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ビッグバン

2008-03-20 13:41:01 | インポート

Universe_expansion 宇宙の始まりを「ビッグバン」というがこれは、英国の天文学者フレッド・ボイルによって名づけられた。日本の金融業界は10年ぐらい前、自らの業界の大変革をこの天文学上の「ビッグバン」になぞらえて同じ名前で盛んに吹聴していた。金融業界の垣根を低くして、それまで証券会社でしか売れなかった株や債権を銀行などでも販売できるようにしたり、簡単に言えば銀行や証券会社の相互乗り入れを促進して競争を強めようということだろう。その頃、それと関係があるかわからないが円のレートも80円を切って79円をつけたのを覚えている。世間ではここのところ円レートが100円を超えて「円高円高」と大騒ぎだが、すでに現在の水準をはるかに越える円高をわれわれは経験しているのだ。通貨というのはその国の総合力の表れといわれるが、短期的には為替レートというのは各国の金利差によって決まってくる。経済に元気があって金利水準が高ければその国の通貨は買われ、為替レートは上昇する。だからその方程式に従えば、現在の日本は円高ではなく逆に円安になるはずなのだが?政府の発表では景気はいいという。だが普通の生活者の実感としては懐具合がよくなっているとはとても思えない。金利も相変わらずの超低金利で一般の人はどうやってお金を運用すればいいのか困っている。1億円のお金をたんす預金しておくわけにもいかない。(そういう人はあまり多くはないと思うが)どう考えても円安になっておかしくない。なのに円高である。考えてみればおかしな話だ。経済にあまり明るくない人は為替相場が円高に大きく動くと、株も暴落するから、円高=悪と考える人も多い。日本は経済構造の大きな部分を輸出に依存している国だから、輸出比率の高い企業にとって確かに円高は好ましいことではない。だからそういう企業の株価は円高になると大きく値下がりする。反面、円高になると外国から物を安く買えるというメリットもある。しかし今、話題のガソリンをはじめ、食用油やカップめん、味噌、しょうゆなど生活に欠かせないものがどんどん値上がりしている。為替だけで物価が決まるわけではないが、株価は下がる、物価は上がるでは確かに踏んだりけったりだろう。どうやら今の経済は従来の常識が通用しなくなってきているらしい。「ビッグバン」も業界主体のそれでなく、われわれがもっと豊かさを実感できるような「新ビッグバン」を起こさないとだめである。そもそも権力者や大資本が宇宙やカタカナ用語を多用するときは注意したい。生活者にとっては夢を売る様な振りをして、いつの間にか不利益をこうむっていることも多い。 宇宙的視野という物の見方がますます重要になってくると考えているが足元はしっかりと固めておきたい。