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地球温暖化懐疑論は本当か

2012-08-12 16:58:30 | インポート
 今年の夏は大方の予想どうり暑くなった。また地域的、局地的な集中豪雨や、大型の台風も5月ぐらいから、頻発している。やはり地球温暖化は確実に地球を蝕んできているのかと不安に襲われる。今年の日本は原子力発電所の稼動問題も絡んで、国を挙げての節電問題が大きな問題となっている。地球温暖化の進行により、従来の経験を超えたような高温、気温に日本中が見舞われるとするならば、電力の消費量も上昇し、それがまた温暖化を加速するという悪循環に陥る。まさに緊急の課題なのだ。

 ところで、この2~3年で”地球温暖化懐疑論”がいろいろのところで騒がれ始めている。その第1の原因とも思われるのが、温暖化最大の科学的根拠である、2007年の11月17日にスペインのバレンシアで開催されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次統合報告書らしいのである。なぜ、そんなことになったのかだが、21世紀の地球にとって最も深刻な問題である温暖化について、少し考え直してみたい。
 
 少し前の新聞を引っ張り出して調べてみると、おおよその内容は次のようなものだ。このとき発表されたIPCCの第4次報告書の中に、科学的根拠のあまりない資料を基に作成されたものが明らかにされ「ヒマラヤの氷河は2035年までに消滅する」とか「アマゾンの熱帯雨林の40%は破壊される」といった温暖化に関する定説のような話しに疑問が持たれ始めたこと。また報告書の起草者の1人だった米国アラバマ大学の教授の1人が、IPCCが集めた世界中の気温のデータの中には、エアコンの前で観測したり、ジェット機の噴射を浴びる場所に温度計を置いて図っていたことを指摘、データの信頼性に疑問を投げかけたこと。そして09年には同じくIPCCの研究に参加していた英国の科学者が、報告書の中にあった「20世紀半ば以降観測された世界平均気温の上昇のほとんどは人為起源の温室効果ガスの大気中濃度の増加によってもたらされた可能性が高い」ということを裏付けようと強調するためか、英気象庁のデータを改ざんしていた疑惑などが明らかになり、地球温暖化の科学的根拠として最も信頼性があると思われていた、IPCCの報告書の信憑性がにわかに、ぐらつき始めたらしいのである。

 しかしこのことだけを持って地球温暖化が荒唐無稽の作り話だったと決め付けるのはあまりにも早計というべきだ。IPCCがきちんと組織された国際機関とはいえ、様々な事情からしのぎをけづる各国の思惑や特定の国の政治的影響力も大いに考えられる。データの捏造とまで行かなくとも”脚色”して発表するという可能性は大いに考えられる。つまるところ、そうすることによって誰が、またはどの国、企業が得をするのかということではないのか?

 たとえば単純に考えてみると、”地球温暖化は嘘っぱち”だとしたら成り立たないビジネスとして、「二酸化炭素の排出権取引」というのがある。温暖化の原因といわれる二酸化炭素の排出権を資本主義的に取引するというのは、余計に二酸化炭素を出すことを要求されるようで、二酸化炭素まで”商品化”するのかと恐れ入ってしまう。
 しかしよく見てみるとこの「二酸化炭素の排出権取引」というのは案外、理にかなっている側面もあるのである。簡単に言うと、二酸化炭素は生産活動をするうえで意識的に出すのではなく、必然的に出るものだからそれを、国家が二酸化炭素排出削減目標を決めて、企業の大きさに応じて排出権を設け、それを個別の企業に割り振ることになる。”排出権”という商品を作ることにより、個別の企業に削減目標を義務付け、排出枠という権利と使い合わせて、それこそ市場で競争してもらい、そのことが最終的には国家的な削減目標の達成につながるというわけである。この点を考えると、嘘でも地球は温暖化しているとしていたほうがいいのではないか?

 ひねくれず普通に考えれば「地球温暖化懐疑論」が本当だとしたら、大国や大企業は二酸化炭素の排出に気をとがめることなく、大量の電力を使い、いっそうの生産活動に励むかもしれないから、一時的には利潤が増大するかもしれない。しかし市場というのはそう、単純ではない。物を作りすぎれば、当然のごとく需給関係により、供給過剰となって値くずれして利益が上がらなくなる。文字どうり市場の機能が効いてくるわけだ。そして景気が悪くなり、そのしわよせは、末端の労働者に及ぶのではないか。最終的な商品の消費者でもある労働者にお金が回らなければ大企業にとっても都合が悪いことになる。これでは地球温暖化懐疑論が本当だと言いふらしているのが一部の大国や大企業だとしても、長いスタンスで見れば本末転倒で何にもならないと思うのだが。
 
 ”2007年11月のIPCC第4次報告”に多少の疑いがあったとしても、その後も、地球全体で日本で、異常気象が増え続けている。最近でも7月に九州地方が”かってなかったような”豪雨に見舞われたり、世界でもグリーンランドの氷床のかなりの部分が溶けてなくなったり、米国中西部の穀倉地帯で大干ばつが起きたりと、IPCCの第4次報告書で言われたようなことが現実になっていることも多い。やはり地球温暖化は叙序にではあるが、悪化してきていると見ていたほうがいいのではないか?