うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#230 【全てで感じろ】

2009-11-24 | #09 湘北 県予選編
陵南 79
湘北 75




第3Q残り27秒、ボールは・・・。



上杉が拾い上げていた。




「福田が流川をブロックしたーーー!!!」

「陵南の3連続ブロック!!!」

「すげーーー!!!!」

「フクダ!フクダ!」




(最悪でも1本。)

宮城の、湘北の願いは虚しく、陵南に阻まれる。


柳のレイアップをブロックした黒川。


桜木のジャンプシュートをブロックした仙道。


そして、流川のワンハンドダンクをブロックした福田。



「うぉぉぉぉぉーー!!!」

福田が吼えた。


(にゃろー!!)

と流川。


「フク助!よくやった!!ではなーーい!!」

と桜木。


「空斗!!」

仙道がボールを呼ぶ。

攻守の切り替えが速い。


「戻れーー!!」

宮城が叫ぶ。



流川は、ゴール下にいる。


(ちっ!)



『バス!』


フリーの仙道にボールが渡る。




「陵南のアーリーオフェンス!!」

「仙道が速攻だ!!」




「センドー!!待ちやがれーー!!」

必死に追いかける桜木。


宮城、柳も後を追う。

その後ろを、山岡、上杉の陵南ウィングが駆け上がる。


ハーフライン。


桜木が仙道に追いついた。


「追いついたぜ!!」

仙道はドリブルを緩めない。

桜木は、ただ並走するのみ。


3Pライン。


『キュ!』


仙道が急ストップ。


『キュ!』


桜木も急ストップ。


そして、一瞬にして、仙道の前に回り込んだ。


「打たせん!」


「ふっ。打たねぇよ。」


「なにぃ!!」


仙道は、ボールを優しく、左に放る。

絶妙なタイミングで受け取ったのは、山岡。


「ナイスパスっす!」


「じゃねぇーよ!!」


山岡の前に、今度は宮城が立ちはだかった。


「!!」


前に踏み込む山岡。

宮城も構えた。



『ダム!』



「なっ!!!」


山岡は、ワンドリで一歩後ろへ。

3Pラインの外に出た。



「入れーーー!!!」


「しまったーー!!!」


逆を付かれた宮城は、詰めることが出来ない。



『シュ!』


アーチの高い3Pシュート。


審判が3本の指を上げる。




「いいアーチだな。」

と三井がつぶやく。


「あのフォーム、三井サンに似てるっすね。」

と水戸。




ボールの軌道を確かめ、リバウンドに向かう桜木。


だが。



『シュパ!!』


ボールは、リングの真下に落ちた。




「拓真ーーー!!!」

「入ったーーー!!!!」

「仙道さんはなんであんなパスができるんやーー!!!アンビリーバブルやーー!!」

彦一の興奮は、最高潮に達していた。


「よし!!いいぞ!!山岡ぁ!!!」

と田岡も山岡のビッグプレーに叫ぶ。




「3Pーーー!!」

「第3Q終了間際に、デカイ追加点だーーー!!!」

「7点差!!!」

「陵南が引き離したぞーー!!!」




「しびれるパスっすね。」

と山岡。

「ふっ。」

と軽く笑う仙道。


「センドー!!勝負しやがれ!!!」

「してやるよ。俺たちが勝ったあと、たっぷりな。」

「なにをーー!!」


「バカ!花道!早く出せ!!!」

宮城のドリブルがハーフラインを超えたとき、第3Q終了のブザーが無常にもなった。



陵南 82
湘北 75




2分間のインターバル。


「いいぞ!山岡!!」

「ナイッシュ!!拓真!!」

陵南ベンチが、山岡の3Pを称える。


「仙道。お疲れ。」


『コクッ。』

仙道は、植草から渡されたスポドリを軽く飲んだ。


(7点差か・・・。安全圏とはいえないな・・・。あいつがいるし。)


「さすが、フクさんや!!」

「福田先輩、最高です!!」

(もっと、褒めてくれ・・・。)


「福田!ナイスブロックだ!!第4Qも、その調子でいってこい!!」

「おう!!」

田岡が続ける。

「10点差だ。開始2分で10点差をつけろ!湘北の精神力を折るのだ!!」

「はい!!」




一方、湘北ベンチ。


(センドーのやつ、後ろを見てもないのに、なぜあいつが走っているのがわかった??)

流川は、仙道の視野の広さの秘密をさぐっていた。


『ドガドガ!!』

「おのれ!!センドーのやろー!!」

大きな音を立てて、歩く桜木の声は荒い。


「さすがに3本連続のブロックはいてーな。」

と宮城。


「・・・。」

(大蔵のやつ。)

柳は無言。


(俺が、もっといいポジションにいれば。)

と白田。


(なぜだ?)

流川は必死に考えていた。


重苦しい湘北ベンチ。

安西が口を開く。

「さすが、夏の全国覇者ですね。素晴らしい身体能力、そして、素晴らしいチームワークです。」

無言で聞く湘北メンバー。

「ですが、みんなも負けず劣らぬの能力を持っていると思っています。
それを全て出し切れるかどうかは、あなたたち次第です。
残り10分。全神経を集中させて、挑んでください。わかりましたね?」

「はい!!」


「流川君。」

「・・・うす。」

「全てで感じること。これが一番重要なことです。」

「全てで・・・感じる・・・。」

と流川。


(全てで感じる?天才の第七感というやつか。)

桜木も同様、安西の言葉が、脳裏に焼きついていた。








続く。