Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

消えた葡萄酒

2002年06月16日 | 雑学
ワインがどうして出来るのかって?それはぶどう汁の中の糖を酵母が食べてアルコールに変えるからなのです。10グラムの糖は醸造の結果、5グラムの酒になります。では、残り5グラムはどこへ行ったの???この消えた5グラムの研究に一生を掛けた男がいます。ラボアジェーです。試行錯誤の結果、残りの5グラムは消えたのではなく、炭酸ガスに変化していることを突き止めました。

「物質は消滅しない!変化するのだ!!」
「何もないところから、何も生まれない!!」


今では常識の「質量不変定理」はこうしてワイン発酵の原理の発見によってもたらされたのです。ラボアジェーの解明した物質不滅・質量不変の定理は経済哲学にまで影響を及ぼし、やがて複式簿記を生み出します。

土曜の昼下がり、まほろば小川店主と古賀守先生のワイン講座に出席してまいりました。東京農大化学科を卒業した古賀先生は10年間のドイツ留学の間、ワインの発酵を研究。やがて90歳になんなんとする先生は、今でもお元気に全国ドイツワイン教会連合会会長を勤められていらっしゃいます。

単にワインの醸造やアルコール酵母を講義するにとどまらず、ワイン文化が人類の文化のにどれほど大きな貢献したのかを熱く語って下さいました。


イングランドとイギリス

2002年06月11日 | 英国
こんな質問メールが飛び込みました。イングランドとイギリスは、どう違うの? どうやらイギリスの一部がイングランドと解釈したのですが・・・国旗が違うのよねえ・・・

以下の答えを送信しました。
イングランドはイギリスの一部で正解です。イギリスという国名はいわゆる通称で、正式には「グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国」。この国はグレートブリテン島の「イングランド」、「スコットランド」及び「ウェールズ」とアイルランド島の「北アイルランド」の4つで構成された連合王国です。

イギリスはさすがにサッカー発祥の地ということもあって、実はFIFAが設立されるずっと以前から英国には4つのサッカー協会が出来上がっていたのです。サッカー単独の世界選手権を開催する為に創設されたFIFAとしては、どうしても当時最強の英国に加盟してもらう必要があり、それで英国4協会を認めたのだそうです。今大会は「イングランド」のみの出場となりましので、英国=イングランドであるかのような紹介のされかたをしてますが、イコールではありません。

英国 > イングランドが正しいでしょうね。英国=イギリス=グレート・ブリテンの連合王国の国旗はご存知ユニオン・ジャックです。イングランド単体での国旗は白に赤い十字。ちなみに連合王国のユニオンジャックは四つの国それぞれの国旗を組み合わせてできています。

ロシア、音楽の旅

2002年06月10日 | ロシア
マリインスキー劇場、舞台上より観客席を望む

前回、ペテルブルク、マリインスキー劇場にてチャイコフスキーの名作「白鳥の湖」を観たのは1999年10月のことでした。微動だにしない白鳥たちと美しい木管楽器の響きに、「完璧!」と大感動したことを昨日のように思い出します。 時は巡り、この度「聖都ペテルブルク白夜祭とモスクワ音楽の旅8日間」の旅をしてまいりました。

音楽の旅と銘打つだけあって、その内容たるや何とも、ロシアが誇る二大劇場(ボリショイ&マリインスキー)に合計三回も入場するツアーでした。更に加えて、チャイコフスキー音楽院大ホールでのピアノコンサート、ニコライ宮殿での音楽晩餐会とまさしく音楽三昧の旅でした。

ショスタコーヴィッチ作曲のオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を指揮したのは、マキシム・ショスタコーヴィッチ氏。鳴り止まない拍手は彼の指揮棒と、そして20世紀を代表する偉大な作曲家である彼のお父さんとに贈られたものなのでしょう。

観劇が終了する夜11時になってもまだ明るさを失わない白夜の街、ペテルブルクは、来年5月27日の「開都300年」の記念行事をひかえ、歴史的建造物の工事が急ピッチで進められておりました。ひょっとするとその頃、ロシアの首都は再びペテルブルクに移転してしまうのではないかと思うほどの活気でした。