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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

映画から入ると失敗する『映像研には手を出すな!』

2020年09月29日 23時55分37秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:東宝映像事業部

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:124/135
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★☆☆☆

【あらすじ】
舞台は湖に面した芝浜高校。
そこに入学した浅草みどり(齋藤飛鳥)は、
アニメを作ることを夢見てはいるものの、
一人では行動できない小心者。

浅草は友人の金森さやか(山下美月)を誘ってアニメ研の見学に行くが、
そこで水崎ツバメ(梅沢美波)と遭遇する。
役者の両親から反対されているが、
アニメーター志望の水崎は浅草と意気投合。

部活の統廃合が進み、部の存続の危機に直面しながらも、
アニメで「最強の世界」を作るべく、3人の奮闘物語が今始まる!

【感想】
映画を観た時点では、
漫画もアニメもドラマも観ていなかったのだけど、
その状況だとまあ置いてけぼりになるね(笑)

やたらと出演者が多くてカオスだし、
オタクたちがギャーギャーわめくだけの内容で、
ストーリーは何となくわかるものの、
いろいろ唐突すぎてちょっとついていけない。

いろいろな課題にはぶつかるけど、
ワーワー言ってるうちに解決するので、
あんまりストーリー性っていうものはないし、
浜辺美波の無駄遣い感もハンパない。

乃木坂ファンか原作ファンじゃないければ楽しめない内容かなー。

とはいえ、キャラクターはコミカルで笑えるし、
オタクやクリエイターって本当にめんどくさい生き物だなっていうのがよくわかる。

そんなコミカルな中で、生徒会のさかき・ソワンデを演じた
グレイス・エマの演技が一番自然でうまいなーって感じた。

あと、山本美月の顔が前田敦子にしか見えなかった(笑)

映像に関しても演出自体は面白い。
口に出すだけで、頭の中にあるデザインが目の前に下書きの形で可視化される演出は、
口下手な自分もこういうコミュニケーション手法が実現できたらいいなと思うほど。

以上、ここまではあくまでも映画単体の話です。

実はこの作品は実写ドラマが先行して放映されていて、
今ならアマプラで観ることができる。

映画観賞後にドラマを観ているんだけど、、、
うん、これは絶対ドラマを先に観た方がよかった。

ドラマの方が人物描写が細かいし、話の設定もよくわかる上に、
映画ではこのドラマの部分を再編集したシーンも多いから、
ドラマを先に観ていれば映画への理解も深まり、
もっと評価高かったと思う。
順位もあと50番ぐらい上だったかも。

『妖怪人間ベラ』もそうだったけど、
ドラマが先行して配信されている作品は、
そっちを先に観た方がいいね。

映画はドラマを観たことを前提に作られていることもあるから、
映画が初見だと置いてけぼりになってあんまり楽しめない。

逆に言うと、もったいないんだよなー。
僕は配信ドラマってほとんど観ないから、
映画から入って「微妙だな。。。」
って評価になってしまうのがちょっと残念。

配信ドラマは30分が多いけど、
話が複数あるとちょっとめんどくさくなって
観るのをためらっちゃう。。。

映画をメインに観る身としては、
ドラマと映画で分けるなら、映画で分作にして欲しい(笑)

映画『映像研には手を出すな!』公式サイト

齋藤飛鳥主演、山下美月、梅澤美波が挑む “最強の世界”がスクリーンへ!!!映画『映像研には手を出すな!』2020年9月25日(金)公開

映画『映像研には手を出すな!』公式サイト

 

金融ドラマではなくスパイドラマだった『半沢直樹』

2020年09月29日 17時03分50秒 | ドラマ
これは壮絶なドラマだった。
今季一番面白かったよ。
ストーリーもキャラクターも振り切りまくってるのが素晴らしくて。
唯一、、、唯一スマホをいじることなく、
まるで映画館で観るかのようにテレビの前にじっと静止して観られたよ。

銀行を舞台にしたビジネスドラマ?
いいや、違う。
これは歌舞伎と顔芸を融合させた諜報活動がメインの
サスペンスコメディドラマだよ。

自らの保身を考えた上層部による様々な不正は、
多くの人たちの思惑と絡み合って隠されていた。
真実が迷宮入りしそうなところを、
小さなヒントから徐々に穴を開け、
最後にドカンと蹴散らすこの爽快感は、
完全にサスペンスの構図。

さらに、顔面の筋肉が崩壊するほどの顔芸や
歌舞伎の要素を取り入れたやり取りの数々は、
まさに日本のアニメや漫画を彷彿とさせるほどのコミカルさを演出し、
その現実離れした言動は毎週爆笑で、コメディかと思うほど。
特に大和田さんはネタの宝庫だったね。

しかし、そんな非現実感がこのドラマのいいところ。
重厚感ある雰囲気の中で大真面目に真顔で顔芸をやるもんだから、
そのギャップが最大の魅力だった。

これが、もともとコメディだったり、アニメだったりしたら、
ここまでハマらなかっただろう。
あくまでも、濃厚なストーリーが前提としてあって、
重たい空気の中であんなバカげた言動を繰り返すからツボる。

キャラクターの振り切り方が秀逸で本当に大好きだったんだけど、
登場人物が多いのに誰一人として埋もれることなかったのは、
『アベンジャーズ/エンドゲーム』に通ずるものがあるね。

所々、演出やBGMがハリウッド映画っぽかったのも、
洋画好きな身からしたらハマるポイントだった。

てか、半沢直樹以下全員、バンカーじゃないだろwww
メイン業務が諜報活動とかスパイかってwww

あー、この振り切り方を超えるドラマはそうそうないだろうなー(笑)

日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビ

TBSテレビ:日曜劇場『半沢直樹』の公式サイトです。

TBSテレビ

 

心と信念で動く男たちに胸が熱くなる『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

2020年09月26日 23時33分35秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Hors normes
 英題:The Specials
製作年:2019年
製作国:フランス
 配給:ギャガ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/134
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ブリュノ(ヴァンサン・カッセル)は、
自閉症の子供たちをケアする団体「正義の声」を運営している。

しかし、監査局の調査が入ることになり、
不適切な組織だとジャッジされれば、閉鎖を命じられる可能性がある。

無認可で赤字経営、それでいて法律の順守より
子供たちの幸せを優先するブリュノの施設は危うい状況だったのだ。

何回も受け入れを断られたような子供でさえ温かく迎え入れる「正義の声」は、
当事者家族からは称賛されているが、
調査員たちはその声に耳も貸さず、怪しい団体だと決めつける。

そんなとき、事件は起きてしまう。
重度の自閉症で、頭突きを繰り返すためにヘッドギアを付けている
ヴァランタンが行方不明になってしまったのだ。

果たして彼はどこへ消えたのか。
施設は存続できるのか。
救いの手が必要な子供たちの未来はどうなるのか。

【感想】
ちょっと重めというか、ブリュノの肉体的・精神的な
負荷の大きさがあふれている映画だった。

これは実話ベースの話だけれど、
いつどんな行動に出るかわからない自閉症の子供たち
40人の面倒を見るというのがどれだけ大変なことか。

症状は人によって様々だけれど、
自傷行為が激しい子や何回注意しても電車内で非常ベルを鳴らしてしまう子など、
彼らのケアだけでなく、まわりの人たちに頭を下げることも多い中で、
赤字経営と閉鎖の危機という状況も降りかかってくるなんて、
ものすごくハードモード。

ブリュノは独身期間も長いため、まわりから女性を紹介される機会にも恵まれるんだけど、
子供たちの対応で必ず途中で抜け出さなくてはならず、
プライベートと呼べるような時間は皆無と言っていいほどだった。

しかし、彼は別に富や名誉が欲しいだけではないんだよね。
心と信念で働いているからこそ、どんな逆境にも耐えられるんだと思う。

調査官からいろいろ言われても、
「子供たちの未来はどうなる?お前たちが一人残らず引き取ってくれるんだな?」
と詰め寄るシーンは胸が熱くなった。

本作の監督はあの『最強のふたり』を作った
エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュだから、
かなりの号泣作になるのではないかなと思ったんだけど、
泣きはしなかったかな。

もちろん、ストーリーとしては素晴らしいんだけど、
こっちはブリュノが常に仕事に追われているシーンがメインになっていて、
ドキュメンタリーではないんだけど、ちょっとそれに近い印象は受けたから、
やや淡々としてるかなと感じた。

あと、邦題は副題が長すぎw

映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』 公式サイト

『最強のふたり』の監督が贈る〈最強を超えた〉実話に基づく感動作!―9月11日(金)ロードショー

映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』 公式サイト

 

患者と真摯に向き合う薬剤師の姿が感動的だった『アンサング・シンデレラ』

2020年09月26日 20時08分30秒 | ドラマ
いいドラマだったなー。

医療モノだけど、
薬剤師が主人公というちょっと変わった話で、
医者のように人は救えないし、
感謝もされづらいという状況の中、
患者と一生懸命向き合う葵みどり(石原さとみ)の姿が感動だった。

多忙な業務の中、
患者ひとりひとりに時間を割いていたら物理的にまわらないけど、
それでも彼女は患者に寄り添う姿勢を貫いていたから。
僕は大きな病気も怪我もないけど、
友達以外で病院で優しくされたことないわw
完全に業務的な対応でwww

それにしても、
ちょいちょい泣けたんだよね、このドラマ。
特に、第5話の伊武雅刀の家族エピソード、
第7話のでんでんの妻を安楽死させるエピソードはヤバかったなあ。。。

他にも、第6話の身寄りがなくて
社会とのつながりを保つためだけに
薬の処方をしてもらうおばあさんの話や、
第9話の母親が薬で中毒になってしまう話はショッキングだった。。。

あと、このドラマの特徴的なところとして、
エンドクレジットで、
患者たちの“その後”(エピソードによっては過去)を流す演出も好きだった。
「あー、この人たちこうなったんだー」ってわかるのは、
その人物について理解が深まるからよき。

医療モノも本当に手を変え品を変えって感じだね。

実写版と雰囲気が大きく異なる『アダムス・ファミリー』

2020年09月26日 14時45分41秒 | 映画


【基本情報】
 原題:The Addams Family
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:パルコ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:122/133
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
人里離れた山奥で結婚式を挙げたモンスターのゴメズとモーティシア。
彼らは人間たちに故郷を追われ、丘の上の荒れ果てた屋敷にたどり着く。

時は流れ、夫婦は長女ウエンズデーと長男パグズリー、
執事ラーチと共に平穏な日々を過ごしていた。

そんな中、パグズリーは一族にとって重要な儀式である
「セイバー・マズルカ」を親戚たちの前で披露するため、
練習に励む日々だがなかなか上達しない。

また、ウェンズデーは丘の下に住宅地があり、
そこに大勢の人間たちが住んでいることを知る。
自分たちとは全然違う世界に興味津々。

彼女は人間の中学校に通って普通の生活を試してみることにするのだが、
その住宅地にはある秘密が隠されていた。

そして、アダムス・ファミリーにとって思いがけないピンチが訪れる。

【感想】
1991年および1993年に公開された実写映画『アダムス・ファミリー』の最新作。
話のつながりはまったくなく、改めてイチからスタートしているけれど、
今回は全編フルCGアニメーションで描かれている。

なので、パッと見は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』っぽい雰囲気で、
こういうホラーながらもかわいさのある世界観が好きな人はハマるだろう。
監督はティム・バートンじゃないけど。

声優も豪華。
オスカー・アイザックにシャーリーズ・セロン、クロエ・グレース・モレッツ。

でも、個人的には刺さらなかったというのが正直な感想。
僕は実写版をちゃんと観たことがなかったので、
本作を観る前にhuluで過去作を観てから今回の作品を観たのだけど、
だいぶ世界観が変わったなーと。

そりゃ実写版とフルCGアニメーションじゃ違うだろっていうのもあるんだけど、
実写版の方がホラーな雰囲気をたっぷり漂わせながらのコメディだったから、
そのギャップがよかった。

でも、今回の映画はフルCGアニメーションになったことで、
かなりかわいい寄りになってしまい、
ホラー感がほぼないのがちょっと残念かなーって。
もちろん、これはこれでアリだとは思うんだけど、
直前に実写版を観た後だと違和感が大きかった。

ストーリーは、これまでのようにアダムス家のすったもんだではなく、
外の人間たちとのすったもんだになっているのが新しかったけど、
他のフルCGアニメーション作品のように"いい話"で終わってしまったから、
『アダムス・ファミリー』の持つよさが損なわれている気がした。

まあでも、「普通」という基準は使う側によって大きく異なること、
自分たちとは違う価値観を受け入れることの大切さみたいなのは、
アダムス家だからこそより強く感じられるってのはあったけど。

だから、キャラクターやこの世界観が好きって人じゃないとそんなにハマらないかも(笑)

ちなみに、続編が来年公開することが決まったようです。

映画「アダムス・ファミリー」9月25日全国ロードショー

 

主人公の闇落ち感ハンパない『DIVER-特殊潜入班-』:第1話

2020年09月22日 23時44分58秒 | ドラマ


まーた刑事モノが始まったw
ただ、このドラマはけっこうダーク寄り。

幼い頃の体験から「騙すやつを騙して葬る」ことに決めた
黒沢兵悟(福士蒼汰)が主人公で、
潜入捜査官として悪いことしてるやつらの組織に潜入しつつ、
かといって警察のためだけに動くわけでもないという一癖ある役どころ。

第1話を観る限りは面白かったけど、
福士蒼汰だとちょっと人がよすぎるからか、
ちょいちょい悪い顔するのがあんまりしっくり来ない(笑)

こういう役は、安藤政信でしょう!
僕が小学生のときから思ってたけど、
やっぱりこの人メチャクチャかっこいいわ!
年齢を考えての配役だろうけど、福士蒼汰と入れ替えて欲しい(笑)
彼の方がハマり役になりそう。

しかし、ドラマにおける刑事モノってのは、
邦画における高校生キラキラ青春モノと同じ構図だなー。
キャストを入れ替えるだけで、話は大体同じw

まあ起こる事件が変わり映えしないから、
キャラクターで差をつけるしかないと思うんだよねー。
それはメインの刑事はもちろんのこと、被害者や加害者の人物背景もそう。
(そういう点では、『MIU404』は秀逸だったと思うけど)

そろそろ血を見ると女性に変身する刑事とか出てこないかな(笑)

DIVER-特殊潜入班- | 関西テレビ放送 カンテレ

何が正義で何が悪かー 予想を裏切るノンストップサスペンスが幕を開ける!

 

子供の扱いに胸が痛くなる『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』

2020年09月22日 16時18分29秒 | 映画


【基本情報】
 原題:나를 찾아줘
 英題:Bring Me Home
製作年:2019年
製作国:韓国
 配給:ザジフィルムズ、マクザム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:80/132
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ソウルの病院で看護師として働くジョンヨン(イ・ヨンエ)。
6年前、当時7歳の息子ユンスが公園で失踪し、
夫のミョングク(パク・ヘジュン)と共に捜し続けている。

ある日、彼女の元に、ユンスの目撃情報が寄せられる。
目撃された少年とユンスの特徴は一致しており、
その情報にわずかな望みを託し、
ジョンヨンはユンスに似た少年ミンスのいる
マンソン釣り場へと向かう。

しかし、釣り場の従業員たちに尋ねても
「ミンスなんて少年は知らない」の一点張り。
さらに、地元警察のホン警長(ユ・ジェミョン)でさえ、
ミンスの存在を隠そうとしていた。

引き下がれないジョンヨンは、その夜、
一家が寝静まったタイミングを見計らって
釣り場の一角にある家に侵入するが……。

【感想】
子供を持つ親にはちょっと辛い内容かもしれない。。。

この話自体はフィクションだけど、
生死もわからない子供を捜し続ける不安がひしひし伝わってくるのと、
釣り場の人間たちがクズなのが印象的な映画。

彼らはミンスとジホという子供をかくまっているんだけど、
扱いが本当に酷くて、殴る蹴るの行為は当たり前。
中には子供にいたずらするやつまでいる。

メンバーの中には現役の警察官もいて、
彼が率先して自分たちの悪行を隠そうとするところが実にやるせない。

そんな中に自分の子供がいたらと思うと心が痛むのだけど、
臆することなく立ち向かっていくジョンヨンに親の強さを感じる。

特に、家に侵入するシーンなんかは、
見つかったら殺されるかもしれないという懸念が、
余計に恐さを増幅させるんだよね。

もちろん、ジョンヨンにも恐怖はあったと思うけど、
その恐怖と息子がここにいるかもしれないという期待のせめぎ合いの中で、
母親として屈しない姿勢には、
力強さと同時にややヒステリックさも感じた。

終盤のシーンは、それまで「静」だった流れを
一気に「動」に変えるぐらいのインパクトがあるんだけど、
まるでホラー映画におけるラストバトルみたいな感じで、
目まぐるしい展開に1秒たりとも目が離せない派手さがあるのがよかった。

しかし、ちょっと気になる点もある。
まず、もっと応援呼べないのかなって。
全部ジョンヨンひとりでやってたけど、
助けを呼ぶことはできそうだったな。

次に、ユンスの特徴。
彼は足の小指が副爪とのことなんだけど、これがわかりづらい。
ミンスの足がアップになるシーンがあるんだけど、
そこで副爪かどうかが見えないから、
ユンスとの関係性が断定しづらい。

だから、ラストの終わり方が微妙だと感じちゃうんだよねー(笑)

とはいえ、サスペンスやアクションとしては
さすが韓国映画と言えるぐらいスリリングな展開だったので、
個人的にはアリだなーと思える映画だった。

映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」公式サイト

『親切なクムジャさん』「宮廷女官チャングムの誓い」イ・ヨンエ14年ぶり衝撃のスクリーン復帰作!『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』9/18(金...

「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」公式サイト

 

信頼関係の上に成り立つ罵詈雑言は笑いさえ生む『喜劇 愛妻物語』

2020年09月22日 16時04分11秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2019年
製作国:日本
 配給:バンダイナムコアーツ、キューテック

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:11/131
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、
大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。
5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、
脚本家としての年収は50万円程度で、
生活費はチカのパートに頼っている。

若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、
今では豪太の情けなさに呆れ果て、
口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日。

豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。
夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、
日夜タイミングを見計らい、
あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、
ものの見事に玉砕。

ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていた
ホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、
さらに別企画のプロットを書くように薦められる。

それは、豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、
映画の企画書を提出していた件だ。

脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、
取材先を巡るにも豪太はには運転免許がない。
そこで、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、
なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。

四国に着くも、豪太は相変わらずセックスを求め、
チカは暴言しか吐かない。
さらに、豪太に降りかかる災難は続き、
夫婦仲はどんどん険悪になっていく。

果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?

【感想】
ヤバイ、これは面白いwww
今年一番笑ったwww
倦怠期、、、じゃなくても30代ぐらいの夫婦にぜひ観て欲しいwww
まさにセックスレスエンターテインメント!

もうね、水川あさみが演じたチカのキャラクターが最高すぎるのよ。
暴言がひどいなんてもんじゃない。
モラハラって言葉すら生温くて、言葉による惨殺に近いwww

不甲斐ない夫に常にイラついていて、
「気が利かねえ」だの「息すんな」だの
「おめーには泣く権利も笑う権利もねえ」だの
「粗チン」だの「きめぇ」だの、豪太が不便すぎるwww

よくもまあこんなにたくさんの悪口が出てくるなってぐらい
悪口のゲート・オブ・バビロンって感じなんだけど、
まったく不快感がないのは、
実際に豪太にも非があるってところと、
あとは何だかんだで根底には信頼や愛情があるのを感じるからなんだよね。

だって、離婚しないから。
それが何よりの証拠。

前に「信頼関係のないいじりはいじめと同じだ」
ってお笑い芸人が言ってたけど、
今回に関してもその信頼を感じ取れるからこそ、
逆に愛を感じるし、あんなに罵声を浴びせられても滑稽に映る。

もはや夫婦コント、チカによるキレギャグみたいに見えるから面白い。
あの暴言の数々はマジで笑えるからこれはぜひ観て欲しい!

豪太のうずく性欲も男なら共感できるし、
そこに出てくる大久保佳代子の妙なエロさがまたおかしいんだよね。
わかりみが深い(笑)

これ、監督の実体験に基づく話らしいから、
これを劇場公開しちゃうなんて、メンタル強すぎw

映画『喜劇 愛妻物語』公式サイト|9月11日(金)全国ロードショー

濱田岳、水川あさみ、新津ちせ。 原作・脚本・監督 足立紳。結婚10年目。倦怠期。セックスレス。笑えて、呆れて、呆れて、泣ける。愛憎渦巻く夫...

映画『喜劇 愛妻物語』公式サイト|9月11日(金)全国ロードショー

 

ジョン・トラボルタの新境地!『ファナティック ハリウッドの狂愛者』

2020年09月21日 17時19分27秒 | 映画


【基本情報】
 原題:The Fanatic
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:イオンエンターテイメント

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/130
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ハリウッドの大通りでパフォーマーをしながら
日銭を稼ぐムース(ジョン・トラボルタ)は大の映画オタク。

人気俳優ハンター・ダンバー(デボン・サワ)の熱狂的なファンで、
いつか彼からサインをもらうことを夢見ていた。

しかし、念願叶って参加したサイン会で
ダンバーから冷たくあしらわれたことから、
ムースの愛情は歪んでいく。

徐々にエスカレートしていくムースの行動は
やがて大きな悲劇へと発展してしまう。

【感想】
とにかくジョン・トラボルタの演技がとんでもない。
『サタデー・ナイト・フィーバー』や『グリース』で華麗なダンスを見せつけ、
『パルプ・フィクション』や『フェイス/オフ』でコワモテだった彼が、
今度は典型的なオタクの役だ。

話すときは人の目を見ないし、早口だし、空気は読まないし、
挙動不審だし、耳裏の垢の臭いを嗅ぐ癖はあるし、
とにかく様子がおかしい。

純粋と言えば純粋なのかもしれないけれど、
進んで仲良くなろうとは思うのが難しい独特の雰囲気がある。
これまで様々な役をこなしてきた彼にとって新境地なのではなかろうか。

大ファンだった人に冷たくされたら、
そりゃ誰だってショックは受けるだろうが、
元をたどればムースが全部悪い。

しかし、彼の愛は狂信的で視野がとてつもなく狭いので、
完全に自分だけが被害者だと思い込み、常軌を逸した行動に出る。

特に、ダンバーの家に侵入したときの行為は
とてつもなく気持ち悪くて背筋がゾッとするほど。

ストーリー的にはストーカーあるあるだけど、
ジョン・トラボルタの演技が圧巻すぎて彼でもってるような映画だった。
終盤がややB級スプラッターなのがちょっと笑っちゃうけど(笑)

人と接するときは相手に敬意を払い、
自分本位にならないように気をつけようと思える内容だった。

それにしても、ジョン・トラボルタの髪型が関口メンディーと似てるなーw

映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』公式サイト

ジョン・トラボルタ主演。熱狂的なファンの愛がいつしか歪みゆくストーカー・スリラー【大ヒット公開中!】

映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』公式サイト

 

主役がニコール・キッドマンに激似だった『ソニア ナチスの女スパイ』

2020年09月20日 23時26分06秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Spionen
 英題:The Spy
製作年:2019年
製作国:ノルウェー
 配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:119/128
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
第二次世界大戦中のナチス占領下のノルウェーで、
ソニア・ヴィーゲット(イングリッド・ボルゾ・ベルダル)は
女優として活躍していた。
その人気に目をつけたナチスの国家弁務官
ヨーゼフ・テアボーフェン(アレクサンダー・シェーア)は、
彼女をプロパガンダに利用しようと画策する。

その一方で、ソニアはノルウェーの隣国スウェーデンの諜報部から、
スパイとしてナチスに潜入することを要請される。
語学が堪能で演技力もあり、スパイとして使えると判断されたからだ。
一度は拒否するソニアであったが、逮捕された父親を解放させるため、
承諾せざるを得ない状況に陥る。

次第にテアボーフェンの寵愛を受け、
信頼も得るようになったソニアは、
ある日、彼からあることを依頼される。

それは、ナチスのスパイとして北欧諸国の情報を収集することであった。

【感想】
まず謝りたいのが、主人公の女優を
ずーーーっとニコール・キッドマンだと思っていたこと(笑)
この主人公は30代で、ニコール・キッドマンって53歳だから、
さすが女優は違うなって、奇跡の50代だなってずっと思ってた。
で、公式サイトを見て、ようやくニコール・キッドマンではなく、
イングリッド・ボルゾ・ベルダルだと知るっていう(笑)

最近多いけれど、またもや実話ベースの映画。
戦争映画もスパイ映画もよく観るけど、
これはそのスパイが軍事関係者ではなく、
ただの女優だったというのがミソ。
確かによくよく考えれば演技力ってスパイに必要だものね。

しかし、何の訓練も受けていない女優が
スパイとして敵国のお偉いさんから寵愛を受けるようになるって、
肉体的・精神的に相当苦痛を伴うだろうけど、
よく耐えらえたなという感心が大きい。

さらに、彼女には途中で知り合った
アンドル・ゲラート(ダミアン・シャペル)という恋人もいるから、
女優業をこなしながら、テアボーフェンと関係を持ちつつ、
恋人とも愛し合うという忙しい身。

関係性は違えど、2人も相手にしてしまうこの感じは、
昨日観た『ジョーンの秘密』のジョーンを彷彿とさせる。
とはいえ、こちらの映画の方がスパイ活動と割り切っていたのでサスペンス感は強い。

強いんだけど、『ジョーンの秘密』より面白さがわからなかったなー。
理由はいくつかある。

第二次世界大戦中のスウェーデンやノルウェーの状況をよく知らなかったので、
いまいち各国の関係性が把握できなかったこと(これは僕のせい)。
敵の"何の"情報を得たいのかがよくわからなかったこと。
最終的に追い求めていた「マリア」が、、、これ以上は言えません。

なので、まあ歴史のお勉強になったって感じかな。
実話ベース映画あるあるの"淡々と進む"形だから、
そこまで面白さを感じられる映画ではなかったけれど、
こういう人もいたんだっていう知識としてインプットできたのはよかった。

なお、ソニアは1980年にこの世を去ったものの、
長らく彼女の任務は秘匿とされており、
2005年になってようやく公開されたとのこと。
国のために命がけで諜報活動をしたのに、
死んでからようやく認められるっていうのも悲しいな。。。

ところで、日本の実在したスパイ映画ってないのかな。
たまに思うのだけど、洋画って戦争モノに限らず、
ビジネス系や文化人、研究者など、実話ベースの映画が非常に多いのに、
邦画ってほとんど見ないよね。
大河ドラマや朝ドラでやってるからいいのかな?
継続して観るのが辛くて一度もちゃんと大河ドラマも朝ドラも観たことないから、
2時間の映画にして欲しい(笑)

映画『ソ二ア ナチスの女スパイ』公式サイト

映画『ソ二ア ナチスの女スパイ』公式サイト

 

人間とは何かを考えさせられる『人数の町』

2020年09月20日 19時09分34秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:91/127
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
借金取りに追われて暴行を受けていた蒼山哲也(中村倫也)は、
黄色いツナギをポールと名乗る男(山中聡)に助けられる。
蒼山のことを"デュード"と呼ぶポールは、
蒼山に「居場所を用意してやる」と言い、奇妙な「町」に連れて行く。

「町」の住人はツナギを着た"チューター"たちに管理され、
簡単な労働と引き換えに衣食住が保証され、
セックスまでもが推奨されている。
住民たちは何の疑いもなく、
何も深く考えずにそれらの労働を受け入れ、
奇妙な「町」での時間は過ぎていく。

ある日、蒼山は新しい住人の紅子(石橋静河)と出会う。
彼女は行方不明になった妹をこの町に探しに来たのだという。
思い詰めた様子の彼女を蒼山は気にかけるが、
この出会いが蒼山をある行動に駆り立てる。

【感想】
『世にも奇妙な物語』にありそうな映画だった。

この"人数の町"(作中ではそうは呼ばれず、単に"町"って言われてるけど)は不思議なところで、
簡単な作業さえしていれば衣食住に困ることはなく、プールもついてる。

各人に割り振られた部屋も、最低限と呼ぶにはやや贅沢なレベルで、
アパホテルのシングルよりは広い。
殺風景だけど家具は一通り揃っている様子。

家族というものは意味を成さないため、基本的にひとりでの生活。
セックスは精神衛生上推奨されており、
部屋の番号を書いた紙をヤリたい人に渡すだけでOK。
(もちろんそれで部屋に来てくれるかは別だけど、
 無駄なやり取りは必要ないという効率のよさw)

ただし、逃れることはできない。
逃れようとすると、この町に来たときに後頭部に埋め込まれた何かが反応して、
頭痛を引き起こす謎の音楽を流す仕組み。

さて、この環境をどう捉えるか。
簡単な作業で衣食住が保証され、セックスも推奨。
ある意味、恵まれてはいるだろう。

ここに来る連中は借金で首がまわらなくなった人や、
殺人を犯した人など、外の世界に居場所がない人たちばかり。
そんな人たちからしたら、いくら限られた空間に閉じ込められているとはいえ、
安全が保証されたこの場所はまさに自由を謳歌できる天国かもしれない。

僕からしたら、たまに行くにはいいかもしれないけど、
一生住み続けるのは無理だと思ったけどね。
できることは限られているから刺激は少ないし、
何よりも人が人でなくなる気がしてならない。
ここにいる人たちはみんな記号のように見えて、
あまり生気を感じることができなかった。
作中では描かれていないけど、
いずれ気が狂う人とが出てきそう。

そうなると、人間とは何か、自分が何に喜びを感じるかなど、
改めて考えるきっかけになりそうな話だと思った。

主演の中村倫也の演技がすごくリアルで、
初めて来たときのとまどい方から生活に慣れてきたときの表情の変化など、
実際ここに連れてこられたらこういうリアクションするんだろうなっていうのがよくわかる。

ラストは大方予想はついたけれど、一度連れて来られてしまったら、
もうそれしか選択肢がなさそうなのが辛い。
本人がそれでよいのであれば、問題ないんだけどね。

なんか、昔観たユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンの
『アイランド』って映画をちょっと思い出した。

映画『人数の町』公式サイト

この部屋に入ったらこの町のガイドであるバイブルを熟読すること―映画『人数の町』9月4日ロードショー

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原爆開発の裏に隠された人間ドラマ『ジョーンの秘密』

2020年09月19日 22時44分36秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Red Joan
製作年:2018年
製作国:イギリス
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:77/126
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、
ある日突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。

彼女にかけられた容疑は、
半世紀以上も前にソ連に核開発の機密情報を漏えいしたというもの。
ジョーンは無罪を主張するが、
外務事務次官のウィリアム・ミッチェル卿の死後に見つかった資料から、
彼とジョーンがKGBと共謀していた資料が見つかったというのだ。

捜査官の厳しい追及もあり、彼女は自分の過去を語り始める。
1938年、大学生だった彼女が出会った友人、恋人、そして不倫相手。
愛する人への想いと平和を願って彼女が取った驚くべき行動が徐々に明らかになっていく。

【感想】
日本人としてちょっと知っておいてもいいかなっていう映画だった。
主人公の背景はかなり変えられているけど、実話に基づいた話で、
原爆の情報をソ連に流したイギリス人女性が主人公。

話は『タイタニック』のようで、
突然MI5に逮捕されたジョーンが若い頃を回想する形で話が進んでいく。

恋人との関係性や平和を願っての善意から、
彼女は原爆の情報をソ連側に流してしまうというサスペンスチックな雰囲気。

なんだけど、その恋人との絡みや研究室で出会った上司との不倫など、
ちょいちょい恋愛要素を出してくるのが、
よく言えばミックスジャンル、悪く言えば迷走という印象はある。

でも、原爆を落とされた唯一の国に生まれ住んでいる身としては、
その開発過程でこういう事実があったというのは実に興味深かった。

ジョーンとしては、ソ連が核の開発を完了することで他の枢軸国と肩を並べることができ、
お互いにけん制し合ってこれ以上の核攻撃が行われないことを考えての行動なので、
結果として平和に貢献したと僕は思いたい。

弁護士である息子に「裏切者!」と罵られても、
最後にその点を認めて弁護を引き受けてもらえるところはちょっと感動だった。

とはいえ、50年以上経っても逮捕されるんだという意外さはあったけどね。

ちなみに、いろいろ調べて知ったのだけど、
この原爆開発のコードネームはチューブ・アロイズ。
それは、後のマンハッタン計画へと移行されていくのだけど、
そのマンハッタン計画の主導者がロバート・オッペンハイマー。
そう、昨日公開された『TENET テネット』にも出てきた人の名前なんだよね(笑)

映画『ジョーンの秘密』公式サイト

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愛すべき組織を失った男の苦渋の決断『シチリアーノ 裏切りの美学』

2020年09月19日 21時53分52秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Il traditore
 英題:The Traitor
製作年:2019年
製作国:イタリア・フランス・ブラジル・ドイツ合作
 配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:123/126
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★☆☆☆

【あらすじ】
1980年代初頭、シチリアは麻薬取引が盛んで、
マフィアもパレルモ派とコレルオーネ派の二大勢力の抗争が激化していた。

パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は
抗争の仲裁に失敗してブラジルに逃れるものの、
残された家族や仲間たちはコルレオーネ派によって次々と殺されていった。

ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、
マフィア撲滅に執念を燃やす判事のファルコーネ(ファウスト・ルッソ・アレシ)から
捜査への協力を求められる。

麻薬と殺人に明け暮れて堕落してしまった
組織コーザ・ノストラに失望していたブシェッタは、
ファルコーネに組織の情報を渡すことを決意するが、
それはコーザ・ノストラの ”血の掟” に背く行為だった。

【感想】
惜しい、惜しい映画である。。。

実話を元にしたマフィア映画で、
要は“血の掟”を破ってペラペラ組織のことを話したために、
マフィアの悪事がバレる大スキャンダルなんだけど、
とにかく長くてだれる(笑)

設定としては面白くなりそうなのに、
登場人物が多く誰が誰やらってのと、
クライマックスのような盛り上がりがないので、
それで2時間半は辛い。。。

作中での描写はないものの、
この“血の掟”ってのは映画でよく見かけるもので、
お互いに親指を針で指して血を出し、
それをくっつけるってやつ。
組織について一切口外しないって決めたものなんだ。

ブシェッタは警察に捕まった後にひどい拷問を受けるんだけど、
殴る蹴るは当たり前で、
中には娘をヘリから落とす直前までやるっていう
非人道的極まりない状況に陥るにも関わらず、
口は割らなかった。

ちなみに、彼は実際にも何回か捕まっていて、
その際に睾丸や肛門に電気ショックを与えたり、
爪を剥いだりといったようなさらに痛々しい仕打ちを受けるも、
組織について口にすることはなかったそう。

それを、ファルコーネ判事と話をするうちにしゃべるようになるんだけど、、、
こんな拷問にも耐えたのにいともあっさり話してしまうのが、、、なんとも。。。

「今の組織はなっとらん!もう嫌じゃ!」
ってことで幻滅したがゆえに密告することを決意するのだけど、
ここはストーリー上大事なところだと思うので、
もう少しいい見せ方ができたかも。

あと、面白いなと思ったのが裁判シーン。
ブシェッタの密告でいろんなマフィアが法廷に来るんだけど、
ヤジは飛ばすし、服は脱ぐし、トランプで遊ぶし、かなり自由www

マフィア映画だけど『ゴッドファーザー』のような重厚感はなく、
法廷モノだけど盛り上がるようなところもなく、
かなり物足りなさの残る映画でした。

なお、出てくるマフィアは実在している人たちなので、
ウィキペディアにページが立ってるからそれを見るのは楽しい(笑)

主人公のブシェッタとか死んだばーちゃんと同い年だったわ。

映画『シチリアーノ 裏切りの美学』公式サイト

イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ 81歳の最高傑作!カンヌ国際映画祭コンペ部門選出、伊アカデミー賞最多6部門受賞ほか数々の賞に輝いた

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まさに第三次映像革命だった『TENET テネット』

2020年09月18日 08時09分07秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Tenet
製作年:2020年
製作国:アメリカ
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:1/125
 ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★★★★★★★★

【あらすじ】
ある日、満席の観客でにぎわうオペラハウスでテロ事件が発生。
罪もない人々を救うべく、特殊部隊が館内に突入する。

部隊の一員である名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、
仲間を救うために身代わりとなって捉えられ、毒薬を飲まされるが、
いつの間にか鎮痛剤にすり替えられていた。

昏睡状態から目覚めた彼はフェイと名乗る男からミッションを伝えられる。
それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。
未来では"時間の逆行"を可能にする装置が開発され、
人や物が過去へと移動できるようになっていたのだ。

ミッションのキーワードは"TENET テネット"。
その言葉の使い方次第で未来が決まる。

突然、世界規模の任務に巻き込まれた名もなき男は、
任務を無事完遂できるのだろうか。

【感想】
おはようございます。
日本で2番目に早い時間に鑑賞してきました(27時10分の回)。

いや、これは、もう、なんだろう。。。
『ジョジョの奇妙な冒険』って知ってる?
あれの第3部でポルナレフが言った
「な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…」
っていう衝撃。
まさにあんな状態だった。

ネタバレしようにも、ネタバレできないぐらいまだ理解が追いつかないのだけれど、
この映画のすごいところは、難しく見える中でも目的がものすごくシンプルってところ。
「未来からやってきた敵と戦って世界を救う」っていうだけだからね。
ただ、その過程がものすごく複雑で。

世の中には、「誰が観てもわかる映画」と「わかる人にしかわからない映画」
の2種類あると思うんだけど、
ストーリー的にはちょうどその間ぐらいのやや後者寄り
っていう絶妙なバランス(ここはその人の理解度にもよるから一概には言えないけどw)。

特に、今回話を複雑にしているのが、
この映画の醍醐味でもある"時間の逆行"。
通常のタイムトラベルは、主人公たちが時代を行き来しても、
時間の流れは常に一定で過去から未来へと流れている。
例えば、過去に戻っても、その過去の中で時間は前に進んでいるから、
単に今いる環境が変わっただけという認識。

ところが、今回は時間の流れ自体が逆になる上に、
通常の時間の流れとも混在するから、
まさにポルナレフ状態(笑)

さらに、登場人物も多いから一回で理解しきるのはなかなかに至難の業。
僕も各キャラクターの思惑とか把握しきれなかった。

でもね、ストーリーがわからなくてもまったく問題ない。
なぜなら、その謎めいた話を凌駕するほどの映像体験があるから。

僕はこの映画を勝手に第三次映像革命だと思ってる。
完全に世代的な話なんだけど、第一次は弾を避けた『マトリックス』、
第二次は細かい部品まで再現したCGが圧巻の『トランスフォーマー』、
そして第三次がこれ。

タイムトラベルという概念も、逆再生という映像手法も古くから使われている。
にも関わらず、これが映像革命だと思った理由は、
映像の中の一部だけを逆再生させたり、
通常の時間の流れと逆行を混在させる手法ゆえだ。

今までもあったかもしれないけど、
全編に渡ってド派手なアクションの中で
これをやり遂げたってのは凄まじいよ。。。

こんなストーリーを考えつき、
映像化してしまうクリストファー・ノーラン監督の才能に嫉妬するわ(笑)

そんなわけで、これは絶対映画館で観て欲しいし、IMAXで観て欲しいし、
僕も夜2回目観てきます。

ちなみに、今回出ているエリザベス・デビッキのスタイルがヤバすぎて。
身長191cmという長身なのに、高いヒール履いて2m超えてたから、
全キャストの中で一番高いかもしれない(笑)

映画『TENET テネット』オフィシャルサイト|大ヒット上映中

映画『TENET テネット』大ヒット上映中!クリストファー・ノーラン 監督が仕掛ける、究極の映像体験×タイムサスペンス超大作!

映画『TENET テネット』オフィシャルサイト|大ヒット上映中

 

矢代が一番仕事に誇りを持っていたと感じた『未解決の女 警視庁文書捜査官』

2020年09月17日 22時46分44秒 | ドラマ
最終回、感動だったね。。。

過去の未解決事件を字体や筆跡をヒントに再捜査し、
真相を解明していくという刑事モノ。

他の刑事ドラマと比べるとアクションは少ないんだけど、
「え、文字のそんなところ見るの?」っていう意外性が面白い。
そりゃ人によって筆跡は異なるけど、
けっこうトメやハネにクセって出るんだよね。
それを見逃さないのがすごくて。

基本は1話完結型だから、
最終回に向けての伏線だったり積もる想いだったりってのはないんだけど、
先週から2週連続で放送されたラストエピソードは、
全エピソードの中で一番の感動だった。

最後、復讐を終えて自殺を考えていた犯人に対して、
矢代朋(波瑠)がね、
「あなたが死んだら私たちは誰に謝ればいいんですか」って。
そして、「上層部の人ほど頭を下げるべきだと思います」って。

自身の想いだけでなく、
警察という組織の権威を落とさずに説得するセリフが、
よほど仕事にプライドがないと出てこないよなと思った。

そんな矢代に対して、かつての上官だった富野康彦(市原隼人)が、
「久しぶりに会ったけどおまえ、いい刑事になったなあ」って、
あの少しかすれた声でしみじみと語りかけるところは泣いた。

こういうふうに、ずっと見てくれていた人に認められるって構図、弱いんだよねw

てか、遠藤憲一www
『竜の道』でメチャクチャおっかねえ運送会社の社長役だったのが、
ここでは人のいいベテラン刑事だから、そのギャップに笑うわwww

https://www.tv-asahi.co.jp/mikaiketsu02/