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アインシュタインの最後の言葉

2010年05月10日 | 歴史の話し
20世紀最大の物理学者といわれるアインシュタイン。
時間と空間の常識をくつがえした相対性理論などを打ちたて、一方で科学の戦争への利用に反対し、ラッセル=アインシュタイン宣言などで核兵器廃絶を訴えました。
科学と平和という人類の存続に関わる問題を提起をしたという意味でも、偉大な科学者でした。
人柄はユーモアたっぷり。一方で頑固な一面もあったようです。
「私は天才ではない。ただ人より一つのことに長く携わっただけだ」という言葉もアインシュタインらしいひとことです。

ところでアインシュタインは、ラッセル=アインシュタイン宣言に署名した七日後に、世を去っています。
腹部動脈瘤の破裂が原因で倒れ、1955年の4月18日に亡くなりました。
死の間際、彼はドイツ語で何かをつぶやいたと言います。
が、その場にいた看護師がドイツ語を解さなかったために、彼の最期の言葉を聞き取れなかったそうです。
後に、この看護師がインタビューを受けて、「何か呻いていましたが何と言ったのか分かりません」と答えています。

何とも残念な話です。
世紀の大科学者が、この世に残した最後の言葉。
それが聞き逃されてしまったとは…。
アインシュタインはドイツ生まれのユダヤ人。
ナチスの迫害を逃れるためにアメリカに亡命し、後半生をアメリカで送りました。
英語も解しましたが、母語はやはりドイツ語。
意識が朦朧とし始めた中では、母語が口をついて出てきたのでしょう。
見守る看護師がドイツ語を解するか否かなど、冷静に考える余力もなかったに違いありません。

生きるか死ぬかの瀬戸際で、思わぬ言葉の壁にぶち当たった、という逸話です。
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