映画とライフデザイン

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映画「海街diary」 広瀬すず

2015-06-17 20:49:38 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「海街diary」を映画館で見てきました。


4人の美女が映る映画ポスターが気になっていた。湘南の古い一軒家に暮らす三姉妹と別れて暮らす父親のもとで育った腹違いの妹が一緒に暮らす話である。鎌倉の春夏秋冬を映しだす映像が季節感あふれ、江ノ電沿いの家での暮らしぶりがいかにも昭和30~40年代に映しだされたような雰囲気を醸し出す。設定はありそうでない設定ではあるが、4人をとりまく話は比較的単調で、予想外の展開にはならない。それでも、大物ぞろいの脇役もきっちり自分の仕事をして、是枝監督らしい安定感のある映像である。バックで流れる音楽がやさしく、心地良い雰囲気にはさせられる。

4人をクローズアップというよりも、広瀬すずにスポットがあてられる感じがした。変に現代の女の子ぽくなく、田舎にでもいそうな美少女ぶりがいじらしく好感を持てた。

看護婦である長女の幸(綾瀬はるか)、地元の信用金庫に勤める次女の佳乃(長澤まさみ)、地元のスポーツショップの店員として働く自由奔放な三女の千佳(夏帆)は、鎌倉の古い一軒家に3人で暮らしている。父は15年前に家を出て、その後2人の女性と結婚した。その父の訃報が届き、山形で行われた葬儀で3人は、腹違いの妹のすず(広瀬すず)と出会う。父の連れ子のすずが継母と暮らすことを心配した幸は、一緒に暮らそうと声をかけ、4姉妹の生活がスタートする。すずは内心で自分の母親が3姉妹から父親を奪った罪悪感を感じていた。また、再婚のため家を去った母親(大竹しのぶ)が十数年ぶりに現れ、騒動が巻き起こる。(作品情報より)


1.広瀬すず
東京ではなくどこか地方都市であったことのあるようなかわいい中学生である。悪い姉さんたちがお酒を飲ませたりするが、まったくませてはいない。姉たちの言葉に対しても従順である。少女が大人になっていくまさにその瑞々しい成長途中を撮った映像で、非常にさわやかな印象をもった。主演級の綾瀬はるかと長澤まさみを喰ってしまうパワーすら自分は感じた。


それにしても彼女のサッカーのうまさには驚く。動きが妙に軽快だ。プロフィルをみると、今までサッカーをやっているわけではないけど、ステップが様になっていてそれだけで評価がアップしてしまう。サッカー仲間の中学生の少年と一緒に二人乗りで自転車に乗りながら、桜の通り抜け路を走る映像は実に美しい。



2.江ノ電沿いの鎌倉
実にうまいロケハンティングができている。舞台となる鎌倉の家がいかにも昭和20年代の鎌倉を舞台にした小津や成瀬の作品から飛び出してきたような家だ。現代の家では消滅しつつある縁側での団らん風景をみると心がやすらぐ。夏でも窓を閉めてクーラーをつけるなんてこととは無縁の生活ぶりを映しだす。逆に夜に虫が入ってくるんじゃなかろうかと心配してしまう家である。


この家があるのは江ノ電の極楽寺駅付近にある設定のようだ。民家すれすれに江ノ電が走っていく姿は実に懐かしい。子供のころ腰越に別荘をもっていた。その時は鎌倉駅で乗り換えて、江ノ電でトコトコむかっていたので今も変わらぬ姿が大好きだ。4人の姉妹が何度も砂浜をたたずむ映像が出てくる。自分が連想するのは森田健作主演「おれは男だ」の映像だ。何度も何度も森田健作はこの砂浜を仲間とともに走っていた。そしてショット的には黒澤明の「天国と地獄」の犯人が逃走した家の映像も近い。

3.腹違いの姉妹の対面
お涙頂戴の映画というわけではない。でも最初に姉妹が対面する場面には胸がジーンとしてしまった。


恐る恐るお互いに会おうとしている時に純情な少女が現われたのをみると、姉たちもホッとしたような気持ちになる。このあと、一緒に生活するようになるけど、遠慮がちに姉に接する妹のしぐさをみると、最近の女の子がこんな感じに接することができるのかな?とつい思ってしまう。こんなかわいい妹がいたら、誰しもが抱きしめてあげたい気分になるだろう。自分の身近で似たような設定があり、つい感情流入してしまう。

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