不滅のグレン・ミラー・オーケストラを聴いてきました。
グレン・ミラーはベニー・グッドマンと並んで“スイングの王様”と称されるジャズマン。彼ほど広く日本人に愛され、親しまれたミュージシャンはいないでしょう。青春時代に何度も聴いた懐かしい名曲の数々は、まさしく不滅のグレン・ミラー・サウンドでした。
グレン・ミラーは1937年に自らのオーケストラを結成。太平洋戦争の勃発で一時バンド活動を休止したものの、42年アイゼンハワーに認められ、エアー・フォース・バンドとして活動を再開。従軍慰安のために世界中を廻って演奏活動を続ける中、44年、パリへ向かう飛行機に乗ったまま、英仏海峡で還らぬ人となりました。
彼の死後、グレンミラーサウンドはレイ・マッキンレー、バディ・デ・フランコ、ピーナッツ・ハッコー、そして現在のラリー・オブライエンに引き継がれてきました。今回も、バンドの編成はトランペット4・トロンンボーン4+1(指揮者のラリー・オブライエン)・サックス5・ピアノ・ベース・ドラムスの17人で、これはグレン・ミラーの当時と全く同じ編成です。
コンサートの第一部は、「ムーンライト・セレナーデ」、「茶色の小瓶」など、誰でもが一度は耳にした珠玉のグレン・ミラー・サウンドのオンパレードです。そして第二部は季節柄ふんだんにクリスマスソングが盛り込まれておりました。男女それぞれのボーカリストの歌も素晴らしく、また、ムーンライト・セレネーダーズと名付けられた3人のバンドメンバーが加わっての混声コーラスのハーモニーも最高。ラリー・オブライエンによるトロンボーンのソロ「ダニー・ボーイ」にも酔いしれました。でも、何と言っても一番の感動はあのミラー・サウンドです。クラリネットがサックス・セクションをリードして行くあの独特のミラー・サウンドは、まさに「That's the sound!」・・・音響の良さも手伝って、オリジナルのグレン・ミラーを凌ぐのではないかと思うほどのご機嫌なサウンドでした。