映画とライフデザイン

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映画「ブルックリン」 シアーシャ・ローナン

2016-07-06 18:19:48 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「ブルックリン」を映画館で見てきました。


1950年代の匂いがする映画って好きだ。ケイト・ブランシェット「キャロル」のもつしっとりしたムードに酔わされた自分は映画「ブルックリン」を見てみたいと感じる。

この映画も見て良かった。田舎娘が都会に出てきて、都会の荒波にもまれながら成長していくという類の話は古今東西たくさんの映画が作られてきた。ここではアイルランドからニューヨークブルックリンへの移民女性の物語だ。イタリア移民の青年との恋物語が語られたあとで、悲報が入って故郷に戻る。そこでまた恋物語が生まれる。さあどうなる?という展開だが、優しいムードの中で焦らずゆっくりと語られるので心地よく見ている時間を過ごせた。

1950年代アイルランドの町に住むエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、意地の悪い店主のいるドラッグストアで働いていた。彼女の将来を案じた姉の勧めでエイリシュはニューヨークへ渡米し、アイルランドからの移民が多いブルックリンの女子寮に住むことになる。しかし、高級デパートでの接客には慣れず、激しいホームシックに陥いる。


アイルランドから届く姉の手紙を読み返し涙に暮れるエイリシュの様子を見かねて、同郷の神父(ジム・ブロードベント)はブルックリン大学の会計士コースを受講するよう勧める。エイリシュは夜学に通い簿記を学ぶうちに少しずつ前向きになっていく。
そんな中、あるダンスパーティーでイタリア系移民のトニー(エモリー・コーエン)と出会う。


彼女は、水道工のトニーの誠実さに少しずつ心を開いていく。ところがある日、故郷から突然の悲報が届き、エイリシュはアイルランドへ帰郷する。そんな彼女を待ち受けていたのは、富豪の息子ジム(ドーナル・グリーソン)との再会であったが。。。

1.シアーシャローナン
映画「ハンナ」ではケイトブランシェット共演で小さい頃から暗殺者に育てられた少女を演じた。ラブリーボーンなどと比べてこの激しい映画での印象が強い。彼女自身アイルランド移民の家系に生まれ、ニューヨークで育つ。主演にこれ以上の適役はいないであろう。


田舎育ちでニューヨークに移住する時のドギマギする様子がらしくていいし、服装出で立ちが徐々に洗練されていく姿を見ると、ぐっと映像に引き寄せられる。かわいい。

2.50年代のムード
映画「キャロル」とほぼ同じ時代設定だ。しかも、シアーシャローナンが演じるのはルーニーマーラと同じデパートガールである。美人の職場主任に指導されながら少しづつ成長していく姿が健気だ。


映画キャロルもポストプロダクションのうまさが際立ち、色彩設計が豊かだったが、この映画も色合いがきれいな映画だ。タクシーのイエローでキリッと引き締めて、主人公が着る薄いイエローや水色の服装が明るい。恋人といくニューヨークの海水浴場での風景の全体的色彩設計がカラフルで、アイルランドの緩やかな海岸線での映像と対照的なのもいい。見ている間、ずっと快適な心地良さを感じることができた。

3.予測不能な動き
ブルックリンで1人のイタリア移民系の青年と知り合う。典型的なプロレタリア階級で優しい彼にグイッと引き寄せられる。ところが、故郷アイルランドから悲しい訃報が届き、帰国する。飛行機で気軽に移動できる現代とはまだ違う。青年は帰国して会えなくなるのかと思い、求婚する。合意して帰国するが、戻って富豪の家系に育った青年と接近する。家族も彼女がアイルランドにとどまることを望み、この恋愛を後押しする。


これってどうなるんだろうと思わせる予測不能な雰囲気が良い。ミステリーではないが、謎めいたものを感じる。この結末ってどうなんだろう。違う展開を予測しながらラストを見届けた人も多いかもしれない。自分はホッとした。

(参考作品)
ハンナ
シアーシャ・ローナンが演じる傑作アクション映画

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