大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

オバマ大統領、失業保険の改革目指す

2016年01月17日 | 日記

 アメリカの失業保険の仕組みは州によって異なる。ただ基本的には最長26週間(半年)、失業者が急増した場合はそれを52週間(1年)まで延長するというものが多い。ちなみにリーマンショック後には失業保険の受給期間が99週間(約2年)まで延長された。

 ところでWSJなどが報じるところによれば今週末、オバマ大統領は一般教書演説(1月12日)で述べた失業保険改革の具体的内容を明らかにした。そのおもな内容は次の通り。

 1)同じ仕事を3年以上続けている労働者が失業後に前の職場より賃金の低い仕事についた場合、その差額の半分を2年間補償する。補償の上限は2年間で1万ドル(120万円:1ドル=120円)。新しい賃金が年5万ドル(600万円)以下の労働者が対象となる。

 2)ワークシェアリング(景気後退期に解雇ではなく一人一人の労働時間を短くして雇用を守ること)がおこなわれた場合、労働時間短縮により手取りが減少した労働者に、失業保険からその一部の補償をおこなう。

 提案は、こうした制度設計をおこなった州に補助金を支給することで、その制度普及をおこなうというもの。なお、この実現には議会の承認が必要となる。



最新の画像もっと見る