人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭3日目(6日)公演その2~ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」,同「ピアノ三重奏曲”大公”」,チャイコフスキー「くるみ割り人形」組曲

2017年05月07日 08時50分05秒 | 日記

7日(日)その2.よい子は「その1」から見てね.モコタロはそっちに出演しています

昨日は東京国際フォーラムで開かれた「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭2017」の最終日でした

 

       

 

午後4時30分からホールAで公演番号314のコンサートを聴きました プログラムはベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」です 演奏はヴァイオリン=オリヴィエ・シャルリエ,ディナ・ジルベール指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアです

自席は1階15列31番,センターブロック左から3つ目です

指揮台に上がったディナ・ジルベールはポニーテールの小柄な女性指揮者でした 思わず三ツ橋敬子を思い浮かべました

ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」はティンパ二の連打で開始されるユニークな曲です 交響曲ではブラームスの第1番がティンパ二の連打で開始されますね 1806年に作曲されたベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲は3つの楽章から成ります

ティンパ二とオケに先導されてシャルリエのヴァイオリンが入ってきます.美しくも力強い演奏が展開されます 第1楽章と第3楽章におけるカデンツァは見事のひと言でした ジルベールの指揮はキビキビしていて好感が持てます.堂々たる演奏でした

 

       

 

次いで,午後5時45分からホールB7で公演番号325のコンサートを聴きました プログラムはベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第7番”大公”」です 演奏はヴァイオリン=テディ・パパヴラミ,チェロ=グザヴィエ・フィリップ,ピアノ=フレデリック・ギィです

自席は3列44番,3列とはいえ,右ブロックでは最前列でしかも右端の席です ステージが近くて遠い席です.3人の演奏者が登場します.このトリオは1日目のベートーヴェン「トリプル・コンチェルト」を演奏したメンバーです よい印象があったので期待が膨らみます

この曲が「大公」という愛称で呼ばれているのは,ベートーヴェンの友人であり,パトロンであったルドルフ大公に献呈されたことに由来します

座席が前過ぎ,右過ぎて,音楽鑑賞には辛いところがありましたが,三人の演奏は「大公」に相応しい,気品に溢れた堂々たるものでした

 

       

 

最後に聴いたのは,午後7時半からホールB7で開かれた公演番号326のコンサートです プログラムはチャイコフスキーの①ワルツ嬰ヘ短調,②ワルツ・スケルツォ第1番,③ドゥムカ,④「くるみ割り人形」から8曲です 演奏は第12回チャイコフスキー国際コンクール第1位の上原彩子です

自席は1列33番,右ブロック最前列の左から3つ目です 上原彩子がピンクの衣装で登場し,演奏に入ります.最初にワルツ嬰ヘ短調,ワルツ・スケルツォ第1番,ドゥムカが続けて演奏されました ドゥムカで,演奏が終わったと勘違いした聴衆が拍手をしましたが,上原は余裕で最後の1音を鳴らし決着を付けました

2曲目はチャイコフスキー「くるみ割り人形」から8曲を取り上げ,プレトニョフと上原彩子が編曲したものです 1.序曲,2.クララとくるみ割り人形,3.戦闘,4.間奏曲,5.スペインの踊り,6.中国の踊り,7.トレパック,8.花のワルツから成ります

いずれもバレエのシーンが頭に浮かぶような演奏でしたが,圧倒されたのは最後に演奏された「花のワルツ」です 上原彩子自身の編曲によるものですが,同じ花でも,まるで大倫の花火が夜空に咲いたかのようなダイナミックな演奏でした

会場一杯の拍手とブラボーがステージに押し寄せました 上原はアンコールに,時間の関係でプログラムに入れられなかったパパドゥ(プレトニョフ編)を演奏し,コンサートを締めくくりました

これをもって,私にとっての今年のラ・フォル・ジュルネが終わりました 若干寂しい気持ちがありますが,それ以前にとても疲れました 取りあえず,今日はコンサートにも映画にも行きません 週末のルーティーン=アイロンがけと部屋中の掃除をしてから新宿に行きます

 

        

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ラ・フォル・ジュルネ音楽祭3日目(6日)公演その1~ブラームス「ピアノ四重奏曲」,チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」,ショパン「マズルカ」,ストラヴィンスキー「イタリア組曲」

2017年05月07日 08時09分17秒 | 日記

7日(日)その1.わが家に来てから今日で949日目を迎え,ご主人と同じようにお疲れ気味のモコタロです

 

       

 

                     

 

昨日,東京国際フォーラムで開かれている「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」最終日のコンサートのうち次の7公演を聴きました

①公演番号321(ホールB7,10:00~10:45)

②公演番号312(ホールA,12:15~13:00)

③公演番号353(ホールD7,13:45~14:30)

④公演番号364(G409,15:15~16:00)

⑤公演番号314(ホールA,16:30~17:15)

⑥公演番号325(ホールB7,17:45~18:30)

⑦公演番号326(ホールB7,19:30~20:15)

ここでは①②③④について書くことにします

 

       

 

最初に聴いたのは午前10時からホールB7で開かれた公演番号321のコンサートです プログラムは①ハイドン「ピアノ三重奏曲第25番ト長調”ジプシー・ロンド”」,②ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」です 演奏はヴァイオリン=オリヴィエ・シャルリエ,ヴィオラ=豊嶋泰嗣,チェロ=アレクサンドル・クニャーゼフ,ピアノ=アレクセイ・ヴォロディンです

自席は12列19番,センターブロック中央席です.シャルリエ,クニャーゼフ,ヴォロディンの3人が登場します 1曲目はハイドンの「ピアノ三重奏曲第25番ト長調”ジプシー・ロンド”」です 3つの楽章から成りますが,この作品が「ジプシー・ロンド」という愛称で呼ばれるのは,第3楽章がハンガリー民族舞踏「チャールダーシュ」を想起させるロンドで書かれているからです

演奏を聴く限り,ハイドンらしい明るく明朗な曲想で,同じ時期に書かれた「驚愕」「軍隊」「ロンドン」等の交響曲のように充実しています とくに第3楽章「プレスト」でのヴォロディンのピアノ演奏には目覚ましいものがありました

新日本フィルのソロ・コンマス豊嶋泰嗣がヴィオラ奏者として加わり,2曲目のブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」の演奏に入ります この曲は若きブラームスの傑作で,4つの楽章から成りますが,第4楽章は「ジプシー風ロンド」と記されています どうやら1曲目のハイドンとの関連性を持たせたプログラミングのようです

これは凄い演奏でした それぞれの役割を最大限に発揮して「名曲名演奏」を打ち立てました とくに第4楽章「プレスト」におけるピアノと弦楽器の,あるいは弦楽器同士の丁々発止のやり取りは聴きごたえがあり,熱演が繰り広げられました

いつまでも鳴りやまない拍手とブラボーに,4人は第4楽章をもう一度演奏し,さらに大きな拍手を浴びました 

この結果,10時開演⇒10時45分終演(45分)の予定が,11時15分終演(75分)と30分も延長されることになりましたが,誰も文句を言う人はいなかった,と思います

 

       

 

2番目に聴いたのは午後12時15分からホールAで開かれた公演番号312のコンサートです プログラムは①チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」,②ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」から「序曲」「ポルカ」「ダンス」です 演奏はヴァイオリン=テディ・パパヴラミ,ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルです

自席は1階16列56番,右ブロック左通路側です.わかり易く言えば,コントラバスの延長線上の位置です

テディ・パパヴラミが指揮者リスとともに登場しチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の演奏に入ります 1727年製ストラディヴァリウスの美しい音色が会場の隅々まで沁みわたります この曲は3つの楽章から成りますが,案じていたとおり,第1楽章が終わった時点で拍手が起こりました 5000人規模の大ホールなので,いろいろなお客さんがいます

パパヴラミはリス+ウラル・フィルのしっかりしたサポートのもと,躍動感あふれる演奏を展開し聴衆を魅了しました カデンツァも見事でした

管楽器が追加され,オーケストラだけで2曲目のショスタコーヴィチ「バレエ『黄金時代』」から序曲,ポルカ,ダンスの演奏に入ります 「黄金時代」は若き日のショスタコーヴィチの作品で,内容は「ソ連のサッカーチームが資本主義国の博覧会に派遣され,友情あり陰謀あり,最後には労働者の勝利がもたらされる」というものだそうです

いずれもショスタコーヴィチらしい諧謔的な音楽のオンパレードで,聴いていて飽きません 金管楽器と打楽器が大活躍するところは大衆受けするでしょう リスはいつものようにダイナミックな指揮でロシアのオケの底力を見せつけました

 

       

 

3番目に聴いたのは午後1時45分からホールD7で開かれた公演番号353のコンサートです プログラムは①ショパン「4つのマズルカ」,②アントン・ルビンシュテイン「ワルツ・カプリース」,③スクリャービン「10のマズルカ」から第1番,第2番,第4番,第7番,④ショパン「ワルツ  イ短調」「ワルツ  変イ長調”大円舞曲”」「子犬のワルツ」「ワルツ嬰ハ短調」です 演奏は1985年のショパン国際コンクール第2位のマルク・ラフォレです

自席はB列3番,左ブロック左から3つ目です

かつてのフランスのピアノの貴公子も,さすがに歳をとりました しかし,演奏は衰えていません.躍動感あふれる演奏を展開します スクリャービンのマズルカが終わり,「ワルツ イ短調」の演奏に入ろうとした時,会場の後方で幼児の大きな声が聞こえて,その直後,椅子が倒れる大きな音がしました ラフォレは演奏に入れません.すると,ドタドタと大きな音をさせて幼児を抱いた父親が会場を出ていきました

公演プログラムにはコマごとに対象年齢が表示されています.「0歳以上」「3歳以上」「6歳以上」の3通りで,「0歳以上」は3日間ともホールA(5008席)で午前10時から開かれる「0歳からのコンサート」だけで,「3歳以上」は各会場の午後7時前に終わるコンサート,「6歳以上」は午後7時過ぎまで続くコンサートです

この区分によるとこのラフォレの公演は「3歳以上」が対象です さて,問題のお子さんは本当に3歳以上だったのでしょうか? 非常に疑問です.会場のホールD7は221席しかないので,例外なく抽選で当選した人だけが2,600円のチケット代を払って聴いていることになります.これが無料のコンサートだったら誰も文句は言わないでしょうが(この際,演奏者は別にして),お金を払ってまで不愉快な思いをする筋合いはありません 今回は明らかに演奏者を含めて不愉快な思いをさせています.主催者側は「3歳」という区切りが妥当かどうかも含めて対応策を検討し直した方が良いと思います

会場に静けさが戻り,ラフォレの演奏が再開されました ショパンのワルツが続きましたが,さすがにショパンコンクールで名を馳せたアーティストだけあって,軽やかに演奏します

ラフォレはアンコールにショパンの「エコセーズ」を演奏し,コンサートを締めくくりました

 

       

 

4番目に聴いたのは午後3時15分からG409で開かれた公演番号364のコンサートです プログラムは①シューベルト「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第3番ト短調」,②モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第21番ホ短調K.304」,③ストラヴィンスキー:イタリア組曲(バレエ「プルチネルラ」から)です 演奏はヴァイオリン=梁美沙(ヤン・ミサ),ピアノ=広瀬悦子です

自席は4列16番,センターブロック左から4つ目です ステージに向かって左側に聴衆の出入り口がある関係で,演奏者は右側から登場します

1曲目のシューベルト「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第3番ト短調」は19歳の時の作品です 4つの楽章から成りますが,シューベルトらしい歌心に満ちた曲想です このG409という部屋は153席しかない天井の低い会場なので,それぞれの席が演奏者に近いというインチメートな雰囲気がある反面,残響時間が極めて短いという欠点があります したがって,梁美沙のヴァイオリンがあまり美しく響きません.これは彼女のせいではないでしょう

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第21番ホ短調K304」です 2日前にシャルリエ+ケフェレックのコンビでこの曲を聴いたばかりです この曲では梁美沙によるメリハリのある演奏が光りました

二人の本領が発揮されたのは,3曲目のストラヴィンスキー「イタリア組曲」だったと思います この曲も,前日クニャーゼフのチェロとヴォロディンのピアノの演奏で聴いたばかりです.この曲はイタリアの古典的な仮面劇を題材としたバレエ音楽「プルチネッラ」をヴァイオリンとピアノのために編曲した6曲から成る組曲です

チェロと違い,ヴァイオリンによる先鋭的な演奏が聴けます 梁美沙と広瀬悦子にとっては,目先がくるくる変わるストラヴィンスキーのこの曲の方が合っているようで,生き生きと演奏していました

さて,最後にまたまたどうでもいいことを書きます.サスペンダー爺さんまたしても現わる,です

いつものように開演直前に来場し,珍しくセンターブロックの最後列の左端に座ったので,「初めて爺さんより前の席で聴けるなんて感激だな」と思いました.大きな拍手の中,舞台右手から二人の演奏家が中央に向かって歩いてきたその時です.爺さんが立ち上がり,荷物をその席に置いたまま,いそいそと右ブロックの最前列右側まで歩いて行ったのです 当然,ピアノの前辺りで,歩いてきた二人の女性奏者とすれ違う形になりました.聴衆は図らずも二人と爺さんに拍手をしているような形になりました

私にはこういう神経が理解できません.爺さんは最初から2つの席を確保していたか,あるいは,入場した時に右ブロックの最前列右側の席が空いているのに気が付いて,開演時間になっても誰も座らないので,急にそこに移動したかのどちらかです どちらにしても,どう考えても,タイミングとしては何としても目立ちたいという意識が強く働いていることは疑いようがありません これほど自己顕示欲が強く承認欲求が底なしの人も珍しいと思います.「あんたは主役じゃないよ」と言いたいです

ということで,5番目以降に聴いた3公演については「その2」として書くことにします

 

       

                          この店 ラ・フォル・ジュルネに関係なく いつも長蛇の列が出来ている

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