田中 賢

ライブ情報、日々の思い、音楽と日常などを記載していきたいと思います。

10月12日田中賢ライブ~2曲目:僕の前では~

2014年10月15日 | 音楽
 久々に歌ってみた曲ですね。

 いつも誰かの心支えるために
 きれいな笑顔うかべて
 涙隠しているね・・・

 20歳の時、大学生だった頃に作った歌。正統派のラブ・ソングのバラード。
 昔っから僕は優しいバラードを歌いたかったんだと思います。でも、当時の僕の歌い方は今よりもずーっとあらっぽかった、あらっぽくしか歌えなかったんです。だから、「僕の前ではけして、無理しないでもいいよ」なんていう優しいバラードができても、自分で歌うなんていう勇気はまったく持てなかったんです。
 僕が自分で歌えたのは、まあ男っぽいフォークみたいな感じの歌だったし、僕のとなりには素晴らしいボーカリストのパートナー・すぎたくんがいました。小田和正さんみたいなボーカルは僕からすれば人間離れしていて、バラード系は彼が歌ってくれればいいかなあなんて思ってました。
 HARU(当時は振替休日)を結成してまだ間もない頃、京都のライブハウスに出演すべく、二人のレパートリーを少しずつ増やしているところでした。僕はたくさんの曲を作っては、相棒のすぎたくんに聴かせ彼もまたオリジナル曲を時々持ってきましたね。二人で吟味して選曲してアレンジを考えて、とりあえず完成させる、みたいなことを繰り返してました。それは楽しい時間でしたよ。
 ギターで想いのままにできてしまった「僕の前では。まず思ったのは、やっぱり自分の気持ちなんだから自分で歌ってみたい、でした。当然かもしれないですね。
 ところがいざ歌ってみると、これがほんとうにうまく歌えないわけです。僕の声はやっぱりバラードにはむかないって感じて、ずいぶん練習したけれど、やっぱりこれはすぎたくんに歌ってもらおうと決めました。
 彼はこの曲をすっかり気に入ってくれて、僕はギターではなく、ピアノで練習を重ねて、振替休日として初めてのライブの時に、おもいきってやってみたんです。
 ピアノは子供のころにクラシックを習っていただけで、ライブで使ったのはおそらくこの曲が初めてだったし、あとはぜんぶギターを弾いてました。イントロで間違えてしまい、やり直した記憶は鮮明です。彼のボーカルは最高だったな。僕のイメージをはるかに超えて、素晴らしい曲になったなあと感激しました。
 あれからずいぶん時は流れて、僕も一人で歌うことが多くなっています。昔の歌も歌ってみたいと思うことも増えました。で、自分では歌っていなかった曲も取り上げたりしてみたくなったんです。やっぱり感性がピュアっていうか、今こんな歌は絶対に作ることはできないと思うんですよ。
 昔よりは優しく歌えるようにもなってきたからか、この「僕の前では」をなんとなく練習してみて、うんうん、ちょっとやってみようかなという気になり、かつおさんで歌うことにしました。おそらく今回が2回目だと思います。すぎたくんみたいにはいかなくても、まあ今の自分なりに歌ってみて、すごく気持ちが優しくなる歌だなあと、楽しみつつ歌っている1曲なのです。

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