
ロンドンへは何度か行きましたが、なぜかこれまでロンドン塔には縁がありませんでした。夏目漱石の短編「倫敦塔」でも有名なこの「人の血、人の肉、人の罪が結晶する」ロンドン塔に今回初めて足を踏み入れました。
今は血に黒ずんだ色を霧の都に茫々と浮かべているこのテムズ河畔の古い城塔には、志を得ずして苔寒き石壁に消えた人々の無念の想いが、陰黒き亡霊の数々となって淀んでおりました。それもそのはず、ロンドン塔の13の古い塔と城壁と土は、数え切れぬ囚人の血をすすり、涙に湿ってきたからなのです。それら数知れぬ囚われ人たちの多くは、身分高き王族であり王の寵愛を一身に受けた美わしの人であり、或いはまた優れた側近の学者であり宰相であったがゆえに、囚われの身に流した悔し涙や憤りの情はひとしお熱かったのでした。
いにしえの大英帝国の象徴として塔内に住むカラスは、囚われ人たちの代わりなのだとでも言いたげに、今はその羽を半分切断され、夏には似合わぬ淋しげな目を観光客に向けておりました・・・・・・・。
気配り、心配りな配慮が画面からよくでています。編集は、写真説明の字の出し方が面白い。まるで、パズルのようである。裏からの出現もある。バックのミュージックも素晴らしい。バッキンガム宮殿の衛兵行進がリアルである。ベルナーオーバーランドの山並みは山岳写真家の岩橋崇至さん並みの写真。なんといっても、ルッツェルン湖の写真がとてもいい。
カペル橋などは、「あぁ行ってみたいところ」とじっと見入る。夕暮れと朝焼けの比較対照がいいですね。
雨上がりのインターラーケンに掛かる虹も上手く撮れている。雲一つないパリの日の出もラッキーなシャッターチャンス。エッフェル塔の期間限定のイルミネーションがとても綺麗。素晴らしい写真を見せて頂き感謝します。