エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

法用寺にサクラを見る

2007-05-09 | 街中散歩
             【法用寺 三重の塔】

2007.4.30入院前日に)

 昨日体調が戻り、3日ぶりに庭に出た。すっかり新緑の春になった。
ラックと散歩もできずに、庭に出るのも3日ぶりだった。気分転換に、娘の運転で、おわりの桜をたのしみに出かけた。美里町米沢の千歳桜から高田の法用寺にある虎の尾桜を鑑賞した。虎の尾桜は満開で、その花のもとでのどかな野点茶会がおこなわれていた。
 しばらく屋根の葺き替え中だった3重の塔も全容を表し、落ち着いた桜の花に美しく建っていた。数百年続いているのであろうこのたたずまいは、ひときは趣を感じるもので、しばらく幸せな時間が流れた。
 また、3重の塔の奥には石川啄木の歌碑があった。
     「敵として憎みし友とやや長く手をば握りきわかれといふに」
     「あらそひていたく憎みて別れたる友をなつかしく思ふ日も来ぬ」
 二人の悲しい人間関係を思った。多分この二人の諍いも悲しい啄木の心からのものもあったのだろう。啄木の境遇の辛さを切なさを思い胸が詰まった。



 小さな山門をくぐる。新しく編まれた縄の蛇が下がっている。「蛇のお年始」は有名な年中行事だ。左右の金剛力士像は色あせた大きな写真パネルが立てかけてあった。

見上げると本堂前に満開の虎の尾桜が美しかった。(虎の尾桜は何代目かの大木で、花の中から花弁が突き出した珍種。東側に低く張り出た樹幹を虎が横たわる姿にたとえたとする説と、重弁になる花からおしべが弁化して細く立つ旗弁の形を虎の尾と見立てたとする説がある。)

             【虎の尾桜】


帰路、門田飯寺の武蔵亭二丸亭で蕎麦を食べた。美味しかった。数日間食欲もなかったが、あっという間に蕎麦をざる一つすすり、妻に「食べられれよかったね。」と言われ胸が詰まってしまった。食べっぷりに安心したのだろう。元気を取り戻さななければと思った。そしてどんなに感謝しても感謝仕切れない気持ちを心に留めた。みんなありがとう。
 会津で何軒か、美味しいと思うそば屋の一軒だ。 
                    

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