陵南 84
湘北 75
「あと1点だ!!」
と越野。
「ディフェンス!1本!」
植草も珍しく大きな声をあげる。
湘北のオフェンス。
(もう、IHのようなミスはしねぇ!!)
宮城のドリブルにも力が入る。
「白田!」
「はい!!」
ハイポの位置。
黒川の前面を取った。
『バス!』
白田と黒川の1on1。
(ぜってー!決めてやる!!)
(そんなに焦ってどうする。動きが手に取るようにわかるぜ!)
白田のシュートフェイク。
黒川は一切ひっかからない。
(くそ!)
(動きが単調だ!!)
そのとき。
「焦るな!!キープ!!」
宮城が叫んだ。
「!!」
(宮城先輩!)
『クル。』
白田はリングを背後に回転した。
その瞬間。
宮城と柳が、白田目指して、走りこむ。
「シザースだ!!」
宮城の、柳のスピードが、山岡と上杉を振り切った。
「こっちだ!」
「白田!」
宮城と柳がほぼ同時に白田の横を通過する。
白田が小刻みに動く。
(どっちだ!?)
黒川に混乱が生じた。
『キュッ!』
「!!!」
『ダム!!』
「ちぃ!白田か!!」
パスをせず、黒川の横をドリブルで抜ける白田。
「いけーー!白田!!」
「決めろ!!」
宮城と柳が叫んだ。
(宮城先輩と柳が作ってくれたこのチャンス!必ず決める!!)
「うぉぉぉーー!!」
「打たせない!!」
白田がボースダンクの構え。
(俺が流れを引き寄せる!!!)
黒川が白田の後ろから、ブロックを狙う。
(白田を止めれば、勝負は決まる!!!)
(ぬ!高い!)
『バチィーーーン!!!』
(しまった!!!)
黒川は、目測を誤り、白田の両腕を激しく叩いてしまった。
「ぐわぁ!!」
『ドンッ!!!』
その衝撃から、白田は、空中で大きく回転し、肩からコートに叩き落ちた。
白田の手からは、ボールが転がる。
「ハクタス!!!」
「白田!!!」
「黒坊主!!てめー!!」
「やめろ!花道!」
湘北メンバーが大きな声を出す。
「だっ大丈夫です。」
白田は静かに立ち上がる。
『ピィーーー!!』
「アンスポーツマンライク・ファウル!!青!!#12!!」
審判が、黒川に手を上げさせる。
「アンスポだーーー!!」
「ツースロープラス湘北ボール!!」
「一気に得点差を縮めるチャンスだーー!!」
「だが、白田は大丈夫か!?」
「肩からもろに落ちたぞ!!!」
「厳しすぎねぇか!!」
「いや、やりすぎ感は否めない!!」
「白田・・・。」
苦痛に顔をゆがめる白田に話しかける黒川。
「俺なら、大丈夫だ。せっかくの俺の見せ場が、なくなっちまったのは残念だったけどな。」
「すっすまん。」
深く頭を下げる黒川。
(焦っていたのは、俺のほうだったのか・・・。)
「白田君。黒川が申し訳ない。」
仙道も頭を下げた。
「仙道さん・・・。問題ないですから。」
「すまん。春風。」
「白田はそんなに柔じゃないから、心配するな。大蔵。」
「あぁ。ありがとう。」
柳は、黒川の腰を軽く叩いた。
「大丈夫か!?フリースローは打てそうか?」
と心配そうに宮城が話しかける。
「右肩に少し痛みが走っていますが、なんとか打てると思います・・・。」
白田は、額に汗を流しながら、言った。
「ツースロー!」
審判からボールが渡される。
『ダムダム。』
2回ほど、ボールをつく。
(ドリブルは平気だ。)
シュートの構え。
『ピキーン!』
(ぐっ!)
右肩に激痛が走る。
『シュ!!』
ボールは緩やかに回転しているが、明らかに弾道が低い。
『ダン!』
『ダンダンダン・・・。』
ボールはリングに触れることなく、コートに落下した。
「ハクタス!!」
「やっぱり、打てない!!」
「これは重症だ!!」
「ここで、白田君が抜けると湘北は一気に崩れる可能性があるわね。」
と記者席の弥生。
「つうぅ!」
あまりの痛さに、右肩を押さえる白田。
苦痛で顔を歪める。
「ハクタス!!」
「白田、大丈夫か!?」
「だっ大丈夫です。なっなんともありません。」
白田は、気丈に振舞った。
湘北ベンチでは、角田がアップしている。
(ここで、白田が抜けるのは痛いが、この状態じゃ仕方ねぇ。9点差・・・。くそっ!)
宮城も焦りを感じていた。
「交代しますか?」
審判が白田に一声かけたが、大きく首を振った。
「このシュートが終わったら、交代だ。」
宮城がそっと白田の腰に触れた。
「・・・。」
『ダム!』
一回ドリブルをし、呼吸を整える。
(まともにシュートが打てない・・・。)
白田がシュート体勢。
「あっ!!!」
「まじかよ!!」
白田は、左手1本で構えた。
「左手で打つ気か!!」
「届くのか!!」
(入れる自信はないけど、可能性はある!)
『シュ!』
白田は、膝をうまく使い、左手1本のシュートを放った。
陵南 84
湘北 75
続く。
湘北 75
「あと1点だ!!」
と越野。
「ディフェンス!1本!」
植草も珍しく大きな声をあげる。
湘北のオフェンス。
(もう、IHのようなミスはしねぇ!!)
宮城のドリブルにも力が入る。
「白田!」
「はい!!」
ハイポの位置。
黒川の前面を取った。
『バス!』
白田と黒川の1on1。
(ぜってー!決めてやる!!)
(そんなに焦ってどうする。動きが手に取るようにわかるぜ!)
白田のシュートフェイク。
黒川は一切ひっかからない。
(くそ!)
(動きが単調だ!!)
そのとき。
「焦るな!!キープ!!」
宮城が叫んだ。
「!!」
(宮城先輩!)
『クル。』
白田はリングを背後に回転した。
その瞬間。
宮城と柳が、白田目指して、走りこむ。
「シザースだ!!」
宮城の、柳のスピードが、山岡と上杉を振り切った。
「こっちだ!」
「白田!」
宮城と柳がほぼ同時に白田の横を通過する。
白田が小刻みに動く。
(どっちだ!?)
黒川に混乱が生じた。
『キュッ!』
「!!!」
『ダム!!』
「ちぃ!白田か!!」
パスをせず、黒川の横をドリブルで抜ける白田。
「いけーー!白田!!」
「決めろ!!」
宮城と柳が叫んだ。
(宮城先輩と柳が作ってくれたこのチャンス!必ず決める!!)
「うぉぉぉーー!!」
「打たせない!!」
白田がボースダンクの構え。
(俺が流れを引き寄せる!!!)
黒川が白田の後ろから、ブロックを狙う。
(白田を止めれば、勝負は決まる!!!)
(ぬ!高い!)
『バチィーーーン!!!』
(しまった!!!)
黒川は、目測を誤り、白田の両腕を激しく叩いてしまった。
「ぐわぁ!!」
『ドンッ!!!』
その衝撃から、白田は、空中で大きく回転し、肩からコートに叩き落ちた。
白田の手からは、ボールが転がる。
「ハクタス!!!」
「白田!!!」
「黒坊主!!てめー!!」
「やめろ!花道!」
湘北メンバーが大きな声を出す。
「だっ大丈夫です。」
白田は静かに立ち上がる。
『ピィーーー!!』
「アンスポーツマンライク・ファウル!!青!!#12!!」
審判が、黒川に手を上げさせる。
「アンスポだーーー!!」
「ツースロープラス湘北ボール!!」
「一気に得点差を縮めるチャンスだーー!!」
「だが、白田は大丈夫か!?」
「肩からもろに落ちたぞ!!!」
「厳しすぎねぇか!!」
「いや、やりすぎ感は否めない!!」
「白田・・・。」
苦痛に顔をゆがめる白田に話しかける黒川。
「俺なら、大丈夫だ。せっかくの俺の見せ場が、なくなっちまったのは残念だったけどな。」
「すっすまん。」
深く頭を下げる黒川。
(焦っていたのは、俺のほうだったのか・・・。)
「白田君。黒川が申し訳ない。」
仙道も頭を下げた。
「仙道さん・・・。問題ないですから。」
「すまん。春風。」
「白田はそんなに柔じゃないから、心配するな。大蔵。」
「あぁ。ありがとう。」
柳は、黒川の腰を軽く叩いた。
「大丈夫か!?フリースローは打てそうか?」
と心配そうに宮城が話しかける。
「右肩に少し痛みが走っていますが、なんとか打てると思います・・・。」
白田は、額に汗を流しながら、言った。
「ツースロー!」
審判からボールが渡される。
『ダムダム。』
2回ほど、ボールをつく。
(ドリブルは平気だ。)
シュートの構え。
『ピキーン!』
(ぐっ!)
右肩に激痛が走る。
『シュ!!』
ボールは緩やかに回転しているが、明らかに弾道が低い。
『ダン!』
『ダンダンダン・・・。』
ボールはリングに触れることなく、コートに落下した。
「ハクタス!!」
「やっぱり、打てない!!」
「これは重症だ!!」
「ここで、白田君が抜けると湘北は一気に崩れる可能性があるわね。」
と記者席の弥生。
「つうぅ!」
あまりの痛さに、右肩を押さえる白田。
苦痛で顔を歪める。
「ハクタス!!」
「白田、大丈夫か!?」
「だっ大丈夫です。なっなんともありません。」
白田は、気丈に振舞った。
湘北ベンチでは、角田がアップしている。
(ここで、白田が抜けるのは痛いが、この状態じゃ仕方ねぇ。9点差・・・。くそっ!)
宮城も焦りを感じていた。
「交代しますか?」
審判が白田に一声かけたが、大きく首を振った。
「このシュートが終わったら、交代だ。」
宮城がそっと白田の腰に触れた。
「・・・。」
『ダム!』
一回ドリブルをし、呼吸を整える。
(まともにシュートが打てない・・・。)
白田がシュート体勢。
「あっ!!!」
「まじかよ!!」
白田は、左手1本で構えた。
「左手で打つ気か!!」
「届くのか!!」
(入れる自信はないけど、可能性はある!)
『シュ!』
白田は、膝をうまく使い、左手1本のシュートを放った。
陵南 84
湘北 75
続く。