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温暖化、寒波そして地震

2012-03-17 08:11:36 | インポート

 地球温暖化が言われて久しいが、今年(2012冬)は近年になく寒かったような気がする。日本の夏の気温は多少の変動はあるものの、年々、上昇している。しかし、調べてみると世界の平均気温はここ10年に限ってみるとやや右肩下がりで下がっているという。最近では研究者や専門家の中にも地球は温暖化ではなく、逆に”ミニ氷河期”に向かっているのだ、という人も出てきている。

 この10年で見てみると12月から2月の平均気温が最も高かったのは、06から07年にかけてだった。この年は暖冬に合わせて「エルニーニョ現象」が発生。82~83年、97~98年も比較的規模の大きい「エルニーニョ現象」が発生している。この年も暖冬で、夏になると、梅雨前線の活動が盛んで梅雨期間が長くなり、集中豪雨が多かった。「エルニーニョ」とか「ラニーニャ」という気象現象は日本でもここ十数年でずいぶんとポピュラーになったが、もう一度、整理してみたい。

 まず「エルニーニョ」だが、これは赤道太平洋付近の東半分で海面水温が普段より、3、4度近く高くなる現象。これに対して「ラニーニャ」は赤道太平洋域東部の海面水温が低くなる現象である。ミクロ(短期的)で見ると今年の、近年になかった厳しい寒さの原因の1つがこのラニーニャらしい。また北半球の上空を流れる2つの偏西風、中高緯度帯を流れる「寒帯前線ジェット」と低緯度を流れる「亜熱帯ジェット」が蛇行しており、特に亜熱帯ジェット気流が日本付近で南へ蛇行したためユーラシア大陸の寒気がより流れ込みやすくなった。気象庁も蛇行するのは「ラニーニャ現象」の影響で、ある程度は予想していたらしいが、寒帯前線ジェット気流の蛇行は気象庁でも予想外のことらしい。(絵でお見せできないのが残念)またこういった流れが逆転し、交互に北に上がったり、南へ下がったりすることもあるらしい。こういった気象現象は「北極振動」と呼ばれている。これも今年の大寒波の大きな原因のひとつだということだ。

 エルニーニョやラニーニャ現象と地球的規模の気候変動は、どのような関係があるのか?このことは専門家がコンピューターを使ったシミュレーションによっても、まだはっきりわかっていない。ただここ数十年のデータを見る限りにおいては、日本ではエルニーニョが起きる年は暖冬傾向で梅雨が長引き、集中豪雨が発生しやすくなり、ラニーニャが起きた年は猛暑と激しい寒波をもたらすことが多いようなのである。

 ラニーニャやエルニーニョ現象が気候の変動に大きな影響を与えるのは確かだと思うが、地球温暖化との関係もまだよくわかっていない。はたしてそれが発生の呼び水になるのか?そしてミニ寒冷化に関して、海洋研究開発機構というところから最近、興味深い研究内容が発表された。それは地球温暖化で北極海の海氷が減少すると、北極海の一部のバレンツ海あたりで海氷面積が少なくなり海面水温が低下して低気圧が例年より北を進み、逆にシベリア高気圧が北極海沿岸まで拡大し、例年より強い寒気ができる結果、日本に厳しい寒さをもたらすのだという。

 ミニ寒冷化の原因として考えられる、もう1つの大きな可能性が太陽活動そのものの変化である。その1つの根拠として太陽の黒点活動があげられる。黒点活動が多いときは太陽の活動が活発になり、少ないときは不活発になるというものである。今年に入ってから黒点の数が少なくなっており、その点からすると太陽活動が低調らしい。

 1月24日、米海洋大気局(NOAA)の宇宙天気予報センターが大規模な太陽フレアー(太陽表面の爆発現象)が発生し、電波通信などに影響を与える可能性があると発表した。実際、太陽フレアは1月22日に発生。放射線や微粒子、プラズマを地球の方向に噴出した。こういった放射線やプラズマは8分で地球に到達し、地球磁場を乱し通信障害や発電所などに大きな影響を及ぼす可能性がある。実際、1989.3月13日にはカナダのケベック州で太陽フレアーのプラズマにより、磁気嵐が発生。発電所が停止して600万人の人が9時間近くにわたり影響を受けるという事件が起きている。こういった現象は「デリンジャー現象」と呼ばれているが、フレアーの発生を考えると太陽発動は盛んなようにも見える。しかし前述したように、太陽黒点の数が少なくなっていることから考えると、わが太陽はやや、元気がなさそうにも感じるのである。果たして我が太陽は元気なのかそうではないのか。

 また太陽活動の活発化が地球の地震活動に、間接的な影響を及ぼすことは考えられないだろうか?直接的な影響はさすがにないと思われるが、すべての自然現象や気象現象は宇宙的な視野で捉えないといけないのではないか?太陽フレアーやそもそも太陽に関してもまだ、わかっていないことは多い。

 大地震の前兆として、電磁波や大気イオン濃度の変化、発光現象などが知られていることは以前、書いたが実際、今回の東日本大震災でも発生直前に震源域の上空で”電子の数”が通常より増えていたことが確認されている。ここからはまったくの素人考えだが、太陽フレアーなどによる太陽からの膨大な電磁波や太陽自体の重力などが間接的に少しずつ、地球の内部活動に影響を与えてはいないだろうか?

温暖化と寒波というのは一見、矛盾しているようだが、地震活動なども含めた宇宙的な観点からトータルな気象変動研究を進めてほしい。