Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

字幕は最高の日本語

2000年08月31日 | ギリシャ
美しいリンドスのビーチ

最近の若い人の使う日本語は大変に乱れていると言われておりますが、ことおしゃべりに限っては、昔よりは抑揚があって、その点は良いと事だと思います。英語やフランス語で映画のせりふや、大統領の演説や、ニュースキャスターのアナウンスなどを聞いていると、リズムに加えてメロディーがあって、意味は解らない割には結構その流れるような抑揚に魅せられます。やっぱり言葉は、声の強弱や音の高低で表現することでさらに劇的な効果を産むのでしょうね。

私はたまに映画も見ますが、あの字幕は凄いものだと思います。訳す人も凄いのでしょうが、甘い音楽や流暢な英語をバックに読む字幕は、日本語の一番美しい瞬間とさえ感じます。例えば、船の上のピアニストの場合、(原題は1900年の伝説ですが)

ある日、幾つめかの見知らぬ町を通りかかって高い丘を登った。
そして見たこともない美しいものを見た。海だ。初めて見た。
稲妻に打たれたかと思った。そして・・・声が。そう海の声だ。
海は大声で叫んでいた。大きな力強い声で。繰り返し、繰り返し叫んでいた。
人生は無限だ。無限だと。おれは決心した。「生き方を変えよう」と。


エンニオ・モリコーネの素晴らしいピアノ曲に乗ってこの台詞を字幕で読むと、ロードス島のアクロポリスの丘からリンドスのビーチを眺めている自分自身のための文章なのではないかと錯覚する程です。私が溜め息をついたリンドスビーチの写真を添付いたしました。

長いメールになってしまいました。この映画の主人公、T.D.レモン1900が言う次の台詞に免じてお許し願います。
「何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」


地中海からの帰国

2000年08月22日 | ギリシャ
サントリーニ島沖に停泊するO.V.

ギリシャを始めとする地中海沿岸の諸国は35度を越す暑さでした。日差しの強さは日本とは比較にならないほど強く、まさにジリジリとという感じなのですが、空気が乾燥しているため日陰は涼しく、日本ほどの蒸し暑さは感じません。

今回の旅は今年の6月に就航した新型客船「オリンピック・ヴォイジャー号」での地中海沿岸のクルーズです。この新造船は27ノットもの高速走行が売り物です。そのため僅か7泊8日という短さにもかかわらず、サントリーニ島~アレキサンドリア(カイロ)~アシュドット(エルサレム、ベツレヘム)~ロードス島~イスタンブール~エフェソス~ミコノス島を巡ることが可能となったのです。日本から数えると11日間の旅行でしたが、こんな短期間でギリシャ、エジプト、イスラエル、トルコの四ヶ国を巡ることが出来るのはクルーズをおいて他にありません。

たくさんの感動と思い出をお土産に昨夜無事帰国いたしました。特に私にとって初めての国、イスラエルは印象的でした。あの、オリーブの木しか育たないような荒野をキリストや12使徒が歩いたのかと、幾ら想像力を駆使してみてもそれは理解し難いことでした。