言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

セミの話し②

2006年08月06日 | 四季
日本ではセミは夏の代名詞の一つですが、世界的に見ると日本はセミの繁殖地の北限近くにあたるそうです。
つまりヨーロッパの北部にはセミは育ちません。

イギリスやドイツ、北欧の人たちは、セミの声に慣れていないため、夏に日本を訪れるとセミの鳴き声が分からず、こんな風に言う人もいるそうです。

「あの木は大きな音を出しているようだが、何という木ですか?」

セミの存在を知らないと、木が音を出しているように聞こえるのでしょう。

日本のドラマが北欧に輸出される時も、夏のシーンではセミの音が消されるといいます。
単なるノイズに聞こえるからです。

アリとキリギリスの童話がありますね。
この童話の影響で、我々日本人は、アリといえば「働き者」、キリギリスといえば「怠け者」と連想します。
しかし、実はあの話しはもともと南欧で作られたもので、「アリとセミ」の話しだったそうです。
それが、セミに馴染みのないイギリスやドイツに伝わる時に、キリギリスに差し替えられたといいます。
そして変更された童話が、日本に伝わったというわけです。

もし原典の形でこの童話が輸入されていたら、日本人にとって「セミ」という言葉は「怠け者」を意味していたかもしれません。
言葉の持つイメージも、歴史のいたずらで変わってしまうものなのですね。

セミの声が大好きな私は、この音が怠け者の代名詞とならずによかったと胸をなでおろしながら、今日も炎天下、耳を傾けていたのでした。

http://blog.goo.ne.jp/syusakuhikaru/e/32fd444ac3e0d015967482dbdfe98018


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