オリンピック史上初。アジア人がフィギアスケートの頂点に立ちました。
荒川静香さんの演技には、最初から凄いオーラが漂っていました。今回の歴史的快挙の勝因は、もちろん彼女の高い技術によるものであることは言うまでもありませんが、もうひとつ加えて「選曲」だったと思っております。徐々にクライマックスに向って和音が重なってゆく、あの歌劇「トゥーランドット」第三幕、「誰も寝てはならぬ」。滑り終わった瞬間に「金メダル」を直感させるほどのスケートと音楽との一体感でした。
割れるような拍手とスタンディングオベーション。イタリア人の歌劇への焦がれと、国民的英雄プッチーニへの誇りとを見事にくすぐったこの選曲ほど、トリノの戦いにふさわしい音楽はなかったのではないでしょうか。芸術的な表現力は村主さんの方が上だったかも知れません。あの情念がほとばしるような妖艶なスケートも素晴しかったのですが、ラフマニノフはイタリア人のカンターレ気質には合いません。
表彰台に掲った国旗にも感動しました。現在の州の数をあらわす50の星と、独立時の州の数を表わす13の赤白の条(すじ)の星条旗。“スラブ三原色”と呼ばれる白・青・赤の3色を横に三等分に配列したロシア旗。その二大国の国旗の間を更に上に昇る「日の丸」。24歳の荒川選手がちゃんと君が代を口ずさんでいたことが印象的でした。
日本選手の不振で30年ぶりのメダルゼロがささやかれた今回のトリノ・オリンピック。その最後に大きな大きな「世界一」を達成した荒川静香の名前はあのプッチーニの名曲の響きと共に永く人々の記憶に残ることでしょう。まさに「千両役者」。トゥーランドットの歌詞のとおり、「この夜明けに勝つのだ!」を実践した荒川選手に、「グラッツェ、SHIZUKA!」
荒川静香さんの演技には、最初から凄いオーラが漂っていました。今回の歴史的快挙の勝因は、もちろん彼女の高い技術によるものであることは言うまでもありませんが、もうひとつ加えて「選曲」だったと思っております。徐々にクライマックスに向って和音が重なってゆく、あの歌劇「トゥーランドット」第三幕、「誰も寝てはならぬ」。滑り終わった瞬間に「金メダル」を直感させるほどのスケートと音楽との一体感でした。
割れるような拍手とスタンディングオベーション。イタリア人の歌劇への焦がれと、国民的英雄プッチーニへの誇りとを見事にくすぐったこの選曲ほど、トリノの戦いにふさわしい音楽はなかったのではないでしょうか。芸術的な表現力は村主さんの方が上だったかも知れません。あの情念がほとばしるような妖艶なスケートも素晴しかったのですが、ラフマニノフはイタリア人のカンターレ気質には合いません。
表彰台に掲った国旗にも感動しました。現在の州の数をあらわす50の星と、独立時の州の数を表わす13の赤白の条(すじ)の星条旗。“スラブ三原色”と呼ばれる白・青・赤の3色を横に三等分に配列したロシア旗。その二大国の国旗の間を更に上に昇る「日の丸」。24歳の荒川選手がちゃんと君が代を口ずさんでいたことが印象的でした。
日本選手の不振で30年ぶりのメダルゼロがささやかれた今回のトリノ・オリンピック。その最後に大きな大きな「世界一」を達成した荒川静香の名前はあのプッチーニの名曲の響きと共に永く人々の記憶に残ることでしょう。まさに「千両役者」。トゥーランドットの歌詞のとおり、「この夜明けに勝つのだ!」を実践した荒川選手に、「グラッツェ、SHIZUKA!」