田中 賢

ライブ情報、日々の思い、音楽と日常などを記載していきたいと思います。

3月3日(火)卒業生のみんなに「むしけらマーチ」をおくる!

2020年03月08日 | 音楽
 なんというタイトルの歌だろうか!どうしてこんな歌がふと浮かんでしまったのだろうか!
 今年度の卒業生さんたちとは、彼らが入学した時からご縁がいっぱいあった。楽しいことも、苦しいこともあった。馬鹿な話もいっぱいしたし、真面目な話もいっぱいした。なかなか思うようにはいかず、そんな時の悔し涙も見てきた。卒業学年の担任ではないが、そんなみんなにぜひ歌をおくりたいと思って考えていた時、ふと「むしけらマーチ」の歌詞がうかんできたのだ。
 目に障がいを持ち、いろんな葛藤を抱えてこの学校に入学してきた人たち、自分のことがいやになり、自分って何てちっぽけな存在なんだろうかと考えたことも多々あっただろう。
 数年間という時間の中で、彼らはどんどん成長し、明るくなり、気持は柔らかくもなり、強くなり、大きな声も出るようになり、患者さんたちを癒やせるようになり、ほんとうにみんな変わっていった。すごいことだ!すごい努力だ!
 そしてそれはたった一人の力ではけして成しえなかったことなのだろうと僕は思う。クラスメイトやら教員やら、近くで支えてくれる人たちやら、もっと大切な人やら・・・、そんな人たちの力が作用して、みんな変わっていけたのだと思う。
 僕自身にも、自分なんて誰の役にもたてないちっぽけなむしけらみたいな存在なんだと考えていたころがあった。長い時間を経て、ほんの少しは、こんな自分ではあるが、小さなほこりを持てるようにも成れた。それはやはり、こんな自分の周りにいてくれる誰かさんたちのおかげなのである。
 そんな諸々の想いが歌になった。
 みんなにプレゼントするCDを録音しつつ、こんな曲にしたい、誰それみたいに歌いたいとイメージはすっかり膨らみ、でもなかなか理想どおりには歌えず苦労したが、自分なりの歌い方っていったい何なのか、そんな場所へ、たなかまさるの歌へと返っていくような作業であったと思う。これが今の自分の姿なんだろうなと思える音となった。
 今年は新型コロナウイルス感染の影響でこじんまりとした卒業式となった。感動的であった。この日をむかえられたことはほんとうにうれしい!
 式のあと、卒業学年の担任の先生たちの計らいで、ひとつの教室に卒業生さんたちが集まってくれた。ほんとうにありがたい気持ちで、僕はウクレレを弾きながら「むしけらマーチ」を歌った。
 ここからが旅のはじまり!宇宙的規模からすれば、僕たち一人ひとりはほんの小さな存在かもしれないが、大きなほこりを持って生きていきたい!大切な人たちのことをしっかり思いながら、感謝しながらこの人生を満喫したい!そんな思いで歌うことができた。手拍子の中、ほんとうにマジカルな時間であった。感謝の他には言葉が思いつかない。そして一人ずつにCDを手渡すことができた。
 みなさん、ほんとうにご卒業おめでとうございます!
 この歌はぜひたなかまさるのライブにて歌い続けていこうと思う。とても気に入ってます!ライブ再開の時まで待っててくださいね!お楽しみに!


●むしけらマーチ
作詞・作曲/たなかまさる

僕は臆病な虫けらだったんだろう
心閉ざしていらいらしてた
僕は臆病な虫けらだったんだろう
立ち上がれずにうじうじしてた

ちっぽけな虫けらが大嫌いだった
あの日君とめぐり会うまでは
ちっぽけな虫けらが大嫌いだった
眩しい君とめぐり会うまでは

やるせなさを力に変えて
この一歩を踏み出してみるよ
オレンジの風に吹かれて
君はまっすぐに僕を見て
大好きだよって言ってくれたから

僕は情けない虫けらだったんだろう
あきらめの涙はもう枯れはてた
僕は情けない虫けらだったんだろう
今をひたすらに生きてやろうと決めた

ちっぽけな虫けらがちょっと好きになった
君がとなりで笑ってくれるから
ちっぽけな虫けらがちょっと好きになった
夢を抱いて笑っているから

果てしない地平をめざして
この道を歩いていくよ
オレンジの風に吹かれて
君はまっすぐに僕を見て
大好きだよって言ってくれたから

やるせなさを力に変えて
この一歩を踏み出してみるよ
オレンジの風に吹かれて
君はまっすぐに僕を見て
大好きだよって言ってくれたから
大好きだよって言ってくれるから


*お知らせ:3月28日(土)たなかまさるワンマンライブは中止とします。新型コロナウイルス感染の影響を考えてのことです。またおもいっきりライブハウスにて歌える時を心より楽しみにしています!

2月28日(金)突然の今年度学校授業終了、「笑う人」を歌う

2020年03月07日 | 音楽
 新型コロナウイルスの感染拡大防止の目的で、学校はこの日で今年度の授業を終えることとなった。ほんとうに突然のことで、どたばたの1日となった。
 朝の時点でははっきりしたことはまだ分かっていなかったのだが、悪い予感があり、こんな時ではあるが、ともかくウクレレを持参して登校した。この季節の恒例となった、担任しているクラスのみんなに歌をおくるためだ。
 今年度は1年生の担任で、若者から僕と同年代の方々まで、何だか家族のようなクラスである。みなそれぞれにいろんな課題を抱えていて、一生懸命である。そして、よく笑う人たちである。
 笑うことは大切だ。笑うから楽しくなる。苦しい時でも笑っている。そうやって一歩ずつ前に進む。そんな気持ちを持っている人は強いのだ。
 というわけで、今年のクラスへの歌は「笑う人」という歌となった。ネット上に多くを書くことはできない。この歌ができたきっかけとか、この歌を歌う時に思い出すこととか・・・、ともかく、この歌を歌う時、このクラスのみんなの顔や声が浮かんでくる、これからもずっとそうなるだろう。
 昼過ぎになり、正式に学校の授業は今日で終了という発表があった。6時間目のあとに突然の最後のホームルームをすることとした。
 今後のことなど、まだまだ不透明ではあるが、連絡事項をつげて、では最後なので~、ということで、ウクレレを持ち、「笑う人」を歌った。最後の日には歌をおくることは前々から言ってあったからか、みんなじーっと聞いてくれた。教室中にやたら声が響く。普段は歌わない場所で歌うことが不思議に感じた。大きな拍手、ほっとする。
 いつもの年のようにCDをわたすことはできなかったが、この「笑う人」はとても貴重な歌となった。
 どんなことがあっても、障がいを持っていることからくる不便さやもどかしさがあっても、大きな気持ちで、笑って生きていきたい、そうあってほしい、野太く、自分らしく生きていこうよ!そんな気持ちがとどいていたらとてもうれしい。
 今年はこのクラスのみんなのおかげで、ほんとうに楽しい1年でした。ありがとう!
 
●笑う人
作詞・作曲/たなかまさる

転んでも転んでも
立ち上がる
傷口を押さえながら
笑う人

へこんでもへこんでも
歩き出す
思い通りにならなくても
笑う人

びゅんびゅん風が吹きつけても
よろよろ倒れそうでも
幸せはここにあるよと
笑う人

悩んでも悩んでも
お腹は減るよ
今日のごちそう頬張りながら
笑う人

踏まれても踏まれても
青空へ
まっすぐに伸びていけ
笑う人

びゅんびゅん風が吹きつけても
よろよろ倒れそうでも
幸せはここにあるよと
笑う人

びゅんびゅん風が吹きつけても
よろよろ倒れそうでも
幸せはここにあるよと
笑う人


*お知らせ:3月28日(土)たなかまさるワンマンライブは中止とします。新型コロナウイルス感染の影響を考えてのことです。またおもいっきりライブハウスにて歌える時を心より楽しみにしています!

2月7日(金)本町ハードロックカフェ大阪にてTHE WAREHOUSEライブ終了!

2020年02月14日 | 音楽
 アランスミシーバンドのボーカル樫本英之くんとの洋楽カバーユニット・THE WAREHOUSE、最近は、彼の熱い歌声とともに、僕もおもいきってピアノを弾くことができている。
 優しく弾くところ、ぐっと前に押し出すところ、彼のボーカルとまるで会話しているような感覚がある。
 そして、このユニットに欠かせないなと思うのが、ピアノのリズム感だ。音の粒々ひとつずつの大きさをしっかり指先や体でコントロールできれば、思い通りのリズム感が生まれてくると僕は思っている。今回はそんな表現にかなり近づけたと思う。
 ほんとうに心地よい!それは酔っぱらって心地よいとかというものではなくて、緊張感のような、ひとつのラインの上を歩いているような、それでいてとても自由な感じ、ちょっと集中力を欠けばめちゃめちゃになってしまいそうな不安を抱えつつ、それでも不思議と怖さは感じない、二人で大好きな歌を形にしていることがとても心地よいのだ。
 まさかハードロックカフェでピアノを弾くなんて思ってなかったし、樫本くんのような途轍もなく素晴らしい歌声の持ち主といっしょに大好きな曲を演奏できるなんて思ってもみなかった。ほんとうに不思議なことになっている。
 本番数日前にリハーサルのためスタジオに入った。お互いにあわただしい仕事のあと、それなのにひたすら楽しい時間となった。後半はライブに向けての練習はそっちのけで、こんな曲やりたいなあという気持ちにまかせて遊んでしまった。なかでもすっかり二人はまってしまったのがザ・バンドの曲たちだ。こんなふうなピアノ、ずいぶん昔に練習したことがあった。もう20年以上も前のことだ。リズム感があって、まるで旅をしているかのようなピアノ、それっていったいなんなの?と言われそうだが、ザ・バンドの曲って何だかそんなふうに聞こえる。でもその練習はどこにも反映されることもなく、すっかり忘れていたのだ。でも、今樫本くんとの出会いのおかげで、そんなピアノを思い出すことができた。
 思えばビリー・ジョエルもエルトン・ジョンも、いくらかっこいいと思ってみても僕にはどうしても歌えない。だから自分なりにピアノを弾いて、樫本くんのボーカルとともに、まるで自分も歌っているような気分になれるこのユニットはほんとうに僕にとっては貴重なのだ。
 夜の9時、1回目のステージに上がるまでは、体はとても怠くて、このところのハードな仕事の性もあってか、ひどい眠気に襲われていた。本気で大丈夫かなあと心配になったが、いざ本番が始まってみると、テンションはいきなりにぐっと高まった。気怠さのおかげか、緊張感に潰されることもなく、ひたすらピアノを弾くことができた。
 さらに2回目のステージは10時から。これもまたよい感じで盛り上がり、最後はアンコールまでいただいて、ピアノマンを味わいながら演奏できた。
 そこにいてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました!この夜だけのライブ、感謝です!
 そして、今度は京都のハードロックカフェにも行けそうな雰囲気になってきている。楽しみです!
 さて、ここからはしばらく仕事に専念しつつ、クラスの人たちへの歌の録音のことを考えてみようと思う。毎年の恒例行事である。今年もまたそんな季節がやってきたんだなあ。
 そして、3月28日(土)は、2020年たなかまさるのワンマンライブPART1、かつおの遊び場にて!新曲歌いたくてうずうずしております!

1月25日(土)兵庫県舞子こずみっくにて歌う!

2020年01月26日 | 音楽
 日常の生活から生まれてくる歌を歌い続けること、僕がずっとやってきたこと、これからもやっていきたいこと。シモムラソウシくんもきっとそうなんだろうなと感じる。この2マンライブ、思い出に残る貴重なものとなった。
 舞子こずみっくで歌う時、ここ数年はギターやウクレレを使ってばかりで、キーボードをすっかり弾いていなかった。シモムラくんは、どうしてもキーボードによる弾き語りが聞きたいと言ってくれていたので、まったくありがたきリクエストにちょっと応えてみたのだ。
 僕は先の出番で、しっとりめの選曲、後半にはシモムラくんが控えているので、間違いなくいっぱい盛り上げてくれるはず、そんなコントラストもよいなと考えつつ歌った。最近のたなかまさるの傾向、1曲ずつの間の語りもすっかり長くなった。ただ歌うだけではなくて、今その曲をどんな思いで歌いたいのか、そんなに大真面目には語らないが、今の自分のスタンスをしっかり伝えていくことはやっぱりその日のほかにはないライブには重要なんだと思う。
 「もやもやしてる」はいつもはウクレレで歌っているのだが、今回はちょっと冒険してみようかとキーボードでアレンジして歌った。陽気なかんじになり、手拍子をいただいてすっかりのりのりだった。父親の近況も語りつつ、かなりひやっとした出来事についてもみんなで笑ってもらえたので、これもまたありがたきこと!またたなかまさるのライブのおりには、ぜひ父について語っていきたい。もう欠かすことのできない出演者となっている。
 「少年」を歌うにはやっぱりキーボードが必要だ。ギターではどうしてもうまく歌えない。なぜだかは分からない。ギターやウクレレで作る歌よりも、キーボードで作る曲のほうが生々しいかんじがするとシモムラくんは言っていた。確かに歌詞は直球勝負っていうのが多い。ちょっとてれくさいところもあるけれど、まっすぐな自分の表現を自然にまかせてやってみよう、そんな気持ちで歌った。
 20代のころ、音楽の道という夢を取るか、真っ当な生活に身をふるか、真剣に悩んでいた時期にできた歌「飛び立て」も久々に歌ってみた。懐かしい。あのころからすれば、今は仕事と歌の両方を取ってるかんじで、何とも不思議なことになっている。あのころのたなかまさるが今の僕を見たら、何て中途半端なことやってるのかと言うかもしれないが、今のたなかまさるはけっこう満足している。音楽だけに溺れていてはけして味わえなかった経験がいっぱい、そこからできた歌もいっぱいある。これが僕に与えられた道なのかなと50歳を前にしてふと思う。
 シモムラくんが僕の歌を初めて聞いた時のことを話してくれた。京都のモダンタイムスでたまたま共演したのは2013年のことだった。「情熱」や「嘘は簡単」がとても印象に残ったとのことだった。久々に舞子でこの2曲も歌うことができた。うれしい!
 最後の歌「笑う人」はマイクを通さず、ウクレレで歌った。心が解放され心地よし!
 シモムラソウシくんのステージはいつものごとく酔っぱらいながらのもの、これがまた良い!彼のまっすぐなメッセージが会場を包んでいく。この感覚がとても好きだ。
 2曲ほどハーモニカで彼の曲に参加できた。あー、僕ももうすっかり酔っていたので、ひたすら気持ちよかったな。
 そこにいてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました!遠くから足を運んでくださった方々にもほんとうに感謝です!ちょっと少人数のライブになりましたが、そのぶん、とっても濃密な時間でしたね~!
 今度舞子に行けるのは春あたりかなあ~。楽しみです!

1.君のそばで息をしよう
2.あなたは僕のはじまり
3.毒蛇
4.少年
5.もやもやしてる
6.飛び立て
7.嘘は簡単
8.情熱
9.この雨の向こうにあなたがいる
10.笑う人

共演:シモムラソウシ

1月23日(木)京都梅津中学校にてHARU歌う

2020年01月24日 | 音楽
 中学1年生130名さんが体育館の床に三角座りしてくれていて、僕とすぎたくんはステージに立った。暖冬とはいえかなり冷える。それでもみんな僕らの話を明るく聞いてくれた。視覚障害について生徒さんたちの素朴な疑問に答えつつ、歌は4曲、楽しい時間となった。
 僕が歌うことに目覚めたのは中学校2年のころだ。いろんなことに挑戦して、けっきょくそのころから続いていることといえば歌くらいのものだが、僕は歌うこと、特に歌を作ることに出会えたことをほんとうにありがたく思っている。これがなかったら、とても控えめで不器用な自分が、いろんな場所へ行くこともなかったし、たくさんの出会いに恵まれることもなかったのではないかと思う。
 視覚障害について語る以前に、今回中学1年生のみんなに伝えたかったこと、それは、たった一つでよいから、大好きなこと、これをずっと続けていきたいと思えることをみつけられたら、それはほんとうに幸運なことだし、ぜひそれをみつけてほしいということだった。それがたとえ仕事に結びつかないとしても、やりたいということが一つでもあれば、人生は限りなく豊になりえるからだ。いろんなことにチャレンジしてほしい、そして何かをみつけてほしいという願いをこめて、話して歌った。
 大学に入った時、どうしてもいろんな人たちの中で音楽がやりたくて、勇気を出してアメリカンフォークソングクラブの見学に行った。そこですぎたくんと出会った。ほんの少しの勇気、それは音楽をやりたいという意志があったから生まれてきたと思う。そして今もこうしていっしょに歌えていることに、心から感謝である。
 生徒さんたちも先生たちも、ほんとうに明るくて、特に、音楽の先生といっしょに歌えた「翼はなくても」は思い出に残った。うまくいったし、何よりもむちゃくちゃ盛り上がった。こういうの、いいな!目が見えづらくても、見えている人たちと同じ土俵に乗って遊ぶことができる。これこそ少年のころの僕が求めていたことだ。同じ遊びができなくて仲間はずれになってたころ、そんな時からすれば、嘘みたいな幸せがここにある。
 仕事を毎日続けることはたいへんなこと、認知症の父とどたばた過ごす時間もたいへん、人間関係も恋愛も、いろんなことが起こる。それでもやっぱり歌を作り歌うことで、僕は救われていると思う。同時に、抱えきれないほどの人生そのものが、歌を作り歌うことを支えてくれているとも思う。人生の諸々がなければ、歌を作ろうという気にもなれないだろう。だから、最終的にはすべてに感謝できるようになった。
 ともあれ、ほんとうに楽しい一時を過ごすことができて、夜もすっかり飲み過ぎてしまったのだ。
 そこにいてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました!
 明日は兵庫県舞子にてシモムラソウシくんとの2マンライブだ。今回はキーボード中心のステージにすべく、ひさびさに準備した。どうなるやら。

1.君のそばで息をしよう
2.翼はなくても
3.サボテン
4.僕を救ってくれたのは