Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

千両役者

2006年02月24日 | イタリア
オリンピック史上初。アジア人がフィギアスケートの頂点に立ちました。

荒川静香さんの演技には、最初から凄いオーラが漂っていました。今回の歴史的快挙の勝因は、もちろん彼女の高い技術によるものであることは言うまでもありませんが、もうひとつ加えて「選曲」だったと思っております。徐々にクライマックスに向って和音が重なってゆく、あの歌劇「トゥーランドット」第三幕、「誰も寝てはならぬ」。滑り終わった瞬間に「金メダル」を直感させるほどのスケートと音楽との一体感でした。

割れるような拍手とスタンディングオベーション。イタリア人の歌劇への焦がれと、国民的英雄プッチーニへの誇りとを見事にくすぐったこの選曲ほど、トリノの戦いにふさわしい音楽はなかったのではないでしょうか。芸術的な表現力は村主さんの方が上だったかも知れません。あの情念がほとばしるような妖艶なスケートも素晴しかったのですが、ラフマニノフはイタリア人のカンターレ気質には合いません。

表彰台に掲った国旗にも感動しました。現在の州の数をあらわす50の星と、独立時の州の数を表わす13の赤白の条(すじ)の星条旗。“スラブ三原色”と呼ばれる白・青・赤の3色を横に三等分に配列したロシア旗。その二大国の国旗の間を更に上に昇る「日の丸」。24歳の荒川選手がちゃんと君が代を口ずさんでいたことが印象的でした。

日本選手の不振で30年ぶりのメダルゼロがささやかれた今回のトリノ・オリンピック。その最後に大きな大きな「世界一」を達成した荒川静香の名前はあのプッチーニの名曲の響きと共に永く人々の記憶に残ることでしょう。まさに「千両役者」。トゥーランドットの歌詞のとおり、「この夜明けに勝つのだ!」を実践した荒川選手に、「グラッツェ、SHIZUKA!」

春分の日、満開の桜の下で

2006年02月20日 | 日記

数日後に出撃を控えた坂本光太郎は不思議なラジオ放送を聴いた。なぜ自分が今、命を捨ててゆくのか悩む光太郎に、ついに特攻命令が下った。そして特攻前夜、ラジオは不思議な奇跡を起こすのだった。・・・・・以上、チラシ抜粋・・・・・

この奉納演劇は3月21日18時15分開場です。桜咲く靖国神社境内、遊就館前特設舞台にて小雨決行されます。

かの戦争を知る人も年々少なくなってゆきます。そんな中、2006年の春分の日・・・・翌日の旅立ちを前に慌ただしい日程ではありますが、咲き誇る桜の下で一献傾けながら、今は伊豆に暮らす最後の海軍飛行予備生徒を囲み、特攻にまつわるお芝居を観劇する舞台そのものが、靖国で会おう!との誓いを胸に先立った若者が用意したものに思えて、皆様にお声掛けさせていただくことといたしました。