Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

雪の降る町を・・・

2004年12月31日 | 日記
ふるさと、下田に来ています。昨日12月30日は素晴らしい晴天のドライブでした。
前の日の雪が大気中のほこりを洗い流してくれたのでしょう。あたかも花嫁のウェディング衣装のように、裾野まで真っ白にドレスを拡げて聳える富士の姿は、近年まれに見るほどの美しさでした。

ナナちゃんの件では皆様にご心配をいただきありがとうございました。下田にはもちろんナナちゃんも一緒です。無事に手術を終えたナナちゃんは、可愛そうに片目になってしまいましたがそれでも元気一杯に走り回っております。

いよいよ今日は大晦日ですね。皆様は2004年の終わりをいかがお過ごしでしょうか。東京地方では雪が降り始めたとか?! ♪雪の降る町を 思い出だけが♪通り過ぎてゆきます。

スマトラ地震での犠牲者の数が増え続けています。天災は一種の人口調整だという人がいます。2004年の終わりに積もる雪は、今年起ったたくさんの悲しみの鎮魂歌なのでしょうか?!2005年こそ平和な年であれとの願いを込めて、遠く伊豆の地より、この一年お世話になった皆様にご挨拶をさせていただきます。ありがとうございました。

2004年クリスマス、神がくれた贈り物

2004年12月25日 | 日記

★プロローグ★
ナナちゃんが我が家に来たのは去年の夏を過ぎた頃のことでした。ええ、ナナちゃんは可愛いシーズ犬で、当時メスの3歳でした。ワンちゃんや猫ちゃんはどうしてこんなに可愛いのでしょうか?きっと、人間と違って言葉を喋らないからでしょうね?!喜怒哀楽の表現も得意ではありません。嬉しさは、しっぽを振って体全体で表現します。年始には、初めての下田の海で遊ぶナナちゃんの写真を撮ったものでした。

★去年の12月★
ナナちゃんが家に来たその年の暮れ、12月の会社の定期健康診断のときです。「今回も眼圧が異常です。昨年も警告しましたが、専門医にかかりましたか?」僕はいつもの病院でこんな風に再度の警告を受けました。目は良く見えるし、痛くもかゆくもない。放っておいたのですが・・・遅ればせながら、眼科に行ったところ「眼圧を抑えないと緑内障の恐れがあります」と診断されました。緑内障とは、放っておくと失明の恐れもある深刻な病気なのだそうです。そんな時、落ち込みそうになる僕を励ましてくれたのがナナちゃんでした。

★今年の12月★
アテネのオリンピックが終わりました。歴史的な猛暑を記録した夏が終わりました。中越地震ではたくさんの人が不自由な生活を余儀無くされました。そしてまた、町中がイルミネーションに飾られる季節が巡ってきました。そう、12月は定期健康診断の季節なのです。お陰様で僕の眼圧は大分正常値に近づいているようです。

そんな中、ナナちゃんの様子が急変しました。目が変なのです。慌てた妻が急ぎ病院へ連れて行きました。何ということでしょう! 彼女は緑内障と診断されたのです。「見えない!」とも「痛い!!」とも言えない彼女は、じっとうずくまって、片方でも変わらぬ愛くるしい目で僕を見つめます。なんともせつない目です。いじらしくて涙が溢れます。だから、もう犬は飼いたくないと言ったのに・・・!

今日は本来なら楽しいはずのクリスマス。地元の病院では手に負えないから・・・と、中野の専門病院に行ってきました。「この子の右目は既に見えていません」「せめて、手術して、痛みを取ってあげることが我々の出来ることです」 医師の説明を受けるナナちゃんは震えていました。ナナちゃんはこの若さで独眼流ナナになります。

★エピローグ★
妻はもう泣き止みました。「ナナちゃんがパパの緑内障を引き受けてくれたんだ!!」 ものが言える、ものが見える、ものが聞こえる・・・こんなあたりまえのことが、どんなにありがたいことなのか、今日は、それを神様が改めて教えてくれたのです。2004年のクリスマスは僕たち夫婦には忘れられないクリスマスとなってしまいました。