海南 82
湘北 78
試合残り時間2分強。
このQ初めて、流川に得点が記録される。
「ようやく流川の得点だーー!!」
「湘北、まだ追いつけるぞーー!!」
「エースとして真価が問われる時間帯だ。」
と田岡。
(湘北のエースは、お前しかいないよな。流川。)
仙道が思う。
「神さん。すいません。」
「問題ないよ。次、抑えていこう。」
「はい。」
(俺も得点が止まり、壮太も得点がない・・・。何としてでも、ここは1本入れておきたい・・・。)
と考える神が視線をあげると。
「えっ!?」
驚く神の目の前には、桜木が立っていた。
「リョーちん!当たるぞーー!!!」
桜木は、オールコートで神についた。
「けっ!それをいうのは俺の役目だ!!」
宮城も清田をマーク。
流川も白田も柳もオールコートでマークについた。
流川の体力は、限界に近い。
「湘北のオールコートだ!!」
「真っ向勝負!!」
宮城の闘志溢れるディフェンスに攻め倦む清田。
神と真田には、最後の力を振り絞るように流川と桜木が吸い付くようなディフェンス。
清田は、小菅にパスをした。
小菅対柳。
身長差17cm。
第4Q、海南はこのミスマッチを中心に攻め立てた。
ゴール下の白田のふんばりもあり、小菅に大量点を許すことはなかったが、
湘北最大のウィークポイントであった。
だが、安西は柳を交代することはなかった。
「勝つためには、柳君の力が必要です。」
小菅と柳は、海南コートで対峙する。
(やられてばかりではいけない。)
と柳。
『ダムダム・・・。』
小菅が柳を抜きにかかる。
「さすが、元SG!ドリブルも巧い!!」
「しかも、速い!!」
『ダムダム・・・。』
(あんたが、ドリブルが巧いのはわかっている。でも、俺や宮城さんに比べたら、まだまだ高いんだよ!!)
柳が低い位置に、手を出す。
『パス!』
「柳君のスティール!!巧いでーーー!!」
興奮状態の彦一。
「ミスマッチを反対に利用したか。」
と越野。
(ここだ!)
『キュ!』
その瞬間、誰よりも先に流川は、スタートを切った。
「しまった!!」
と真田。
ルーズボールを拾った柳に、小菅が後ろから回り込んだ。
「獲られたら、獲り返す!!」
「何としても守れーー!!戻るんだーー!!」
高頭がベンチから叫ぶ。
『シュ!』
フリースローライン手前、柳は、小菅のわずかな隙を見つけ、強引にランニングシュートを放った。
シュートは、リングを捉えるどころか、ボードを捉えるのが精一杯であった。
だが。
「!!!」
「なにっ!!」
『バン!』
リバウンドを狙っていた流川が、小さく跳ね返ってきたボールをキャッチした。
そして、そのままタップシュートを決めた。
『シュパ!!』
「うわーーー!!!」
「流川の連続得点!!!」
「2点差ーーーー!!!」
「初めからパス狙いか?」
「さぁ、どうでしょう。」
宮城に答える柳は軽く微笑んだ。
「ナイス。」
「はい。」
「目立ちがり屋の流川めーーー!!!」
流川と柳のプレーが桜木に火をつける。
海南 82
湘北 80
だが。
『ザシュ!』
(・・・!!)
「真田の初得点だーー!!」
「ナイッシュ!壮太!!」
「あぁ・・・。」
「真田が決めちまった・・・。」
「ということは・・・。」
意気消沈する湘北ベンチ。
疲労の溜まった流川を交わし、真田がシュートを決めた。
流川の連続シュートで、湘北に流れを引き込んだ直後の出来事であった。
今度は、参謀真田が、湘北の勢いを断ち切った。
タイムアウトを取る安西。
そして、交代が告げられる。
(交代なんて、まっぴらだ・・・。)
「流川君、約束ですよ。」
「・・・。」
「流川君。」
「ごめんだ。」
「自分のいった言葉に責任を持てないのか?あぁ?」
一瞬、白髪鬼の表情を見せる安西。
『ゾクッ。』
「・・・。」
(くそ・・・。)
流川はタオルを頭からかぶり、静かにベンチに座った。
(流川君・・・。)
心配そうに眺める晴子。
「ハッハッハ!これで思う存分、動ける!キツネめ!そこから、大人しく見てやがれ!!」
安西は口を開く。
「今後も、大事な局面で、流川君がベンチにいることも十分に考えられます。
そのときこそ、このチーム力の真価が問われます。
宮城君、みんなをしっかりまとめてください。勝つも負けるも宮城君次第です。
柳君、得点にアシスト期待しています。宮城君のフォローをしてください。
白田君、ゴール下は頼みましたよ。そして、いつでも得点を奪いにいってください。
潮崎君、君のディフェンス能力は高く評価しています。」
「オヤジ!おっ俺は!?」
「桜木君のプレーが勝利を引き込む。」
「おうよ!海南は俺が倒す!!」
「流川君がいないからといって、決して諦めてはいけません。」
「はい!!」
「あたりめーだぜ!!むしろ、勝利に近くなったぜ!ハッハッハ!」
(くそう。)
コートに足を運ぶ10名。
流川の代わりに潮崎が投入された。
「潮崎君、真田君のディフェンスをお願いしましたよ。」
「はい!!」
(1年間の成果を見せてやる!!)
-----------------------------------------------
SF…#7 流川 楓 191cm/2年
→
SF…#6 潮崎 哲士 172cm/3年
-----------------------------------------------
会場が驚きで揺れる。
「流川が交代だーーー!!!」
「体力の限界か!!!」
「何があったんだ!?湘北ーー!!」
「どうなってんだ!?湘北は?」
不思議そうな清田。
「理由がどうであれ、俺たちにとっては願ってもいないチャンスだ。」
「そうだね。」
真田と神が微笑んだ。
「この重要な場面で、流川君が交代やて?」
「安西先生は何を考えておられるのだ?」
(流川の体力を考えたら、妥当な交代かもしれない。ここで、真田に一気に攻められたら、湘北は終わる。
体力のある控え選手のほうが、真田を抑えられると判断しましたか・・・。)
と仙道。
ベンチの流川は、下をうつむき、震えていた。
「流川君。仲間を信じることも大切です。彼らを信じましょう。」
「・・・。」
湘北の命運はこの男に託された。
(流川がいない今が絶好のチャンス!!)にやっ。
残り2分を切っていた。
海南 84
湘北 80
続く。
湘北 78
試合残り時間2分強。
このQ初めて、流川に得点が記録される。
「ようやく流川の得点だーー!!」
「湘北、まだ追いつけるぞーー!!」
「エースとして真価が問われる時間帯だ。」
と田岡。
(湘北のエースは、お前しかいないよな。流川。)
仙道が思う。
「神さん。すいません。」
「問題ないよ。次、抑えていこう。」
「はい。」
(俺も得点が止まり、壮太も得点がない・・・。何としてでも、ここは1本入れておきたい・・・。)
と考える神が視線をあげると。
「えっ!?」
驚く神の目の前には、桜木が立っていた。
「リョーちん!当たるぞーー!!!」
桜木は、オールコートで神についた。
「けっ!それをいうのは俺の役目だ!!」
宮城も清田をマーク。
流川も白田も柳もオールコートでマークについた。
流川の体力は、限界に近い。
「湘北のオールコートだ!!」
「真っ向勝負!!」
宮城の闘志溢れるディフェンスに攻め倦む清田。
神と真田には、最後の力を振り絞るように流川と桜木が吸い付くようなディフェンス。
清田は、小菅にパスをした。
小菅対柳。
身長差17cm。
第4Q、海南はこのミスマッチを中心に攻め立てた。
ゴール下の白田のふんばりもあり、小菅に大量点を許すことはなかったが、
湘北最大のウィークポイントであった。
だが、安西は柳を交代することはなかった。
「勝つためには、柳君の力が必要です。」
小菅と柳は、海南コートで対峙する。
(やられてばかりではいけない。)
と柳。
『ダムダム・・・。』
小菅が柳を抜きにかかる。
「さすが、元SG!ドリブルも巧い!!」
「しかも、速い!!」
『ダムダム・・・。』
(あんたが、ドリブルが巧いのはわかっている。でも、俺や宮城さんに比べたら、まだまだ高いんだよ!!)
柳が低い位置に、手を出す。
『パス!』
「柳君のスティール!!巧いでーーー!!」
興奮状態の彦一。
「ミスマッチを反対に利用したか。」
と越野。
(ここだ!)
『キュ!』
その瞬間、誰よりも先に流川は、スタートを切った。
「しまった!!」
と真田。
ルーズボールを拾った柳に、小菅が後ろから回り込んだ。
「獲られたら、獲り返す!!」
「何としても守れーー!!戻るんだーー!!」
高頭がベンチから叫ぶ。
『シュ!』
フリースローライン手前、柳は、小菅のわずかな隙を見つけ、強引にランニングシュートを放った。
シュートは、リングを捉えるどころか、ボードを捉えるのが精一杯であった。
だが。
「!!!」
「なにっ!!」
『バン!』
リバウンドを狙っていた流川が、小さく跳ね返ってきたボールをキャッチした。
そして、そのままタップシュートを決めた。
『シュパ!!』
「うわーーー!!!」
「流川の連続得点!!!」
「2点差ーーーー!!!」
「初めからパス狙いか?」
「さぁ、どうでしょう。」
宮城に答える柳は軽く微笑んだ。
「ナイス。」
「はい。」
「目立ちがり屋の流川めーーー!!!」
流川と柳のプレーが桜木に火をつける。
海南 82
湘北 80
だが。
『ザシュ!』
(・・・!!)
「真田の初得点だーー!!」
「ナイッシュ!壮太!!」
「あぁ・・・。」
「真田が決めちまった・・・。」
「ということは・・・。」
意気消沈する湘北ベンチ。
疲労の溜まった流川を交わし、真田がシュートを決めた。
流川の連続シュートで、湘北に流れを引き込んだ直後の出来事であった。
今度は、参謀真田が、湘北の勢いを断ち切った。
タイムアウトを取る安西。
そして、交代が告げられる。
(交代なんて、まっぴらだ・・・。)
「流川君、約束ですよ。」
「・・・。」
「流川君。」
「ごめんだ。」
「自分のいった言葉に責任を持てないのか?あぁ?」
一瞬、白髪鬼の表情を見せる安西。
『ゾクッ。』
「・・・。」
(くそ・・・。)
流川はタオルを頭からかぶり、静かにベンチに座った。
(流川君・・・。)
心配そうに眺める晴子。
「ハッハッハ!これで思う存分、動ける!キツネめ!そこから、大人しく見てやがれ!!」
安西は口を開く。
「今後も、大事な局面で、流川君がベンチにいることも十分に考えられます。
そのときこそ、このチーム力の真価が問われます。
宮城君、みんなをしっかりまとめてください。勝つも負けるも宮城君次第です。
柳君、得点にアシスト期待しています。宮城君のフォローをしてください。
白田君、ゴール下は頼みましたよ。そして、いつでも得点を奪いにいってください。
潮崎君、君のディフェンス能力は高く評価しています。」
「オヤジ!おっ俺は!?」
「桜木君のプレーが勝利を引き込む。」
「おうよ!海南は俺が倒す!!」
「流川君がいないからといって、決して諦めてはいけません。」
「はい!!」
「あたりめーだぜ!!むしろ、勝利に近くなったぜ!ハッハッハ!」
(くそう。)
コートに足を運ぶ10名。
流川の代わりに潮崎が投入された。
「潮崎君、真田君のディフェンスをお願いしましたよ。」
「はい!!」
(1年間の成果を見せてやる!!)
-----------------------------------------------
SF…#7 流川 楓 191cm/2年
→
SF…#6 潮崎 哲士 172cm/3年
-----------------------------------------------
会場が驚きで揺れる。
「流川が交代だーーー!!!」
「体力の限界か!!!」
「何があったんだ!?湘北ーー!!」
「どうなってんだ!?湘北は?」
不思議そうな清田。
「理由がどうであれ、俺たちにとっては願ってもいないチャンスだ。」
「そうだね。」
真田と神が微笑んだ。
「この重要な場面で、流川君が交代やて?」
「安西先生は何を考えておられるのだ?」
(流川の体力を考えたら、妥当な交代かもしれない。ここで、真田に一気に攻められたら、湘北は終わる。
体力のある控え選手のほうが、真田を抑えられると判断しましたか・・・。)
と仙道。
ベンチの流川は、下をうつむき、震えていた。
「流川君。仲間を信じることも大切です。彼らを信じましょう。」
「・・・。」
湘北の命運はこの男に託された。
(流川がいない今が絶好のチャンス!!)にやっ。
残り2分を切っていた。
海南 84
湘北 80
続く。