田中 賢

ライブ情報、日々の思い、音楽と日常などを記載していきたいと思います。

6月17日(土) HARUライブatかつおの遊び場無事終了!

2017年06月19日 | 音楽
 久々に1本のライブをすぎたくんと、そして聴きに来てくださったみなさんと造ることができて、とてもとてもうれしかったです!
 HARUとしての活動の時間があったからこそ、今も僕は歌を続けている、彼との出会い、いっしょに過ごした時間は僕にとってはあまりに大きいものです。そして、今お互いに音を出してみて、あれから、いろんなことを経て、僕も彼も変化してきたんだなあ、ここまで進んできたんだなあと感じました。
 昔よく歌ってた曲、懐かしいやら新鮮やら~!「朝が来るまでに」を久々にやってみようと神戸で練習した時彼に言ったら、どんな曲かも覚えてない感じでしたね~。この曲は、初めてピアノを弾きながら歌った曲として、当時の僕にとっては大きな一歩だったのです~。彼の存在感は当時からすごくて、僕も何とか自分の存在を感じたくて、HARUの活動を続ける中で、自然にいろんなことにチャレンジできたんだなあと思います。
 今もよく歌ってる曲、昔と少しずつ変わっているニュアンス、僕の声の出し方も少しは変わったらしい、ハモってる時は今のほうがしっくりきてる気がするなあ。「声がまるくなったねえ」と言ってくださった人がいましたね、良い意味で自分にとって自然な声の出し方ができてきたのかもしれないですね。その意味では、昔よりずいぶん楽に歌えるようになってます。
 そして、彼のライブの進行の流れに乗りながら、僕はすっかり自由な気持ちで、音楽や発言を楽しむことができた。すべてのことを考えなきゃならないソロの時とはずいぶん違うのです。昔も今も、HARUにおける僕の役どころは、ちょっとわがままな子どもみたいなミュージシャンでよいのかなあと思います。楽ですね!
 彼のフォークソングはすごくよかったなあ!やっぱり歌っていく人だなあと感じましたよ。そして、そんな刺激をとなりで受け止めながら、これからどんなふうに歌っていこうかなあと、いやいや考えることなくそのまま歌を作り続けていきたいなあと、尽きない思いが生まれ出て来るんですね。それにしてもシンプルなフォークソング!歌もギターもいいなあ、シンプルな歌、最高なのです!最近は僕もシンプルな歌が好き、「この雨の向こうにあなたがいる」をお返しに歌ったのでした~!僕はやっぱり歌を作っていく人だから。
 ライブを始める時には逃げ出したいくらいの緊張感がありました。いつもこんなふうです。気が小さいというかね~。そして、ライブを終えて、HARUの音楽を確かめることができた満足感と達成感が確かにここにありますね!
 そこにいてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました!いろんな事情のなか、集まってくださってありがとうございました!歌がそばにある生活、人とのつながりを大切にする生き方、これからも続けていきたいと思います。
 次回は7月1日(土)大阪京橋ショットバー・ソムリエにてウェアハウス、そしてたなかまさるは、8月6日(土)舞子こずみっく、8月26日(土)大阪道頓堀かつおの遊び場、と・・・、歌い続けます!

PART1
1.君の手を引いて
2.嘘は簡単
3.記憶のない世界で
4.When I am 64
5.Take it to the limit
6.未来の言葉で
7.朝が来るまでに
8.光の速さで

PART2
9.君のそばで息をしよう
10.きれい
11.すぎたくんソロ:フォークソング
12.田中賢ソロ:この雨の向こうにあなたがいる
13.翼はなくても
14.サボテン
15.夕焼け
16.情熱

アンコール
17.僕を救ってくれたのは

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6月11日(日) 京都朱雀中学校「朱雀フォーラム」にてHARU歌う!

2017年06月14日 | 音楽
 6月はHARUの月!4日の日曜日には久々にすぎたくんの神戸の家におじゃまして歌の練習。あれやこれやと話しながら、のんびりといろんな曲を合わせてみる。そして、この曲ライブでやろうか、これはやめとこうかみたいなかんじで。もう長い間こうして二人で演奏してきたのに、初めて彼とギターを合わせた時のことをふっと思い出す時がある。あの時と同じ感覚でギター弾いているなあと思える時がある。これはとてもうれしい感覚だ。
 そしてむかえた11日、朝は早起き、京都はやはり遠かった。阪急電車の西院の駅はなつかしかったな。何年ぶりだろうか。すぎたくんと出会った京都外国語大学の最寄り駅、思えばあの頃、電車に乗ろうとして、ホームと電車の間に落ちたことがあった。ホームが大きく蛇行していて、電車に乗る時に、間がとても広い場所があるのだ。そんなこと、分かってたはずなのに、落ちてしまったのだ。少し気分がうかれていたためか、ともかく僕は無傷で、自力で電車にもう一度乗り込んで、そのまま事なきを得たのだった。というようなことを思い起こしながら、中学校まですぎたくんと歩いた。懐かしい京都の道。
 9時過ぎからリハーサル、音響のSさんとは10年ぶりの再会!うれしい!10年前にはいろいろあった。歌うことをあきらめてしまいそうになってた頃、あー、今も歌えていることに感謝だ。
 本番は10時40分から。250名の生徒さん、その後ろには授業参観にやって来た保護者の方々、そして地域の人たち。まずは視覚障害についての講演会、とはいってもそんなに重たい話にはならない。
 何度かこんな企画をすぎたくんとやっているが、彼はずいぶん慣れた感じで進行してくれるのだ。お互いの自己紹介、白杖やら点字板やらの説明、携帯電話でメールを聞く時のやり方、手で触って分かる時計、小銭の触覚による見分け方、僕が実践しながら彼はてきぱきと説明してくれるのだ。生徒さんにいろいろふりつつ、なかなか盛り上がってきた。質問もいっぱい出ましたね~。いや~、すぎたくんに任せていれば間違いないなあ~、なぜだか少し頭痛のあった僕だったが、ずいぶんと落ち着くことができたのだった。前の日までの仕事やら合唱の練習やらが響いていたのか、あるいは単なる飲みすぎなのか・・・。
 後半は歌の時間。HARUをやってる時はたなかまさるのソロの時間とはずいぶん心持が違う。ソロの時はいろんなことを考えなきゃならない、つまりは、ちゃんとしなければいけない気がする。が、二人の時には、声や楽器で遊んでいていいような感覚になる。ありがたし!すっかり楽しんでしまいました!
「音楽を通じてともに生きる」っていうのが今日のテーマだったらしい。障害者と健常者がともに生きるってどういうことなんだろう、なかなかのテーマでしょ?でも、そんなことにはひとつも触れないまま、僕らはその場で楽しく話し、歌うことを満喫した。きっとそれで伝わっているんじゃないかなあと思う。
 やっぱりみなさんに感謝せずにはいられない。「田中さんにとって、歌って何ですか?」なんて中学生から問いかけられて、一瞬どきっとした。いつもそばにあるもの、僕をいろんなところに連れて行ってくれるもの、そんなふうに答えた。そして、今日もここに来られた、いろんな人たちに会えた、ありがとう!
 西院の駅の裏側に「これでもかっ」っていうラーメン屋があった。帰り道、二人で食べました、鳥チャーシュー麺、ぴりっとした味噌スープで、とてもうまかった~!
 というわけで、6月はHARUの月!17日(土)はいよいよ大阪道頓堀かつおの遊び場にて、久々のHARUのライブです!すでに満席です!ありがたし!がんばりまーす!

1.翼はなくても
2.君のそばで息をしよう
3.When I am 64(ビートルズ)
4.夕焼け
5.きれい
6.僕を救ってくれたのは

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5月14日(日)大阪谷町九丁目ワンドロップにて弾き語りを極めるライブ終了!

2017年05月18日 | 音楽
 何ていう大それたタイトルをつけてしまったんだろうか~、中学生の頃、歌を作り始め、二十歳の頃からデュオでライブを始め、30代からはソロライブを東京で始め、どんな時にもここまで歌ってきて、何となくそんな気分になったのだ。今となっては1回ずつのライブはとても貴重なもの、ずっとやってきた弾き語り、自分なりに極めてみたい。そんな年齢なのでしょうか?
 ピアノ、良い音だったな!やっぱりアップライトの生ピアノは弾いていて気持ちいい!どっしりと歌を支えてくれる。それに、、やはりMさんのこだわりのマイクのセッティングにて、どの音階を弾いてもクリアな音がマイクに乗っていく。さすがだな。生音にこだわっている音響さんなのだ!
 2年前のレコーディングに心が帰っていった。「あなたは僕のはじまり」を含めた10曲を三日間で録音した。「少年」を録音した時、Mさんは「これ、本当にあったことなんですか?」って尋ねてくれたっけ、あまりに真実に近い歌はなかなか歌いづらいものだ。これを作った当時はほんの数回しかライブで歌ったことはない。けれど、ずいぶん時を経て、今では心から歌っていきたい貴重な歌となっているのだ。
 ギターも久々にマイク取り、ライン取りよりも自然だから好きだ。
 集まってくださったみなさん、ありがたし!最初っからすっかり自然なかんじで、今回はいっぱい話してしまいました!やっぱり弾き語りだからねえ、語らなきゃ!近くのお風呂屋さんがつぶれた話とか、母親の入院時のエピソードとか、センテナリアンのこととか・・・。歌っては語る、これが弾き語りなのかも!
 なぜだか僕は歌いたい。表現したい。それが誰かに求められているのならなおさら幸せなことだ。歌いたい、歌を作りたいっていう気持ちがここにあるなら、そこから何かが始まり、進み、広がっていくんじゃないかなあと思える。僕にとって、そんな情熱が不可欠なんだと思う。
 生きているっていうことは、何かを感じるっていうことだ。何にも感じない人生、毎日なんてありえない。何かを感じれば、気持が動き出す、それは大きな生きていくエネルギーになる。情熱が先か、動くから情熱が生まれてくるのか・・・、鶏と卵みたいな話ですが、このバランスを意識的にか無意識なのか、僕はそんな循環を大切にしていると思う。
 センテナリアンの歌はずいぶん最近に作ったもの、とても緊張したけれど、新たな歌にはこれからもいっぱい挑戦していきたい!100歳になった時、どんな歌やってるのかなあ?ちょっと楽しみなのだ。
 いろんなことを抱えながらも、聴きに来てくれたみなさんへ、ほんとに、ほんとに、ありがとうございました!みなさんがいてくださるから、僕もそこにいられるのです!感謝のほかには何もありません。
 弾き語りを極めるライブの旅はまだ始まったばかり、長い道程、まだまだ続いていきます。どうか応援よろしくお願いします!

PART1
1.君のそばで息をしよう
2.五月雨
3.毒蛇
4.少年
5.なみだがきらり
6.嘘は簡単
7.あなたは僕のはじまり
8.ひとつになって

PART2
9.僕は君の世界一になりたい
10.人っていう字を見てごらん
11.幸せの歌・センテナリアンに捧ぐ
12.サボテン
13.りんご
14.夕陽の中に座って僕は歌う
15.情熱
16.この雨の向こうにあなたがいる

アンコール
17.歩く


いよいよHARUライブ近づきました!

 たなかまさるとすぎたじゅんじが1990年に京都で結成したアコースティック・デュオ、久々に二人で歌います!

日時:2017年6月17日(土)
場所:大阪道頓堀、表現者バー「かつおの遊び場」
http://catooo.iinaa.net/
オープン:18時30分
スタート:19時00分
チャージ:2000円プラス1ドリンク
出演:HARU

かつおの遊び場
大阪市中央区宗右衛門町4-5
宗右衛門町センタービル2F

 ご予約お待ちしていまーす!

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2017年2月19日(日) 大阪泉州国際市民マラソン・幻の完走記

2017年05月10日 | マラソン
 突然てはありますが、もう3ヵ月も前のことだ。自分がフルマラソンを走ったなんてとうてい信じられない。あれからすっかり走ることから遠ざかり、このごろ体力や気力の衰えを感じ始め、また少しずつ走り出してはいるものの、やっぱりどうしても信じられないのだ。ともかく、その貴重な体験について書き残しておきたいと、ふと思ったのだ。

 なぜ走るのだろうか?スタート地点に何千二んという人たちが列を成して並んで走り出す瞬間を待っている。タイムの速い人順に前から並ぶので、僕はずいぶんと後ろの方だ。何だか気が楽。「がんばりましょうね!」って知らない男性が声をかけてくれた。もう何度もこの大会のフルを走っているとのこと、これを毎年やることが人生の一部なのだそうだ。へーっ、すごい!「達成感がいいですねえ!」って、ほんとうにテンションが高い。一方、僕はといえば、無事にこのスタート地点にいられることでまずはほっとしていた。

 となりにいてくれるのは伴走車のYさん、仕事で何度かお会いしたことがあり、わーわーずのメンバーであり、僕がとある駅で迷っていた時、偶然に彼女が声をかけてくださって無事目的地まで届けてくださったということもあり・・・、半年ほど前にどきどきしながら伴走を依頼した。
 なぜだかこのタイミングで大阪の南部、自分がもう15年も住むことになったこの土地を、自分の体で感じて走ってみたいと思ったのだ。そして、2度目のフルマラソン完走を目指すことにした。僕の目標はこの大会の制限時間である5時間以内に42.195キロを走ること、Yさんは、「仕事のほうがかなり忙しくて練習もそれほどできていないし、すごく不安はあるけれど、やってみましょうか」と承諾してくれた。実のところ、僕もかなり不安だった。フルを走った経験は1回だけ、しかも、その時のタイムは5時間6分、それに加えて、このマラソンコースは30キロを過ぎてからのモンスター・ブリッジ越えが名物になっている。かなりきついことは確かだった。

 それから、何度か長居公園や緑地公園での練習を行ったが、お互いの予定はなかなか合わず、年末年始は僕が風邪をひいたり、お風呂屋さんでケガをしてしまったり、ということもあり、それほど距離をこなせたわけではなかった。そんな時、「やっぱり一人では自信がないので、Zくんと二人で伴奏してもいい?例えばレースの半分あたりで交代というかんじで。」とYさん、ほんとうにまっすぐに考えてくださってるんだなあ、ありがたいなあ、それで彼女の気持ちが落ち着くのならそれでもいいなあって思って、そう答えた。

 レースの3週間ほど前だっただろうか、長居公園にて3人で練習した。とても寒い日だった。32キロほど走ったが、僕の銚子はなかなかよかった。逆にYさんやZさんは途中で失速してしまい、少し心配が残った。もっと長い距離を走り混めていないことについてYさんはとても不安そうだった。とてもストイックな方なのだ。それは知ってたんですが・・・。そして、僕のほうはといえば、ちょっと楽観的だった。仕事やらなんやら、忙しさに頭がぼんやりしていたのかもしれない。

 そんなこんなで、当日をむかえ、8時過ぎには僕たち3人は会場に到着した。手荷物を預けるのは9時半からだからずいぶん余裕があった。これ以上ない良い天気だ。風もなく、暖かい。更衣室を探し歩き、ゆっくりトイレも済ませ、仲間たちも集まってきた。
 いくつかの問題もあった。手荷物をあずけておくために、ネームプレートを結びつけるのだが、これを違ったところにつけてしまい、あまりにむちゃくちゃにしっかり結んだのでほどけない~。そのうえ、僕のリュックはたくさんの荷物で膨らみ過ぎていて、手荷物を入れるビニールぶくろにはなかなか入らない・・・、雨のことも考えたりしてずいぶん余分なものを持って来ていたのだ、「まさるさん、荷物多すぎ~!」とYさん、そのとおりです~、苦闘の末、まあ何とかリュックはふくろにおさまった。

 といろんなことがありながら、やっとスタートラインに並んでいる。そして、思ったのだ。なぜ走るんだろうか?僕もそうだけど、こんなにたくさんの人たちが、なぜ、こんな思いまでして走るんだ?

 スタートの合図、ゆっくりゆっくり人波が動き出す。僕とYさんもゆっくりと走り出す。ほんとうのスタートラインまでは5分ほどかかっただろうか?鮮やかな木々の緑、空の青、ランナーたちのカラフルなウェア、濃密な5時間が始まったのだ。Zさんはそのまま30キロの伴走者交代地点へと移動して、僕の到着を待つこととなる。

 公園を出て、普通の街並みの中を走る。車道を堂々と走る。これは心地よい!わあ~、いいかんじです~!車道の真ん中あたりから見る街並みはいつも見ているそれとは大違いなのだ!日常とはまったく違う場所から物事を眺められる、これはマラソンの魅力のひとつかもしれない。1キロ6分15秒くらいで順調に走る。ゴールタイムを5時間とするなら6分40秒くらいでのんびり走ってもよいくらいだ。特にこのコースでは、30キロを過ぎたあたりにやってくるモンスター・ブリッジに備えて、力を残しておかなきゃならない。それでも、僕は心地よかった。このペースがちょうど体に合ってると感じたので、スピードを自然に維持しながら走る。「ちょっと速いかなあ・・・」とYさん、でも僕のスピードに合わせて走ってくれる。

 沿道からはたくさんの声援、祭りの太鼓の音、ちょっとしたツーリスト気分にもなりながら、10キロの給水ポイントに到着。落ち着いてスポーツドリンクを2杯いただく。そ

 こからはじっくり、こつこつ、距離を積み重ねていくような感覚で走り続けた。平坦でまっすぐな道路がひたすら続く。5キロごとくらいにある給水ポイントを目指しながら、30キロ過ぎからやってくる正念場をイメージしながら走り続ける。

 岸和田あたりでは大きなダンジリの祭りばやしに背中を押され、ゼッケン番号を呼んで声援をおくってくれるおじさんには力をもらい、「がんばれー!」「えらい~!」と褒められたりしながら走る。この季節にしては暑い気温と強い太陽の光も心地よい!

 疲れを自覚し始めたのは21キロあたりからだ。急に体全体のおもだるさが現れた。えーっ、まだハーフマラソンの距離じゃないか、それに30キロからがたいへんなコースだっていうのに、こんなところから疲れていたのではどうしようもない・・・、そのうちに足はずいぶんと重くなっていった。1キロあたりのラップも6分40秒くらいに落ちていく。それでもこのまま走り切ることができれば制限時間には十分間に合うとYさんとも話しながら走る。
26キロあたり、何とか前に進もうとする自分の気持ちとはうらはらに、どうしても力がでなくなってしまった。「いやあ、すごくきついんです~」とついに僕は言葉に出した。「このまま走り続けたら間に合うから」とYさん。「でもやっぱりきつい~」、そしたらストイックなYさんがこう言った。「きっと、気のせいですよ!」。そうだ、きっと気のせいなのだ。だからきっと大丈夫だ!「足がつってるんでもないんでしょう?ならだいじょうぶ、だいじょうぶ!」、そうだな、足が重たいくらいのことで、僕はほんとうに弱いのだ。何とか走り続ける。それにしてもYさんは疲れをまったく見せない。しっかりとこの日に向けて、体と心を整えてきてくれたのだなあと感謝した。

 しかし、僕の気力は長くはもたず・・・、27キロあたりで「ちょっと歩きます」と伝えた。こんなはずじゃないのになあ、なぜか気持ちがすっかり後ろ向きになってる。そして、なぜ走るんだろうかとまた思う。やれやれ、このままでは自分の弱さを知るためにわざわざ走りに来たようなものだ。それに、30キロ地点には絶対に辿り着かなきゃならない、Zさんが待っていてくれるからだ。せっかく12キロを走るために来てくれてるのに、ここではけして終われない。また走り出す。しばらく行ってまた歩く。

 30キロが近づいてきた。何とか走っている。このあたりはほんとにきつかった。暑さも体に沁みてきた。zさんは待っていてくれた。Yさん、ありがとうございました!何だか弱いところばかり見せてしまって申し訳なかったです~、でも、おかげさまで何とかここまで辿り着けた、感謝!

 Zさんは、この時の僕を見て、ほんとうに心配になったらしい。かなりきつそうだと一目で察した彼は、「ここからは残り時間を計算しながら完走を目指しましょう、歩きたい時は歩いてもいいと思います」と明るく言ってくれた。何とかここまで来たものの、確かにここからがこのコースの本番なのだ。ゴールのことなど、すっかりどうでもよくなっている、というか、考えられない。あとどれくらいの距離を走れるんだろうか、どこまで体と気持がもつのだろうかと思ってしまう。やはり自分はとことん弱いのだ。

 32キロ地点あたりでわーわーずの仲間、EさんとLさんがエイドを出してくれていた。僕はすっかり歩いていた。そこでいただいたコカコーラ、うまい!「いやー、もうきついです」と僕が言うと、「ここからが面白いところやのに~!」とEさん、明るい声がちょっとうれしい。確かに、ここからがうわさのモンスター・ブリッジ、ともかく、行ってみようかな!

 橋は限りなく空の向こうまで続いてるように見えた。まずはスカイブリッジ、そしてマリンブリッジ、その2本を渡り切ったら折り返して、またこの2本の橋を渡って帰って来る。気が遠くなる。橋っていうのは中央部を目指してゆるやかな坂を上り、ややフラット、そして今度は終わりに向かってゆるやかに下っていくのだ。それを4回も繰り返さなきゃならないのか~。やれやれ。青い海、関西国際空港、眩しい空、素敵な景色なのだろう、でも気持ちは奮い立たない。風は幸運にもほとんどない。風が強い時の橋の上を想像しただけで恐ろしい。つまりは今日はこれ以上ないコンディションなのだ。ともかく歩く。上り坂。

 スカイブリッジの上り坂の途中で、またもやわーわーずの仲間たちが応援に来てくれていた。やっぱり明るい声、そしてマラソンの苦しさと喜びをいっぱい知ってる人たちの声はうれしかった。周りのランナーの数も減り、すっかりさみしくなってきた。僕はずいぶん遅れてしまったらしい。いよいよ5キロごとくらいにある関門のタイムを意識しなければならないほどになってきた。やれやれ~、走りにやってきたのになあ、恥ずかしいなあ。そしてZさんは黙って僕に合わせて歩いてくれている。

 それは突然のことだった。自分の気持ちがそれまでの場所から違う次元にシフトしたのだ。何がそうさせたのかは今になっても分からない。ともかくやってみる、みたいな気持ちが突然やってきた。「Zさん、ここからいきます!走ります!」と声に出す。そして、上体を前傾させてストライドは小さくして、ほとんどすり足で、橋の坂道を上った。この走り方の感触はとても良くて、これならいけるかもと思えた。周囲に対する恥ずかしさやら、自分についてのネガティブな思いは心の片隅に追いやられ、ただ走る動作に没頭していく、ここまで追い込まれて、ようやく迷いを捨て去った精神状態に辿り着けたらしい。

 スカイブリッジを超え、マリンブリッジを超える、長かった、とても長かった。でも自分の中にぐーっと入り混んでいくかんじは悪い気分ではない。そして、ここまできたのだから最後まで行きたい、ゴールしたいと心から思えた。

 2本の橋を越えてから折り返し地点まではずいぶん長かった。が、僕はまだ走り続けることができてた。自分でも信じられないくらいの力が出てくる。折り返し地点、36キロあたりではほとんど最後のランナーだったかもしれない。そして、またあの2本の橋を渡るのだ。

 帰りのマリンブリッジの上り坂は少し歩いた。体力を温存したかった。「ここまできたら最後までいきましょう!」とZさんはとことんポジティブなのだ。ただ、39キロ地点の関門のタイムリミットが迫っている。それはスカイブリッジの途中にあるらしい。何とかそこに間に合わせたい。「ここですよ、ここで頑張らないと後悔しますよ!」とZさん、確かに「ここ」なのだ。ここぞという時に頑張れるかどうか、これは大きな分かれ道なのだ。マラソンにおいても、人生においても。わー、胸が痛い!では、どうすれば、ここぞという時に頑張れるんだろうか?と一瞬考えたが、考えている猶予はなかった。

 再び走り出す。周りのランナーさんたちと超えを掛け合ったりしながら、ともかく関門を目指す。そのうちに、「この先が最終の関門です~、あと5分です~」っていう人の声が聞こえてくる。スピードをやや上げる。そんなに劇的には速く走れないにしても、ともかく上げる。「あと2分です~!」、ここからはさらにペースを上げる!かなりの崖っぷちだ。関門が近づいてくる。カウントダウンが始まっている。間に合いたい!残りの力を振り絞る。周りのランナーも必死で走ってる。

 残り40秒というところで、僕は関門を通過できた。あー、これはほんとうにほっとした。そして、後ろでは関門の撤収作業が始まった。ここまで来てタイムオーバーでゴールを目指せないなんてつらいだろうな、と同時に、僕はほんとうにラストランナーすれすれを走っているのだと実感した。それも悪くない。それでいいのだ!

 何とか関門を通過して、みんなぐったり、呼吸を整えるために歩く。残り時間はあとわずか、3キロを走らなきゃならない。ゆっくり走り出す。もう大丈夫だろう、ようやくゴールできるぞという感触がやってきた。

 ところが、関門に間に合わせるために急激に体を動かしたせいで、足にかなりの負担がかかったらしい、大腿部の後ろ側のハムストリングス、そしてふくらはぎの腓腹筋の一部がピクピクと痙攣し始めた。ぽこっ、ぽこっていうふうに、粟粒みたいにそこここがピクピク動くのだ。その数はどんどん増えていった。今にも、その粟粒から筋肉がつり始めそうな感じ、足は悲鳴をあげている。もしも完全につってしまったらそれこそ走れなくなってしまう。なるべく足を底屈しないように注意しながら、筋肉と会話しながら、なだめながら走る。「その場で跳ぶようなイメージで走るといいよ!」とZさん、ナイスなアドバイス!確かに絡だ!

 あと2キロあたり、今度は左の肩の筋肉がいきなりつってしまった。何でこんなところが~、ロープを持っていたからか、もともと肩の銚子はそんなに良くないが・・・、ともかくこの痛みとも折り合いをつけながら走るほかない。
マラソンムードもほとんど終わってしまったかのような道をほとんどラストランナーの僕は体と会話しながら、それでもここまで来られたっていう喜びを抱きながら、ぴょんぴょんその場跳び走法で走る。

 ゴール前の道には、まだたくさんの人がいてくれた。いきなりにたくさんの人たちの声、騒めき、この道を走れていることが信じられない、ゴールに向けてのラスト・ラン!じーんとする瞬間だ。そして、ようやくのゴール!Zさんと二人で手を挙げてのゴールだ!

 タイムは5時間1分と少し、あー、ほんの少し間に合わなかったので、フィニッシュした人がもらえるタオルはもらえなかった。その代わりに、何もプリントされていない真っ白なタオルをいただいた。公式には完走とはならない、制限時間を超えてしまっている、これは幻の完走なのだ。でも不思議なほど悔しさはない。あー、ともかくここまで来られたことに感謝せずにはいられない。僕にとってはほんとうに価値のある幻の完走なのだ!

 Yさんは待っててくれた。「正直言って、ほんとに無理だと思った」と彼女は言った。そうそう、僕もそう思った。それでも最後まで走り続けられたのは、コンスタントにタイムを刻みながら走ることのできた前半の道程があったからこそだと思う。

 Yさん、Zさん、ほんとうにありがとうございました!いっしょにこの道を走ることができて、ほんとうにうれしいです!

 なぜ走るのだろうか?自分の弱さを実感するため?確かに自分の弱さをとことん痛感したレースとなった。それでも、何とかもがいてゴールできた、そんな達成感を得るため?そんなにきれいなものでもないなあ。どちらかといえば、ちょっと情けない。あのスカイブリッジの上でやってきた奇跡、心の変化、なぜあそこで走り出す気持ちになれたのだろうか?いっしょに走ってくれたYさんやZさんの想い、仲間たちの応援の力、日常生活で周りにいてくれる人たちの気持ち、自分にも少しはあるであろう意志の力・・・。なぞですね。でも、ここぞという時に今回はたまたま頑張れたのです、どこからともなく力が湧いてきたのです!それはとてもうれしいこと!

 いろんな人たちのおかげで、またひとつ冒険をすることができました。感謝です~!そして、こんなことほんとうにできるの?できたらすごいよねえ!っていう冒険心の誘惑に負けて、僕は苦しみを覚悟しながらも、また長い長い道を走っているのかもしれない。

 すっかり体力の衰えてしまった体で、長居公園をとぼとぼと、またわーわーずの皆さんととともに走り始めている僕なのです。


●アコースティックサウンドを心から大切にしてくれるワンドロップでのライブがついに決定!
 ワンドロップのオープン11周年記念ライブのひとつ、アップライトピアノで、生ギターで、たなかまさるの弾き語りを体感してください!

「弾き語りを極めるライブ」

日時:2017年5月14日(日)
場所:谷町九丁目ライブバー・ワンドロップ
オープン:15時30分
スタート:16時00分
出演:たなかまさる
料金:2000円+1ドリンク

ライブバー・ワンドロップ
http://onedrop.music.coocan.jp/home.html

地下鉄谷町線、千日前線「谷町九丁目駅」の4番出口の途中、地下一階の飲食店街の奥。
※地上に出ないでくださいね。地下一階です!!

〒542-0012  大阪市中央区谷町9-3-11東谷町ビルB1
06-6764-5641

 まだ間に合います!ご予約お待ちしていまーす!

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弾き語りを極める道はまだ始まったばかりPART2

2017年05月06日 | ライブ情報




 人の命について、ほんとうに深く考えるようになったのは10年前くらいからのこ
とだ。突然にこの世を去っていった大切な人たちがいたからだ。そして、まだ命ある
自分はいったい何をしてるんだろうか・・・、心の中がかなり混乱していた時期かも
しれない、そんな時にこの歌ができた。
 部屋でゆっくり雨の音を聞くのが好きだ。ふっと、この雨音の向こう側には、人生
半ばにして去っていったあの人がいるんじゃないかなあと思って、あっという間に詩
が完成してしまった。
 ほんとうに情けない自分がここにいる。どうしようもない自分だ。だからといって
、命がここにある限りは、歩いていかなければならない。
 いつか僕の命が尽きて、あちらの世界へ旅立つ時、もしもあなたに逢えるなら、僕
は僕なりには精一杯やりましたと胸を張れたらいいなあと思うのだ。
 同時に、この世界にいながらにして、もう逢えそうもない大切な人たちを思いなが
ら、今もこの歌を歌い続けている。


●アコースティックサウンドを心から大切にしてくれるワンドロップでのライブがつ
いに決定!
 ワンドロップのオープン11周年記念ライブのひとつ、アップライトピアノで、生
ギターで、たなかまさるの弾き語りを体感してください!

「弾き語りを極めるライブ」

日時:2017年5月14日(日)
場所:谷町九丁目ライブバー・ワンドロップ
オープン:15時30分
スタート:16時00分
出演:たなかまさる
料金:2000円+1ドリンク

ライブバー・ワンドロップ
http://onedrop.music.coocan.jp/home.html

地下鉄谷町線、千日前線「谷町九丁目駅」の4番出口の途中、地下一階の飲食店街の
奥。
※地上に出ないでくださいね。地下一階です!!

〒542-0012  大阪市中央区谷町9-3-11東谷町ビルB1
06-6764-5641

 ご予約お待ちしていまーす!


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