映画とライフデザイン

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映画「上京ものがたり」 西原理恵子&北乃きい

2014-08-14 05:13:37 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「上京ものがたり」は漫画家西原理恵子自身の体験に基づく作品の映画化
高知から上京してきて美大生のなったのもかかわらず、劣等生でしかも金がない。そこでキャバクラで働きながら絵で稼いでいこうと向上心を持って生きていく姿を描いている。


西原理恵子「怨ミシュラン」という本を読んだ後から、注目していた。女だてらに麻雀ギャンブル大好きな無頼派漫画家で、普通の少女漫画家と若干生き方のテイストがちがう。その彼女の上京したときの物語ということで、気になっていたが、ようやくDVDを手に取った。
映画自体はいかにもB級映画の色彩で、出来がいいと絶賛する作品ではない。でも主人公の北乃きいが、ういういしく素朴で好感が持てる。瀬戸朝香や岸部一徳、黒澤あすかの脇役陣も悪くない。


美大に通うため、田舎から上京した菜都美(北乃きい)は、憧れていた東京での暮らしをスタートさせるが、家賃を払うのに精一杯の毎日を過ごしていた。
そんな中、大学の友達から時給のいいバイトとしてキャバクラを紹介され、ホステスとして働きに出ることになる。やがて、菜都美は店で出会った良介(池松壮亮)と一緒に暮らし始めるが、良介は定職につかずごろごろしているプー太郎。拾ってきた猫の病院代に8万ものお金を平気で使い「命のほうが大事じゃないか」と言うようなヤツだった。菜都美は、働かない良介に徐々に苛立たしさが募ってくる。しかも毎晩バイト先でセクハラにさらされる菜都美は顔面神経麻痺になってしまう。子どもの頃から大好きだった絵も美大での成績は最下位。
それでも、キャバクラの先輩ホステス、吹雪(瀬戸朝香)と娘の沙希(谷花音)が、菜都美の絵を気に入ってくれる。吹雪の「最下位には最下位の戦い方があると思う」という言葉に勇気づけられた菜都美は、毎日のように出版社へ自分の絵を売り込み始める。やがて、念願の本が出版されることになった菜都美は、東京に出てきた頃、何も言わずにずっと東京の愚痴を聞いてくれていたのは良介だったと気付く。。。。(作品情報より)

映画を見ていて、主人公を応援したくなる気分になる映画である。岸部一徳が娘には優しいギャンブラー好きの義父を演じる。瀬戸朝香は子持ちの先輩キャバ嬢で、死に至る病にかかった設定。その親族を黒澤あすかが演じる。いずれも脇役の仕事をきっちり果たす。


1.西原理恵子
彼女の生きてきた道はまさに波乱万丈だ。早くして実父に死なれて、養父と母に育てられるが、父は極めつけのギャンブラーだ。この映画で養父を岸部一徳が演じている。そんな家庭環境の中彼女は頑張ったんだなあと感じる。
彼女が学生だった頃はまだキャバクラはない。スナックかキャバレーだったのか?生きていくためには必死である。自分の経験からすると、キャバ系には片親の女の子が多い。まさにそんな1人だったのであろう。


西原自身ここでカメオ出演している。主人公がエロ雑誌社に売り込みにいくときの掃除のおばさん、セリフはまさにエロだ。

2.北乃きい
東京に上京して、1人暮らしをする美大生の偶像をうまく演じている。イメージにぴったりだ。
貧乏学生なので、暮らし向きを良くするためにキャバクラにつとめる。そこでは全然ちがう世界があった。そういう探究心の強い女の子を上手に演じる。気がつくと、下宿にキャバクラ黒服がもぐりこんでくる。同棲生活を送るが、離れて暮らす母親が心配するわけではない。自立した人生を歩むのだ。

連載がスタートしたけど、読者の評判がいまいちで連載が途中で終了してしまう。全部書いたのにと編集者に泣きつく場面が印象的。ここであらわれたサディスト役得意な小沢真珠演じる売れっ子漫画家に、同情されながらも一喝されるところが心に残る。


3.名刺をもっての売り込み
働いているキャバクラでなんか心配事あったら相談してくれという顧客が名刺をだす。それを見ていいアイディアが浮かぶ。
名刺大の紙にイラストを書き、自らのイラストレーターとしての名刺にする。それを持って仕事をくださいと売り込む。健気である。雑誌社にいくけど、うまくいかない。絵を見てもまったく評価されない。こういう場面すきだなあ。向上心を持って生きていこうとする姿を見ると、こっちも頑張らなくてはという気持ちを感じてしまう。




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