大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

バーナンキFRB議長の米雇用にかかわる発言

2013年09月19日 | 日記

 9月18日、連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和をこれまでどおり継続すると発表した。記者会見で、バーナンキFRB議長はその理由として

1)雇用などに改善はみられるが、まだ十分な水準とはいいがたい

2)(現段階での)緩和縮小はまだ十分ではない経済や雇用の改善ペースをさらに遅くする危険がある、ことなどを挙げている。 

 

 なおバーナンキFRB議長の、米雇用にかかわる発言は次のような感じ。

 

・昨年の9月に現在の量的緩和(QE3)をはじめてから、失業率は8.1%から7.3%に下がったが、まだ人々が受け入れられる水準ではない。

 

長期失業(27週間以上の失業者:米定義)や不完全就業(おもにフルタイムで働きたいが、仕事がない等の理由でパートで働いている人)は高い水準にとどまっている。

 

・労働力率(働いているか仕事を探している人の割合)が、過去1年で0.3%減少した。高齢化の影響もあるが、仕事が見つからず仕事探しをやめた人が多いと考えられる。(こうした人は失業率にカウントされないため、現在の失業率は実態より良い数字になっている)

 

・したがって、(以前には、年内に量的緩和の見直しをはじめ、来年に失業率が7.0%になった時点で量的緩和を終了すると発言していたが)、失業率はそのままで量的緩和を見直す絶対的な(great)基準ではありえない。

 

・失業率は、2013年中は7.3-7.1%、それが2014年は6.8-6.4%まで低下し、2016年には5.9-5.4%まで低下すると予測している。(ゼロ金利は、少なくとも失業率が6.5%になるまでは継続)

 

・過去1年で、週の労働時間は2.4%増加したが、実質賃金(インフレを差し引いた時給)に変化は見られない。

 

 なお、いまならFRBのHPで、記者会見の動画および発言全文(PDF)がみられるので、関心のある人はどうぞ。



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