歩みを止めてはならない

　今週は長かった。ようやく土曜日の夜、仕事を終えた。飲みにでも行きたいところであったが、歌の発作が起きた。どうしてもおもいっきり歌いたい。今週はほんとうに時間にも気持ちにも余裕がなく、長居でのライブ以来ギターも触っていなかったのだ。
　「今を歌え」はずいぶん形になってきた。「湖にて」や「誰のもの」、「占い師が教えてくれた」も少しずつ自分のものになってきている。僕の歌もそれなりに変化しているらしい。
　最近古くなったスーツがことごとく破れていき、とある百貨店にてアテンドさんの協力を得て、新たなスーツたちを買った。それを着ていると、仕事場でも気分がよい。
　古いコートのファスナーが壊れてしまった。とある友人がネットでダウンコートを注文してくれた。届いた新たなコートは体にぴったりであった。
　発声レッスンでは、今度は舌の下に割りばしををつっこんで歌うことにチャレンジしている。さらに口腔内を小さくして、横隔膜を使い、息や声を上に向かわせるための練習らしい。前回は頭蓋骨や副鼻腔に声が響いた感覚を少し得ることができた。
　昨年4月から週１回通ってきたマッサージの研修、現場で働いている施術者の方々からたくさんのことを教えていただいてきた。それも２月いっぱいで終了となる。１年前を思えば、自分の技術や手技療法に対する気持ちもずいぶん変化し新たなものになりつつある。
　人は変化する。そして環境も変化していき、人はその変化に自分の心を対応させながら生きていく。古いスーツやコートを脱ぎ棄てて、新しいスーツやコートを手にするように。それが必然なのだ。
　振り向いてはならない。今はこの歩みを止めてはならない。今ここにある暮らしを大切に感じながら、僕は歌い、そして、進む。