シン・ヒョンビン)。

ある日、ジュンマンがアルバイト先である
サウナ施設のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。
その中には10億ウォン(約1億円弱)もの大金が入っていた。
地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、
欲望に駆られた獣たちの運命は――。

果たして最後に笑うのは誰だ!?

【感想】
これメッチャ面白いじゃん!
点と点が線でつながっていく人間ドラマ、
ダークな世界観を生み出す役者の演技、
そして惨いシーンを詰め込んだバイオレンスさ。
見事なまでの波乱万丈なマネーサスペンス。

いやもう韓国映画すごい、本当にすごい。
世界観の作り方がうますぎる。
原作は日本の小説で読んでいないけれど、
韓国映画だからこそのハラハラ感と臨場感、
そして爽快感があった!!

これ、話の前提となる部分がわかりやすいってのがいいと思うんだよね。
つまり、いかにお金に困っているかっていうのを
観客に伝える方法がうまいとでも言うのかな。

まず、基本的に夜のシーンが多くて暗い雰囲気。
これだけでシリアスな感じになる。
そして、暴力シーンを入れることで、
お金が理由で命が危険に晒されていることがわかる。
韓国映画ってこの暴力シーンがものすごく惨いんだよ。
スプラッターばりに血もいっぱい出るからか、
身の危険の感じ方がハンパない。

そんな状況下にある中で、
突如現れた10億ウォン。
お金に困ってなくても欲しいぐらいの大金だよ。
そんなものがね、
こんな生活から抜け出したい人たちの前に出てきたらさ、
そりゃ空腹の馬の前にニンジンぶら下げるようなものでしょ。

「なんでみんなそんなにお金に必死になるのか」
っていう動機づけがはっきりしているから、
登場人物の行動すべてに一貫性があって、
迷うことなく映画の世界に入り込める。

この映画、全部で6つか7つの章に分かれていて、
それぞれの中で各登場人物のエピソードが流れていくスタイル。
でね、時系列がバラバラなんだけど、
ここがまた面白いポイントなのよ。
「だから、これはこうなのか!」、
「だから、こことここがつながっていくのか!」
という発見が次々に出てくる。
まさに、点と点がつながっていく爽快感とでも言うべきか。

そして、10億ウォンの持ち主が次々に変わっていく。
緋村剣心じゃないけど、
「拙者は流浪人。また流れるでござるよ」
とでも言わんばかりに、
10億ウォンはどんどん人の手を渡っていく。

その過程でバラバラだった登場人物たちがつながっていき、
観ている方は「え、結局10億ウォンって誰のものになるの?」
っていう好奇心に支配されていく。。。

ちょっと激しいシーンばかりを集めた予告とは違う印象はあるけれど、
本当に面白いサスペンス映画だった。
本当に清々しいほどに。

映画「藁にもすがる獣たち」公式サイト

映画「藁にもすがる獣たち」2021年2月19日(金)より公開!

映画「藁にもすがる獣たち」公式サイト

 

「実は〇〇」な主人公が痛快だった『ノンストップ』

2021年02月14日 16時18分02秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:8/26
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
韓国映画
アクション
コメディ
ハイジャック
超絶バトル

【あらすじ】
揚げパン屋を営むミヨン(オム・ジョンファ)と
パソコン修理工のソクファン(パク・ソンウン)。
慎ましくも幸せな生活を送っていたが、
ある日景品でハワイ旅行に当選。
人生初の海外旅行に浮かれていたが、
登場した旅客機には北朝鮮からのテロリストが乗り合わせていた。

史上最悪の緊急事態に、
これまで隠されていたミヨンの能力が目を覚ます。
同時に機内でミヨンを探していたソクファンも、
その秘めた技能で旅客機を救おうとする。

高度1万メートル上空の機内で繰り広げられるアクション×アクション!
果たしてテロリストたちハイジャックの目的とは?
そして、ミヨンたちは乗員・乗客を
無事にエアポートに着陸させることができるのか!?

【感想】
旅客機内で所狭しと繰り広げられる超絶バトルアクションの数々に興奮!
相変わらず韓国映画はやってくれる、、、!

正直、設定勝ちみたいなところはあるのよ。
揚げパン屋のおばさんとパソコン修理工のおじさんの正体が実は、、、
っていうね。

でも、韓国映画の十八番なのかわからないけど、
「主人公が実は〇〇」っていう設定は過去にもけっこうあって。
昨年も『ヒットマン エージェント:ジュン』や
『スタートアップ!』なんかはいい例。
まあ、その"〇〇"って、
元特殊部隊とか元裏社会の人間って相場が決まってるから、
やや使い古されている感は否めないけど(笑)

そうは言っても、
そのギャップや振り切ったキャラクター性が面白いから、
韓国映画を好きになる要素になる。
邦画ではなかなか「そんな設定ありえないだろw」
っていう作品が少ないからな。
国民性や文化の違いかはわからないけど。

で、そういうあるあるなパターンなのにも関わらず見ごたえがあるのは、
アクションのかっこよさがあるから。
今回だって、あんなに狭い飛行機の中で
シュバババッて目にも止まらぬ速さで繰り広げられるバトルが圧巻。
狭いところでほぼゼロ距離でやり合うバトルほどかっこいいものはないよ。
これは、広いところで見るゴキブリよりも、
狭いところで見るゴキブリの方が怖いっていう感覚に近いかも。
狭いところで早く動く方がインパクトあるんだよね。
近接格闘や肉弾戦をかっこよく撮る知見が、
韓国映画には多いのかもしれない。

あと、アクションだけでなく、
感情表現も韓国映画の方が豊かなのも面白いポイント。
怒ってるときはまわりの迷惑を顧みずに大声を出し、
思いきり引っぱたくし、
喜ぶときはぴょんぴょん飛び跳ねる勢いだからね。
こういうオーバーなほどコミカルな動きがある方が、
観ている方としては感情移入しやすい。
だから、韓国映画の方がコメディだと笑えるし、
感動作だと泣けると思うんだよなー。

正直、今回の映画はストーリー的にはやや微妙なところもあった。
過去に面白いと感じた韓国映画と比べると、
ちょっとテンポが悪かったのと、
敵の目的がわかりづらい上に、
ミヨンの父親のくだりが宙ぶらりんすぎて消化不良だったから。

でも、それを凌駕するアクションのかっこよさと、
キャラクターの面白さがあるから、
個人的には好きな映画だったよ。

てか、ポスターの構図やテキストのフォントが
『エクストリーム・ジョブ』に似てる、、、
というよりほぼ同じじゃないか?(笑)

映画『ノンストップ』公式サイト

映画『ノンストップ』公式サイトです。大ヒット上映中

映画『ノンストップ』公式サイト

 

人魚の歌声がほとんど聴けない『マーメイド・イン・パリ』

2021年02月12日 19時13分22秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:24/25
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★☆☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ラブストーリー
人魚

【あらすじ】
記録的な雨による大増水で、浸水してしまったパリ。
セーヌ川に浮かぶ老舗のバー“フラワーバーガー”のオーナーの息子で、
ウクレレを持って歌うパフォーマー“サプライザー”として働くガスパール(二コラ・デュヴォシェル)は、
ある夜、傷を負い倒れていた人魚を見つける。

彼女の名前はルラ(マリリン・リマ)。
ルラは、美しい歌声で出会う男性を例外なく虜にし、
恋に落ちた男性の心臓を破裂させ命を奪っていた。

歌によって人間から身を守ってきたルラは、
ガスパールの命も奪おうと歌をうたうが、
過去の失恋の経験から、
恋する感情を一切捨て去ってしまったガスパールには、
その歌声がまったく効かなかった。

ルラを懸命に看病するガスパール。
その彼の献身的な優しさに、ルラは次第に心惹かれていくが、
人魚であるルラは2日目の朝日が昇る前に海に帰らねば、
命を落としてしまうという。
と同時に、ガスパールの体に異変が起こる。
胸がギュッと締め付けられるように苦しいのだ。

パリで出会ったふたりは、
無事に恋を成就させることが出来るのか……?

【感想】
予想に反してつまらなすぎた(笑)
人魚と人間の恋で、予告を観る限り、
ミュージカルっぽさを感じたから、
大人の『リトル・マーメイド』かと思いきや、、、
思いきや!

人魚のルラは歌はうたうものの、
演じた役者がうたうシーンはほとんどなく、
さらに人間の言葉が少ししか話せないから、
そこまでセリフも多くない(笑)

まあ、ビジュアルは人魚といえるほどの美しさではあったけども。
毛穴のない白く透き通るような肌に、綺麗なブロンドヘア。
『FF7』のクラウドを実写化したらこんな雰囲気だろうかなんて思えるものの、
物語のヒロインとしてはかなり存在感が薄いかな(笑)

ガスパールも仕事があるから、
いっしょに過ごす時間もそんなになかったように感じられて、
2人の絆が深まってるのかどうかがわからないまま別れの時間。
まったく感情移入できない。

唯一、ルラに夫を殺された女医が、
物語にパンチを与えてくれそうな感じではあったけど、
これまたタイミングよくルラを逃すから、
何の意味もなくてね。。。

画と雰囲気は悪くなかったけど、
逆にそれが眠気を誘う感じもあって、
個人的には残念と言わざるを得ない映画だった。

ちなみに、バーに赤い髪の女性がいたけど、
あれは間違いなくアリエルを意識してると思った(笑)

映画『マーメイド・イン・パリ』公式サイト

夢のような恋に落ちる― <恋を知らない人魚>と<恋を捨てた男>が奏でる心ときめくおとぎ話。新宿ピカデリーほか大ヒット公開中!

映画『マーメイド・イン・パリ』公式サイト

 

トラウマからの脱却をうまく描いた『ファーストラヴ』

2021年02月12日 19時08分22秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:20/24
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
サスペンス
ヒューマンドラマ
トラウマからの脱却

【あらすじ】
川沿いを血まみれで歩く女子大生が逮捕された。
殺されたのは彼女の父親。

「動機はそちらで見つけてください。」
容疑者・聖山環菜(芳根京子)の挑発的な言葉が世間を騒がせていた。

事件を取材する公認心理師・真壁由紀(北川景子)は、
夫・我聞(窪塚洋介)の弟で弁護士の庵野迦葉(中村倫也)と共に、
彼女の本当の動機を探るため、
面会を重ねる。

二転三転する供述に翻弄され、
真実が歪められる中で、
由紀は環菜にどこか過去の自分と似た「何か」を感じ始めていた。

そして、自分の過去を知る迦葉の存在と、
環菜の過去に触れたことをきっかけに、
由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになるのだが……。

【感想】
サスペンスっぽくはあるけれど、
犯人はすでにわかっているので、
その動機が何なのかを深堀りしていく映画。
だから、刑事は出てこずに弁護士と公認心理師がメイン。

由紀と環菜が幼少期にトラウマがあるという共通項をフックに、
お互いを、そして自分自身を見つめ直す展開と、
その2人の迫真の演技が見どころになっている。

ただ、いずれも"性"に関わる部分ではあるので、
ちょっと重い。
“ちょっと”というのは、
ストレートにそういうことではなく、
変化球で来てるから、
人によってはストレートで来るよりも嫌悪感ありそう。

歪んだ家庭環境や父と娘という関係性、
弱い少女という立場で抗うことができなかった2人が、
それを乗り越えていく過程はいいけどね。

ずっと言えなかった、
言ってはいけないと思い込んでいたことを、
正直に話すことで、
痛みは伴うけれど、
結果それが救いになるっていう見せ方もよかった。

とはいえ、2人のエピソードがリンクしているわけじゃないんだよね。
なので、時々「これ何だっけ」って思ってしまう部分はあった。
由紀は由紀、環菜は環菜と分けて観る必要はあるかなー。

あと、あんまりサスペンスを期待しすぎない方がいいかも。
どちらかと言えばヒューマンドラマなので。

さっき観た『すばらしき世界』に引き続き、
内村遥が出ているから、
同じ役者を同じ日に違う映画で目にするというのもなかなか貴重(笑)

それにしても、窪塚洋介は相変わらずかっこいいな。
あの人にしか出せないオーラや雰囲気ってのがあって、
オダギリジョーにも似たような感覚を覚える。

映画『ファーストラヴ』公式サイト

主演:北川景子×監督:堤幸彦×原作:島本理生 第159回直木賞受賞ベストセラーサスペンス、衝撃の完全映画化! |大ヒット上映中!

映画『ファーストラヴ』公式サイト

 

役所広司の演技が凄まじい『すばらしき世界』

2021年02月12日 19時05分46秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:7/23
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
ヤクザ
極道
ヤメ暴

【あらすじ】
殺人を犯し、13年の刑期を終えた三上(役所広司)。
彼は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、
身元引受人の弁護士・庄司(橋爪功)らの助けを借りながら自立を目指していた。

そんなある日、生き別れた母を探す三上に、
若手テレビディレクターの津乃田(仲野太賀)と
やり手のプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)が近づいてくる。

彼らは、社会に適応しようとあがきながら、
生き別れた母親を捜す三上の姿を
感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていた。

肩身の狭い社会に翻弄されながらも、
懸命に生きる三上に降りかかる運命とは……。

【感想】
元ヤクザが“普通”を得るために、
もがき苦しみながら社会に適応しようとしていく映画で、
『ヤクザと家族 The Family』と近しい設定ではある。

しかし、こちらの方がより生活に密着した作りになっていて、
元ヤクザが普通の生活を送るために
どれだけの苦労があるのかが伝わってくる内容だった。

仕事もないし、世間の目も冷たいし、
それでいて瞬間湯沸かし器のような性格だから、
何かと問題を起こしてしまう三上。
とはいえ、根っからの悪人というわけではなく、
まっすぐな性格ゆえの行動だから、
憎めないばかりか好感度は高い。

そんな役を演じきる役所広司の演技が、
この映画の一番の見どころ。
極道に身を置いただけのことはある
ドスの効いた声と怖い表情を見せたかと思えば、
本当に元ヤクザなのかと疑いたくなるぐらいの
親しみやすい笑顔も見せてくれて、
改めて彼の演技は素晴らしいなと思う。
僕は、三上の感情が爆発して、
カップラーメンをぶちまけてしまうシーンが一番好きだった。

ただ、母親を探すくだりが弱く、
なぜそこまで母親に固執するのかの深掘りがなされてなかったから、
そこはもう少し知りたいなと感じたかなー。

あと、注目したいのが田村健太郎っていう役者さん。
いろんなドラマや映画に出てて、
今回も終盤で障害を持つ役どころで出演してるんだけど、
この人もいつも幅広い役を演じていて、
しかも、どの役もピッタリハマってるんだよね。

そういえば、『ヤクザと家族 The Family』で
ヤクザを演じていた北村有起哉が、
今回ケースワーカー役で出演しているのがなんかウケる。
今度はそっちかーいってw

英語のタイトルは“Under The Open Sky”。
劇中でキムラ緑子演じる極道の妻が、
「シャバは肩身は狭いけど、空は広いって言いますよ」
というセリフに準拠してるんだろうなー。

とにかく、役所広司の演技だけで観る価値がある映画でした。

映画『すばらしき世界』大ヒット上映中

名優:役所広司×監督:西川美和 映画『すばらしき世界』大ヒット上映中!実在した男をモデルに「社会」と「人間」をえぐる問題作

ワーナー・ブラザース映画

 

アベンジャーズとドラゴンボール感が強い『美少女戦士セーラームーンEternal 後編』

2021年02月11日 15時36分07秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:3/22
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
アニメ
ファンタジー
アクション
変身ヒロイン
戦闘美少女
セーラームーン

【あらすじ】
戦いの中、集結した10人のセーラー戦士。
しかし、デッド・ムーンの頂点に君臨する女王・ネヘレニアの「悪夢」に惑わされる。
エリオスも地上を救うために最後の力を振り絞るが、
苦戦を強いられる状況は変わらない。

うさぎも「悪夢」に囚われてしまいそうになるが、
タキシード仮面の強い心に勇気づけられ、
仲間たちと力を合わせることで新たなる姿
“エターナルセーラームーン”として再び立ち上がる。

そして遂に、エターナル化した全戦士が集結。
覚悟を胸に今、時空を超えた「夢」が結末へ。

【感想】
感無量。・゜・(ノД`)・゜・。
もはやマーベルとドラゴンボールの要素を強く感じるスーパーヒーローアニメだった。

ウラヌス・ネプチューン・プルートの帰還、サターンの覚醒。
集う10人のセーラー戦士。
アベンジャーズかって。
セーラー戦士およびプリンセスのアベンジャーズ。

そして、強さのインフレが早いのなんのって。
前編でスーパー化したみんなが、
もうエターナル化しているからね。
どんどんパワーアップしていくサイヤ人のようだった。

今回の映画は、冒頭で前編のダイジェストを流してくれるので、
前回の内容を忘れていても問題ないだろう。
自分たちの進む道に悩みを感じていたみんなが、
夢や目的を見出し、
敵を倒すべく前進して行くのが後編のメインストーリーだ。

今作の見どころは、
何と言っても外部太陽系戦士を大きなスクリーンで観られることだね。
特に、はるかさん、みちるさん、せつなさんが神々しすぎる。
神々しすぎて、彼女たちの私服がおかしくても気にならない(笑)
はるかさんなんか、
普通の人が着たら寝起きか
ただのだらしない人にしかならないのに、
あのかっこよさだよ?
変身時の足の長さとかもうね、
スーパーモデルですかって。

もう一つの推しポイントとしては、
エンディングテーマに『“らしく”いきましょ』が使われていたこと。
これは前編の『私たちになりたくて』に続き、
90年代の『SuperS』のエンディングテーマだから、
当時のアニメを観ていたことを思い出す。
この歌が流れた途端、
隣の人泣き出したからね。
「気持ちわかるわー」って共感してたw

あと、前編から思っていたけど、
渡辺直美のジルコニアの声はやっぱりすごいよ。
言われなきゃ彼女だと気づかないぐらいハマってる。
ネヘレニアは、、、よくも悪くも菜々緒だけど。
特に最近は、日テレのドラマ『ボス恋』を観てるから、
より彼女の印象が強くて(笑)

さらに、今回は原作を読んでいない人からしたら、
いろいろびっくりするところもあるだろうなー。
ネヘレニアの正体やアマゾネス・カルテットの秘密。
ネヘレニアは『眠れる森の美女』の
マレフィセントを彷彿とさせる設定が印象深い。
アマゾネス・カルテットは「そんな設定あったかな?」って思ったけど、
どうやら90年代のアニメ版では今回語られる設定がなくなっていた様子。
そりゃ知らんわ(笑)

ただ、2時間しかないから、やっぱり急ぎ足感は否めない。
ラストバトルも意外とあっさりしてしまうのは、
バトル好きな身からしたらやや物足りなさはあるかなー。
それでも面白かったけどね。

本編終了後に舞台挨拶中継を観たんだけど、
三石琴乃さんが綺麗でかわいかった。
普通のしゃべる声がもう月野うさぎと葛城ミサトの両方を感じるんだよ。
90年代のうさぎと比べると落ち着いた声になった印象を受けるのは、
90年代のうさぎよりも原作のうさぎの方が大人っぽいから、
それを演じ分けているのだと思う。
とはいえ、30年近くも同じキャラの声をキープしているのはすごい。

さて、セーラームーンはまだ続くようなので、
ファンは首を長くして待っていよう。
いつになるかはわからないけど(笑)

次は原作第5期、セーラースターライツのところかな。

劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式サイト

私たちのセーラームーンが25年の時を経て劇場に帰ってくる!劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』2021年 二部作連続公開!<前編...

劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式サイト

 

サッカー史にその名を刻むスター選手の軌跡『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』

2021年02月10日 00時22分30秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:7/21
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ドキュメンタリー
伝記映画
サッカー
ディエゴ・マラドーナ

【あらすじ】
1984年、世界的な人気を誇るアルゼンチン出身のサッカー選手ディエゴ・マラドーナは、
熱狂的な観客が集うイタリア南部の弱小クラブSSCナポリに移籍する。

ピッチでは“神の手”“5人抜き”でメキシコW杯優勝、
“クラブ史上初”のセリエA優勝により、
スーパースターとして崇め立てられたかと思いきや、
プライベートではマフィアとの交際、
愛人とのゴシップ、
コカインでの逮捕により、
トラブルメーカーとして忌み嫌われてしまう。

やがて、サッカーを愛するピュアな“ディエゴ”、
マスコミを騒がせるダークな“マラドーナ”という、
相反する“二つの顔”が浮かび上がる……。

【感想】
普段まったくサッカーを観ない僕でもその名を知っているディエゴ・マラドーナ。
本作は1984年に彼がSSCナポリに移籍してから、
スキャンダルにまみれてサッカーから身を引かねばならなくなったところまでを描いた伝記映画だ。

サッカーのプレーそのものに関する話は少なく、
あくまでも彼の歩んできた軌跡に焦点を当てているので、
サッカーがわからなくても楽しめる。
むしろ、日頃サッカーに触れていない人の方が冷静に観れるかも。
熱狂的なサッカーファン、マラドーナファンの方が、
こみ上げてくるものはありそうだ。

マラドーナは下水や飲料水もないような貧しい村で生まれた。
5人姉弟の末っ子にして長男。
友達が遊んでいるおもちゃには興味がなく、
ひたすらボールと戯れる日々。
その後メキメキと頭角を表し、
15歳でクラブからアパートを提供され、
一家の大黒柱となっていた。

その後、彼がFCバルセロナからSSCナポリへ移籍した際、
ナポリのマフィア組織カモッラ一家と関係を持ったり、
度重なるコカインの使用によって、
彼の人生の歯車が狂い始めてしまう。

この映画を観て思ったのは、
マラドーナは若くして一気にスターまで登りつめたせいか、
いろいろ追いついていない印象を受けた。
あのペレも
「彼は素晴らしい選手だが、大きな責任を負う心の準備ができていない」
と言っていた。

そういうことも関係してか、
二重人格とまではいかないものの、
彼には"ディエゴ"と"マラドーナ"という2つの顔があったようだ。
不安定ながらも素直なディエゴ。
フットボールをビジネスと捉え、
メディアの要望に応えるマラドーナ。

だんだんマラドーナとして生きることの方が多くなっていったからこそ、
スキャンダルにまみれてしまったのだろう。
毎週日曜日に試合に出て、その後外食、からのコカインパーティー。
それが水曜日まで続くこともあったようで、
次の試合までにクスリを抜くといった生活を繰り返していたようだ。
家には妻子がいるにも関わらず。

しかし、彼の人々に与える影響は筆舌に尽くしがたいものがあった。
彼への悪口は神への冒涜に等しいと人々に言わしめ、
1986年のFIFAワールドカップの優勝や、
1988-89シーズンのUEFAリーグの優勝に導いた際の街の人々の熱気が凄まじい。
街全体がカオス。
渋谷のハロウィンが大人しく思えるぐらいの浮かれっぷり。
特にUEFAリーグ優勝のときは2ヶ月もお祭り騒ぎが続いたそうだ。

また、彼のプレー映像も観れるのは
サッカー好きにはたまらないのではなかろうか。
サッカー素人の僕が観ても、
ドリブルの速さと、
対戦相手とぶつかっても態勢を崩さないボディバランスの強さは印象的だった。

マラドーナは小柄で、
世界で活躍するスポーツ選手の中では決して体格に恵まれてはいなかったけれど、
その状況でこれだけの実力と名声を手にしているのだから、
伝説になって然るべきだろう。

本当はもっと早く公開するはずだったのが、
コロナのために延期してしまい、
その間にマラドーナが亡くなってしまったのは非常に残念でならない。

でも、サッカーファンはもちろんのこと、
サッカーがわからない人でも彼の波乱万丈な人生は楽しめると思うので、
興味があれば観て欲しい。
20世紀のサッカー史に名を残すスター選手の人生を知っておいて損はない。

映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』オフィシャルサイト

映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』オフィシャルサイト

 

自分の中に巣くう心の闇にリアルな怖さを感じる『ダニエル』

2021年02月08日 20時07分27秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:15/20
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
サイコホラー
精神疾患
ドラッグ
セックス

【あらすじ】
両親の離婚により孤独な幼少期を過ごしていたルーク(マイルズ・ロビンス)。
唯一の心の支えは、
自分以外には見えない“空想上の親友”ダニエル(パトリック・シュワルツェネッガー)だった。
しかし、ある事件によって母親からダニエルと遊ぶことを禁じられたルークは、
自ら彼を封印することに。

時は経ち、ルークは大学生になるが、
精神病を患っていた母親の症状が悪化し、
自分も同じようになるのではと不安が高まっていく。

カウンセラーに悩みを打ち明けたルークは、
ダニエルが助けになる可能性を助言され、
長年封印していた彼を呼び起こす。
内気で冴えないルークとは異なり、
美しく自信に満ち溢れた青年の姿で現れたダニエルは、
「僕は君の一部だ」と優しく寄り添い、
力強く刺激的な言葉でルークの背中を押し続ける。

彼の言う通りにしたところ、
恋人だけでなく、いい感じの女性も手にし、
まるで別人のようにルークの生活は一変した。

そんなある日、ルークがダニエルの指示に従わなかったところ、
激高したダニエルに体を乗っ取られる事件が発生。
再びルークはダニエルを封印しようとするが、
ダニエルはもはやルークの手に負える存在ではなくなっていた……。

【感想】
人間の精神的な弱さを題材にした内容で、
ホラーとはあるけれど、
どちらかと言えばサスペンスに近い雰囲気の映画。
全然怖くないので、
ホラー苦手な人でも大丈夫(と、ホラー嫌いの僕が言うので本当に大丈夫w)。

ダニエルとは、辛い過去を背負ったルークが、
その痛みを軽減するために生み出した
"別人格"に近い存在だと考えられる。
近いというのは、ルーク本人からの派生ではなく、
姿も形も異なる他人の様相を呈しているので、
僕が勝手にそういうふうに言ってるだけだけど。

なので、まわりには見えない。
表現上、ルークとダニエルの2人が映ってはいるけど、
彼らのやり取りはすべてルークの脳内の出来事だろう。

その別人格のような存在が、
本人を乗っ取ろうとするややファンタジーな設定ではあるけれど、
けっこうこの別人格問題は普通の生活の中でも起こるんじゃないかな。

そりゃ違う人格が表に出てくるってことは滅多にないだろうけど、
何か意思決定をする際に、
自分の中であーだこーだ議論したり、
よく漫画であるような、
天使の自分と悪魔の自分が出てきて、
判断を促すような場面というのは、
誰にでもある気がする。

そんな設定を、暗く重く描いたのが本作。
常に自分の中にいる別人格と戦い続けなければならないので、
主人公の精神的疲労がすごく伝わってくる内容だ。
ラストもハリウッド映画らしく、
きちんと白黒ついているのはいいところかな。

ただ、このダニエルの設定についてはちょっとわからないとろもあって(それはネタバレになるから書けないけど)、
そこが腑に落ちないんだよねー。
そこだけ後味がよろしくない(笑)

なお、メインの2人が"サラブレッド俳優"ってのが、
映画好きには刺さりやすいかも。
まず、ルークを演じたマイルズ・ロビンス。
彼は、『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンスと、
『デッドマンズ・ウォーキング』のスーザン・サランドンの息子。
どちらかと言うと、母親似かなって思う。

ダニエルを演じたパトリック・シュワルツェネッガーは、
名前からわかる通り、
アーノルド・シュワルツェネッガーの息子である。
端正な顔立ちに加えて、
所々シュワちゃんそっくりなところもあるから、
シュワちゃん好きからすると、
なかなか感慨深い存在である。

あと、この映画の製作は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで
主人公フロドを演じたイライジャ・ウッド。

『ダニエル』公式サイト

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