映画とライフデザイン

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レッド・クリフ  赤壁の戦い

2010-01-02 19:23:50 | 映画(アジア)
中国の歴史上もっとも有名な戦いである。曹操、劉備、孫権の3人の武将とその軍師たちを描いた「三国志」を基本に思い切り予算をかけて作られた作品だ。1から2まで合計5時間に及ぶ超大作で、単純に楽しめる。

歴史上有名な史実に基本ストーリーは基づく。
軍勢に勝り漢の皇帝にも通じている曹操が劉備軍を圧倒したあと、撤退した劉備はどうするか思案していた。劉備が三顧の礼で迎えた軍師諸葛孔明(金城武)の案で呉の国の孫権と結びつくことを考える。若き君主孫権の司令官周瑜(トニーレオン)を説得して、二国が連携することになった。劉備と孫権は南下した曹操たちと陸上戦で戦う。すでに劉備を降伏寸前まで追い込んでいた曹操はなめてかかっていたが、諸葛孔明の巧みな策に曹操の軍隊を懲らしめる。それに憤慨した曹操は長江に面した赤壁の地で圧倒的な船数を誇る水上軍で両軍を抑えつけようとする。
そのころ伝染性の病気が蔓延していた。もともと曹操軍の病気だったのが、劉備軍にも蔓延した。劉備は諸葛孔明を残して軍を撤退して孫権のみが曹操に立ち向かうことになるが。。。。

歴史上は曹操はかなりの悪者となっている。逆に劉備と孫権そしてその忠臣たちが正義の味方となっている。実際には曹操の子はのちに皇帝の地位を禅譲し権力を治める。むしろ劉備や周瑜の方がその後は良い結末を迎えていない。
それでもこういう物語が中国で支持されるのは、赤壁の戦いの勝ちっぷりがあまりに痛快だからであろう。源平合戦で義経が破竹の活躍を見せるのが大衆に支持されるのと同じである。特に諸葛孔明の魔力のような軍師ぶりは世界中の支持を受けている。

ジョンウー監督はもともと香港ノワール映画の巨匠だった。むしろ米国を拠点とするようになった彼は映画の製作者たちの圧倒的な人気を誇る。タランティーノ監督は「キルビル」を作るときに、主演のユマ・サーマンに演技指導としてジョンウーの映画を観るように言ったそうな。
ここでは実にスケール感のある映画作りをしている。誰の演技が優れているとかではなく、全体的なボリューム感に優れているといえる。単純明快であり、忍者映画のような奇策の連発で最後まで楽しめる。

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