映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

波止場 マーロン・ブランド

2010-06-16 16:10:12 | 映画(洋画 69年以前)
エリアカザン監督の「波止場」はアカデミー賞8部門を受賞した作品である。若き日のマーロンブランドが主演
ハドソン川に面したニュージャージーの波止場で暮らす荷役たちの話である。
スタートは何かよくわからないなあといった印象だが、途中からエンジンがかかって後半にかけて大きく盛り上げる。マーロンブランドよりも脇役の活躍が非常に印象的だ。

ニュージャージーの波止場で飛び降り死傷者がでた場面からスタートする。波止場の荷役を仕切る顔役ジョニーの悪さ加減の証言を口封じといったところだ。死んだ男の妹エヴァ・マリー・セイントは非常に悲しむ。マーロンブラントは荷役の一人、顔役の子分ロッドスタイガーの弟でボクサーあがりであった。八百長試合でボクサーを辞めている。飛び降りる直前に死んだ本人に会っていた。
マーロンブラントは妹エヴァと出会う。彼女に強く惹かれる。そして、良心の呵責から兄や親分寄りではない行動を起こそうとする。

エリアカザンといえば、最初に「エデンの東」を観たとき、退屈で寝てしまった。2度目に観たときも最初が凡長で退屈で、途中から最後にかけておもしろくなってきた印象であった。「波止場」も同様である。登場人物同士の関係がよくつかみづらいし、レナードバーンスタインの音楽がちょっとうるさすぎてごちゃごちゃした印象だ。映画館にいたらたぶん寝てしまったかもしれない。
でも途中からさえる。撮影もよく、アップを効果的に使っている。
個人的には最初から飛ばしてもらわないとおもしろくない。でもここまで途中から盛り上げてくれたら許そうか。

この映画で冴えるのはリーJコッブの親分役だ。顔つきがいい。ネタばれになるのであまり語れないが、後半戦でのマーロンブラントとの絡み合いは見ごたえがある。

マーロンブラントの恋人役のエヴァ・マリー・セイントを観て、どこかで観たなあとおもった。
しばらくして「北北西に進路をとれ」のケイリーグラントの前に現れるなぞの女というのに気づいた。
「波止場」でオスカー助演女優賞をもらっている。

ロッドスタイガーもでてくる。この作品から10年後に「夜の大捜査線」でオスカー主演男優賞をとる。
本来主演はシドニーポワティエで、彼自体は助演賞じゃないのという気もする。
この作品ではまだ若い。10年後にみせる荒々しさはない。

レナードバーンスタインはどちらかというと指揮者としての巨匠のイメージが強い。ここではやけにうるさい。映画にはあまりあっていない気がする。「ウェストサイドストーリー」の方がまだいい。

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