言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

技能実習生と特定技能労働者

2021年04月30日 | 国際交流

高齢化が進み、労働力人口が減少する中、外国からの労働力の受け入れは日本にとって避けては通れない課題です。

どこかで聞いたことのある「技能実習生」という言葉。同じような響きを持つ「特定技能労働者」。

いずれも海外から日本にやってきた人が、日本で一定期間働くことを制度化したものですが、実は目的が全く異なります。

技能実習制度の目的は、日本への労働力受け入れではなく、むしろ技能を海外へ移転させる国際貢献のための制度です。

主に開発途上国の外国人を受け入れ、最長5年間の期限付きで、OJTを通じて技能を伝え、自国に帰ってその技能を活用して経済発展につなげてもらおう、という制度です。

平成5年に創設された古くからの制度で、今では全国に約33万人が在留しています。

あくまで国際協力という目的ですから、国内の人手不足を補うように安価な労働力の確保の手段として使われないように、とされていますが、実態はそうなってしまうケースが多いようです。

一方の「特定技能労働者」は、2019年からスタートした新しい在留資格制度で、日本での人手不足を補うために、特定の業種の技能を持った人に与えられる在留資格です。

もともと日本では、外国人の単純労働への就労は原則禁止されています。

ところが、1997年以降、日本の生産年齢人口(15-65歳)は減り続け、有効求人倍率は上がり、人手不足が深刻になっています。そんな中、介護業、宿泊業、建設業、農業、外食業など、14業種が「特定産業分野」と指定され、その業界においては、相当程度の知識や経験を持った外国人を労働者として雇うことが許される、という制度です。

特定技能試験は1号と2号がありますが、まだ始まったばかりの制度なので、現状は1号のみで、今後2号のテストが実施され合格者がその資格を取っていくことになります。またこれらは技能労働者からの移転も多いようです。

特定技能制度について~法務省ページ~はこちら

また、以前平成24年からスタートした「高度人材ポイント制度」という制度もあります。

こちらは、日本の産業界を支えてくれるような優秀な外国人人材を確保するために、ポイント制度を導入し、一定ポイントを獲得した外国人には、出入国在留管理上の優遇措置を講ずる制度です。

大きく学術研究、専門技術、経営管理の3つの分野でのポイント制度がありますが、こちらは「高度人材」という名の通り、かなり難易度の高い制度。大学卒業で10ポイント、博士号を取れば20ポイント、日本語能力試験N2合格で10ポイント、職歴3年以上で10ポイントなどと加算され、70ポイントを取ると高度人材と認められるというのです。

博士号をとってもまだまだ、とは。厳しい。

高度人材ポイント制度についてはこちら

外国人を労働力として受け入れようという仕組みは、次から次へと時代のニーズに合わせて整備されているようです。

コンビニでもレストランでもオフィスでも、外国人の率がどんどん高まっている背景には、こうした制度整備があったんですね。

留学生30万人計画の話はこちら→

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする