大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

ドイツ最大の労組IGメタル、子育て・介護中の週28時間労働を勝ち取る

2018年02月06日 | 日記

 2018年2月6日(火)、ドイツの労働組合IGメタルバーデン=ヴュルテンベルク州において、賃上げ子育て・介護中に週28時間労働を選択できる権利を勝ち取った。

 IGメタルは自動車など金属産業を組織するドイツ最大の労働組合(組合員約230万人)。

 ドイツでは1-2年ごとに16あるすべての州で産別組合と経営者団体が労使交渉をおこない、その産業に属するすべての企業に適用される賃金と労働条件を決定している。このように言うと日本やアメリカではびっくりされるが、イギリスを除く欧州の主要国は同様の仕組みを有しているところが多い。

 フィナンシャル・タイムズやドイッチェ・ベレによると今回、IGメタルと経営者団体(Südwestmetall employers' federation)は今後2年間について次のような内容で合意した。

(1)現在の週労働時間は35時間であるが、子育てや介護をする労働者に週28時間労働を選択する権利を与える。

(2)4月に4.8%の賃上げをおこなう。

(3)2018年第一四半期に100ユーロ(1.3万円:1ユーロ=130円で計算)、2019年に月収の27.5%プラス400ユーロ(5.2万円)ボーナスを支給する。ただし経済が悪化した場合は、支給を見送ることもある。

 フィナンシャル・タイムズはボーナスなどを合わせると、1年間の平均賃上げ率は3.35%になるとの分析を紹介している。

 今回の決定はバーデン=ヴュルテンベルク州(決定適用者90万人)でのものであるが、この後、ほかの州でも順次、同様の内容が決定されていく見込み(ドイツではそれが通例)。同州にはダイムラーやボッシュの本社がある。



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